アニメ版『シスター・プリンセス』における変化の予感

〜未来に向かう第21話〜



はじめに 〜問題の視点〜

 第20話において、ウェルカムハウスの共同生活は一つの頂点を迎えた。だが、この幸福な状態が、いつまでもそのままにあることはできない。航も妹達も日々成長し、あるいはやがてこの家から巣立っていくことになるだろう。このことは既に第7話で示唆されていたが、本考察で取り上げる第21話「アニキにme two\(∧0∧)/〜(はぁと)」は、この来るべき未来に対して既に自覚的に向き合う鈴凛の姿を通して、「いま」の意味を再び問い直すものである。そのさい、ヒロインである鈴凛はもちろん、その発明品、とりわけプロトロボ1号にも目が向けられることになるだろう。表面的には、鈴凛の協力者として活躍した四葉が注目されるところだが、主題そのものとの関連でいえば、アニメ版オリジナルキャラクターであるプロトロボ1号こそは、今回のもう一人の主役と呼んで差し支えない。


1.99%の努力

航 「燦緒へ。もう少しで今年も終わりだね。
   振り返ってみると色々あったけど、ぼくと妹達の7ヶ月は、まるでお祭りのように楽しかった。
   燦緒はあんまり家族のことを書いてくれないけど、君にも楽しいことがたくさんあったなら、嬉しいよ。」

 年の瀬だというのに「7ヶ月」とは、4月から数えても2ヶ月足りないのだが、これは計算の誤りではなく、6月相当の第8話あたりから妹達との共同生活に親しみ始めたという、航の正直な回顧を意味している。年越しの仕度に追われる頃合いのウェルカムハウスの兄妹も、朝は普段と変わらぬ食事の席に憩う。さすがに麻婆豆腐がけはやめたフレンチトーストに、花穂はハチミツをじょばじょばかけながら、「白雪ちゃんのフレンチトーストは、世界で一番おいしいんだー!」と満面の笑顔。白雪はお礼を言うものの、あんなにハチミツをかけられたらどう思うのか。あれが普通な食べ方だとしても、フレンチトーストの上にケチャップで配線図を描いている鈴凛の方は間違いなく問題だろう。食卓の会話にもうわの空で、今取り組んでいる発明に夢中なのだと航にも分かる。日頃の妹達の状態をよく理解し見守る兄だが、鈴凛が「はぁ、やっぱり基本動作のデータ収集かな…。」と呟きながら、花穂のフレンチトーストに無意識に手を伸ばすのを見て、慌てて注意の声をあげる。ようやく気づいた鈴凛が、涙ぐむ花穂に謝って一応の場は収まるが、ほっとする航の背後では、四葉が「兄チャマファイル0734、今日はゴマドレッシングを選んだデス。」とこっそりメモをつけていた。
 ところでこの「兄チャマファイル」だが、第2話の最後から続けてきたチェキの通し番号だとすると、春から約9ヶ月、これで734個では月平均80個程度とあまりにも少なすぎる。すると考えられるのは、例えば
(1)既にメモが数冊目(1冊あたりのファイル数は、例えば25個x40ページで1000個)
(2)途中でメモを紛失したので最初から数え直し
(3)途中のある時期からの分でしかない
などの可能性である。ここで、これまで四葉がこの手のメモにペンを走らせている場面がほとんど描かれていないことを踏まえれば、今までの積み重ねたデータを下敷きにしながらも、比較的最近になって特に熱心にファイル記述を行っていると予想できる。つまり、鈴凛の今回の発明に協力を依頼された時点から、「お任せチェキ!」とばかりに張り切ったのだろう。この依頼時期は、遡れば第18話(夜中の鈴凛はソフトウェア開発中と見なす)か、間際であれば第20話のクリスマス明けか、1ヶ月ばかりの幅がある。いずれにせよ、第12話で寝床が近く、第17話で一緒に買い物に出かけているように、鈴凛と四葉は仲が良く、今回の発明についても自然と相談することになったと思われる。

 鈴凛に話を戻せば、戸外では彼女の発明品の中でも最も親しまれているプロトロボ1号が、春歌の掃除の手伝いをしている。その後の場面でも鈴凛のデータ収集作業に従事しているが、片膝をついてカメラを構える姿や、多彩な表情の変化などは、これが無骨な外見に似合わずきわめて高度で繊細な機能を有していることを物語っている。(あの大きさや野暮ったさ、第3話で見せたローラーダッシュ能力などからは、『装甲騎兵ボトムズ』のATを思い出すが、別にウェルカムハウスのうどんは苦いわけではない。)そしてこの「プロト」ロボという名前は、今回鈴凛が取り組んでいる発明のための試作品であることを意味する。一連のプロトロボシリーズについては『潮見工房』「メカ鈴凛1〜6号」に詳しいが、これらはいずれも、プロトメカ1号とある部分共通の人工知能・制御系(潜航艇プロトロボ4号)を内臓していたり、プロトロボ1号にはない機能(プロトロボ2号の目覚し機能)を与えられたりしている。これらの成果を結集して今回の発明品に至るわけだが、その完成を前にして、鈴凛はなおも必要な情報収集に余念がない。
 可憐と背中合わせで位置につき、花穂の「よーい、スタート!」を合図にして床にローラーをかけていく航。その途中でふと台所を覗いてみると、鈴凛が調理中の白雪を相手にモーションキャプチャーしている最中だった。運動能力は衛というわけで走行中のデータを、繊細な動きは踊りの稽古をしている春歌から、と様々な動きの情報を集めていくが、亞里亞にも試みたはいいものの全く動かれずに「…動いても、いいのよ?」と困惑する。一体何を求めて亞里亞にお願いしたのか不明だが、何かのためにデータを集めるという当初の意図から離れ、このさい全員のデータをとってしまえ、と手段が目的化してしまったのかもしれない。ともかくその努力を続ける鈴凛の姿を眺めながら、航はその秘密の発明品が一体何なのか興味を抱く。ここで本人に直接聞くことはせずに、「あっちに訊いてみるか。」と戸口に向かい、「兄チャマファイル0735、鈴凛ちゃんの発明が、とっても気になっている様子デス…。」とメモに夢中の四葉にそれとなく尋ねたのは、妹達をよく知る兄の見事な成長ぶりを示すとともに、第4話で可憐が花穂から情報を引き出したさいの間接的手法を航もついに修得したのかと感慨深い。とはいえ航も、まさか簡単にネタが割れるとは思っていなかったのだろうが。

航 「四葉ちゃんは知ってる?」
四葉「鈴凛ちゃんとの秘密デス、メカ鈴凛ちゃんを作っていることは。」
航 「メカ鈴凛?」
四葉「どっ、どうしてそれを!? 兄チャマ、四葉の心を推理したデスね!?
   キャアアアッ! さっすが兄チャマ、四葉と兄チャマは、一心同体少女隊デス!」
航 「四葉ちゃんがしゃべったんだけど…。」

 少女隊とはまた古式ゆかしいが、このセンスも鈴凛と仲が良いことの表れか。結局答えを手に入れた航だったが、しかしそれ以上どうしようという気はない。まだ秘密のものを知りたがるのは鈴凛の邪魔になるという配慮もあるが、「メカ鈴凛」という語感から、プロトロボ1号やガルバンの延長上のごついロボットを想像して、詮索する気をなくしたとも考えられる。

 場面は変わり、3階の鈴凛のラボの前で四葉は周囲をチェキしつつ、合図のノックで中に入れてもらう。いよいよメカ鈴凛開発も最終段階にさしかかるが、ここで四葉が収集してきた兄チャマファイルを検討すると、各個の情報に相違や矛盾があり、どうもはっきりしない点がある。そこで二人は、不明点を解決するために一計を講じる。
 その頃、航は自室の大掃除にとりかかろうとしていた。まず机の上の本棚から手をつけようと、並んでいた数学Iの参考書を引き出すと、そのページの間から、桜の花びらが数枚こぼれ落ちた。その横の写真立てにはクリスマスの写真が飾られているが、全員が身を寄せ合うこの兄妹のあり方がこのように自然になるまでの過程、とりわけ「7ヶ月」に先立つ約2ヶ月の慌しさを、航はこの花びらを見て、今年を振り返るようにふと思い出す。だが、「あの時にはさまったのか。」と微笑むさいに脳裏に浮かぶのは、第1話にてこの島に連れ去られたトラックの荷台の中で見ていたはずの夢の光景。そこでがっくりと膝をつく高校浪人の自分の傍らで、あの黄色い麦藁帽子の少女がすっと消えた記憶。「いや、あれは…?」と自問する航は、このまま思いをめぐらせれば何事かに行き着いたかもしれなかったが、メールの受信音で気を逸らされた。「100問アンケート」という名のそれは、「あなたは1万人から選ばれたラッキーボーイです。アンケートに答えるだけで素敵なプレゼントが必ずもらえます。」という実にキャッチセール的な前文で始まる。苦笑しながらつい答えてしまうのが航の人の良さだが、画面と航の言葉から次のような質問が並んでいると分かる。
「質問1 朝起きるのが苦手だ 質問2 坂道は登るよりも下るのが好きだ 質問3 スープはコンソメより」
 質問3はその後「ポタージュが好きだ」と続くのだろうが(「澄ましスープ」と「濃いスープ」)、部屋の片付けを後まわしに回答に励んでしまう姿には共感できる。

航 「『質問99。過去より未来に行きたい。』 変な質問だな…。今が楽しいから"No"。
   『質問100。妹が資金援助をお願いしたら協力する。』 まあ"Yes"かな。」

 回答を終え、「資金援助」という言葉に引っかかりつつ片付けに戻る航だが、本を整理し終えたところで、もう回答への返信が届いてしまう。

文面「アンケートにご協力ありがとうございます。お知らせの通りプレゼントを差し上げます。
   そんなわけでアニキ、アタシの部屋に来てね。鈴凛より〜\(∧0∧)/(はぁと)」

 やっと航も送り主の正体に気づくのだが、ここで注意したいのは最終部の質問である。メカ鈴凛用のデータ確認のためにと「100問アンケート」の実施を決めた手前、質問を何とか100個作ろうとして最初は勢いがよかったが鈴凛も四葉も途中で挫け、後半は趣味が先立つ質問項目が増えたのだろう。こういう事情は、世間の様々な「100質問」でも途中息切れがままあるので別段大した事ではない。問題は、その余分な質問の中に、「過去より未来に行きたい」などという抽象的な項目があることだ。まさかメカ鈴凛に時間を越える機能があるわけではないから、これは項目を作った者、おそらく鈴凛が、兄に尋ねてみたかった問いであり、同時にそれは、彼女自身への問いであったのだろう。
 この問いかけに、質問者を知らない航は、過去と未来のどちらというよりは、かけがえのない「いま」を選ぶというつもりで"No"と答えた。とくに第7話を初めとする本作品についての一連の考察を通じて、共同生活における「いま」を航がいかに自覚し、これに専心してきたかは繰り返し指摘してきた。それゆえ、航がここでこのように答えるのは自然なことと思われる。しかし、これを受け取った鈴凛はどのように理解しただろうか。設問で「過去」と「未来」を並べたのは、ただこれらが対義語だからではない。鈴凛にとっての具体的な「過去」と「未来」の内容を、ここで考えてみる必要がある。
 まず、鈴凛にとっての「未来」とは何か。それは、やがて本話中でも述べられるように、彼女が自分の夢を叶えるために兄のそばから離れ、この共同生活に別れを告げる時を示す。航が未だ漠然としか捉えていない未来の自分は、鈴凛にとってはきわめて具体的に、かつ「いま」の共同生活の中に存在しないものとして描かれる。この「未来」に向かうためには、願ってやまなかった兄との生活を捨てねばならないうえに、相当の覚悟がいる。
 一方、「過去」とは何か。それは、この第21話以前という形式的な意味ではない。自分の「未来」をこのように意識する以前の、そしてこの共同生活という「いま」を求め始めて以後の、特定の時期を意味する。それは、兄の存在を知り、来るべき兄との生活に憧れ、夢を抱いて島にやって来て本当に兄に出会えた、ちょうどその頃を指し示す。それは、まだ別れの「未来」を自覚せずにいたという意味で純粋に幸福であったということでもあり、また、「兄に会える」という「未来」の共同生活への期待と予感に満ちた幸せな時期でもあった。
 つまり鈴凛にとって、ここでの「過去」と「未来」とは、「幸福な未来(つまり『いま』)を精一杯目指していた過去」と、「幸福な過去(つまり『いま』)を懸命に乗り越えて進む未来」との対決にほかならない。この両者に挟まれるようにしてあるのが彼女の限りある「いま」であり、共同生活の幸福はつねにそれとの別離の予感と表裏一体である。このような「いま」がいつから始まっていたかを振り返れば、それは第5話から既にメカ鈴凛を作り始めていることから、それ以前の時期だと判断できる。第7話の咲耶に比べてさえあまりに早い「いま」の自覚は、鈴凛に、だからこそ兄のためにできるだけのことを全てしてあげたい、そしてその努力を兄に喜んでほしい、という熱意に結びつく。第11話の潜航艇操縦席での一幕は、鈴凛が兄に喜んでもらえたことの証しであったし、また兄から資金援助をしてもらうことは、兄が自分の発明に快く協力してくれるという絆の証しであった。だとすれば、第3話の登校時に、廊下で兄から初めて資金援助をしてもらえたのは、彼女にとっては間違いもなくかけがえのない瞬間だった。さらに、プロトロボ1号の開発がなったこの時点で彼女が既に「いま」を自覚していたとすれば、あの場面でプロトロボ1号のローラーダッシュで逃げ去りながら
「愛してるよー!」と冗談めかして叫んだのは、資金援助に対するただの愛嬌ではなく、それに見せかけた鈴凛の想いの丈そのものなのだ。
 このような鈴凛の理解に対して、航の「未来」と「過去」は明らかにずれている。彼が捉えていた「未来」とは、第3話での「ここままだと3年後は…。」というぼやきや第7話で勉強に専念していた姿に示されるように、受験勉強に邁進していた彼の過去、この島での生活でもこの「7ヶ月」より前の態度とそのまま重なり合う。もちろんこれは、航が未だにそのような「未来」を望んでいるということではなく、この「未来」も「過去」も乗り越えるかたちで、かけがえのない「いま」を大切にしようとしている姿勢が、今回の回答にも表れている。そして、かつての「未来」像に代わる新たな像は、なお明確には形作られていない。

鈴凛
「過去」 第7話以前、受験勉強に専念 第3話以前、兄との生活への期待
「いま 共同生活の幸福 共同生活の幸福とその喪失の予感
「未来」 受験の延長上にあったが現在不明 夢の追求と共同生活からの離別


 両者の認識を表にまとめてみたが、とくに第3話から第7話までの間の両者のずれを顧みれば、航がもっと早く変わってくれなかったものかと無理な注文もしたくなる。さて、この第21話の鈴凛にとっては、不安を知らなかった幸せな「過去」にも戻りたいが、自分の夢のためにさらに「未来」へ前進したいという葛藤がここに見出せる。だが、航にとっては、何も知らなかった「過去」にも戻りたくないし、さりとて「過去」の再来であるような「未来」も願い下げということで、何の葛藤も存在しない。鈴凛が抱える問題の痛みは、あの黄色い麦藁帽子の少女の宿題を終えられず本当の過去にも未来にも目覚めていない兄には、ここでは全く伝わっていないのである。


2.アタシが噂のマシン妹

 メールに呼ばれて鈴凛の部屋を訪れると、プロトロボ1号が出迎え、クローゼット越しに勝手に開けた通路から隣のラボへ案内する。いつの間にこんな穴をと呆れる航が通路を覗き込むと、正面に垂直に据えつけられたカプセルの中に、鈴凛らしき姿が見えた。「鈴凛ちゃん、何やってるの?」と呼びかけた途端、陰から本物の鈴凛がひょいと現れた。

航 「鈴凛ちゃん、が…二人!?」

 心底驚きプロトロボ1号に抱きついた航を、これまた隠れていた四葉がすかさず「兄チャマファイル0736。プーちゃんとも仲良しデス!」とチェキ。この段取りを企んだ時の二人の様が目に浮かぶ。本当にそっくりだと見とれる航に、鈴凛は満足しつつ説明を始める。

鈴凛「アニキのお世話をさせようと思って作ったの。資金不足で、まだ完成には程遠いけどね。
   でも、これからどんどんすごくなって、私の代わりにアニキをフルサポートしちゃうからねっ。」

 しかし、「サポート」という言葉に航は引っかかる。冒頭でも妹達への気遣いをみせていたように、この共同生活の中で一応の成長を遂げてきたという自信がある。だが、料理や洗濯、掃除などの家事が未だに駄目で、忘れ物も多く朝起きるのも苦手と指摘され、「忘れ物探知機」や「目覚し機能」も搭載しているという説明には、全く反論の余地がない。これでは第4話で四葉に掃除の不首尾をチェキされて以来、何も変わっていないのではないか。

四葉「四葉の兄チャマ情報も、いっぱい役に立ってるデス。」
鈴凛「アニキの苦手なところを、このメカ鈴凛がサポートしてあげちゃうの。」
航 「アッハハハ、何だかぼくって、何もできない駄目人間みたい…ガクッ。」

 二人とは対照的にうなだれる兄をよそに、いよいよ「スイッチ、オン!」の掛け声とともにメカ鈴凛いよいよ始動。皆の注目の中ついにその眼が開き、大喜びの航に向かって、ゆっくりと歩き出す。だが、制御画面を見つめる鈴凛は、1分ももたずに既にオーバーヒートしている事実に動揺する。歩行音と歩行動作がかみ合わないあたりでもその兆候が示されているが、何も気づかない航はメカ鈴凛を迎え入れようと腕を広げ、その目前に到達した瞬間に背後のアンビリーカル(ではないが)ケーブルが切断し、こちらを見つめたまま崩れ落ちるメカ鈴凛を思わず航は「鈴凛ちゃん!」と抱きとめ、その意外な重さに耐えかねる。ショートのために家のブレーカーが落ち、全ての灯りが消え、山田が下宿で「61ch pLirテレビ」で放映の「年忘れガルバン大会スペシャル ミッチーその愛」を観ようとしていたテレビは勝手に故障した。何事かと集まる他の妹達に、四葉とプロトロボ1号が頭を下げるが、焼いていたお菓子を台無しにされた白雪の怒りはいかばかりだったろうか。なお、亞里亞が2階から覗き込んでいるところから、この配電盤が置かれているのは、玄関右にある倉庫の下の地下室と想像する。
 発明家の通例として、素晴らしいアイディアを実現しながら些細な箇所で誤りを犯すことがある。鈴凛も例えば第9話で、プロトロボ3号で流し素麺を楽しんだはいいものの、どうも水の流れが右からのため、素麺を箸で掬いにくくなっているように見える。だが今回のメカ鈴凛では、そのようなケアレスミス以前の困難な問題が山積しており、今後完全なものにするための試行錯誤は並大抵のものではないはずだ。それを分かっていながらも、鈴凛は、カプセルに横たわるメカ鈴凛のそばに身を寄せて、病床にある双子の妹を気遣うかのように顔を曇らせる。

鈴凛「ごめんね…。」
航 「大丈夫だよ、修理すれば。」
鈴凛「うん…でも、ごめんね…。すぐ直してあげるから…。」
航 「鈴凛ちゃん、ついでにメカ鈴凛ちゃん用のパーツも買おうよ。そしたら、もっと自由に動けるようになるよ。」
鈴凛「ほんと!? アニキ、ありがとう!」

 喜んだ鈴凛は航に飛びつき、先ほどのメカ鈴凛を支えたダメージが残る兄はあっけなく倒れこむ。それを見た四葉は「兄チャマファイル0737、足腰を鍛える必要ありデス、っと。」とチェキするが、その冷静さには目の前で兄に抱きつかれたことへの嫉妬もごくわずかに込められていたか。航の運転する機関車で4丁目中華街の電気屋まで出かけ、じいやではない店主の挨拶を受けて帰路につく。お礼を言う鈴凛に、いつも自分のためにしてくれているお返しだと航が応えると、鈴凛は「それじゃあ、もう少しアニキに資金援助お願いしても、いいのかな?」と突っ込み、いつもの元気に戻っていた。ブレーカーはすぐに直り、足取り軽く再びラボに向かう鈴凛の後姿を見ながら、航は「ぼくをサポートするロボットか…。」と沈思する。今の鈴凛にしてあげられること、そして、サポートを必要と思われるような自分が今後すべきこと。
 夕食の席でも鈴凛は、ステーキソースで皿に回路図を描きながら、ようやく見いだした解決法に歓声を上げてラボへ急ぎ、四葉もまた慌てて後を追う。苦笑する妹達の間で、航も(本当に夢中なんだな。)と微笑みながら、当面自分がすべき振る舞いを決める。真夜中の12時にまだ灯りが漏れるラボを覗くと、四葉が傍らで寝息を立てている一方で、鈴凛は今なおメカ鈴凛の改良に取り組んでいた。四葉に毛布をかけてやりながら、航は何か手伝わせてくれないかと頼み、鈴凛は「さっすがアニキ!」と大喜びで迎え入れる。だが航は、自分がしてあげられることをしながら、同時に自分自身の決意を鈴凛に伝えようともしていた。妹のサポートをあまりにも必要とする「いま」から、少しずつでも自立していこうというその心構えは申し分ないものの、鈴凛にとってどのように受け止められるのか。それは、メカ鈴凛を完成させたい一方で、その完成時点で共同生活との別れが待っているという、鈴凛自身の葛藤とすれ違いながら重なり合う。

鈴凛「今度は絶対うまくいくから、アニキをフルサポートするからね!」
航 「ありがとう。…でも本当はね、メカ鈴凛に頼らなくなるのがいいと思う。少しずつでも。」
鈴凛「アニキ。…そうしたら私、アニキにしてあげられること、どんどんなくなっちゃうね。
   …でも、その時はまた、アニキが喜ぶもの考えて作るからね。」
航 「そのときは、よろしく。」
鈴凛「うんっ。…だけど、この子が完成したら、私は、…あ、あのアニキ、あそこにある基盤取ってくれる?」

 話を逸らすように兄に頼んだものの、基盤を手にした航が見る鈴凛の後姿は、何かを必死にこらえ、兄と向き合うことを恐れているかのようだった。航も違和感を覚えはするが、ここではそれ以上踏み込めはしない。こうして兄と四葉の手伝いの甲斐あって、翌日には「ジャンジャカジャカジャカジャーン!」とこれまた古風な掛け声とともに、妹達全員の前にメカ鈴凛のお披露目がなった。さすがに驚く一同に、メカ鈴凛はその能力のほどを見せつける、はずだったが、はたきがけでは花瓶を落としかけ「センサーに改善の予知あり」、洗濯物干しではタオルを引き裂いてしまい「パワーの制御もまだまだ」、料理ではおたまを口元に寄せてはみたものの「味見は無理」と、まだまだ改良すべき点が頻出してしまう。頬を赤らめて「…ぽ。」という仕草は完璧にこなすが、それでごまかして済むものでもない。
 妹達の反応はといえば、千影はメカ鈴凛の顔をつついて硬質の音を響かせながら(表情の変化は難しそうだ)、非常な関心を寄せている。様子を伺う航にも、「私も兄くんの分身を、作ってあげようか…。」と微笑むが、もちろんこれはドッペルゲンガー(第5話参照)ではなくホムンクルスなどの生命体の創造を指すのだろう。しかし後で「物に魂を与える錬金術は、とても難しいからね…。」と千影自身が言う通り容易なことではない。また、階段にさしかかった航は、そこに座って目を閉じている咲耶に出くわし、呼びかけても返事をせず機械的に立ち上がるその姿を見て、「え、メカ咲耶ちゃん!? 鈴凛ちゃん。いつのまに…?」と仰天する。そのままおもむろに航に抱きついて、「オニイサマ。」と抑揚なく呟く咲耶は、当然のことながら兄をからかう本人である。思わず怒る兄に咲耶は悪びれもせず「私が二人いたら、嫉妬しちゃうな。お兄様、そのときは本物の私を選んでくれるわよね?」とウィンク。相変わらずの態度ではあるが、ここには鈴凛も陥る問題が示されている。兄のそばに自分の似姿を置いておけば、自分自身の欲求は本当に満たされるのか。それでも鈴凛はメカ鈴凛を役立てようと、航が不要な本をまとめて出すのを手伝わせるが、両手に掴んで持ち上げた途端にまたもオーバーヒートしてしまう。メカ鈴凛の帽子を被って「メカ雛子なのー!」「メカミカエルー!」とはしゃぐ雛子をよそに、兄妹達は、鈴凛の努力が報われないことに心を痛めていた。これに航がどう対応しようとするかは、咲耶にからかわれる直前に、「鈴凛ちゃんはすごいよなー、ぼくのためにあんなロボットを作ってくれて。ぼくのため、か…。」と独白しつつ、目を上げて一つの意志を持とうとする姿に既に暗示されている。


3.私はロボット

 その日中も、鈴凛はラボに籠もって改良に勤しむ。「この子が完成したら…。」という言葉に、プロトロボ1号は気遣わしげな表情で鈴凛を見やる。この感情回路にせよ、この家の床や階段で支えられる程度に収められた重量にせよ、それ一つをとっても彼女の発明の水準が推し量れそうだが、「ロボットのパーツ」を「中華街」に買いに行ったという時点で、プロトロボ1号やメカ鈴凛の計り知れなさは既に間接的に証明済みとも言える。だがロボット技術に全く疎い論者にはそれ以前に、このプロトロボ1号こそが千影が言う「
分身」そのもののように思えてならない。鈴凛は「そっか。お前も心配してくれてるのね…。アタシ、頑張るから待っててね!」と励まされるが、プロトロボ1号の心配とは、メカ鈴凛の完成可能性に対するものだけではなく、鈴凛の葛藤に対する共感的なものとしても映る。例えばメカ鈴凛が台所で料理に挑んでいるさいに、入り口でハンカチらしきものを噛んでいるプロトロボ1号の姿は、メカ鈴凛の成功を応援するだけではない非常に複雑な心理を表しているかのようである。それでもプロトロボ1号は、鈴凛の最もそばにいる存在として彼女の支えとなり、その願いが成就することを手助けしようとする。そして、それが鈴凛にとって苦痛をともなうものだとしても、鈴凛がそれを求める以上は従う以外にないし、何かを明確に主張することもできない。この点でプロトロボ1号はまさにロボット3原則に基づいた存在なのであり、この意味で、第8話で鞠絵の行動に干渉できたミカエルよりも遙かに重大な行動制限を設けられている。(この観点からすれば、メカ鈴凛の帽子を雛子に被せられた時のミカエルの困惑した表情が新たな意味を持つ。)
 そして、かつてミカエルの意志を委ねられた時とは比較にならないほど自覚的に、航が自分の務めを果たそうとして現れる。プロトロボ1号は航に一切を委ねて、兄妹について行かずにラボでメカ鈴凛のそばに留まる。2人で静かな時を過ごす中、プロトロボ1号は何を、(こう言ってよければ)思ったのだろうか。ともかくも、航に散歩の誘いを受けた鈴凛は、庭を歩きながら久々の戸外の空気を満喫する。気分転換をしながらも、脳裏を去らないのはメカ鈴凛の問題である。

鈴凛「アニキを完璧にサポートするためにって、色々なソフトをインストールしたら、重くて動かなくなっちゃうなんて…ごめんね。」
航 「そんなに、急がなくていいよ。」
鈴凛「え?」
航 「ぼくも、メカ鈴凛にフォローされないように頑張るよ!」

 兄として、これ以上妹に負担をかけないためにも、立派に自立してみせる。その気構えを明るく伝えることで、鈴凛の焦燥感を少しでも和らげようという精一杯の気遣いを示すものの、鈴凛の反応は、普段の彼女から想像もできないほどに重かった。再び向き合うことを恐れるように兄に背中を向け、肩越しに弱々しい声で兄に問いかける。それは、彼女の「未来」に向かおうとしながら、幸せな「いま」に背を向けながら、それでも必死に絆を求めようとする、彼女の心の揺れを如実に物語っている。この狭間に立ちながら、ついに鈴凛は、航に想いを告げる。

鈴凛「…ねえ。私がいなくなったら、寂しい?」
航 「え?」
鈴凛「アニキ、私ね、将来この分野でアメリカに留学したいの。」
航 「留学? そうか、そのときのために、ぼくにメカ鈴凛を…。」
鈴凛「いつか、アニキと一緒にいられなくなる時が来たら、私の代わりにお世話させようって思って作ったの。
   でも私、プロトロボを作って、メカ鈴凛を作っているうちに、だんだん分かってきちゃった…。」

 ここで、今回各所に挿入されてきた、鞠絵が雛子に読み聞かせる「ロージ」の物語の一節が入る。これについては後で述べるとして、鈴凛は兄の世話を目的とするロボットを作ろうとしながら、自分のことを忘れないでもらえるそのロボットの存在と姿自体が、一つの目的となっていたことをどこかで自覚していた。その似姿は、たとえ兄と離ればなれになった「未来」においても、再び「いま」が巡ってくることを約束してくれるはずのものだ。そして、兄と一緒に暮らせる希望に満ちあふれていた「過去」の喜びを、再び取り戻してくれるはずのものだ。航が一度は「ちゃん」付けで呼んだメカ鈴凛を、その後はただ呼びつけしているという点に、兄が決して妹そのものを忘れはしないことが既に確約されてはいるのだが。

鈴凛「もちろん、アニキをサポートしたいって思う気持ちは本当だよ。」
航 「鈴凛ちゃん…。」
鈴凛「留学っていっても、まだ先のことだけどね。」

 そんな強がりを飛び越えるように、飛行機が二人の上を通り過ぎていく。やがては鈴凛の夢も、空を越えて運んでいくだろう。世界中がこうして結ばれている時代に、本気で会いに行こうと思えばわずかな距離、わずかな時間。だが、「いつでもそばに」の「いま」に比べれば、その「わずか」はあまりに遠い。これに航がどう応えたのかは、作中では直接描かれておらず、ただ「鈴凛ちゃんは、前を向いて歩いているんだ。」という彼の理解だけが独白される。第7話での認識よりも、さらに具体的で差し迫った「いま」の終焉を予感したにもかかわらず、ここでの航の反応はさほど危機感を感じていないようにも思える。というより、鈴凛が投げかけた問題を受け止めかねていると言った方が正確である。

航 「燦緒へ。今は永遠じゃないんだ。いつか祭は終わる。そして、それぞれが歩きだす。
   それってすごくいいことなのに、この寂しい気持ちは、何だろう…。」

 この夢のような「いま」が終わる時、厳しい現実が各人の別れを突きつけることになる。だが、崩れるメカ鈴凛に咄嗟に手を伸ばせはしたものの、航には未だ鈴凛のような葛藤は抱けない。それは、彼自身がどのような「未来」を目指すのか、どのように「いま」を越えていくのかが、なお曖昧なままに留まっているからだ。それは同時に、思い出すべき本当の「過去」、かつて彼が鈴凛と同じように「未来」への予感をかちえた「過去」を、未だに取り戻していないことと結びつく。第17話で自分を磨こうと決心したものの、その自分の出自とたどり着く未来の自分像というものが不明瞭な状態では、日々の努力の方向性も絶えず揺らぐほかない。航が何を目指して生きようとするのか、いったんは「いま」のために棚上げされる必要のあった「未来」が、「過去」と手を取り合って航を囲む。その漠然とした困惑に輪郭を与えるのは、夢を追いながら「いま」を懸命に生きようとする鈴凛の姿だった。鈴凛の似姿はメカ鈴凛となり、その鈴凛を映し鏡として、航は自らの生き方を彼なりに問うていく。

 最後になったが、先ほど触れた「ロージ」の物語に視線を移すことにしよう。亞里亞は自室でも「アリさんのおうちには、ドアがないから、雪がこんこん降ってきたら、こんこん、こんこん…。」と一人ファンタジーに浸れるようだが、雛子は他人に絵本などを読んでもらって空想を楽しむことが多い。鞠絵が読む物語は次のような断片を含んでいる。

「王子様は生まれてすぐにお母さんを亡くしました。
 だから王子様は、お手伝いロボットのロージを本当のお母さんのように思っていました。」
「王子様はすくすくと育ち、お父様の後を継いで王様になりました。
 その頃、永い間働いてきたロージの体は、よく故障するようになっていました。」
「ロージは王様のことが心配で、自分の代わりにお世話をするロボットを作りました。
 でもその時、ロージは気がついたのです。
 王様が心配なだけではなく、本当は自分のことを忘れてほしくなくて、ロボットを作ったのだということを。」
「『ロージ、これからもずっとよろしく頼むよ。』
 王様はロージを捨てることなど考えていませんでした。
 修理を終えたロージは、このお城でずっと幸せに暮らしました。」

 もちろんこの物語は、鈴凛の情景描写として挿入されている。特に3番目の一節は、「自分のことを忘れてほしくな」い鈴凛の心そのままである。しかし、他の節はどのような意味をもつのだろうか。鈴凛が航の母代わりとしての役割を負えて姿を消すわけではないが、妹達の愛情に包まれて航が成長し、その妹達を区別なく愛するようになったことの寓話として捉えることは十分に可能ではある。しかし、これに加えて論者が感得するのは、一つにはプロトロボ1号の視点である。様々な発明を通じて共同生活を支える鈴凛を、さらにその影から支えるプロトロボ1号の姿は、既に鈴凛その人の似姿でもあり、またメカ鈴凛完成の暁にはポンコツとしてのレッテルを与えられることになる試作品でもある。メカ鈴凛の開発作業に従事するプロトロボ1号の「心境」というものがもしあるとすれば、それは「ロージ」が身代わりのロボットを見る時の想いと相通じるものだろう。自分よりも優秀であってほしいし、自分を役立たずにしてほしいが、しかしメカ鈴凛完成の時に、鈴凛は、自分に「ずっとよろしく頼む」と言ってくれるだろうか。論者から見ればもちろんそうに決まっている、プロトロボ1号が鈴凛を気遣うようにメカ鈴凛が表情を変えたなら、鈴凛は非常に複雑な想いを抱くに違いない。メカ鈴凛は外見こそ鈴凛に瓜二つであり、兄への振る舞いの中に鈴凛の心情を代わりに吐露してくれてはいるが、中身はやはり期待される能力の集積にとどまる。むしろ、不器用そうな外見の中に創造主と同じ魂をもつプロトロボ1号にこそ、いまの鈴凛は構えなく心を許せる。タイトルの「me two」とは、普通に考えれば鈴凛とメカ鈴凛のことだが、これは鈴凛の内面での「未来」と「過去」への分裂や、さらに鈴凛とプロトロボ1号の魂の相似性をも意味していたのである。
 そしてまた、論者が見て取るもう一つの視点は、じいやのそれである。この島に来る直前までの航を、両親になりかわって育ててきたのは、ひとえにじいやの努力である。航がじいやを本当の父親とは思っていないにせよ、その務めを果たし終える段階についに到達した時、じいやは一体どうするのだろうか。自分のロボットではないがその想いの幾分かを託した妹達に航を委ねて消えていくのか、それともそこで航がじいやに何かを伝えるのか。それは全く「未来」の事柄であり、その「未来」をどう形作るかは航の意志のみによる。そして兄妹が何を想い、何を行うにせよ、時は流れていく。もうじきウェルカムハウスは年を越す。

鈴凛「アニキ。いつか必ず、ねっ。」

 前を向く妹の微笑みは、しかし、自分が進んでいこうという積極的意志によってかろうじて支えられている。もしも逆に兄の方から、自分を残して歩み去ってしまうような事態が生じたとすれば、その時鈴凛は、「いま」を回復する希望に踏みとどることができるだろうか。妹達の中で最も現実的に「こんなこともあろうかと」とばかりの準備に努めている彼女が、その意外に脆い足場を突き崩される姿は、第25話になって確かに描かれることになる。



終わりに 〜Dr.鈴凛におまかせ!〜

 最後にじいやに話が及んだが、同じ近接支援者として直接的に今回の問題を受け止めたのは、言うまでもなく眞深だった。自室の黒いポリ袋の山に埋もれて大掃除に苦労し、カビた食パンやインスタントラーメンのカップや恥ずかしい「My Poem」を分別する眞深は、ふと手を休めて、リビングで「いい話だねぇ…。」と感涙した「ロージ」の物語を思い出す。そこに到着した燦緒からのメールに目を走らせながら、「あたしの、本当の気持ちは、どうなんだろう…。」と呟く時、彼女の胸の内には、与えられた任務を果たすロボットとして潜入しながらもその命令を離れて順応してしまっている自分のあり方と、孤独だった「過去」に比べてあまりに幸せな「いま」を快く思いながらもこの先に待ち受ける「未来」への不安から逃げてしまっていることとに、後ろめたさを感じながらも、自分が真に望んでいるものを見出さなければこの袋小路を突破できないという切迫感が渦巻いている。だがその焦りも、ギザつき10円玉を発見するだけのことで簡単に払拭されてしまうのは、まだ彼女が偶然の幸運を「未来」に待ち望むことで「いま」を日々生きていこうとする姿勢を指し示している。実は航とよく似通っているこの姿勢を変えざるを得なくなるには、外部からの決定的な一撃がやがて必要となるだろう。
 ところで、「me two」というタイトルに示される鈴凛の内面での分裂は、ある妹の場合には全く異なる問題意識から、本当に2人に分裂してしまうというかたちで具現する。この妹が、ヒロイン話のトリを華々しく飾るべく、いよいよ最後に残されている。


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