日記
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2009年3月1日(日) 雪割草の色は真紅
 『とらドラ8!』感想。

 大河も竜児もみのりも北村も、相手の本心や事態の核をぎりぎりのとこまで理解してるんだけど、しかし完全に的確というわけじゃない。そのわずかなずれが決定的で、問題がどんどんややこしくなる。

 竜児への自分の気持ちにこんどこそ本当に気づいて、たちまち覚悟さえ決めたというのに、みのりは竜児をふったという。大河としてはやりきれない。二人がちゃんと恋人同士になれるようにすることこそ、大切な二人のために自分ができる唯一の、文字通り唯一のことなのに。
 いくら考えてもけっきょく原因はいつものしか思いつかない。自分が竜児にべったりだったから。大河が自立すれば、つよくなれば、大団円になれるはず。だからマフラーも自分のを買う。北村大明神にもお祈りする。
 竜児も、そんな大河に励まされて、大河と並び立つためにみのりに再チャレンジしようと決意して、でも腰が抜ける。大河の気持ちに応えようとして、自分にできる唯一の誠意を示そうとして、なのに自立しようとする大河に支えてもらわないと前に進めない。日々のお世話をしてきた大河に、お世話してもらう日々。あれ? 今までとまったく変わってないんじゃないの、この依存関係。
 当のみのりはと言えば、もう選んだのだから。竜児にのしかかられようと、大河に気遣われようと、選んだ道から逸れることはない。大河の絶叫が耳に木霊しているから、ちょっとやそっとじゃ揺るがない。自分にはソフトボールがある。というか、野球を選べないと分かったときからずっとそれを選んできたのだから、この唯一の道を捨てるような真似だけはできない。
 亜美にしてみれば、馬鹿馬鹿しすぎてもう。状況を俯瞰できてるただ一人の友人として、でもそこからこいつらの輪の中に入るために何か自分にできることをしようと焦って、かえってすべてをぶち壊してしまう。違う、とっくに壊れてるものをこいつら取り繕ってごまかそうとしてるから、自分がその虚飾を剥いでやってんだ。こいつらが自分の薄っぺらな笑顔を引っぺがしてくれたように、今度はこの亜美ちゃんが、こいつらの上辺をまるっと洗い流して、あるべき姿にしてやるんだ。それが、自分にできる唯一のことだから。

 みんな、たったひとつのできることを選びとって、おかしくなっていく。

 うど! 苦くて嫌いだけど、覚えてた。忘れられるわけがない。我慢できるわけがない。いつか爆発。いつかどころかすぐ爆発。みんな、爆発。
 北村のことを勘繰られて、大河が言い訳の末に激怒する。自分が押し込めてるものを知らないくせに、知られてはならない相手である竜児に向かって爆発。
 みのりの仕打ちに、竜児が血の気を引かせて絶望する。自分が押し込めているものを見て見ぬふりされて、贈り物の真心まで台無しにされた痛みに身をよじる。
 馬鹿どもに耐えかねて、亜美が激怒する。本心を告げないみのりが、大河が、水臭い。それに気づかないのに優しい竜児が許せない。そんな自分が醜い。
 亜美にからまれて、みのりが激怒する。自分が無理してることを忘れさせてくれないから、自分の独りよがりを許してくれないから、悲鳴の代わりに声を荒げる。
 そんな仲間達のことを精一杯思いやってるのに、北村がずっこける。なぜ自分が女子に悪く言われねばならないのか本気で分からない。鈍さが罪になると知らない罪。

「好きだから。……って言ったらどうする? うそだけど」

「だってうそだもん。信じて、作戦通りなんかじゃない」

 亜美の「うそ」は、「作戦」だけにかかるのか、それとも「好き」にもかかるのか。竜児は気づかない。亜美も、もしかしたら気づいていない。この作品では、言葉はその語り手にさえ、いやむしろ語り手にこそ理解されないまま、意味を重ねていく。

 みのりが大河を探しに行くと決めたとき、竜児も一緒に行くと決意する。大河のことが一番心配なはずなのに、行動に出るのは一歩遅い。そのためらいが、竜児の弱さ。だけど、いざ大河をそばに感じれば、一番踏み込めるのも竜児。自分のあのヘアピンを拾おうとしてくれた大河の優しさを、誰よりも知っているのは自分だから。竜は虎に並び立つのではなく、その吠え声に呼応する。

 そうしたら、思いもかけないささやきが。
 応える言葉が見つからない。

 はい、個人的には、傷口に塩を塗りこまれた気分でした。みのりの髪のヘアピン。もうあの場面、竜児と一緒に血の気を引かせておりました。えぐられるようできつい。自分の気持ちを受け入れない相手が、今まで通りに笑顔で積極的に接してくるのは、ほんとつらい。あと、大河が「ちんこすー」と一度だけ間違えてて萌え。
 まあ、男子って馬鹿だよね。ええ馬鹿ですよ。でもね、馬鹿なりに、一生懸命なんだってば。だから許されるとかそういうことじゃなくて、ともかくも。
2009年3月2日(月) 東西英雄
 べびプリ星花(3/2)。
 冬の夜空。星を見上げる星花の、白い吐息が天の川。
 オリオン座のはっきりとした輝きは、ぼくも大好きです。ちょっと前までは、帰り道にふと頭上に目を向けると、そこにすっくと立っていました。その三つ星を見て、劉備達を思い出したり、自室の妹達と重ねてみたり。この子のきょうだい思いはいつもながらですが、聞いてる兄も微笑んじゃいますね。
 そんな兄のことを、眩い一等星に喩える星花。それに比べて、とやっぱりいつも通り、自分の地味さを笑う星花こそが、願いをこめた流れ星の辿りつく先。いえ、落下してこいと言いたいんじゃなくて。まぁるい瞳がきらきら光ってるのです。
 すぐそばには、ふたご座のきょうだい星も輝いているのだけど、それを見て自分と兄に喩えたりはしない。どこまでも慎み深い、でもちょっぴり背伸びしてみたい。この妹らしい均衡のとりかた。3という数字は安定的成長の意。
 二人で黙って流れ星を探していると、遠くに石焼き芋の声。玄関から飛び出していく一陣の夏風。おおいぬ座の猟犬が、においで屋台を目指します。
2009年3月3日(火) 開花直前
 べびプリ小雨(3/3)。
 ひな祭り「大会」って(笑)。今日の話題は青空の誕生日とお雛様のお祝いです。青空、いったい何歳になったんだろう……。もう幼稚園にあがってもいい頃なのですが、まぁ気にしない方向で。「将来は、1番女の子らしい女の子に/なるかもしれない」という指摘はさすが小雨です。
 さて大会ですが、さくらの表現でしたか。以前の「まっかくて、/ホヤホヤしてた」のような、自分の言葉を創ってます。まだ既存の語彙に束縛されてない幼児らしさ。で、今日は幼稚園でこないだ真璃がこしらえてたお雛様を飾り付けして、盛大にお祝いしたんですね。そして小雨はかつての夢を思い出す。幼稚園の先生かー。泣き虫の自分を助けてくれた人に憧れて。いまの夢は獣医だけど(そうだったのか)、それもまた、病気で困ってる動物たちを助けたいから。
 でも獣医って大丈夫なんだろか。お薬を出すだけじゃなくて、注射だの手術だのもやらねばならんわけですが。……小雨は案外そういうの乗り越えていきますかね。立夏や麗は逆に駄目そう。二人の尊敬する眼差しがいつかは。
 
>あ、笑わないで下さいね、
>お兄ちゃん――
>それは今でもまだ少しだけ、
>小雨は泣き虫かもしれないですけど、
>でも――これでも、あの頃よりはずっとずっと!
>泣かなくなったんですから――。

 ここの箇所、読んで微笑んで泣きそうになりました。「笑わないで下さいね」という一言がまた、この子の気概を表していてたまりません。あと、自分が書いた鞠絵SSを思い出したりして。これ、もう4年も前ですか……。ぼくの書いたシスプリSSはごくわずかなものの、一番うまくできたと思ってる作品です。自己抑制から滲み出る意志のつよさを、描くのが好きなのかも。
2009年3月4日(水) 魔法先生べびプリ!
魔法学校長「卒業後のネギには、日本で19人の姉妹と一緒に暮らしてもらう」
ネギ・アーニャ「「ええーっ!?」」

 いきなりトゥルー家の一員となったネギ。

星花「ハロー」
ネギ「ハ、ハロー(どきどき)」
星花「……」
ネギ「……(どきどき)」
星花「サ、サンキュー」
ネギ「?」
星花「あーん、英語ほかに知らないよぅ! 霙お姉ちゃん助けて」
霙 「ははは、頑張ったな」
ネギ「あ、いちおう日本語できますので……」
霙 「ふむ(ごそごそ)This is DORAYAKI. Japanese best sweets.」
星花「霙お姉ちゃんすごーい!」
ネギ「いえ、日本語分かりますので……。
   あ、あの……みなさん、よろしくお願いします!」
海晴「いやーんかわいー(はぁと)うんうん、これからよろしくね♪」(むぎゅー)
ネギ「うわぷっ」
ヒカル「あー、こりゃ海晴姉のおもちゃに決定だな」

夕凪「うわーい、ゆうなにお兄ちゃんができたよ!
   あのねあのねお兄ちゃん、ゆうなはじつはね、魔法使いなの(ぼそぼそ)」
ネギ「え!?(ぼくと同じ魔法使い!? まさか、もう正体がばれた!?)」
夕凪「いい? 見せたげるね。はっぴーらっきーはねむーん」
ネギ「あ、ああとってもお上手ですね(ほっ)」

春風「ネギくんはイギリスから来たのよね。やっぱりお馬さんにも乗れるの?」
ネギ「え、ええまあ。下手ですけど……」
春風「(白馬に乗った英国の王子様……)」
ネギ「……?」
春風「……きゅうううんっ」
ネギ「!?」(びくうううっ)

ネギ「あさひちゃん、もうすぐミルクできますからね」
あさひ「あー。……にゃーにゃ、にゃーにゃ」
吹雪「これは……。あさひは、『お兄ちゃん』と言っているようですね」
ネギ「え、ほんとですか?」
吹雪「ええ。キミが来たことで、あさひの言語中枢に良い刺激が与えられたのかもしれません」
ネギ「わぁ、そうなら嬉しいです!
  (『にゃーにゃ』かぁ。……そういえば、アーニャはどうしてるかな。
   ぼくがこんなふうに赤ちゃんのお守りをしてるなんて知ったら驚くだろうな。
   ……クスクス)
吹雪「……」(じー)
ネギ「……あれ、吹雪さんどうしました?」
吹雪「いえ、何でもありません」

立夏「日本では、レディと一緒にお風呂入るのが紳士のつとめだヨー」
ネギ「ほ、ほんとですかぁっ!? わわわ自分で脱ぎますから、」
立夏「ほい、1名様ごあんなーい」(ぽいっ)
ネギ「わぷぷっ!?」(どぽーんばしゃばしゃ)「……ふー、溺れるかと思いました……」
氷柱「……あんた、どこに掴まってるのよ……」
ネギ「……え? ……ああっ!?」
蛍 「……いやーん、ネギくんたらー……(はぁと)」
ネギ「ち、違うんです! これはわざとじゃなくって」(つるっ)「わあっ!?」
立夏「おおー、ネギくんだいたーん。さすがじぇんとるまーん」
氷柱「……いい度胸してるじゃないの……」
ネギ「あ、ああっ!? つ、氷柱さんごめんなさい掴もうとしたわけじゃ」
氷柱「どうせ……」
ネギ「つ、氷柱さん?」
氷柱「どうせ私のは掴めないわよーっ!!!」(どぎゃーん)
ネギ「もぺらーっ!?」

綿雪「わぁ、凧さんたかぁく揚がった! ……くしゅん」
ネギ「あ、ユキちゃん寒い?」
綿雪「ううん、だいじょうぶ……」
ネギ「(風邪ひいちゃうな……氷柱さんも心配するだろうし……
   ラス・テル マ・ステル マギステル……)」
綿雪「……あれ? なんだかぽわぽわする……(はぁと)」

麗 「……」
ネギ「あ、麗さん。おはようございます」
麗 「……」(ぷいっ)
ネギ「うう……まだ嫌われてるのかな……同い年のきょうだいなのに……ううう」
ヒカル「どうした、ネギ?」
ネギ「あ、ヒカルさん」
ヒカル「今日から中学校の先生だもんな、天才少年でもさすがに緊張するか」
ネギ「は、はい。ちょっぴり……でも頑張ります!」
ヒカル「ん」
虹子「お兄ちゃん、おべんきょうがんばってね」
さくら「さくらも、お兄ちゃんの学校に行きたい……」
ヒカル「大きくなったら、教えてもらえるよな」
さくら「ほんと? ゆびきりしてくれる?」
ネギ「いいですよ。それと今日は帰ったら、おえかきしましょうか」
さくら「わーい!」
虹子「にじもするー! フレディかくの、ね?」
フレディ「ぱお」
ネギ「(……なぜ、ピンクの象がここにいるのだろう……?)」

ネギ「うう……ぼく、やっぱり先生なんて無理なのかな……」
氷柱「……こんなとこにいた。なにぐすってんの」
ネギ「あ、氷柱さん……」
氷柱「ほら、教室に戻るわよ」(ぐいっ)
ネギ「でも、ぼく……」
氷柱「えーい、しゃきっとしなさい!」(おしりぺーん)
ネギ「はうっ!?」
氷柱「あんた、こないだ言ったでしょ? 私を世界一の脳科学者にしてみせるって。
   だったらきちんと授業しなさいよ、英語もっとできるようになりたいんだから」
ネギ「……氷柱さん」
氷柱「ま、そのかわり、しょうがないから学校での面倒はみてあげるわ。
   困ったときは遠慮しないで相談すること。いいわね下僕!」
ネギ「げ、下僕はやめてくださいよ!」
氷柱「なによ、めそめそしてたくせに偉そうに。分かったわよ、ネギ先生。これでいーい?
   あ、それから。春風姉様と蛍姉様が、昼休みに一緒にお弁当食べようって」
ネギ「あ、はい!」
氷柱「そこで顔洗ってきなさいよ、ほらタオル。どうせ持ってないでしょ」
ネギ「……」
氷柱「なに突っ立ってんの」
ネギ「優しいんですね、氷柱さん。すぐ戻ります!」(だっ)
氷柱「な!? ちょ、ちょっと!? ……もう……バカネギ」

麗 「……」
ネギ「(み……見られた……!?)」
麗 「あなた……もしかして、いまの……魔法?」
ネギ「ひーっ」
麗 「どうも何か怪しいと思っていたんだけど……まさか、ほんとに魔法使いだなんて……」
ネギ「あ、あの麗さん! どうかこのことはみんなには内緒にお願いします!」
麗 「……分かったわ」
ネギ「(あれ、案外すんなりと……)」
麗 「その代わり、条件があるわ。これを見て」
ネギ「え、新聞記事ですか? ……『100系引退』?」
麗 「いいこと、今日の16時までに、私を岡山駅に連れていきなさい」
ネギ「ええーっ!? あと1時間しかありませんよ!?」
麗 「できないの?」
ネギ「いえ、飛べばなんとか……」
麗 「じゃあ飛んで」

ネギ「よかったですね、間に合って」
麗 「……うん」
ネギ「海晴さんには、ぼくが麗さんにお願いして町を案内してもらったことにしますね」
麗 「……がと」
ネギ「え、何か言いました?」
麗 「なんでもない」

ネギ「だ、だいじょうぶですか麗さん」
麗 「……なんで……」
ネギ「はい?」
麗 「なんであなたがここに来るのよ!? あなたは私の学校と関係ないじゃないの!
   みんなの学校の先生でしょ、そっちはどうしたのよ!?」
ネギ「それは……」
麗 「こんな時間にほっつき歩いてるなんて、職務怠慢だわ!」
ネギ「……たしかに、ぼくは教師失格です。
   じつは、今日も教室でひどい失敗しちゃって、……また氷柱さんに迷惑かけました」
麗 「……」
ネギ「でも、ぼくは……今朝の元気のない麗さんが気になったから。
   きょうだいとして、麗さんのために何かできないかって思って、つい」
麗 「……」
ネギ「……よけいなお節介でしたら、ごめんなさい。
   あとこれ、昨日の踏切、直しておきました」
麗 「あ……」
ネギ「家でもぼく、迷惑かけてばかりでしたから、せめてこれだけはって思って。
   あの、……いえ、それじゃ」
麗 「……どこに行くの?」
ネギ「え? ……はい、家に」
麗 「うそ。うちはそっちじゃないもの。学校も。
   ……イギリスに戻るの?」
ネギ「……」
麗 「……」(つかつか、ぎゅっ)
ネギ「あ、麗さん……?」
麗 「……」
ネギ「(み、右手が……)」
麗 「……銀河が」
ネギ「え?」
麗 「銀河が、こんど引退するの」
ネギ「銀河? あ、ええと……寝台夜行の」
麗 「そのセレモニーを見に行くまでは、だめ」
ネギ「……」
麗 「……私一人じゃ、許してもらえないもの。……だから」
ネギ「あ」
麗 「……」
ネギ「……ええと、家に帰るんですよね。よろしければ後ろ、どうぞ」
麗 「……うん」
ネギ「危ないので、掴まっててくださいね」
麗 「……」

 きゅ。

小雨「きゃ、スカートが……!? あああ、洗濯物が……!?」
真璃「あら、いやんフェルゼンたら(はぁと)」
ネギ「ぼ、ぼくじゃないですよ!?」
真璃「見たいのなら、ちゃんとそう言えないと。マリーのアイジンには相応しくないわよ?」
ヒカル「何か小動物っぽいのが部屋に紛れ込んだぞ。どこ隠れた?」
観月「……じつに怪しい気配がするの。キュウビもこのように威嚇しておる」
カモ「(くくく……なんと素晴らしき下着の山……)」
青空「えい」(ぐしゃ)
カモ「ぷろっ」
青空「しんだねずみ!」(ぷらーん)

 いかん、書いてて楽しすぎる。

 追記。べびプリ(3/4)。
 昨年、ひな祭りの陰の主役だった蛍ですが、今年はどんなだったのかな仮装とか。
 「ブロック遊び」というと、ぼくはダイヤブロックを思い出します。本棚の引き出し2つ分のブロックで、ずいぶん遊び倒した記憶が。ザンボット3の最終回を見た後は、ずっと「主役ロボットがしだいに壊れていく」という物語を繰り返してましたっけ。それってトラウマでは。
 あのときの空想が、いまの自分の二次創作などに役立ってるんでしょうねきっと。しかしその一方で、幼児期のぼくはすでに漫画の女の子キャラを集めたハーレムなどを妄想してたような気配。これまた、いまのぼくを下支えする力に……ならないほうがよかったんだけど……。

 閑話休題。ここんちの妹達は健全なごっこ遊び。流行の直接的な原因としては、雛段を組み立ててるのを見て、自分達も真似したくなったんじゃないですかね。上手に遊ぶマリーや観月を見ながら、さくらもいろいろ頑張ってる姿が目に浮かびます。
 蛍も、そんな妹達を見守りながら、自分の幼い日を思い出してます。一緒にごっこ遊びをしてくれたのは海晴と春風。ヒカルは、男の子に混じって戦隊ものの真似でしょうか。霙もかしら。悪役のふりをして、おやつ食い逃げ。
 「紙の人形に紙のお洋服」で、お姫さまになりきり遊び。「本物のお人形の布の服はそんなに買ってもらえなかった」けど、「外国の絵本」が手元にあるあたり、父親の仕事を想像させられます。やがて対象は紙から布へ、二次元から三次元へ。でも、思い出の紙の人形遊びを、マリー達に教えないというのも面白いですね。それは、身の回りにたくさんのおもちゃがあるからというだけでなく、自分達で見つけて作りだした遊びが、一番楽しい遊びだから。

 あ、3日はお雛様の衣装を着なかったんですね。しかしその代わりに、長男がホワイトデーにコスプレ? まさか、結婚式ごっこかしら。こっちで本領発揮か蛍。2週間後が楽しみです。
2009年3月5日(木) ぼりぼり
 べびプリさくら(3/5)。
 おお、再びさくらですか。またなぞなぞかな、と思いきや、雨と飴の違い。言葉を面白がる年ごろなんですかね。自分で新語をこしらえもするし。
 飴は子供にとって要注制限です、はい。とくに幼児は甘さという味覚に敏感ですから、ほっとくと際限なく食べてむくむく太りますし、ご飯どきの食欲にも差し支えるので非常にあむない。以前働いてたとこでもそういう失敗を見てました。
 ここんちでは、そのへん「特別のときだけ」としっかりコントロールしてますね。立夏という食欲魔人がキャンディーをぼりぼり食べてる横で、さくらも立派に我慢してます。いや、立夏もちびちゃん達の前では慎んでるんでしょうけれど。
 もちろん虫歯は怖いよね。歯医者もかなーり、つか最強の怖さ。間違えてフッ化水素で患者を溶かしちゃった事件もあるくらい(ぎゃー)。怖い話はさくらがかわいそうなので止めといて、ちゃんと安心させつつ歯磨きと食事の指導をしましょう。

 って、問題はそこではなかったか……。

>マリーお姉ちゃんのあめ、
>食べちゃった……

 自己抑制のしかたと、悪いことをしてしまったときの反省のしかたを、も少し教える必要が……。
2009年3月6日(金) まきます
 べびプリ青空(3/6)。
 あのね。青空は、目の中に入れても痛くないんだ……大真面目に……。なんだなんなんだこの愛しさは。もう青空は人気なくていい。うちの子になれ。いやだめ、そこんちの子のままでいて。
 おんぶしたとき、どんなふうにしがみついてくるか、感触で分かります。

 さて、ぐるぐるまきです。子供はよくやるよね、タオルケットとか毛布とか布団とか。ぼくもこの冬、布団が保温機能を果たさなくなってきたので、毛布を半ばぐるぐるにしてしのぎました。まきまっきー。
 寒い。

 マリー達なら心配ないかと思いたくなりますけど、それでもタオルなどを首にもまきまきするとなれば、ちゃんと年長者が見てないと万一がありますので。体もあまり締め付けすぎると危ない。寝相が悪いので、布団を剥いで風邪をひかないようにとの手立てなんでしょうけどね。おなか出してそうだし。

>そらとおにいちゃん、
>のりまっきー!

>そら、かっぱまき。
>おにいちゃん、てっかまき。

 ああ、声が聞こえてきます。可愛いかわいい……。「かっぱまき」は青空の食べ物、「てっかまき」は大きい姉兄の食べ物なんですかね。
 てんとてんととんてー。チャチャ懐かしい。

>あ。

>……

>おにいちゃん。
>そら、ちーしたくなってきた。

 うん、だいたいこんな間ですね。そして、もう間に合わないことが多い。遊んでる最中に気づくときは、すでに無意識に相当我慢して限界にさしかかってますから。ぼくの経験では、3歳児に言われてすぐトイレに連れてったけど、光速でぱんつ脱がせて個室に入る寸前に放たれたことがあります。掃除しました。泣きながら。そして青空の場合、下着どころかまきまっきーを戻すのがもはや絶望的。がんばれ長男。
2009年3月7日(土) 煙る月光
 『とらドラ9!』読む。

 「中間テスト」って、3学期に? 模試のことかしら。

 部屋の明かり。まだ消えてる、と毎日見上げる。自分の方は、すぐ気がつくように、となるべく遅くまでつけっぱなし。どんな遠くでも見えるように、その視線を捕まえたくて。
 
 冷凍チャーハン。手作りじゃなくて、冷凍の。竜児から、その手料理の温かさから、離れるための儀式的夕飯。熱いスープがなくたって平気。服にこぼさないだけ結構じゃないの。

 母親の話。用意してきた嘘。自立しようと決意したとたん、自分を引きずりこむ大人の恣意。絡め取られる前に、せめて竜児とみのりの結ばれだけは見ておきたくて。

 進路。正しいことと、したいこと。でも、したいことがないだけじゃなくて、したいことが正しくなかったら。正しくないことは、誰かを傷つけること。してはならないことは、いてはならないこと。

 届かない言葉、声に出せない応え。でも、みのりは自分から応えた。弔われてようやく鎮められる想い。振り切ったから大切にできるお互いの傷だらけの歩み。

 子供のために親が身を粉にすること。親ができなかったことを子供に託すこと。子供に不自由させない親になりたい。この子と生きることが幸せ、その幸せを証明する日々の重荷。

 好き。ありがとう。一緒にいたい。竜児に、泰子に、大河に、言いたい言葉。その言葉が出ないかわりに、出なくていい、出てはならない言葉だけが口をつく。

 焦れば焦るほど、間違っていく。自分に不可避に強制された状況の中で、最善を尽くして最悪に陥る。たしかに、弱者はつねに間違える。それは悪ではなく、ただ自らの存在を否定したくなるだけ。

 そう、間違える。「間」を違える。既存の間に、当たり前にあるその間柄に、自然に入ることができない。あらかじめ排除されている者は、自覚的に参入しようとしてずれて亀裂を拡大させる。

 自分がこなければよかった。何もしなければよかった。いなければよかった。そんな自分に与えられる優しさなんか、なければよかった。最初から希望も温もりも、なければよかった。

 壊した。
 でも、直せる。そう言われたみのりが、その言葉のとおりに生きているように。
 お願いだから、直してくれ。竜児。つか、お前から大河に、告白すればすむんじゃないのかい。不在の父親の影が、否定されるべき男性像がずっしりのしかかってるのは分かるんだけど。目の前にのしかかってきたのは母親だけど。
 一緒に直してくれ。
2009年3月8日(日) 発車おーらい
 べびプリ麗同人誌『うらプリ』とらのあな委託中のことですので皆様どうぞ。
 ぼくも参加させていただいた本同人誌、すでに各所で述べられてるとおりの見事な出来栄えです。べびプリという作品の持ち味は、姉妹と長男がお互いを包み込む優しい雰囲気にあるのですが、本誌は各執筆者が麗を通じて作品そのものをその雰囲気で包み込もうとしています。そのうえで個々のテキスト・イラストが己の役割を果たしているので、全体の調和と個の多様性とがうまく噛み合ってると感じました。
 鉄道関係の記事・写真は、この方面の知識皆無なぼくにとってとても助かりました。当たり前のことですけど、鉄道趣味に無知なままでは麗の魅力を本当に理解することはできないんですよね。その手がかりを与えていただけてます、ありがたい。非鉄道記事とあわせて、麗とべびプリをいろんな視点から解釈し愛でられる一冊です。
 あと個人的には、拙稿にイラストを入れて下さったねろさんに大感謝です。もうシスプリファンダムで有名すぎるあの絵師様に、と知った瞬間もすんごい震えが走りましたが、実際のイラストがもう。ええ。10歳以上も差のあるきょうだいの姉妹・姉弟・兄妹関係(拙稿の主題)の全てを、麗中心の立体的な構図で暖かく描き出したこの情景。姉妹・長男の視線がとても賑やか。きょうだい達をこのように見つめる視線の主をも想像したくなります(ぼくは小雨と理解しました)。

 拙稿については、久々の考察文章なわけですが。シスプリ考察で論じた共同生活原則をベースにしつつ、ネギま考察で述べた人間関係の重層性を導入してみました。今まで書いてきたものをこうやって結びつけていく作業は、麗の再発見と並んでじつに楽しいものでした。

 朝プリキュア。あれ、もうこの大技を使ってきたんだ。母親話というのはエピソードとして早めに消化されることが多いけど、「幸せ」「大切なもの」を奪うという敵側の行動方針にとって、こんな決定的なものを今の段階でクリアしてしまうと、この先だいじょぶなんだろか、と余計な心配をしてしまいます。お話としてはもう大満足。そして来週はこれまた早速の敵味方接近。おお、攻めの姿勢だ。
2009年3月9日(月) 相談
 べびプリ(3/9)。
 さて、こないだいろいろ考えるところのあった麗ですよ。今回またもやネガティヴな内容ですけど、しかしそれでも以前と比べてずいぶん前向きになってるような印象があります。
 どのへんがその成果かというと、なぜ遊園地に行きたくないのかその理由をはっきり分かるように記してくれてるということ。そして、

>私、行きたくない。
>どうしたらいいの?

と、一応は長男に相談を持ちかけているところですかね。
 これはもちろん、嫌だから嫌なの、という妥協し得ない拒絶ではなく。しかして以前のように、ただ家族の行事だから嫌でも参加しなければ、という一方的な自己犠牲の諦念でもなく。家族の意思と自分の意思をどうすれば両立できるか、を問うてるんじゃないでしょうか。それが、ヒカルから学んだ結果、麗が自分なりに考えてみた行動規範なのだとすれば、これはなかなか素晴らしいことです。
 あと、夏旅行のときに麗と長男が共同戦線を張ったはずなので、そのときと同じく厳しい戦いの相談を持ちかけてくれてるというのも、じつに嬉しいところ。いくらかでも頼りにされてるのです。

 さて一番手っ取り早い解決策は、そういうキャラクターのいない「ふつうの遊園地」へ行くことですかね。例えば、浅草花やしきとか。いや、東京ドームシティアトラクションズでもいいのですけど。でもちびちゃんたちは、きっとTDLがいいと言うのでしょう。うーん。
 しかし麗の「かわいい」センスもなかなかこれが。0系はともかく、アオガエルですか。青空も安心だ。ムーミンというのはたぶん、原作挿絵のあれ。まあ、たしかにどれも丸っこいけど。「着ぐるみ」が嫌いというのは、不自然なものや上辺だけのものを良しとしないこの子の感性のとおりですね。たんに、近くで見たらすんごい怖かっただけかもしれませんが。
 ホワイトデーに長男が蛍お手製の着ぐるみを纏って、それを見た麗が小馬鹿にしながら嫌悪感を薄れさせる、という展開はいかがでしょう。

 鉄道ネタといえば、みんなが九州新幹線「さくら」の話題を待っていたところでパンダ車両とは(笑)。恐ろしいですこの子。
2009年3月10日(火) てんかわけめ
 べびプリ(3/10)。
 またも状況を楽しんでらっさる霙姉さんでございます。でも、当人は最後まで黙っておいて「負けてる方に票を入れるのが楽しい」との仰せですが、それは姉妹の間でバランスをとる(少数派が完全に圧倒されてしまわないようにする)という役割を、担っていることの表明でもあり。麗に「チャンス」をやらないのは「不公平」という指摘も、父親的な態度。結局、どっちでも些細なことと言いながら、どちらに転んでも対応できるようにしてるんでしょうね。海晴姉さんが自分の価値観をぐいっと押し出しがちなだけに、次女がそのぶん柔軟。

 さて、今回のキャラクター着ぐるみ遊園地問題では、それぞれのグループがはっきり示されてて面白いですね。霙姉さんの端的な説明も素晴らしい。「何でも反対する氷柱」って(笑)。
 賛成者は星花、真璃。遊園地に行くことだけなら、プラス春風、立夏なのかな。
 反対者は麗のほかヒカル、小雨、さくら。遊園地そのものに反対なのは、氷柱、吹雪、観月かな。
 海晴、蛍はお疲れ気味。残るは霙、夕凪、綿雪、虹子、青空、あさひ。
 今後の予想としては、夕凪とちびちゃんたちは賛成側にもってかれる可能性大。これに霙姉さんが加わっても、まだ過半数には満たない。となると、年長者への工作に成功するか、あるいは長男の判断が姉妹に影響するかというあたりが焦点ですか。
 とはいえ、昨日も書いたように、今回のポイントはそのどちらかに決定しさえすればいいということではなく、麗も含めたきょうだい全員をある程度満足させるような手立てを発見することです。うーん、どうすればいいんだろ。霙姉さんはそれこそ経験者なので、容易に解決できる方策なんて存在しないと知っているから、今回ので残った不平不満はまた次のイベントのときに解消させるなど、長丁場で考えるのかもしれません。

 …あれ、子供達だけだと10名ずつ同数ってことも? あさひは数えないか。
 あるいは、着ぐるみキャラがおらず人ごみもなくほこりっぽくもない遊園地があればいいのかな。それはつまり、プロミストパーク。
2009年3月11日(水) あさひと!
 べびプリあさひ(3/11)。
 ……あさひが、助詞の「と」をつけてしゃべったーっ!
 うわーもう大騒ぎ。お祝いにみんなで遊園地だ(決定?)すごい、このタイミングでこういう成長のポイントを入れてきますか公野先生。あさひの発話能力って、家族生活における時間の流れをはかるさいにきわめて重要な手がかりになります。進学進級と加齢のずれがいつも問題になるのですけど、あさひが本気でしゃべりだしたら決定的。その場合、どこかで姉妹の立ち絵が変更されるかもしれません。年少者がぐんと大きくなったり。いまのところはなお、「0歳の誕生日」というトゥルー時空に包まれておりますが、初期設定に基づく小説版が発売された後でなら、加齢してもよさげなんですよね。

 『ネギのス』さん(3/4)、水野さん(3/9)、ネギま&べびプリネタの紹介ありがとうございました。さすがに今回は2クール分作れるほどの勢いはありませんけど、また思いついたらうきうき書けそうです。
2009年3月12日(木) まっぷたつ
 べびプリ吹雪(3/12)。
 あーっ、一昨日ふと記した賛否同数が現実のものにー! 乳幼児も票を入れられるように、マルかバツを書けばいいやり方だったんでしょうね。吹雪が投票管理というのもまた適任でした。
 しかし、これは大問題です。なんといっても決戦投票は、

>海晴姉の裁定により――

>長男による「鶴の一声」

なのですから。

 この裁定を、海晴姉さんが弟にまる投げした、と考えることもできるでしょう。正直、行くか行かないかを選ぶのはしんどいし。
 しかし、ぼくがこれまで公式日記を検討してきた視点によれば、今回は長女が長男を対等のパートナーとして信頼し委ねていることになります。そこまでいかずとも、少なくともその信頼に本当に値するか試験してるのでしょう。海晴が長男を指名したのは、長男が公正で有用な判断を下すだろうという予測と、その長男の決定であれば姉妹もおおよそ受け入れるだろうという予測とに基づいています。もちろん、それは、長男が悩み苦しむことを強制され、またその姿を見た姉妹が何かを感じざるをえないということも考慮のうえでしょう。
 すでに長男は個人として賛否いずれかに票を投じていますけど、その判断が最初からきょうだい全体を考えてのことであれば、そのままの意見で決定するもよし。あくまで自分自身のみの意思を示したのであれば、あらためて判断を迫られます。
 このとき遊園地に行くか行かないかは二者択一ですけど、長男が選ばなかった側への応分の配慮をどこまでつきつめることができるか、そこが長女も注視している部分です。夕凪暴走のとき、ぼくは「夕凪自身の寂しさをある程度埋めてやりながら、夕凪が他の姉妹の寂しさを理解しその解消を支援できるように、長男が導いてやる」という「二重の配慮」を期待していました。麗と海晴のケンカのときには
、両者の間で公正な裁定者・仲裁者になることを求めていました。前者は描かれることなく、後者はヒカルによって担われてしまったのですけど、今回は間違いなく長男の出番。一方に配慮しつつ他方を選んだとき、年長者は自らの賛否によらず、務めを真摯に果たす長男を支えることでしょう。

 いや、もしかしたらアミダとかで決めるかもしれないけど。
2009年3月13日(金) まんなかまるだし
 べびプリ吹雪(3/13)。
 お、長男決定の発表ですね。遊園地に行くこととなりましたか。麗の反応が楽しみというか怖いというか。しかし、そこに先に釘を刺す吹雪の知恵者。
 それどころか、「共同生活とはそういうもの――/家族とはそういうものです。」と、あっさり言ってのけるあたりがさすがというか、できすぎというか。吹雪自身も、今回は自分の希望と異なる決定に納得してるわけですけど、いつかどうしても不満が残る決着を迎えたとき、どうやってその感情を処理するのか、見たいようにも思います。なんて意地悪したくなるほど、吹雪の公正で中立的な立場を貫く姿勢は見事でした。「共同生活」の存続と充実を図るという前提のうえで、最大限に中立的であろうとする。

 昔、ムアコックのエターナル・チャンピオンシリーズについて考察したときに、秩序と混沌の対立軸のもとで中立的な役割を果たしている登場人物を、3つに区分したことがあります。秩序と混沌を適度に均衡させようとするタイプ(「宇宙の天秤」への奉仕者)、秩序と混沌の闘争から距離を置いて隠遁するタイプ、その時々の気分で秩序にも混沌にも荷担するタイプ(トリックスター的バイプレイヤー)です。これでいうと、きょうだいの父性的保護者タイプや観察者タイプのうち、霙はしばしば第3の立場を選び、吹雪は第2の立場を基本にしている、という感じでしょうか。
 海晴も、本来の「ファニー」な性格からすれば、もっと第3のタイプのようなおおらかさを発揮したいのかもしれませんけど、長女の責務がそれを許さずにきました。しかし、今回のように、きょうだいの最終決定責任を長男に委ねられれば、海晴ももう少し羽目を外して振る舞えるのかもしれません。
2009年3月14日(土) ばらんす
 べびプリホワイトデー(3/14)。
 わー休日更新だー。今日もありがとうございます。
 蛍と約束してたコスプレですね。その中身はというと、おお……。執事……。姉妹にご奉仕。氷柱が半ば喜び、半ば(下僕を独占できず)やきもち焼きそうな。年長者からは女子制服。ヒカルはすっかり味をしめたような。当人が着用してるのは迷彩柄でしょうかね。真璃からは宮廷服? アニプリ第11話で亞里亞が潜航艇の中で引っ張り出してたのを思い出します。鬘もちゃんと用意してあるんだろうか、これ。そしてキュウビの着ぐるみ。なるほど。
 こないだの遊園地問題では、着ぐるみが怖い・嫌いというのが一つ引っかかってたわけですが、こうして長男が着ぐるみをまとい妹達を喜ばせれば少しでも馴染むのではないか、という期待がいくぶん持てます。中の人がいない怪しさや、中の人を知らない不安などを、大好きな兄が中の人だと分かる状況で払拭させていく。まぁそんなに簡単にはいかないでしょうが、実際に遊園地で怖い着ぐるみに遭遇したとしても、このホワイトデーを思い出させることで、気分を変えることはできそうです。
 例えば麗なんかは、昨年に本誌連載で猫耳メイドの格好をさせられてしぬもん状態に陥ってましたが、あのときの反撃をいまこそ長男に遠慮なく向けられるんですよね。パーサーとかだと逆に御機嫌をいっそう損なうかもしれないけど、他にもそうですね、トーマスとか。無理か。外国の車掌なんかもよさげでは。
2009年3月15日(日) とらドラ10感想
 『とらドラ10!』感想。の前に、入手できなかった頃に結末をあれこれ想像したネタをはさんでおきます。

 「むかつくんじゃああ」と叫びつつ白面の者を滅ぼした大河が、竜児のフルコースを食い尽くし満ち足りた表情で昇天。空を見あげる竜児の下腹部で獣の槍がうなだれる。

 振り向いた大河が「あのね、」と言った場面で終了。

 ついに竜児が父親と対決。殴られ蹴られて意識も定かならぬ竜児の背筋に、竜の顔が浮かぶ。一方、大河は竜児と並び立つために、手術で足の骨を伸ばしていた。

 大河を守るため、トラックの前に身を投げ出す竜児。しかし、そこに突然テレポートして二人を救ったのは奈々子、その正体は少女のマトリクスを用いていた伝説の超人だった。

 再び二人が蹴倒そうとする電柱の上に、タイガー・ジョーが現れる。

 よく見たら魔窟堂だった。

 電柱組を倒すために熊本に赴く。

 気がつくと巨乳ハンターになっていた。

 というわけで感想です。以下、白色迷彩。

 第1巻の感想で、『饗宴』に出てくる完全人の喩えだとか。第5巻の感想で、大河の父親に最低限のありがとう、とか。いろいろ書いてきたのですけど、全部。ぜーんぶ、ぼくの言ってきたことや求めてきたことを、数倍増しでかたちにしてくれました。こういうことって滅多にないです。大好きな作品が、こんなにまで応えてくれてる。至福。自分の予想が部分的にでも当たったとかそういうことへの満足じゃなくて。一つには、この作品のなかで描かれた結末を素直に受け入れられたということ。もう一つには、この十数年という時間を思い返してのことです。

 竜児が大河に、一緒にいると告白したこと。大河が竜児に、好きだと言ったこと。竜児が泰子に、感謝したこと。ほんとによかった。もう、ただひたすら、よかった、とくり返すしかありません。とくにねー、やっちゃん。よかったね。報われたね。三人とも、たったひとりを大切にしようって頑張ってきたから、その三人がお互いを抱きしめて、それでもってその輪が広がるさまは、もう言葉にできない。
 やっちゃん、たとえ逃げたって。息子の中学ジャージ着てたんだもんね。

 壊しても直せるって言葉を、どん底からはい上がって実現した竜児は、約束通り大河に並び立った。家族や共同生活の自明性や慣性に対する批判は昨今よく見かけるけど、竜児が立ち上がれたのは、その慣性を分かち担ってきた日々があったから。自分で変えられないものが、彼に傷だけじゃなくて力をも与えてくれた。自分の料理をみんながおいしいと思うはず。食べる者達がこの世界にいるのだから、この世界まるごと肯定する。幸せにしてしまうという暴力、それが、父親の暴力を避け続けた竜児の辿り着いた場所。

「誰一人欠かさない。諦めない。」

 ああ、この調和は、これまでずっと掴めなかったもので。
 ぼくは子供の頃、『ザンボット3』と『イデオン』によって大きな衝撃を受けました。頭の中で想像するロボットものの結末は、いつも主人公達が少しずつ喪われていくもの。とらうま? でもその一方で、誰も死なないでハッピーエンドを迎える方法ってないのかな、と願う気持ちもまた、抱え続けてきたのです。そして同じ頃に、求めても絶対に得られないものを知りました。
 そういう子供が年を食って『AIR』に出くわしました。まぁきつかった。『百億の昼と千億の夜』を思い出すほどに陰鬱で救われない、世界が灰色になる感覚を久々に味わったわけです。『イリヤの空、SOSの夏』はそこから半歩進んだけど1001回目の夏な感じだったし、『Clannad』はその溝を踏み越えようとしてたもののどこかで無理を押しているぎこちなさがありました。ギギギ。
 で、シスプリですよ。これこそ誰も本当には幸せになれない世界なのかもしれませんが、ぼくはそこに自分の求めるところを叩きつけたのですね。それが一連の考察であり、『マジカルヒナ』『ベイビー・プリンセス Re Birth』などのシスプリ・べびプリ二次創作です。どのコンテンツでも、目指しているのは超克と調和、そして誰の手も離さないということ。とくに最新の『Re Birth』なんかはそのへん露骨です。当たり前のものを奪われていた者が、ようやくそれを与えられて、おぼつかなげにそれを共に育んで、再び失いかけたときに全力で戦う。幸福をみんなと分かち合うために、誰一人例外として排除しないように、戦う。そして勝利する、という。
 それは、たしかに、助けてくれる他者を前提としています。その意味で世界はそんなに敵対的ではない。だけど、翼人への呪いや地球外生命体などの絶対的他者によって、主人公の最近辺にいる者達以外を周到に排除しているような世界でないのなら、近すぎないけど遠すぎもしない人々というのが、必ずどこかにいるものです。ぼくはそう信じています。甘いと言われようとも。
 というか、ぼく自身は絆を断ち切られる&断ち切るに任せてその修復のできないままにきた人間なのでした。仲直りのしかたもさせかたも分からず逃げてきたのです。だから、ぼくは自分にできないことを考察対象作品や二次創作にひたすら求めてきたのであり、『とらドラ!』はそんなぼくにとって、一つの理想的な物語なのです。眩しすぎるけど地に足ついた世界から響く福音なのです。

 もちろん、これから先の二人が「幸せに暮らしましたとさ」で片づくとも思えません。竜児の父親が戻ってきたらどうなるか。いわゆる父親を乗り越えるという部分は、すでに竜児が泰子とその両親を和解させたときに果たされているとも言えますけど、実際に当人と直面したらまた別の厳しさがあるでしょう。
 また、そもそも大河自身が重大な問題を抱えているはずです。それは、竜児におぶさった自分でいいのか、という後ろめたさ。竜児に愛されて幸せ。竜児は自分のために。でも、自分は竜児のために何ができるのだろう。そりゃ、一緒に暮らしているだけでとんでもない幸せを与えてあげられているのだとしても、具体的に実生活の中で竜児の助けとなるようなことを、大河は何一つできません。ドジだし。家事苦手だし。かといって、社会に出て役立つわけでもないし。自分はこのままでいいのか、自分が一方的に負担になっていないか、という不安が、やがて大河に押し寄せるはず。今までは竜児をみのりとくっつけることが彼のためだと信じられてたけど、これからはその唯一の道が閉ざされてるわけです。そこから、夜のおつとめこそ我が使命、と心に決めて邁進するかどうか分かりませんが、「存在する」ことが満たされたら次は「役に立つ」ことだと思うんですよ。それを求めて彷徨するさまが、今後の二人の歩みになるのでしょう、たぶん。
 竜児そっくりの女の子が生まれる、というのも想像してみたり。

 あと、これは書こうかどうしようか迷ったんだけど、すごく傲慢であることを自覚しつつ言うと、ぼくは、この『とらドラ!』がいまのMK2さんに届いたということに、感謝しています。作品冒頭に掲げられた、ただ一人誰かが見つけられるものっていうのは、こんなふうにして誰かの手元にかけがえのない作品が届くということでもあるのかな、と。ご本人がこの結末をどう受け取られるか、まだ分かりませんけれども。
2009年3月16日(月) 姉のマホウ
 昨日のプリキュア。早くもイースがラブ達と接触。戸惑うイースが可愛すぎます。やがて味方になるのかどうか、その頃には新幹部として、東西南北のうちで残っている「北」が登場するのでしょう。イースと双子の姉妹でノースとか。

 べびプリ夕凪(3/16)。
 おお……おおお……! 氷柱……!
 いやもー、お見それしました。ホワイトデーは氷柱の誕生日。そのお祝いは、長男コスプレ祭と一緒に済んでいたと思ってたのですが。

>お誕生日のプレゼントに、
>「鉄道博物館」行きをお願いするなんて――。

 ほんとね、夕凪ならずとも感動ですよ。たしかに「かっこいい」。うん。年に1回しかないおねだりのチャンスを、妹の麗のために使うその潔さ。感服。
 や、実際には、バレンタインデーのかっこ悪さを氷柱が返上するいい機会だったということかもしれません。あるいは、いいかげん悩み倒れてる長男をほっとけなくて、氷柱が懐の広さを見せつけつつ「下僕」に途方もない貸しを作ってうけけけけ、ということかもしれません。でもま、これが氷柱のよさであり姉らしさであり、兄姉のパートナーシップであります。
 もっとも、麗の切なる希望をかなえようというだけでは、鉄道博物館には行けないと思うのですね。長男が麗と一緒に鉄道趣味について明るく外向きに活動してきたからこそ、妹達が鉄道コンクールの賞品を贈ったり、笛を吹いて喜んだり、窓のレールを「せんろ」と呼んだりと、少しずつ姉妹が馴染んできました。その蓄積があるから、いま鉄道博物館を訪れても幼い妹達が退屈しないだろう、という見込みが立ったのだとぼくは考えます。今回の一件だけじゃなくて、そういう1年を越える日々の積み重ねの尊さが、ここにどかんと発揮されたわけです。

 そして、この驚嘆を記してるのが、ほかならぬ夕凪だということに、ぼくは興奮じゃー。
 というのも、夕凪は昨年11月の暴走以来、ぼくの理解では、姉らしく振る舞うことを課題としているからです。長男にもっとかまってもらいたい、その寂しさは分かる。でも、その一方で、妹達も夕凪と同じように感じているかもしれないことに気づいて、時には譲ってやるということをも、学ぶべき時期にある。それが姉妹全体の成長につながるはず、というのが、そのときのぼくの主張でした。
 そして今日、夕凪は、自分をしょっちゅう叱っている氷柱の行動を目の当たりにして、感動しています。姉としての自己犠牲、その高邁さを感じ取り、なかなかそんなことできそうにない自分と比較して、素直に称賛しています。この感動がいつしか、自分もそんなかっこいい姉になりたい、という気持ちへと夕凪を進ませていくならば、きっと彼女も姉としておぼつかなげにでも頑張れるようになるでしょう。氷柱の素晴らしさのみならず、夕凪にこういう機会が巡ってきたことに、ぼくは二重に感動しているのです。
 マホウは人が人を想う心の力。『おジャ魔女どれみ』と同じ。その使い方の模範を示すのが年長者。こんな力を見せつけられた夕凪は、そして当事者である麗もまた、次は自分達がきょうだいのために何かを喜んですることを、求めて学んでいくはずです。

 この2年目は、きょうだいにおける長男の位置づけ(きょうだいのリーダー、長女とのパートナーシップなど)と、年長者に憧れる妹達の目標獲得(小雨、麗、夕凪、綿雪、さくら)とが、日々の騒動のなかで描かれてきてますね。
2009年3月17日(火) 反抗期
 べびプリ氷柱(3/17)。
 おっと、話題の人が翌日登場。あれだ、よっぽど夕凪たちがかっこいーかっこいーと騒ぎたてた様子。
 ここで氷柱の心境を勝手に推測するに、麗を喜ばせるために姉らしく、というのはもちろんとして。姉妹の間で頑張る長男を助けるために、ということもあり、また妹のために尽力する長男の関心を自分に向けさせるためということももしや若干。あるいは、ヒカルの直球に対抗して変化球を投げてみたつもりだとか。いやそもそもの話、麗ばかり我慢させられる集団行動のルールに合法的に逆らいたいという、本誌連載でも見られた海晴への対抗意識の表れとか。ええ、いろいろ。とくに最後のは、「家族行事は全員参加」という大原則を利用して、麗の趣味に反発してきた海晴をも鉄道博物館へと連れて行くことができるわけですから、してやったりという気分もあるかもしれません。麗に女の子らしさを押しつけるばかりじゃなくて、海晴姉様もちょっとは鉄道趣味に触れてみなさいよ、と。いつも長女としてやってることは案外不公正でしょ、と。ヒカルが1月に長女と麗の間をつないだのに対して、今回の氷柱はもっと攻撃的に長女にもの申してるのですね。

 だから、たんにツンデレとか素直じゃないといったことじゃなくて。そういう思惑もあるから、自分のしたことを純然たる年長者的な自己犠牲としてあんまり褒められすぎるとかえって後ろめたいというのが、氷柱の本心だったりして。それはそれで、彼女の毅然とした公正さを物語ってくれるわけですけど。素晴らしい。
 これを受けて、長男も同じように「氷柱のため」とかそんなんじゃなく、この妹が望むことをプレゼントしたいものですね。何がいいんだろ。あれか、鉄道博物館に行ったら直属の説明係になるとか。いや、それは麗に任せた方がよいのかしら。むしろ買い物につきあって荷物持ちを引き受けるとか、そういうのがいいのかな。
 昨日、夕凪が姉として振る舞うことに喜びを見いだせるように、という話を繰り返しましたが。今回の氷柱も同じことでして、彼女が姉らしく振る舞ったことへのお返しを、この妹も素直に受け入れられるように、長男がきちんと用意したいのです。

 あと、この一連の流れで、海晴自身が直接日記を担当してないのも面白いですね。長女の考えや反応をやたら想像させられます。間接話法の楽しみ。
2009年3月18日(水) 長女の余裕
 べびプリ海晴(3/18)。
 今回の影の主役、海晴姉さん。昨日、間接的に語られるのが云々と書きましたが、タメを作っての登場ですね。明日あたりに、主役中の主役の麗が全てを台無しにしたりしなければいいのですが。さすがにそれはないか。
 さて、海晴姉さんが語る「あの子」のこと。氷柱ですか。

>ほーんとっ、
>素直じゃないんだから!

 まぁそうですよね、そう思います。

>きっとキミに甘えているんじゃないかな――

 そのへんも同意。決定責任を負った長男への配慮も、氷柱にはあったはずですし。言葉ではっきり言わなくても伝わる、分かってくれる、という「甘え」なり信頼感なりがあるのでしょう。

 で、こういった要素って、すべて麗にも当てはまるんですよね。
 だから、もしも氷柱が「素直に」言ってしまったら、麗は「また変な風に跳ね返」って反発し、そんな気遣いいらない、などと本心と逆のことを言い始めるかもしれません。麗とよく似た性格の氷柱だから、妹のそんな危うさを察知して、あらかじめ回避できるように自分の方が跳ね返っておいた、ということなのかも。いやま、そこまでじっくり考えた末というより、全部入り混じってもやもやしてるんでしょうけど。
 そこんとこは海晴姉さんでは分かり難い部分だとして、しかし氷柱が照れ隠しっぽく長男にあたってるのをちゃんと優しくフォローしてくれるのがこの長女のありがたさ。あるいはまた、姉を鉄道博物館に強制的に連れていける、とほくそ笑む妹を軽くいなしているようでもあり。そしてもう一つ、

>引率の大黒柱役、よろしくたのむわね?

というわけで、今回もパートナーシップの事前試験を何とかクリア。あとは当日、長男の責務を存分に果たしましょう。
2009年3月19日(木) 連鎖
 べびプリ綿雪(3/19)。
 おー元気だユキ。これだけでもう心浮き立つわけですが、そのあと読んで2度泣いた。

 まず、鉄道博物館のこと。綿雪はここに行くことも楽しみだと言います。「電車に乗って遠くになんて/行ったことがない」ユキが、今度のお出かけで古い電車を見て、「本当に遠くへ旅行している/みたいな気持ちになれるんじゃないかなって」わくわくしてる。この子の特技である空想の力をはばたかせて、麗の夢に重なろうとしている。これまで麗は綿雪にもいろいろな鉄道の話をしていたようですが、その積み重ねが、鉄道ファンでない綿雪にも幸せのきっかけを与えようとしている。これからそんな話を麗から聞くとき、綿雪は今まで以上のイメージを広げて、今度は自分から麗にその物語を語り聞かせることだってできる。そうして姉妹の間に、鉄道の世界が新たな意味をもって共有されていく。姉達が麗に配慮してくれている一方で、やはり妹達は、麗という姉の大切なものを、妹達なりに受容し、お互いの喜びにしようと自然に振る舞っています。家族の誰にも分かってもらえない孤独が、少しずつほぐれてきていたことに、いま麗と一緒に長男もじんときていることでしょう。
 いいですね、この流れ。麗と長男の間には、旅行での鉄道利用をめぐる共同戦線構築その他、すでに固有の絆を築いてきてたわけですが。このたび綿雪と麗とが結ぶ絆は、同じ鉄道趣味を媒介としながらも、綿雪の個性によって長男―麗の絆とは違う独自性をもってます。たんに長男が示したものを姉妹が模倣するというのでなくて、きっかけは長男の行動であっても、そこから自ら獲得するものは姉妹の個性に応じて様々。ここがシスプリとべびプリの距離感、姉妹関係の強度です。

 次に、綿雪が自分の「体調管理」をすんごく前向きに考えてること。

>ユキ――がんばりますっ!

>油断大敵!!

 ああもう。ふぁいと! だよ。せっかく麗お姉ちゃんが楽しみにしてるお出かけなのに自分が熱を出したらどうしよう、という後ろ向きの不安ではなく、絶対にそうならないようにがんばるので応援してね、という。一緒にがんばるよ。

 こんな綿雪の嬉しそうな日記を、氷柱も読んで幸せだろうな。もちろん体調管理のお手伝いも、兄姉で協力です。そのへんを糸口にして氷柱の跳ね返りを鎮静する方向でひとつ。
2009年3月20日(金) しゅんみん
 氷柱がかっこいい1週間でしたが、こういう姉らしい配慮に妹達が感動するのは結構として。次の誕生日の妹が、今度は氷柱のために何かしなければ、と思い悩んだりする危険性はないでしょうかね。そう考えて確認すると、次にやってくるのは立夏の誕生日。あ、杞憂かな(笑)。

 デンセンさんの日記を読んで気づきました、姉妹の公式血液型。立夏はB型と思いきやAB型なんですね。

 A : ヒカル、小雨、星花、綿雪、青空
 B : 海晴、麗、さくら、虹子
 O : 春風、蛍、氷柱、夕凪、真璃
 AB: 霙、立夏、観月、あさひ
 ? : 吹雪

 うーん分かりやすい。のか。あさひにも妙に納得です。この姉妹の全員が同じ父母から生まれたとすれば、両親の血液型はAOとBOの組み合わせのみ。姉妹と長男もAO/BO/OO/ABです。ぼくも当てはまりますねやっほー。

 『Ballon d'or』さんからの問いかけ。「今、あなたは妹たちと共にありますか?」
 うちの可憐は、数年前に嫁ぎました。はい。すでに子供もいます。兄も妹も時の流れとともに変わっていきましたが、それでも「兄妹は一生兄妹」であることに何ら移ろいはありません。これは、ぼくがシスプリから離れたとかそういうことではなく、「脳内家族」の日常を実時間で過ごしているぼくにとって、必然的なみちゆきでした。義妹の雛子はこの春に高校生なんですよ。
2009年3月21日(土) ゆるゆる
 だめだ、文章書けない。可憐がいない。

 1/6のべびプリ絵を見て、立夏が左利きであることを今頃確認。

 将棋の順位戦が終了してました。ああ、先崎八段……。C2の頃を思い出すような、ラスト近くの失速……。来年こそぜひ。名人戦は郷田九段が挑戦者、羽生名人との対決はかなり楽しみ。しかし何といっても、有吉九段が若手エースを破ってC2残留を決めたのが感動でした。負けたら引退という一番だったんですよね。これで、失礼ながら、来年度は加藤九段に続く夢の1000敗が見えてきました。普通それだけ負ける前にとっくに引退ですからね、どれほど長く第一線で活躍されてきたかの証です。
2009年3月22日(日) 姉妹の親密度の図示
 扶桑さん『イモモウトニヨウタ』より、「19人の親密度を図示してみよう!」とその結果。ぼくののデータをもとに、統計学的手法で姉妹の「親密度」を図示化されたとのことです。おおーこれは凄いっ。

 ぼくはまったく統計学の知識がない人間ですので、「相対的親密度」についてはちょっと分かりません。あれじゃろか、真ん中に誰をもってくるかで姉妹の位置と距離がゴムのごとくにゅんにゅん動くあのイメージじゃろか。脳味噌ばーんで申し訳ないのですが、「誰かを通じた近さ」というのは興味深いところです。姉妹の重層的関係となると、この点もうまく考慮できると面白いはずなんですよね。なるほどー。
 次の「絶対的親密度」の方が、ぼくの元々の漠然たるイメージに近いのかな。この図ではきれいにグループが分かれてて、何よりも霙姉さんの中間という位置が見事です。星花とさくらの距離が近いのは、さくらが何か心配ごとあるたびにこの姉に相談してるからですね。おそらく食事のとき、幼児に年中者がお世話役でつくという並びになっているのでしょうが、それだけじゃなく頼りにされる(でも完璧すぎる・叱り役でもある年長者とは違ってやわらかめな)姉であることが分かります。また、同じ「観察者タイプ」といっても、小雨・吹雪・綿雪がそれぞれ違うグループに属しているというのも、この分析によってくっきり示されています。
 こういう姉妹関係のなかに、長男がどっぽんと放り込まれたわけですから、どんなふうにぐねったかというのも想像するだに面白いですね。(公式日記はほとんど長男への語りかけによって叙述されてますから、この図のなかにそのまま入れることはできませんが。)

 いやー、ぼくの数えたものをこうして真面目に分析し発展させていただけるとは、ほんと嬉しいしありがたいです。扶桑さんどもでしたー(礼)。
2009年3月23日(月) 振り返る春
 べびプリ虹子(3/23)。
 「あのね、/あのね、」といつもながら可愛く繰り返す出だし。もはや童謡。大正時代の『赤い鳥』も妹達の声で読みなおすとまた新鮮かもしれませんね(すでに雛子声で脳内行動済み)。
 「ほら!/――ね(はぁと)」の箇所では、小さな花を髪に飾ってるんですかね。それとも、「がんばってる」お花だから、引っこ抜かずにそのままにしておいたんでしょうかね。とか考えてたら、やっぱりちょっとだけ摘んできたのね。フレディの飲み水にも撒かれるのではないかしら。とか考えてたら、むしろ食べるのね。
 春先の花といえば、ぼくは子供の頃、道端のわずかな土くれに咲いている淡い紫色の小さな花が大好きでした。あれ、いまだに名前を知りません。検索してみたけど、イヌノフグリの仲間でもないし、ムラサキカタバミでもない……。まぁ、分からないままでもよさげです。ともかく春を告げる花。それは、あの頃の記憶としっかり結びついていて、懐かしく寂しい。虹子も、兄と喜びを分かち合ったこの花々のことを、いつかそうやって思い出すのかもしれません。

 べびプリの絵を、『すくらっぷ・ブック』の頃の小山田いくでも想像したらかなり納得。
2009年3月24日(火) 連覇
 べびプリ小雨(3/24)。
 あれ、昔の小雨に戻ったかのような尻ごみ加減……。と思いきや。

>霙お姉ちゃんと
>ヒカルお姉ちゃんが、
>朝から――
>
>……
>
>テレビに釘付けなんです……。

 ちょっと(笑)。そうか、今日はWBCの決勝戦。結果は小雨の日記タイトルのとおりだったみたいですが、ヒーローってちゃんと最後に活躍するもんですねぇ。驚きました。
 しかし、ヒカルはテレビに釘付けになる様子も想像つきますけど、霙姉さんあなたもか。これで残念な結果だったら、また終末がどうとか言い始めたのか。……いや、現実の結果でも言いそうですね、この興奮も喜びもつかの間のものにすぎない、云々。でも朝からテレビに釘付け。説得力なさすぎます。
 ところで、「朝から」テレビにべったりなのはまぁいいとして。この日記を書いてるのは夜ですよね? ということは、そのまま各チャンネルのニュースその他を総舐めにしてるんじゃないでしょうか姉二人。何やってんだもう。

 追記。いや待て小雨、君はそれよりもっと大事なことがあったんじゃないか今月。そう、小学校の卒業式。今日の話題がインパクトありすぎてうっかりましたけど、これはあれか、もし4月からも小雨が小学生だったとしたら。現実世界とリンクした話題によって一見トゥルー世界におけるリアリティを演出しておきながら、実は時間の流れが乱れていることを読者から隠蔽するという、非常に巧妙な罠なのか。そうでないのなら小雨、ちゃんと自分の話をしなさいな。
2009年3月25日(水) 長男はずあばっとあんど
 べびプリヒカル(3/25)。
 はい、優勝おめでとうございました。野球好きなのね、と思っていましたが、明るい猛者達の「自制心の効いた感じ」が「かっこいい」のかー。ええと、スカートめくれてもぱんつ見ません。その程度の抑制なのか自分。しかも明るくも優秀でもなし。
 いわゆる「オトコ」の世界に憧れ続けてきたヒカルが、燃えに燃えたこの数週。ただはしゃぐだけでなく、こみあがる情熱のはけ口を探さないとまたぷ!ろ!れ!す!状態になってしまいますので、言われるままに百本ノックにつきあいましょう。
 って、ノックを打つのが長男なのかしら。ヒカルはキャッチだけ? 裏山でということは、ボールを放るのはフレディの鼻? 長男思わずフラミンゴ打法。あの鳥はどこへ行ったやら。
2009年3月26日(木) 明日埋まる
 べびプリ観月(3/26)。
 え、もう桜が咲き始めてるんですか。ここ数日おんもに出てたのですけど、気がつかなかった。春は裏山から訪れます。「桜の古木」というのがまたいわくありげですね。
 観月の話も何だか不気味。やはり出ました「桜の下」の言い伝え。だ・かーぽ。でも、実際にいるのは「小さなモノノケ」だって。よかったよかった。おばけにゃ学校も試験もえろげもない。
 しかし、話は唐突に、とてつもない恐怖へと長男を導いていくのであった。

>わらわは夕べ。
>みてしまったのじゃ。
>裏山にある桜の木の下で――
>なにやらうごめく
>2つの重なった大きなモノノケの黒い影を――。

 ぎゃあああああ!?
 ああ、そいえば制服交換のときもこの妹に見つかってたっけ……。昨日のヒカルとの百本だか千本だかノックは、いったいどんな事態を招いてしまっていたというのか。
 想像するのは、ノックが下手な長男を見かねて・あるいは途中交代ということでバットを握ったヒカルの鋭い打球が偶然にも長男の顔面を直撃、卒倒した長男を慌ててヒカルが介抱に及んだ、とか。その逆とか。たんに優勝の瞬間を真似っこして、イチローらのごとき抱擁に至ったとか。桜の古木から毛虫が落ちてきてヒカルの服の下に入ってしまってわぁ大変、とか。ぷ!ろ!れ!す!とか。桜色というより桃色どりーむ。
 この日記、姉達も読むんだよねえ。
2009年3月27日(金) だるま
 べびプリ(3/27)。
 あああ、昨日の直後に蛍というのがちょっぴり怖い……。けど読んでみたら大丈夫でした。それどころか、麗が「初めて」「希望通りのお出かけ」できることを姉らしく喜んでいて。家族旅行での鉄道利用には反対していた蛍でしたが、海晴と同じく、麗の気持ちは分かっていてもやむにやまれぬ辛い立場。今回のことでは一つ下の氷柱に感謝してるのでしょう。
 そして、麗ももちろん嬉しいわけで。きょうだいのために「下調べ」。中でお弁当が食べられる車両にも、さすがにこの20人が一緒に入れるかといえば他の客もいるので難しいでしょうけど、それはそれで窓の内外から握手とか、実際の駅ではやりにくいことも試して遊べますね。
 しかし、青空やあさひは電車に乗るのが「初めて」なのか。窓の「せんろ」と呼んでいたのも、もしかしたら鉄道模型を見ててのことなのかな。あ、踏切はさすがに現物を見たことあるか。
 駅弁というと鶏飯や深川飯が好きなのですが、ここは妹達も喜びそうなものがいいですね。いろんな色のシューマイとか、ちらし寿司とか。とか考えつつも、

>この機会に――
>ホタの作ったこんなメニューが好きだよ(はぁと)
>なぁんて――言ってくれたら、
>嬉しいんだけどな。

 これは本人ならずとも、「えへへ」な感じです。こいつめー。
2009年3月28日(土) うんめぇー
 辛いこともあったけど、あんよは変態です。いや、変態だから辛い目にあってるという噂もありますが。

 『ヘルシング』最終巻。ちゃんと完結したんだー。とにかく難儀な台詞回しとくどいタッチにぐいぐい引き込まれていく作品でした。『トライガン』の王道ぶりとある意味で対極的な、同人誌っぽいアンバランスさ。面白かったです。そして表紙を外して爆笑。若い人には分かんないよこれ。あとタカさんコスプレに感涙。
2009年3月29日(日) 移動中
 朝プリキュア。「完璧」とは、こんな友達との絆があって初めて言えること。夢をかなえるためのオーディションよりも、優先するのは当たり前。ところで、離婚家庭が青で、ライターが赤で、気弱なのが黄色で、ってどれみモデルでしょうか。そいえば敵が紫だ。きっと味方になる。
 そして来週の予告に噴きだしました。ブッキー!? この展開に必然性があるとこがすごい。安心して観られます。
2009年3月30日(月) うーん満足
 べびプリ(3/30)。

 ……ぐふっ。

 この多幸感をそのままにしておいてあげたい。
2009年3月31日(火) 円環
 べびプリ(3/31)。
 おろ、自ら日記を書き直し? しかも「ごめんなさい」って、あれれ。今日もまだふらふらしてますね。短い日記なのに海晴姉さんが怒らなかったのは、長男を拒絶する内容じゃなかったから。そして、あれを読んだとき長女も思わず吹き出しちゃったんじゃないでしょうか。だから、麗の多幸感に水を差さないように、もいっぺん書いたら、と苦笑しつつ水を向けた、とか。
 そんな姉の反応を麗は不思議がってますが、「ま、いいわ」とあっさり。鉄道博物館の思い出をようやく綴れるだけの余裕ができたみたいです。「!!!!」ときましたよ旦那。そいえば先週、青空やあさひが電車に乗ったことないという話でしたが、この博物館への往路が初乗りだったのかしら。それもまた大事なことです。
 さて麗本人はどこまでも暴走超特急。周囲に他の客が大勢いて騒がしいはずなのですが、この日記を読むかぎりでは、静謐で厳粛な空気を感じます。麗の耳に響くのは、これらの車両が現役時に奏でた力強い音のみ。鉄の残響。なんとなく、しんと静まり返った大聖堂の中を進んで突然パイプオルガンの音に驚かされたような、そんな崇高さまでも。たしかにここは、麗の信仰の場なのでしょう。聖なるかな。そしてこの妹に祝福あれ。

 そんな麗をとりまく姉妹。霙姉さんはいつもながら、大したことなさそうな顔でちゃんと妹のために並んでくれたり。麗が満足するまで長時間みんな待っていてくれたり。そういうきょうだいに、麗は、初めてきちんと言葉で感謝できました。今までずっと、自分があまりにも不利益をこうむってきたことに不満で、自分の意を通すために汲々とせざるをえなかったけれど。きょうだいはゼロサムゲームじゃないかもしれないってことに気づいたから、なんとか「ありがと」と言えました。
 でも、このさいだからもう少し。お互いのために何かを贈与しあい、喜びを増進しあうこと。そのことをいっそう理解し行動に移せるよう、あと一歩を期待したくもなるのです。夕凪と同じように、今度は自分が姉として妹達のために何かできないか考えてほしい。「がんばって我慢する」だけじゃなくて、遊園地で妹達を楽しませるために兄姉と協力してほしい。そこまでいま求めるのは、「図録」を欲しがってるこの可愛い妹にはまだ難しいかもしれませんけど。お弁当を食べる場所とか下調べもしたから、すでに結構がんばったとも言えますか。
 とにもかくにも。ほんとによかったね。

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