日記
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2005年7月1日(金) ふいい
 やっと7月に入りました。六月水無月水入らず。気はおかしくてきなこもち。我ら恐怖の三角定規。七月文月も水入らず(縁側で)。「ふみつき」というと、「ふまれづき」というのもあるのか。踏まれ月の花札には、しみいろの短冊が。記された文字はAA。

 D&Dまわりで、暇をみてはこちらとかこちらとか拝見してたのですが。その中に航パラディン発見。しかし花穂と衛が……いや、それ以上に鞠絵が……。でも鞠絵と千影が魅力最高値というあたりに何か感じるものも。
2005年7月2日(土) 夏は来ぬ
 夏コミの情報も各所で公開されつつありますが、ぼくは今夏は仕事で駄目っぽい(ほぼ確定)。あうー。年明け頃から分かってはいたものの、いよいよ余裕がなくなってまいりました。それでも、シスプリ関係はまだまだ健在みたいですので、せめてみなさんを応援することだけでも。
 Zoroさんは委託予定とのことですが、通販は開始されてました。ほのぼの千影漫画本の『Fancy Funny PARTY CAT』と千影&春歌SS本の『魔弾の射手』、未読の方はぜひどうぞ。前者には千影と一緒に入った気分になれる入浴剤つき、後者にはぼくの4ページコラムつきです。

 さすがに考察のネタはほとんど残ってないけど、SSとか久々に書きたいなあ。
2005年7月3日(日) 冬はこっとん
 ところで、「ぶるま」だの「スク水」だの「絶対領域」だのと世間はいつものように大にぎわいですが。これらのコスチュームというのは、いずれも女性にとっては肌を露出しやすく、体を冷やすようなものばかりなのではないでしょうか。男が興奮する服装なのだからして当然のことかもしれませんが、しかしそれでは女性の健康に差し障ってしまいます。巫女服の袴もしばしば短くなっちゃってるし。そこで、長めの衣服に萌えの対象を広げる運動を起こしてみてはどうでしょう。肌の露出が少なくても、いや少ないからこそ萌える、というえねるぎーを、女性の健康のために我々は今後鋭意増大させていくべきではないでしょうか。
 その第一歩として、幼女がお姉ちゃんの制服を着て袖裾を引きずっている姿を例示しておきます。
2005年7月4日(月) 明日菜のあの日(下品)
 『ネギま!』原作での入浴・水泳・下着等の描写をもとに、明日菜の生理周期を推測しようと試みましたが、どうもうまくいきませんでした。
 暫定的な情報だけでも記しておくと、一番怪しいと睨んだのは2つの場面です。

 まず、67-68時間目。67時間目で土砂降りの中を帰宅した明日菜達ですが、他の面々が入浴する姿は描かれているものの、68時間目で明日菜は入浴場面のないままパジャマ姿に着替えてます。
 一緒にいる木乃香もすでに寝間着っぽく見えますが、靴下をはいているので(69時間目参照、なお71時間目では脱出時に滑らないためにか脱いでいる)、たぶん普段着でしょう。また、ここで風呂場に単身向かおうとしていた刹那が、大浴場に誘おうとする木乃香の偽者に「明日菜さんとお部屋に戻られたのでは?」と問いかけており、おそらくここまでの間に明日菜も木乃香もゆっくりと入浴する暇はなかったはずです。
 あるいは、明日菜が濡れた制服をひとまずパジャマに着替えただけの可能性もありますが、これから風呂場に向かうのだとすれば、また普段着に着替える手間をかけるのも変です。もちろん素直に考えて、部屋のシャワーを速攻で使った可能性は十分あります。しかし、あれだけ雨に濡れて帰ってきたのであれば、冷えた体を大浴場で温めたいと思ってもおかしくはありません。なのに敢えて部屋の風呂場で簡単に済ませたとすれば、この日の明日菜には、大浴場での入浴を慎むべき理由があった、という憶測も可能なのではないでしょうか。
 これをもとにその後の展開を辿ってみると、スライムに拉致された明日菜は、目覚めるとヘルマンによって吊されたうえ、パジャマから色っぽい下着姿に替えられていました。激怒した明日菜はヘルマンを蹴り飛ばすのですが、これがただ勝手に着せ替えられた(しかも下着を)ということへの怒りだけでないのだとすれば、それはつまりそういうことです。

 次に、60時間目前後。60時間目で明日菜は、自分に内緒で図書館島に出かけたネギを罵り、数日間も口をきかなくなります。
 これは、明日菜がネギのその水くささにたまりかねたというだけでなく、体調不良も重なって、つい口が汚くなってしまったのだとすれば。「何で私に言わなかったのよ」に続く「このガキ!」といういきなりの売り言葉も納得がいきますし、「毛も生えてないガキのくせに」という再度の売り言葉も、いま彼女自身が生理痛という苛立ちをかかえる大人だからこそ不意に出た表現だと分かります。こんな体を押して特訓につきあってやってるのに、このガキャー。
 しかも、これに対するネギの「パ○パン」という買い言葉は、明日菜の大人としての苦悩を否定しくさるものですから、明日菜が激怒するのもやむを得ません。さらにネギに召還されてタカミチに裸体を見られるなどさんざんですが、その後ネギと3日も口をきかない(61時間目)というのは、怒りに加えて生理痛が続いていたことを暗示します。南の島では普通に水着姿で泳いでおり、またネギに正面から向き合う決意ができていますから、この頃にはすでに落ち着いたということでしょう。

 以上の2例について、それぞれいつ頃のことか検討してみます。『魔法先生ネギま!研究所』内の年表によれば、前者が5月11日(日)から数日おいて、25日(日)までの間。これをもう少し限定してみると、ネギのへろへろな様子に生徒達が動揺していることから見て63時間目は月曜日。つまり、5月19日(月)あたりが妥当です。次に後者は、5月6日(火)前後となります。ここで、明日菜の生理日は、同じ5月中に2つの可能性があることとなりました。これをさらに限定するには、他の月での明日菜の姿と付き合わせなければならないのですが、これがどうにも上手くいかないため、どちらかへの特定も、周期の推定も、結局できずに終わりました。もしもこんな作業を受け継いでくれる方がおられましたら、ぜひよろしくお願いします。
2005年7月5日(火) ドロッカーブ
 昨日分ではああいうこと書きましたが、『ネギま!』で一番好きな女性キャラは明日菜です。屈折した愛情表現。
2005年7月6日(水) あははのは
 『ニニンがシノブ伝』、やっと見終わりました。正直、水樹奈々という声優を軽く見ておりました、反省。
 若本規夫の方は、まあ好きなんですが。あの語りのテンポが、原作の勢いをちょっと殺してしまっている感じもありました。1話8分ぐらいですぱぱーんとネタをおっかぶせていくのが、ぼくの脳内でのアニメ版。とり・みきの『るんるんカンパニー』とか同じ速度だなあ、と思い出しながら。
 それにしても、オープニングの黒シノブはいずこに。
2005年7月7日(木) 小中対決
 ずいぶん前の話ですが、熊倉隆敏の漫画『もっけ』を読む。IRCで勧められたのがきっかけですが、そのさい「きっと妹の方に萌えるだろう」という予想のおまけつき。ぼくがどういう人間として受けとめられているのかよく分かるエピソードですが、実際に読んでみたら瑞生よりも姉の静流の方に転げました。えー。今度は「にせものだー」という声が彼方から聞こえてきます。や、妹の方ももちろん可愛いですけどね。姉の方が黒いじゃないですか。つまりそこです。
 あと、里見桂の『なんか妖怪!?』を思い出しました。ってえらい昔の漫画を。あのヒロイン、(妖怪アンテナとはいえ)アホ毛キャラのはしりなのかも。
 それはさておき、面白い作品を教えていただきどもでしたー。あっさりしてる絵柄のようで、生臭さと不気味さがちゃんと漂ういい妖怪漫画です。
2005年7月8日(金) とどけえとわーる
 にMusical Batonをお渡ししたらむださんから、全然違う返事が送られてきました。その名もロリコンバトン。……既にどこかで回ってるものなのでしょうか、これ。

<らむだ氏の回答>
・本棚に入ってるロリコン漫画単行本の冊数
 50冊程。
・最初に買った作品
 内山亜紀『恋する妖精』。
・最後に買った作品
 完顔阿骨打『ROUND SHELL SECOND』。
・よく読む、または特別な思い入れのある5つの作家・作品
 内山亜紀『あんどろトリオ』。わが人生における躓きの石。ドナルドの噂。
 写真集『君はキラリ』。入手できず永遠の憧れ。あの頃、古本屋で5万円。いま所持してると犯罪。
 倉田悠子『超次元伝説ラル』小説版。アニメ版を越えるノベライズの鏡。
 番外地貢『ろりっこキッス』。昔、「蛮一世」というペンネームだった記憶があるんだけど。
 えろげ『Baby Face』。ろり経済の矛盾を鋭く描いた一作。
・バトンを渡す5名
 とりあえず、あんよ。

 えー、答えなきゃならないんですか。って、こっちのバトンへの返事はどうしたのか。

<あんよの回答>

・本棚に入ってるロリコン漫画単行本の冊数
 0冊。ほんとです。本棚に入りきらないので全部段ボール箱の中です。

・最初に買った作品
 そんなん覚えてません。ええと、たぶん雑誌『レモンピープル』。
 『ゼオライマー』とか『パトライザー3』とか新田真子とか、懐かしすぎます。

・最後に買った作品
 あらきあきら『えっちなウワサ』。ってこないだ出たばかり。

・よく読む、または特別な思い入れのある5つの作家・作品
 吾妻ひでお『吾妻ひでお全集』第2巻。少ない小遣いでどの巻を買うか何度も悩みました。別の真面目な本を買うという選択肢はなかったあたりが、どうにも。
 吾妻ひでお『スクラップ学園』。ミャアちゃん。吾妻2つめだけどこれだけは。ツン系小悪魔美少女というか何というか、もう。おでん(謎)。
 内山亜紀『あんどろトリオ』週間連載前に掲載された読み切りの予告カット。たった1カットがとてつもなく衝撃的でした。
 中森愛『〆切厳禁』。後から振り返ると、吾妻ひでおから森山塔への経路となっていました。内容はやや年齢高めですが。
 森山塔『よい子の性教育』。時代の転回点です。アニメイトで売ってたあの頃。これもじつは年齢高めなので、文庫本の『あとは寝るだけ』の方が適切かも。
 やまぐちみゆき『ロリコンしましょ』。高校時代に読んだ4コマと、単行本で10年ぶりに再会して感動しました。シリーズ作品も同じ古本屋で入手しましたが、直後に閉店。たぶん、その役割を終えたのでしょう。

・バトンを渡す5名
 せっかくだから回しますか。
 と思ったけど、こんな文字通りの不幸の手紙なんて送れるものかー(地面の穴に向かって絶叫)。そういうわけで、お答え下さるという奇特な方に、ボランティアでお願いしたいと思います。
2005年7月9日(土) 合身がっしん
 20日に書いてます。だめだ、油断するとまた溜めてしまう。

 鈴凛の誕生日。これまただめだ何もできてない。四葉の誕生日に至ってはその告知さえ、というありさまですが、シスプリファンとしてちょっと反省せねばなりません。

 こないだの「長めの衣服萌え」について、Zoroさん水野さんからご賛同(?)いただく。わーい、間違っていなかった。むしろ全部間違ってる気もしますが、それはそれとして(反省はどうした)。
 「幼女がお姉ちゃんの制服を着て袖裾を引きずっている姿」というのとはちょっと違うのですが。昔バイト先で、小5の女の子が中1のお姉ちゃんの制服をこっそり着て「ねーねー見て見て」と遊んでるのを直視しまして。かなりあちこち不足しているその姿に、夕暮れの仕事疲れもたちまち吹き飛んだことを覚えています。胸元なんか完全に平板なわけですが、このシャツとの間の空隙が、制服を本当に着用する頃までにはだんだんに埋まっていくのだろうな、と想像するぼくの脳内では、なぜか『UFO戦士ダイアポロン』のオープニングが繰り返し流れるのでした。
 そうか、これが「悟る」ということか。小5ロリ。
2005年7月10日(日) いのちくれない
 マリ見て新刊。そろそろネタバレもいいでしょうか。
 祥子さまにああいう設定があったというのは、これまでの経緯を振り返るとちょっとどうかな、とも思いますが。同時に感じるのは、あの幸福な瞬間でのどうにもならなさが、なんとなくKeyっぽいかな、と。さちこちん、ぴんち。
 祐巳の目はいつだってお姉さまに向けられていて、いつだって自分の力不足を痛感している。それは自分のことをよく見ているようで、でも自分そのものを見つめているわけではない。そんな彼女だからこそ、大切な友達のために心配しながら、自分の妹選びのことさえ忘れてしまう。じつに彼女らしい誠実さと、残酷さ。
 だから、もう一度レイニーブルーを望みます。あのときの苦しみを忘れてはいないけれど、祐巳を支えてあげられる機会を、あるいは祐巳の残酷さをなじる機会を、彼女を慕う子が掴めるだろうから。
2005年7月11日(月) マーブルスクリューは熱光線
 昨日分の朝番。
 マジレンジャー。優男登場。ぼくのブルーに手を出すな(えー)。とりあえず脳内で悲恋決定です。
 響鬼。吹奏楽部の顧問が『マサルさん』のトレパンだったら、とか想像。ホイッスルだけで楽団編成。ヒビキさんは後輩育成改造人間。一人の陰に三十人(敵が)。この少年も、ほんと祐巳すけみたいだなあ。
 プリキュア。目覚めるぽぽ、というわけで前作同様の展開に。

 ジャアクキングの意志が世界を支配しようとするとき、なぎさは絶望を振り払って「私にはほのかがいる!」と親友の家へ駆けていく。しかしそこに見たものは、暴徒達が振りかざす槍の先にうつろなまなこを開いたほのかの頭だった。絶望したなぎさは人類を絶滅させ、一方自らの正体に気づいたひかり=サタンは、悪の僕達とともになぎさとの最後の戦いを迎える。
 激しく短い戦いの後、息を引き取るなぎさの傍らで、ひかりは涙をこらえてうつむく。その彼方の水平線からは、地の底から人類なきあとの地上へと、光り輝く者達が飛び立っていった。
 その姿はまさしく、ナージャだった。
2005年7月12日(火) 狭いだよもん銀河系
 薫さんの日記で現代日本SF史概説。基本とのことですが勉強になります。「思弁的な巨大さこそがSFの魅力」というのは全くその通りだなあ、とか思いながら、ここで挙げられている作品をよく見れば『百億の昼と千億の夜』しか読んだことがないという罠。うわあ。ほんとSFをまともにくぐらずに生きてきました。SFといって連想するのが、まず『SF西遊記』だの『SF・超次元伝説』だったりするくらいに。
2005年7月13日(水) 対象年齢つき
 劣化ウラン弾の話題が各所で出てましたが。害があるのか、あるのならどれほどのものなのかはまともな調査結果が必要だとして。そもそも戦車なんて有害物質の塊ですから、弾丸のみならず丸ごとどうにかしないといけません。
 そこで、「地球に優しい戦車」というものを考えてみました。装甲その他は、撃破されて適当な時間が経つと風化して土に帰ります。撃破されなくてもだんだんぐずぐずになっていきます。耐用年数がよく分かる仕組みになってますので、兵器の購入計画や新装備の導入もしやすく、国も兵器産業も大助かり。また、こんな兵器では軍人も戦争したがらないでしょうから、国際平和という念願も叶います。まさに一石二鳥。
 なお、子供の安全のために、わざと苦い味がついてます。
2005年7月14日(木) 修理完了
 溜めすぎのお返事も何とかせねば。

 ここしばらくエアコンが使えず、猛暑に頑張って耐えていたのですが、さすがに我慢できなくなったので、エアコンのリモコンの電池を新しくしました。
 エアコンが直りました。快適快適。

 カモの妹って、じつはオコジョ風味の美少女だったりしませんかね。
2005年7月15日(金) シスプリメについて
 シスプリメ公式サイト移転。お疲れ様です、「七夕」新企画も応援してます。

 そのシスプリメについて、ぼくも最近すっかりご無沙汰してたという反省も含めて、PSYCHICERさん13日分も)と御児勇馬さん12日分14日分も)のやりとりを拝見。PSYCHICERさんの「オリジナル妹がいれば、シスプリメになるのですか? シスプリメサイトと名乗ってよいのですか? クリエイターの妹としてサイトにホイホイ出てくる妹をシスプリメと呼んでいいのですか?」という最初の問いかけに、御児勇馬さんがシスプリメ企画原点回帰の立場から応じつつ今後のご自身の方針を示したという流れ。で合ってますか。
 現状をふまえつつ再提起されたこの問題について、2年前のぼくは当時の状況に沿ってこんなふうに(12/25-27)反応してました。また、シスプリメ考察の中でも、例えばネオシス考察4の最後で、自分なりの問題認識と希望とを述べさせてもらいました。それらを再確認しながら、ここで改めてPSYCHICERさんの二度目の問いかけに答えてみようと思います。

「シスプリメのクリエイターの皆さんにとって、シスプリ原作の定義、シスプリメという作品の定義はなんですか。そしてシスプリメを応援してくださっている閲覧者の皆さんにとって、シスプリメとはどういう作品ですか。オリジナル妹がいれば、シスプリメになるのですか? シスプリメサイトと名乗ってよいのですか? クリエイターの妹としてクリエイターのサイトにホイホイ出てくる妹をシスプリメと呼んでいいのですか?」

 ぼくにとってシスプリ原作とは、ぼくの欠落を埋めてくれたかけがえのない作品です。定義としては、兄への愛を12人それぞれの妹の個性にそって優しく描き出すことで、そのような妹への愛に読者を誘っていく作品、としておきます。
 シスプリメの定義については、狭義のものとして次の文章を挙げておきます。「『シスター・プリンセス』という作品への愛とその原作者への敬意に基づき、オフィシャルの妹達12人ときわめて近似した厳しい制限枠のもとで、オリジナル妹への愛を描き尽くそうとクリエイター達が腕をふるい、企画者達がその枠組みと方向性とを適宜指示していく。この活動は、オフィシャルの形式的模倣にとどまらず、作品の魂を継承しつつ肉体を更新していくための、創造的・協同的な試みなのである。」(うちのシスプリメ紹介ページより)
 あるいは、ネオシス考察から引用すれば、「原作に敬意を払いその枠組みを踏襲しつつ、さらにシスプリ界を拡大発展させるという困難な努力を、各々のネオシスの独自性に即して」遂行しようとする独特なファン活動、と言えるでしょう。
 つまりぼくの立場からすれば、シスプリメとは、オリジナル妹の姿(個別性の表現)そのものを楽しみながら、シスプリのより深い理解(普遍性の追求)をも可能にしてくれるような作品です。(この個別性と普遍性を明らかにするぼくの試みについては、ネオシス考察1からの4連作をご覧下さい。)
 それゆえ、オリジナル妹がいてもシスプリの理解の深化につながらない場合は、ぼくにとっての狭義のシスプリメならびにシスプリメサイトには含まれません。
 また、シスプリ原作では原作者と妹達との会話は描写されていません。もしシスプリメサイトでのオリジナル妹とクリエイターとの会話などが、原作のさらなる理解やシスプリ世界の発展に寄与していないのであれば、それらの会話は「逸脱」とまでいかずとも、なくともかまわないものです。(それが読んで楽しいものだということと、ここでの必要性の問題とは、切り離して考えています。)

 というわけで、閲覧者の立場から好き放題言わせていただきましたが、このさいついでに色々書いておきます。

 その1。
 現状で、シスプリメ作品をいっぱい創作・公開し続けている人や、日記での会話メインの人、更新全面停止の人など様々いらっしゃるのは、基本的には個々人の自由ということで問題なし。そして、当初のシスプリメが、原作準拠という制限を強く課される「アーキネオシスター」(上述の「狭義の」シスプリメ)と、自由な形式を許される「ネオシスター」とに区分しようと予定されていたことを思い出すならば、この現状は、まさに個々のクリエイターの自由な選択の結果として、「アーキネオシスター」と呼ぶに相応しい妹達が選別されつつある、と捉えてもいいのではないでしょうか。
 2年前の時点では、企画者もクリエイターもファンも、誰がアーキに相応しいかなど判断することはできませんでした。企画が立ち上がったばかりで参加者の景気づけが一番大事でしたし、判断材料も判断基準も不十分なままだったからです。しかし、今やアーキとしてのネオシスを維持育成できるクリエイターが誰なのかは、わりと考えやすくなっているのではないでしょうか。
 これは、その一握りの者達を除くクリエイターをシスプリメから排除するということではありません。アーキネオシスと一般ネオシスを区別して、前者には独自性とシスプリらしさをより深く追求するための方向性を、後者には自由でのびのびとした表現の場を、それぞれ確保できるということなのです。そして、ぼくは今まで通り、そのどちらに属する作品も、楽しんで拝見するでしょう。

 その2。
 上に記したことは、お互いが棲み分けをして没交渉になれ、ということでもありません。各自の立場をはっきりさせたら、次に必要なのは個々人の目的にそった努力とともに、お互いの努力を具体的に評価し合うことです。お互いの作品やその着想・独自点のよさを指摘して褒めたり、問題点とその改善方法について議論したり、と。これについては、ネオシス考察4の最後で次のように述べました。
「シスプリメのネオシスは、シスプリ原作と同様に、クリエイターと企画者、そしてファンの相互作用の中で、その個人の姿や兄妹の生きる世界を形作られる。」
 いま(そしてこれまでも)シスプリメ界で欠落したままにあるのは、この「相互作用」です。企画者はもっと積極的に、といった要求もこの問題意識を一部共有するものでしょうが、企画者以外の立場についても(閲覧者であるぼくにも)、「相互作用」を促進させその蓄積を確認する手立てに乏しいというのは、共通して言えることだと思います。ので、このへんを何とかできないかな、というのが今のぼくの検討事項です。

 なお、これについては、シスプリ二次創作全般の問題として、『魔弾の射手』収録のコラムでも若干書いてるので、もしよろしければそちらもご覧下さい。
2005年7月21日(木) ネギま考察
 というわけで、「魔法先生ネギま!』にみる成長の相互性(後編) 〜少女と少年のすれ違う接点〜」を追加しました。ようやく完結、2ヶ月ぶりです。この間に漫画原作の方も重要な段階にさしかかっておりますが、とりあえず明日菜とネギについて暫定的なまとめということで。文章も長いわくどいわで、今後修正するかもしれません。

 日記も途中すっとばしてますが、早いとこ繋げます。
2005年7月22日(金) シスプリメ閲覧者の役目
 15日分日記(記入は20日)の件について、御児勇馬さんから反応いただく。シスプリメにおける表現形式の多様性を再確認されてます。「視点が多様であればあるほど、いい作品が作れると思います。」というのはまさにその通りだと思いますし、さらに各人が自らの視点をどう自覚し、そこからの眺めを他者へどう伝えるかが、続いての課題となるのだと考えます。御児さんの決意表明というのは、まさにそのクリエイター側から閲覧者への発信なわけで、真摯に受け止めます。
 星倫吾さん日記19日分にも関連記述が。合同誌編集、お疲れ様でした。夏コミに行けそうにないのが残念ですが、シスプリメの一つの記念碑になると思います。また、ご指摘の問題がクリエイターの役割分担や集団区分などに関わるものであるかどうかは、今後も検討の余地がありそうです。
 あと、ALINEさんメモが簡にして要を得ているので、皆様ご参照下さい。御児さんの発言をふまえたクリエイターの考えがまとめられています。

 御児さん達のこれらのご努力に対して、では閲覧者は何をしたらいいのか。ちょっと考えたことのまとめ。

1.閲覧する。
 当たり前のことですが、まず何より作品を鑑賞するのが閲覧者の役目です。ネオシスサイトのカウンタをばんばん回し、クリエイターの更新意欲を喚起します。そのために、例えばシスプリメ作品リンクなどを手がかりに、最新作品をチェックします。

2.感想を送る。
 読んで見て、そして敬意を込めて感想を記す。このフィードバックによって、クリエイターのやる気と向上心を奮い起こさせます。Web拍手よりも創作作品への感想を重視して送るようにすれば、その相手のクリエイターは、創作の方により力を入れるようになるかもしれません。この感想を送るときには、自分の「好き嫌い」の判断だけでなく、なぜ好きと感じたのか、その根拠となる作品の箇所はどこなのか、などを添えると、感想をもらった側のよりよい判断材料になります。
 例:「こんなのシスプリじゃない!」は不可。
   「シスプリで好きなところはこれこれですが、そこから見るとこの作品は〜」はおけ。

3.批評する。
 ここでは感想の延長として、批判的な内容も含めて意見を送る、という程度の意味です。打たれ強いクリエイターや、創作能力の向上努力を表明しているクリエイターに対しては、これを行ってもいいはずです。ただしその場合にも非礼は駄目。創作者への敬意と感謝を忘れずに。また、「好き嫌い」という主観的な判断と、作品としての優秀さや独自性・先進的な試みへの判断とは、別にして考えるべきです。

4.材料を出す。
 これは主に企画者に向けてのものです。公式サイトの掲示板などを用いて、イベント等のネタや意見を公開します。また、クリエイターに対しても、例えば素材を提供するなど、便宜を図ります。例えば、ネオシス創作共通のフォーマットを作成するとか(別にその仕様を強制するということではなく)。

 ひとまずこんな感じで、いかがですかね。

 『カトゆー家断絶』さん(7/22)、『かーずSP』さん(7/22)、考察の紹介ありがとうございます。
2005年7月23日(土) 企画者側への要望
 シスプリメについて、再び御児さんから(7/23分)。「閲覧者が気軽に作品が見れたり意見を出してくれるようなシステム」というのは本当に必要だと思います。というわけで今回は、これについての閲覧者からの要望を勝手ながら、主に企画者サイドへ向けて。

1.作品鑑賞への便宜

 現状で、あるクリエイターのシスプリメ作品を発見し鑑賞する入り口は、次のようなものです。
 (1)各クリエイターサイトを直接訪問する。
 (2)シスプリメ公式サイトネオシス紹介ページや御児さんのシスプリメページおにやんさんネオシスページなどから辿る(多くのネオシスクリエイターサイトには一覧リンクページあり)。
 (3)シスプリメ作品リンクシスプリアンテナなどのアンテナサイトで更新をチェックする。

 これらは現状でも相当充実してるのですが、しかし一つ大きな問題があります。それは、情報中枢・リンク中枢の不在です。
 ある特定のサイトでネオシスの一覧を見渡し(包括的把握)、そこで個々のネオシスの特徴をつかみ(個別的把握)、興味の湧いたネオシスのサイトでどんな既存作品と最新更新があるのか(新旧情報の把握)といったことが、今のところ不可能なのです。そのため閲覧者は、それぞれの情報ごとに別のサイトに行かねばなりません。これがちょっと不便。
 もちろん個々のサイトでそれぞれの得意な情報について十分な手当がされていれば、情報が単独のサイトに集中しなくても、役割分担としてむしろ望ましいのかもしれません。しかしそうなると今度は、そういった個々の情報サイトを繋ぐリンク中枢サイトが存在していないことに気づきます。うちのシスプリメページはある程度それを目指して作られてますけど、リンク切れなどの不備は多く反省すべきですね。ただ、本来の情報リンク中枢は、やはり公式サイトにこそあってしかるべきだと思うのです。そのページの存在が、閲覧者もクリエイターも日を置かずに公式サイトを訪れる、という習慣作りにも役立つからです。企画者の方々には、ぜひ早急にリンクページの開設をお願いいたします。

2.意見表明への便宜

 これも1.と重なる問題です。まず、既存の感想表明方法を挙げてみます。
 (1)各クリエイターサイトの掲示板やWeb拍手を利用する。
 (2)閲覧者サイトの日記などを利用する。
 (3)シスプリメ公式サイトの掲示板を利用する。
 (4)ネオシス同盟雑談掲示板を利用する。

 これらのうち、(1)と(2)はそれぞれクリエイターや閲覧者の身近にある場所での意見表明であり、その言いやすさゆえに今まで主流となってきました。これはこれで結構なのですが、しかし、それぞれの意見で示された視点を比較検討したり、複数クリエイターの作品への反応を包括的に確認したり、他の閲覧者にある創作をお薦めしたりするには、ちょっと不便です。これも1.と同様、情報中枢が不在のために生じている問題です。
 そこで、(3)や(4)が注目されます。(3)は現在、クリエイター希望者の自己申請やリンク変更通知などに主に用いられていますが、ここに作品感想やお薦めを書き込むのです。ただ、ちょっと荒れそうなので心配ですし、業務連絡と場所がかぶるのはやはり困りそう。ですので、公式サイトに別の感想掲示板を立てていただくか、(4)のシスプリメ同盟雑談掲示板を使わせていただくというのが望ましいかもしれません。ここでももちろんマナーなどに注意すべきですが。つか、せっかくファンのためのサイトが「同盟」として用意されているのですから、皆さん参加しましょうよ。
 このへんについてはもう少し言いたいこともあり。企画者や一部のクリエイターは、メッセンジャーやチャットその他で日々運営会議を開いておられるのかもしれませんが、その記録が何も公開されないために、ご努力の実態が閲覧者にさっぱり伝わってきません。だからログ公開しろとかそういうんじゃなくて、「今こんな話題で議論してます」「こんな問題について意見求めます」とか、そういう論点をひょいっと専用掲示板にでも提示してくれれば、直接の会話に参加できない人でも、別の方法で力添えできるのではないか、ということです。企画者の方々がお忙しいのは承知してますので、閲覧者達が支援できる場を公式サイト内に下さい。

 以上をまとめますと、いま存在する資源を上手に使いながら、足りないとこだけを最低限補う。公式サイトに情報リンクページと感想掲示板を設置する。というあたりでひとまず。
 企画者に要望を示すだけでは一方的なので、閲覧者(考察者)側としては、チュートリアルページでも作ろうか、とか。
2005年7月24日(日) お休み
 『ネギのス』さん(7/22)、『炎天下』さん(7/23)、考察の紹介ありがとうございます。

 朝番。
 マジレンジャー、江戸時代コスプレ話。長姉のいい加減さときょうだい想いの微妙な調和。いやんな感じのせんせーさんが、だんだんほぐれてきました。でも、帯でくるくるが見たかったです。
 響鬼。水着サービス話。録画しました。胸ねー(喜悦)。
2005年7月25日(月) 自分の時間も問題ですが
 御児さん(7/25)から。そうですね、H嬢さんの捕捉は確かに素晴らしかったです。いまお休みのご様子ですが、ほんとお礼を言わねば。
 星さんからも。ぼくはクリエイターではないので、お役に立てることは少ないでしょうけれど、できることをやりたいと思います。

 で、いま企画サイドに色々要望をつきつけつつ、そこについ批判を集中させてしまいそうな塩梅なのですが、その前にちょっと立ち止まってみる。
 まず、公式サイトでは、例えば最近HamaKenさんがスタッフに参入、OHP管理に関わられることになりました(スタッフページ参照)。実際スタッフの方々はご多忙のはずですし、公式サイト更新という一番必要な部分に新規スタッフを投入されたというのは、一つ大事なことだと思います。
 次に、いま作品募集中の企画第3弾『ねがい星 かなえ星』では、説明文にこんな一節があります。

「今回は、シスプリメOHPのコンテンツとして末永く楽しんで頂けるようにしたいと考えています。そこでリンク切れ等が起こらない様に、シスプリメOHPにも作品のデータを置かせていただきたいと考えています。どうか、ご了承下さい。」

 これはつまり、第2弾までの反省を踏まえて、公式サイトで企画応募作品とその情報を一括管理しようという改善策です。「PRODUCT」の項目に企画応募作品の一覧があれば、絶対に目玉になりますよね。ですので、この方策にぼくは閲覧者として全面賛成です。
 以上、企画者サイドでも少しずつ変化の方向性が示されておりますので、ファンの立場からこれらを応援するのも必要かな、と。

 で、ですね。
 この第3弾企画で、クリエイター諸氏の作品データを公式サイトでも管理する、というわけですが、こういう感じで公式サイトを豊かにしていく努力は、企画者以外の側にも必要ではないでしょうか。基本的にクリエイターは各自のサイトを第一に更新しますし、閲覧者は自分のサイトがあればそれを優先し、なければ各所の掲示板に感想を書き込むだけです。しかし、企画者が忙しい中でいろいろなコンテンツを「作成」するのはしんどいはずなのだから(更新作業はさておき)、それを閲覧者が肩代わりすることも(かえって迷惑にならないようにしつつ)ある程度は可能ではないでしょうか。
 これについて今考えているものの一つは、こないだも書いた「チュートリアル」。シスプリメという企画それ自体の具体的な説明と、クリエイターならびに閲覧者の心構えなどを簡単に前向きにまとめた読み物です。TRPGなんかでよくありますよね。
 もう一つは、アニメ版捏造。リピュアサイズで12人いきなり揃えて、とか。誰を選ぶか大変ですが。しかも公式サイトに全然関係ない。ほんとはアーキネオシスが確定してからがいいんですけどね、これ。
2005年7月26日(火) 視線絶対零度
 ためぐせつきすぎです。

 馬鹿話。

らむだ「BGM、天才バカボンか。」
美 森「元祖のほうな。」
らむだ「あーにーだーかーらー♪」
美 森「いや、パパだから。」
らむだ「冷たい目で見てー♪」
美 森「なにー」

 求めなくても、そうされてる罠。
2005年7月27日(水) 育てる楽しみ
 『すずじゅう』さん(7/23)、考察の紹介ありがとうございます。

 シスプリメ公式サイト掲示板にて、どなたかがぼくの日記にリンクをはられまして。どうせなら本人として直接伝えねばと思い、こちらも書き込ませていただきました。たちまちお返事下さった企画者サイドには感謝申し上げます(礼)。
 で、まずリンクページについては前向きに検討下さるとのこと。ただ、更新捕捉はなかなか大変そうですね。一方、感想掲示板は否定的書き込みへの対応が心配されるとのこと。誹謗中傷などの危険性はこれまでの経緯をふまえても十分考えられるところが悲しいのですけど、この懸念がある以上はただちに掲示板開設とはいかない、ということに一応納得です。

 ところで。
 そりゃ妹なら何でもおっけーという人ばかりじゃないでしょうから、ネオシスに対しても個々人に好きずきあって当然でしょう。中には「ちょっと苦手かも」という印象を持ってしまう相手もいるかもしれません。例えばぼくだって、咲耶や春歌あたりは苦手な方ですよ。胸おっきいし(そこか)。

 ですけどね。
 それでも、大切な妹だから。考察でも作品感想でも、頑張って公平さを守ろうとしてるのですよ。Bパート考察なんて咲耶のが一番濃密にして長大なのですよ。で、そうこうするうちに、咲耶も可愛いな、春歌も愛しいな、と自分の心境が変化していくのです。胸の大きさを感じなくなっていくのです。もはや雛子とおんなじくらいの印象で(病気)。

 だから、みんなで大切に守っていきましょうよ。みんなお兄ちゃんなんだから。そして、オフィシャルシスター達がファンとともに育っていったように、ネオシスター達もみんなで育てましょうよ。妹達の育成もまた、この企画の醍醐味のはずなんですから。
 それでも否定的な意見しか言わない人には、なすすべはないのかもしれません。でも、これだけは言えます。そういう人はもはや否定対象妹の兄たる資格を失っているのだから、その妹をめぐる兄=ファン達のタタカイは、この自発的にリタイアした一人分だけ、有利になっているのです。
2005年7月28日(木) おねぎ
 そうか、なんで明日菜にこんなに心惹かれるのか分かった。
 ややもすれば共依存的だからだ。長森なんだ。最初の頃の明日菜はとても自立してるように見えたけど、ネギと一緒にいるうちに、ネギと一緒にいないとだめになってしまった。ネギは明日菜に「ほら、起きなさいよー」と世話してもらいつつ、そのことを子供として当然のものであるかのように受け入れつつ、魔法使いとして自分勝手に目標を目指していってしまう。おいてけぼりになってしまいそうな明日菜は、だから長森なんだ。
 15才のネギを膝枕する明日菜の姿は、今にも消えてしまいそうな少年を最後の瞬間まで包み込む少女の、えいえんを貫く想いのかたち。
2005年7月29日(金) 世界の中心で言論封殺
 じつはこの週の頭から、腰の据わらない状態です。更新もかなり困難。滞ってたものもそのまんまです、あうー。だから早くやっとけと。

 馬鹿話。

らむだ「……というのはどうだ。」
美 森「そんなこと言う人いないから。」
らむだ「いや、ぼくが言ってるじゃない。ほらここに1人。」
美 森「お前は人のうちに数えないから。」
らむだ「え、えー?」
美 森「お前の意見は最初から聞かないことになってる。」

 デフォで排除。

らむだ「そう言われちゃうぼくも相当駄目だよねー。」
美 森「そうだな。」
らむだ「あー、そこは黙っててくんないとっ。
    ぼく以外の人間が同意しなけりゃ、ぼくの駄目さは否定されるんだから。」
美 森「いや、誰に聞いても同意するから。」
らむだ「あうー。」
美 森「だから、お前を数えなくても足りる。」
らむだ「がーん。」

 語るに落ちました。
2005年7月30日(土) 接近遭遇
 長時間バスの中で揺られるはめになり、手元に本もないのでどうしようか、と思っておりましたところ。横に座ったキャリアウーマン風味の女性が、何やら薄手の本を手に開いて、食い入るように読みふけっております。表紙が妙につるつるしてるなー、と思って横目で眺めると。
 「エド」「アル」そして「ここが弱いのか」みたいな文字列が。これ、ハガレンやおい本ですか。
 やおい本には興味ありませんが、それを読む女性には興味しんしん。黙って様子をうかがうと、一気に最後まで読み終えたのち、なんか取り出したお手ふきタオルを握ってどこかに思いをはせているご様子。目が景色もバス内も見てないし。あれですか、脳内でいまの情景を再生・再構成してらっしゃるのですか。横顔にうっすらと朱がさしているのは気のせいでしょうか。そしてそのお手ふきは、手のひらの汗をぬぐうためのものなのか、それともぬぐうべきは別のどっかなのか。どこだそれは。(答え:目頭。)
 その様子をじーっとうかがいつつ、どうしよう話しかけようか、って何と切りだすべきか、こういうときやおいの知識がないと困るんだなあ、「ハガレンもいいけど、シスプリもね」とか微笑んでフラグ立たないかな、などと非常に楽しく妄想しながら、終点まで楽しい時間を過ごせました。
2005年7月31日(日) 相互性
 こないだの連載ネギま。
 顔を両手で覆い隠し、「これじゃパートナーどころか」と惑乱する明日菜を、デコピンで叱咤し、次に向かうべき道を指し示す刹那。そこに重なるのは、かつて翼を広げながら「木乃香に自分の正体を知られたら」と泣いていた刹那の背中に、きつい一発を入れて励ました明日菜の姿。以下、考察後編2(2)から引用。

明日菜「このかがこの位で誰かのことを嫌いになったりすると思う?
    ホントにもう…バカなんだから」

 そして木乃香はその言葉通り、刹那を真の姿のままに受けいれた。ならば、今後もしも明日菜が自らの正体に苦しむことがあれば、そのとき刹那は明日菜に、ネギがこの位で彼女のことを嫌いになったりしないはずだと励ますことができるのではないだろうか。もちろんその言葉は、ネギに対しても同様に向けられるかもしれない。どちらにしても、その言葉には、刹那が木乃香に本当に受けいれてもらえたという事実による深い確信が備わっているのだ。刹那からの反撃は、たんに明日菜からのからかいに対するものだけでなく、このように最も重大な問題についても、明日菜の意識と明日菜−ネギ関係を客観化して突きつけるという鏡の役割を果たすものと予想できるのである。

 引用終了。
 刹那は明日菜に、自分たちで「あのコ」を守ってあげよう、と微笑む。そのために明日菜の修業に協力すると約束してくれる。己の力不足を痛感した明日菜は、刹那の支えをありがたく受け入れる。だがそこには、ネギとのパートナーシップを刹那と分かち合わねばならないかのような不安が微妙に見え隠れしている。先生が父親の方しか見ていないことに不満でしょうけれど、とフォローする刹那の言葉に、それはどうでもいいんだけど、と明日菜が口ごもるのは、照れ隠しというだけでなく、刹那へのこのためらいのせいでもある。それでも今は、刹那のおかげで道が分かる。
 しかしもう一つの道、つまり彼女の過去に続く道は、またしても途中で途切れてしまう。そしてその闇に刹那は気づいていない。明日菜が自らの秘密を知ったとき、刹那は明日菜とネギの背中をどうひっぱたけるのだろうか。そのときはたぶん、このちゃんがそばにいてくれるとは思うけど。

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