日記
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2008年9月1日(月) 時は流れる
 ベビプリ(9/1)。
 この姉妹日記が現実世界とシンクロしてることは今までもつとに感じられてきましたが、これはまた……。今日のニュースですよ旦那。「ムーンライトながら」、大垣夜行ってコミケ列車のあれでしたか。
 鉄道のことはさっぱり分からないのですけど、こう、消えていく様々な車両などを悲しみ憂える麗の姿は、子供時代の終わりを迎えようとしている彼女自身の憂いと重なってるようにあらためて感じます。なんでそのままにしておいてくれないの、と問うても、誰もなんにも答えてくれない。時の流れはつねに残酷。じつは、この感覚もシスプリの通奏低音だったんですよね。下世話な書き方なうえに古くさい考え方ですが、麗が初潮を迎えたときはもう辛すぎになる予感。女の子であることから逃れられないという「事実」を突きつけられる瞬間。なんかこう70年代的? 少女漫画の世界ではどうだったんでしたか。
 ともあれ、「私――/泣きそうかも。」という記述には、こないだ距離が縮まった兄へのかすかな甘えが感じられます。
2008年9月2日(火) てつのみち
 ベビプリ(9/2)。
 昨晩はさすがの麗も意気消沈してたわけですが、そこで日記が短いと叱る姉達もどうなの。いや、むしろ麗の様子を心配して、もう一度長男とやりとりする機会を与えてくれたということなのか。鉄道の話は姉達では聞いてやれませんから、わざと叱ったのかもしれませんね。
 さて、ぼくは「青春18きっぷ」を18歳以上お断りだと長らく信じてました。だって青春だもん。それはともかく麗の場合、この切符は大人への切符そのもの。家族のことは好きだけど、その家族と離れてひとり旅に出られる「成人式」のためのパスポート。幼い日から夢見てきた銀河鉄道の夜は、しかし現実が叩きつける白々しさの前にかき消えてしまいました。ほんと、なにもかも間に合わない。もっと早く生まれていれば、せめて男に生まれていれば。だから男は嫌いです。
 そんなわけで今晩は麗を慰めるため、『シベリア超特急』のDVDをレンタルしてまいりました。
2008年9月3日(水) きりぎりす
 ベビプリ立夏(9/3)。
 やはり夏休みの宿題がまだ残っていた、と。期待も予想も裏切りません。本題に入る前の微妙な間がいいですね。ぼくも締切直前でやばい状態をとっくに過ぎているので、気持はよく分かります(大人失格)。子供の頃から、大きな計画をぶちあげては、それを実現する力量が伴わずに挫折する、ということを繰り返してまいりました……。もしや唯一の例外がアニメ版シスプリ考察ではないかしら。あれが人生の15分間だったんですね。あとは余生。うむ。
 さて、手つかずの宿題は読書感想文ですか。残っているのがこれだけとは限らないのが怖いとこですが、ともかく片付けねばなりますまい。中1の時分に読んでいた本といえば……『わが闘争』とか『グイン・サーガ』とか新井素子とかコーランとか……。うーん。最近読んだ本だと、小川一水とか。でもSFは立夏むきじゃないかな。まあ手早く始末するならば、文庫本の小説の「あとがき」を要約して適当に感想をくっつけるという常套手段もありますね。あ、それはすでに立夏にもお馴染みみたい。
 裏技と呼べるかどうか怪しいけど、詩集を取り上げるという手もあり。だって、お気に入りの詩をひとつふたつ選んで感想を書けばできあがりだから。ゲーテでもリルケでもヴィヨンでもどんとこいですよ。
 結果、みつを。

 だいぶ前のことにいま気づきましたが、秋ひものさんに褒められててびっくりしました。そうか、最近そちらの日記更新が多くて嬉しいなと思ってたら、原因の一つがうちだったと。えらいぞぼく(馬鹿)。ただし文才については、周りの方々が凄いのであれですね。『萌え文集』以来の敗北感が痛烈に。
 そいえばぼくの日記はこの半年以上ベビプリ感想に占拠されてるわけですが、だいたいぼくが長文を書こうとする気になるのは、シスプリやベビプリあるいは漫画小説などの作品を気に入ったときや、下品短歌などの面白い企画に誘われたとき、あるいは自分の好きな作品を誰かに批判・否定されたときだけじゃないかしら。要するに、自分の中から語りたい何かがこみあげてくるというより、フィクション(とその世評)への反応(や脊髄反射)として、あくまでも受動的に言葉が引っ張り出されるのです。これ毎度書いてますけど、短歌でも音楽でも、最初から自分で生みだすというのはとても難しいことだと思うし、それができる人やそれに挑戦する人には敬意を抱きます。
 ところで先日の日記では、「ちんちんのことは実はそんなに好きではありません」との仰せ。そうですよねー、ちんちんは好きとか嫌いとか超越してますもんねー(誤解)。
2008年9月4日(木) 誰に似たのやら
 ベビプリ海晴(9/4)。
 昨晩の宿題手伝いに疲れた弟を癒す姉。さすが長女です。これで春風さんが「きもちをリラックスさせてくれるハーブティーです」などと差し入れしながら弟の布団に潜り込むことはし辛くなりました。昨夜すでにそうしていなければですが。
 さて海晴姉さんから見た立夏像。「ふだんは要領のいい子」でも宿題は別、「性格が単純」で「後先考えない」うえに強心臓。ポーカーで小雨からまきあげてそう。女は度胸ダヨ! と高笑い。しかし、さすがよく見ていると感嘆すべきなのか、そこまで言うかとつっこむべきなのか。
 だがツッコミのいれどころはそこではなかったのであった。未来のお天気お姉さんが、こともあろうに朝顔日記のお天気欄を間違えて一日ずらしてしまっていたとは……なんたる。でもま、朝顔なら小1・小2あたりでしょうから、ちょうどこの仕事に目覚める直前という時期ですかね。そして、そんな子供のときに徹夜までしたというあたり、宿題が間に合わないという相応の子供っぽさとともに生来の几帳面さが見え隠れ。一方、すぐ下の妹は最初から諦めて熟睡していた。
2008年9月5日(金) 2度ぬるい
 ベビプリ(9/5)。
 アフタヌーンティーが流行中。花丸ハンバーグも流行りそうですよね。それはさておき、贅沢な午後を楽しむ姉妹の姿。ビスケットやシュークリームもお手製。な。なんて羨ましい……。気分はもう山田です。そんなゆとりを味わう余裕もないこの生活、忙しい忙しいと繰り返しながら懐中時計を手にしてテーブルの横を駆け去ります。
 幼児さんにはカフェインはいけないので、「ケンブリックティー」というんですか。牛乳をお湯で割ってお茶を少し足したものなのかな。年齢に応じてそれぞれの紅茶、でもレモンはあんまり使わないのね。
 「自由参加」と言われても、誘われたからには顔を出すに決まっております長男。いただく前に、まずは氷柱にお礼を述べてから。おいしいお茶とお菓子、そしてお話。雰囲気にあわせて英国風の話題でも、と思いつつ、気がつけば「昔、リープという駄目妖精がいてねぇ」となぜか『ケロケロちゃいむ』ネタを暴発。キョトンとする姉妹をよそに、蛍ただ一人がこの11年前の東京12chアニメ話にくいつき、こないだのお祭の綿菓子でしっぽちゃんを作れたのに、と盛り上がる兄妹でありました。一方、テレビ画面の海晴姉さんは天気予報中に前線を指し示しながら「南東へ行くのよー」とダメ声をあげていた。
 まったく話は変わりますが、立絵の蛍が後手に持っているのって、何のケースなんでしょう。楽器? ラケット?

 本日誕生日の友人が二人いるのですが、どちらと知りあわなくてもこのサイトは存在しなかったでしょう。感謝の意も込めつつ、おめでとー。

 おお、サンフェイスさんの4コマが増えている……! 眼鏡が眼鏡が。あああ。第1巻しか読んでないんですが、続き買おうかなぁ。

 MK2さんより「ちんちんで読む10冊」、やってみるの巻。以下は下品です。

1.『よつばと!』第8巻

 まず、天狗に怯えた恵那の「ヒッ」を合図に発射する義務が読者に課せられていますので皆様お忘れなく。よつばが恵那の服に着替えさせられていましたが、お隣さんの三姉妹ってお下がりを着るには年齢の幅がありすぎるんでしょうかね。でも、恵那の服がいつかよつばに譲られることがあるのかもしれません。段ボール箱いっぱいの恵那の服に首だけつっこんで一点倒立して深呼吸。酸素を補充したところで、みうらの白足袋に踏まれたいという根源欲については基本すぎると思ってましたが、踏まれているときみうらにどんな目で見下ろされるかについては一考の余地ありと気づきました。この作品は、よつばという幼女、恵那という小学生、さらに風香、とーちゃん、ジャンボなど、それぞれの背の高さからの目線が頭の向きやコマの視点で巧みに描かれているわけです。しかし、恵那より背が低いみうらの目線が下に向く機会は対よつば以外ではほとんどありませんでした。天狗ジャンボがかがんでみうらと話している場面がどうしてあんなに興奮するのかやっと分かりました。もう少しで見下ろしてもらえるんです。その下向きの目線さえ浴びられるのなら、もはやみうらの足で踏まれることさえ必要ないと申しても過言ではないでしょう。

2.『もっけ』第8巻

 瑞生って初潮を迎えてたんだっけ……? もう中学生なんだし、それをネタにした妖怪話があったような、なかったような。どなたか教えていただけませんでしょうか。気になって仕方がありません。今回、パンツ丸出し姿で幽体離脱しちゃってましたが、その裾から生理用品がはみ出たりしてなかったので安堵の溜息をつきました。あ、もしかしたらちんちんがはみでてたかも。

3.『ONE PIECE』

 物語の骨格は、健気に頑張る子が悪漢の罠にかかりピンチに陥る―>ほら助けてやるからちゃんとお願いするんだ―>そんなこと言えない、がまん―>でももうだめ、悔しいけどお願い―>よっしゃ墜ちたゴムの出番、という流れの繰り返しです。ナミが泣いたりビビが泣いたりロビンが泣いたりしてはハッスルしてゴム大活躍。いつも頑張りすぎるので、精力つけるための食事がたいへん。肉を喰らうために肉を食べてます。一応、いままで幼女に手を出してこなかったあたりが少年誌の良心というものでしょうか。早く捨ててください。

 そしてここで休止。だめだ意外と書けません。つか、ちんちん読みができる一般作品をあまりに読んでいない(すなわち、そのまんまなちんちん作品ばかり読んでいる)という事実が判明しました。がーん。
2008年9月6日(土) 数えうた
 馬鹿話。

美 森「アニメ・特撮タイトルについてる数字で、0から始めてどこまで続くのかね。」
らむだ「0は……ゼロテスターか。」
美 森「他には、ここは惑星0番地、ゼロの使い魔。」
らむだ「あー。1は、超人バロム1。」
美 森「待て。その前に、」
らむだ「まだ0がある?」
美 森「いや、分数がある。ななか6/17、らんま1/2。」
らむだ「あー(笑)」
美 森「で、1はアニマル1、昭和アホ草紙・あかぬけ1番!、中華一番!、金田一少年の事件簿、
    キカイダー01、空手バカ一代、一球さん、一発貫太くん、めぞん一刻、アタックNo.1、ONE PIECE。」
らむだ「怒涛の勢いですな……。」
美 森「……あ、ONE〜輝く季節へ〜もあったか……。」
らむだ「思い出したくないアニメタイトルだったね……。気を取り直して、2。」
美 森「HARELUYA II BOY。」
らむだ「バビル二世。」
美 森「藤子不二雄ワールド ビリ犬。」
らむだ「待て、それも2なのか(笑)。3は、三国志、ザンボット3、ダイターン3、アクマイザー3、」
美 森「ルパン三世、三つ目がとおる、ワンダー3、河童の三平 妖怪大作戦、Armitage III、
    有言実行三姉妹シュシュトリアン、5年3組魔法組、錬金3級まじかる?ぽか〜ん。」
らむだ「最後の何? 知らないタイトルが多い……。んで、4って意外とない?」
美 森「ママは小学4年生があるだろう。」
らむだ「ああっ……!! ぼ、ぼくはなんてことを……。」
美 森「あとSTRATOS4、ダッシュ!四駆郎、D4プリンセス、緊急指令10-4・10-10、若草の四姉妹、
    おおマシーンブラスターも数字が入っていた。ブロッカー軍団IV。」
らむだ「あ、OPの最後にメインキャラの影がローマ数字を作っていたのは伊達じゃなかったんだ。」
美 森「5は、5年3組魔法組、ゴワッパー5ゴーダム、超電磁マシンボルテスV、百獣王ゴライオン、
    救急戦隊ゴーゴーファイブ、電撃!!ストラダ5、Yes!プリキュア5。コンバトラーはヴイだから注意。」
らむだ「はい。6は……六神合体ゴッドマーズか。」
美 森「六門天外モンコレ☆ナイトもあるぞ。
    7は無敵ロボ トライダーG7、七人のナナ、七つの海のティコ、七色仮面、こいこい7、
    交響詩篇エウレカセブン、はっぴぃセブン〜ざ・テレビまんが〜。」
らむだ「ウルトラセブンとワイルド7もね。」
美 森「うむ。8は機動戦士ガンダム第08MS小隊ミラーズ・リポート、ロボット8チャン、空中都市008。」
らむだ「意外とあるのね。9は、サイボーグ009。」
美 森「あとナイン、プリンセスナイン 如月女子野球部も。」
らむだ「10は? さっき出た10-4・10-10ぐらい?」
美 森「うーん……あ、十兵衛ちゃん -ラブリー眼帯の秘密-があった。」
らむだ「うは。11は、11人いる!」
美 森「赤き血のイレブンも。
    12は円盤皇女ワるきゅーレ 十二月の夜想曲、十二国記。」
らむだ「13はゴルゴ13。」
美 森「銀河漂流バイファム13。」
らむだ「あ……黒歴史……。」
美 森「14は名探偵コナン 14番目の標的(ターゲット)だけかな。」
らむだ「15は機甲艦隊ダイラガーXV、十五少年漂流記。」
美 森「16は……。」
らむだ「……あれ、16はないのかな?」
美 森「うーむ。」

 こんなところで切れました。

らむだ「16歳の伝説とかなかったっけ。」
美 森「それは六神合体ゴッドマーズ 17歳の伝説だ。17は他に、大鉄人17、エルフ17。」
らむだ「そか。えと、18も19もないのか。後はもう飛び飛びですか。」
美 森「どんどんいってみるか。
    20:20面相におねがい!! 恋ほど素敵なミュージカルはない、怪人二十面相。
    21:GATE KEEPERS 21、アイシールド21。
    23:メガゾーン23。
    34:紅三四郎。」
らむだ「いや待て待て(笑)。それ34じゃないから。」
美 森「66:BLACK MAGIC M-66。80:ウルトラマン80、機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争。
    83:機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY。87:ヘクター'87 (ゲーム)。88:AREA 88。
    91:CITY HUNTER '91、機動戦士ガンダムF91。98:EAT MAN 98。
    99:サブマリン スーパー99、超時空ロマネスクSamy MISSING-99、マスターモスキートン'99。」
らむだ「ガンダムさまさまですね。」
美 森「100:京極夏彦 巷説百物語、百獣戦隊ガオレンジャー、キテレツ大百科、百獣王ゴライオン、いちご100%。
    101:101匹わんちゃん大行進。104:緊急指令10-4・10-10。110:こちらロボット110番。」
らむだ「いや、その104は……。」
美 森「365:ひだまりスケッチ×365。555:仮面ライダー555。999:銀河鉄道999。
    1,000:千と千尋の神隠し、千年王国ヴァニーナイツ、新竹取物語1000年女王。
    1,010:緊急指令10-4・10-10、1,996:聖闘士星矢1996、1,997:聖闘士星矢1997。
    2,000:ビックリマン2000、タイムボカン2000 怪盗きらめきマン。
    2,010:アンドロイド・アナ MAICO 2010、戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010。
    2,011:アキハバラ電脳組 2011年の夏休み。」
らむだ「なんか、世紀末前後がいかにもですな。」
美 森「3,000:母をたずねて三千里。4,622:Bugってハニー メガロム少女舞4622。」
らむだ「その数字はヤケだよね。あ、8,823ってあったよね、ハヤブサって読むやつ。」
美 森「海底人8823か。10,000は……万能文化猫娘。」
らむだ「大百科だの万能だの……(笑)」
美 森「20,000:海底大戦争 愛の20000マイル。」
らむだ「そのへんが最大値かな。」
美 森「甘い。30,000,000:ウルトラマンキッズ 母をたずねて3000万光年。」
らむだ「ぎゃー。」
美 森「10,000,000,000,000,000:花右京メイド隊、宇宙鉄人キョーダイン。」
らむだ「いやそれは(笑)たしかに万億兆京って歌ってるけどさぁ。」
美 森「10,000,000,000,000,004:京四郎と永遠の空。」
らむだ「また微妙な(笑)4だけ上かい。あ、そか。最大値はこれだね。10^60:那由多。」
美 森「またもや甘い。無限大:超変身コス∞プレイヤーがある。」
らむだ「なにー。」
美 森「あ、あと3から4の間が見つかった。π:魔法少女ちゅうかなぱいぱい!」
らむだ「それ絶対違う。」
美 森「愛がタイトルにつくと、やはり虚数なんだろうか。」
らむだ「それも絶対違う。」
美 森「書いとけ。」
らむだ「ええーっ。」
2008年9月7日(日) 暑い
 プリキュア。のぞみの「私、月のうさぎ!?」に笑いました。でっかい汗の漫符が登場しそうな塩梅。このさい、「なんとかなるなるー」とか言ってほしかった気分です。

 秋ひものさんより反応いただく。「地獄馴れ合い空間」っていいですね。ぼく、秋ひものさんのポニーテール萌えなんだ(何事)。
 「オリジナルであるという事自体には何の価値も無いのだ」という言葉にちょっとしびれました。自由に創作するといっても、その自由がまったくの野放しを意味することはなくて、例えば先行作品や何らかの現実などを踏まえつつそこにぶつかっていく中で獲得されるものなのでしょう。だから、一次創作が先行作品に対するように、二次創作も一次創作にそうやって誠実に向き合っていくという点では、たしかに違いはないかもしれません。他方で、その相手をどこまで理解するか、どこまで速度をつけてぶつかろうとするかは、一次創作の方がはるかに真剣だとも思います。「オリジナリティーが存在するカバー曲」という言葉が解釈の独自性を意味するとすれば、それを生みだし許容することのできる一次創作のオリジナリティーへの敬意と愛情を、一人の解釈者として忘れずにいたいものです。ぼくが自己顕示欲の強い人間だから、そのへんなおさらに。2chなどで自分の考察がリンクされるたびに手放しで舞い上がってしまうという性格は、もう直りません。

 昨日の数えうたに水野さんより反応いただく。ああっ、そうかプラネテスがっ。ムリョウは提案したんだけど却下されたんですよ、無量大数じゃないといけないという。でも仏典由来だと無量もありみたいですね。

美 森「垓(10^20)は、大空魔竜ガイキング。」
らむだ「それも絶対違う。」

 正(10^40)で、正義のシンボル コンドールマンというのもありました。
2008年9月8日(月) 涼しい
 ベビプリ綿雪(9/8)。
 「リッカお姉ちゃん達の宿題騒動」と一言でまとめられる姉達のさま。この子も小1なんですがじつに落ち着いたもの。昨年以前も夏の風物詩だったんでしょうね。そんな穏やかな出だしに安心していいのか、それともタイトルの「小さなお願い」という文字に何とはなしの不安を抱くべきなのか。
 綿雪自身は、秋の寂しさをいち早く感じとってしまっている様子。でも「ほんの少しだけ、胸が痛いです――」なんて言われると、別の意味で心配が募ります。夏の疲れがどっと出始めると、この子はまたしばらく発熱しそうだし。まあ、先月までは兄も自分もずっと一緒の時間が長かったけど、今月は小学校から帰っても兄はまだ帰宅前。そういう隙間に、秋風がそよぎこんでいるのかもしれません。だから、そんな隙間がなくなるように、ギューッてしてあげて。

 馬鹿話。

らむだ「緊急地震速報って、あの音が必要なのは分かるけど心臓にくるんだよねぇ。」
美 森「むしろツンデレ地震警報というのはどうだ。」
らむだ「いや、どうだと言われましても。
    『べ、べつに避難してほしいわけじゃないんだからねっ!』とか
    『ふんだ、あなたなんか埋まっちゃえばいいのよ。』とか言うのかNHK。」
美 森「そんなかんじ。」
らむだ「それでツンデレが分からず指示通り避難しないで埋まっちゃう人が出たらどうするの。」
美 森「大丈夫、ツンデレが分かっている奴等もあとで叱られたくて逃げずに埋まるから。」
らむだ「瓦礫の下で明滅するテレビ画面から『ば、ばっかじゃないの!?』と罵られたいんですね。」
美 森「名雪の声で『地震だおー』でもいいけど。」
らむだ「誰も起きないよそれ。『あのね』『地震なの』よりはましだけど。」

 火を消す数秒だけでも間に合えばありがたいものです。

 あ、胸の揺れ具合で震度を表現するという地震速報を思いつきました。縦揺れ横揺れ思いのまま。表現方法は2種類あって、
 (1)震度に比例して、同一キャラの胸の揺れ幅が変わる。この表現方法の長所は、ぶんぶん揺れてればやばいと一目で分かること。短所は、ぼくのような視聴者は見ていて酔ってしまうこと。
 (2)震度の段階ごとに別キャラがあてられる。この表現方法の長所は、胸揺れ酔いが生じにくいこと。短所は、どのキャラがどの段階か混乱しやすいこと。アイマスで例えると、あずさと千早が描かれている場合に、あずさの方が目立つ揺れなので震度も大きいと考えるべきなのか、それとも千早でさえ揺れるほどの震度の方が大きいと考えるべきなのか、分かりづらい。
2008年9月9日(火) まあるくおさめまっせ
 ベビプリ(9/9)。
 「球体や回転運動」……月見団子? とただちに連想してしまうところですが、いや待ていくらこの姉だからといってそれは安易な。地球ゴマかもしれませんよね(それはない)。球は完全な形、回転は終わりのない円環。ぼくは小6のとき、地球儀を前にして「魔境」を予感したことが実際にありますので、この霙姉さんの言葉は一部なりとも分かります。ただし、ぼくの場合それは「全能感」や「爽快感」などではなく、むしろ逆に孤独と寂獏。そんな秋でした。満月の夜、ルナティック。狂気の狭間、現実からこぼれ落ちていく焦り。12歳の失楽園。大げさですね。他人とずれたそういう感覚が、海晴というきわめて頼もしく常識的な姉にはただ優しく受け止めてもらえるのだけど、その感覚が何なのかにまで踏み込んではもらえなかったのかもしれません。期待される弟ははたしてどこまでいけるやら。とりあえず、二人でお団子くるくる回して春風さんに叱られましょう。

 シスプリ姉妹とベビプリ姉妹の年齢差について。シスプリはアニメ版第1作に基づいて推測してます(マイシスター検索システム参照)。ベビプリについては諸説あるものの、今年度中に何歳になるかで並べてみると、とりあえず以下のとおり。

 23歳         /海晴(21-24歳のいずれか?)
 22歳 可憐、咲耶、千影/
 21歳 白雪、鈴凛、春歌/
 20歳 鞠絵、四葉   /
 19歳 衛       /
 18歳         /霙
 17歳 花穂      /春風
 16歳         /ヒカル
 15歳 亞里亞     /蛍
 14歳         /氷柱
 13歳 雛子      /立夏
 12歳         /小雨
 11歳         /麗
 10歳         /星花
 09歳         /夕凪
 08歳         /吹雪
 07歳         /綿雪
 06歳         /真璃
 05歳         /観月
 04歳         /さくら
 03歳         /虹子
 02歳         /青空
 01歳         /あさひ

 ご覧のように、シスプリ姉妹の大部分とベビプリ姉妹は年齢が重なりません。そして花穂と春風が、亞里亞と蛍、雛子と立夏が同い年ということにややショック。あーでも雛子&立夏のコンビはなかなか賑やかでよいかも。他の2つのペアも、わりと趣味などが合ってそうです。(眞深はアニメ版ベビプリでは可憐と同い年で設定してます。)
 んで、シスプリ姉妹が航と一緒に暮らし始めた頃、ベビプリの幼児さんたちはまだ生まれていなかったんですか。つまり、ぼくたちのあずかり知らぬところで、シスプリと同じ人数の姉妹がすでに存在していたということでもありますが。霙姉さんまでもが小学生だった時期のことを想像しつつ、あのウェルカムハウスでの生活を思い出すと、また感慨深いものです。
2008年9月10日(水) 1歳の差
 ベビプリ虹子(9/10)。
 おままごとはいいのですが、「おすなのおだんご」のように、食べ物の名前のみならずその実際の食べられない材料にまで説明がつくとは、この子ほんとに2歳なのか。はっぱがごはんだったりお花がプリンだったりと、やや形状・質感が乖離しているものあるので年相応とも言えますが、いやそこもどうなのかな。ごっこ遊びというのはなかなか高度なものではなかったか。まあいいや(えー)。
 ドロップの「かんかん」という言い方がらしくていいですね。最近この表現を使っていたのは『ゲノム』のパクマンさんでした。よりによって。この缶で『火垂るの墓』ごっことかしてたらたまらんです。そら、それドロップ違う。おちんちんや。
 さて、「おとうさんはおにいちゃん――のつもりの/ぞうのフレディ」というのも凄いのかしら。二重のごっこですよ。フレディは、おとうさんの役をやってるおにいちゃん、の役を務めるというややこしさ。このあたり、父親のありようを暗示してたりするんでしょうか。うーむ。
 「いい子いいこ」してあげた虹子自身もいい子、というのは、青空の誕生日のときにお姉さんぶっていたのと接点をもってますか。姉達にしてもらったことを妹にもしてあげる。妹にしてあげたことは姉達や兄からしてもらえる、という。そして今回付け加えられたのは、青空の過失を「ないしょ」で告げ口するという行為。バイト先にこういう子いたなぁ。これもまあ同じことで、姉達に自分が叱られそうなことを妹にも禁止し、その判断を兄と共有するということかな。「ちょっぴりわるかったんだよ!」という内緒話に込められた姉としての優越感。こないだ「わるもの」を退治したがっていた青空が、もしもこの言葉を聞いたら大騒ぎするでしょうか。わるいと分かったらやめられる青空は、いい子だもんね。虹子お姉ちゃんがちゃんと教えてくれるもんね。

 『魔法のシスター マジカル・ヒナ』OVA追加。vol.1はずっと長いこと文章未完成のまま公開してました、うひー。今回これをまとめるとともに、それだけだと寂しいのでvol.4も作ってみました。シスプリ世界もやっぱり大好きですわ。

 馬鹿話(下品)。

美 森「お前、揺れる胸の小さい方が震度大きいに決まってるだろうが。」
らむだ「あ、こないだのネタね。すると、千早は震度6あたりになるのかな。」
美 森「……震度6強だな。」
らむだ「なんだその微妙な間は、しかも『強』(笑)。」
美 森「6じゃあないだろ。」
らむだ「すごい自信だね。」
美 森「震度1はエイケン。」
らむだ「ぎゃあ。そっちの方がいろんな意味で被害でかい。」
美 森「まあ、MK2さんなら胸じゃなくてちんちんで揺れを表わすんだろうけど。」
らむだ「それもぎゃあ。画面にモザイクかかる。」
美 森「むしろ揺れない。びくともしない。」
らむだ「でも、地震のときにちんちんって揺れるのかしら。」
美 森「知らんよ。やってみろよ。」
らむだ「いや、でかい地震きたときに悠然とパンツ下ろしてられませんて。」
美 森「日頃そういう訓練をしとけ。」

 すなわち非難訓練。
2008年9月11日(木) 秋の暴風
 ベビプリ春風(9/11)。
 「秋の嵐が――/やって来ましたね(はぁと)」って、ここにハートマークがつく理由を教えてください。青空ですか。唸る風雨に大喜び。
 などと話をそらそうとしても、最初に点った脳内黄色信号はやはり正しく危険を警告していました。夏夜の廊下を、枕抱えて行ったり来たり。稲妻轟く変身の時。雷鳴にカッと浮かぶこの姉の影を見てさくらもたまらずおもらし。「これじゃあ白雪姫失格だわ」って、そんなこと白雪姫はしません。
 しかも、弟の部屋に入らなかったのは「お気に入りの/ピンクのネグリジェじゃなかった」から。ぐは。着替えてくるまでの元気はなかったとみるべきか。もうねー、ゲーム版シスプリ2の可憐まんまの暴発ぶりですよ。どうする弟。この秋の夜は、やってくる気まんまんみたいだし。
 台風で運動できずまたも来襲したヒカルとプロレス中に、春風さんが訪問した日には、小型台風が屋内に発生です。春風のフー子。まあ夏の間に弟部屋に入れなかった春風は、仕方なくヒカルの寝床に潜り込んでたのかもしれませんが。

 昨日の下品ネタにMK2さんが反応してくださいました。震度7まで全部作っていただけるとは……さすが期待を裏切りません。裏切ることが正しいときもありますよね。あと美森氏は「きっとMK2さんなら」「どうせお前なら」と断りを入れたうえで下品ネタをふってくるのでずるい。
 しかし中震あたりでどうしょうもなくやばいですねこれ。揺れたと思った次の瞬間には、みんな道端でぷるぷるぶるぶる。最初だけ縦揺れで、あとは横にぴたんぴたん。その光景自体が絶望的なのですが、さらにこれで余震があったらもうおしまいです。ぼくは神経過敏なので、震度2ぐらいで幼女の下に隠れます。あと、愚息に「なまず」と彫り物いれて、観察してもらう仕事につきたいです。

 馬鹿話。

らむだ「最近の力士は力水を注射するのがブームかい。」
美 森「大麻だから、鼻から吸うんじゃないか。」
らむだ「あ、そなのか。こういう薬物中毒てのは何とかならんですかね。」
美 森「ケシだと北朝鮮とか東南アジアとか、あちこちで大量に生産してるからなぁ。」
らむだ「黄金の三角地帯だっけか。」
美 森「学校で使う地図帳に『まやく』って書いてあったよね。」
らむだ「あー(笑)青文字でか。」
美 森「『こむぎ』『おちゃ』『まやく』みたいな。」
らむだ「1/25000の地図だと、記号が用意されてたりして。」
2008年9月12日(金) ポスターに採用
 ベビプリ小雨(9/12)。
 頑張れ小雨、と傍で応援したくなるような冒頭。勇気をだすんだ、夜分に兄の部屋を訪れたときのように。春風さんレベルまで頑張らなくてもいいからね。さて、麗に内緒とはどういうことかと思っていると、「Nゲージのちっちゃな踏切を/また踏んじゃったわけじゃなくて」前科があるのか(笑)。かかと痛かったよね。
 お願いの中身をなかなか切り出せないのがこの子らしいのですけど、今日はどうやら妹のためのお願いなので、ここで口ごもって終わるわけにはいきません。そのお願いとは、「夏休みの電車絵画コンクール」について。内緒で応募していた麗だけど、絵に自信がないので見に行かないとすねている、と。「にじちゃんの方が上手」ってそれは(笑)。ひどいや姉さん。そういうヒカルはどうなんだ(ターゲット固定)。
 麗の気持ちを汲んだ小雨の姉らしい優しさが伝わるいいお話なのですけど、しかしひねくれて考えれば、これは麗をダシにしながら兄とデートするという見事な計略。もちろん本人は気づいてないんでしょうが、あとで立夏にひやかされて真っ赤になっていただきましょう。それにしても、麗はどんな絵を描いたのやら。電車と一緒に兄の姿があったりして。ぐわー。いや、それはないか。
2008年9月13日(土) 速攻で保存
 「まやく」地図記号の話にサンフェイスさんから凄い速さで反応がっ。きゃーありがとうございますー、道路標識や商品タグなどにもそのまま採用していただきたいクオリティ。「重要麻薬」の禍々しさに比べて、「麻薬畑」がなんかかわいい(笑)。「地方麻薬」ってのもいいですね、でも「ポニョの歌」とかどの場所にマークすればいいのだろう……。あ、うちの近所のスーパーですか(延々とBGMで流してる)。そして「脳内麻薬」はシリンダーの黒さが(港の区分と同じ表現なのでしょうけど)なんか意味深です。萌えの密度か、それとも魂の愚息か。そしてちんちんの地図記号なども想像しだしてわけわかめ。
 あ、学校の安全マップにもぴったりですね。シャブ中の人は「重要麻薬」で、ぼくの住処は「脳内麻薬」でマーク。危険度を冷静に区別。でもどっちも子供に避けられる。

 将棋。羽生名人が竜王戦挑戦者に。いやー、このトーナメントでの強さはとんでもないものでした。後手番で逆転の繰り返し。これで渡辺竜王と羽生挑戦者の勝った方が初代永世竜王、しかも羽生竜王ならついに永世七冠。将棋界にとって最高のかたちで盛り上がってまいりました、ぼくも今から楽しみです。

 追記。
 先週のジャンプをラーメン屋で読む。『ONE PIECE』がたいへんな展開に。ルフィが初めて全力で自信喪失してましたが、船長として仲間達を誰一人守れなかったというのは、そりゃこの人にとって辛すぎる。青キジに敗北した後、二度とそういうことのないようにと決意しただけに。そして、ナミが「ルフィ助け」「て」と言い残して消えてしまったのは、とりわけルフィを打ちのめしたんじゃないでしょうか。かつてアーロン一味と戦う直前、ルフィはナミの「助けて……」という涙の一言に「当たり前だ!」と答えていたわけですよ。その記憶と重なるだけに、助けられなかったという絶望感が深い。
2008年9月14日(日) がおがお
 プリキュア、ナッツがハイパー化してキュアローズがんばる。これで後半戦の準備が整いましたか。

 NHKスペシャル『戦場 心の傷(1)兵士はどう戦わされてきたか』を観る。グロスマンの『戦争における「人殺し」の心理学』そのまんまな内容にうんうん頷いてました。過酷な戦場の恐怖に耐えられるように訓練するんだけど、平和な日常世界から戦場の非日常世界へと兵士を心理的に移行させることは軍隊でするのに、戦場から日常世界へ心を連れ戻すことは兵士個人に委ねてしまっていたことの巨大な弊害。とくにぼくが注意を向けたのは、いまのイラク駐留兵が都市部での掃討作戦に従事してるとき、(民間人か敵かを瞬時に区別して)射撃するかどうかの判断を委ねられているということ。もちろん、上官の命令を待っている間に撃たれちゃうかもしれないので、瞬時に個人が判断することは必要なんですが、問題は番組中でも言っていたように、兵士が「(敵を)撃たなければならない」という命令と「(民間人を)撃ってはならない」という命令とのダブルバインドに追い込まれやすいということ。そして、グロスマンが指摘していた兵士と上官の罪悪感抑制システム(上官は命令するが自分の手を汚さず、兵士は直接殺害するがあくまで命令に従うのみ)が、その分担がうまくいっていたときでさえ機能不全だったのに、いまや兵士個人がすべてを引き受けなければならなくなっているということ。そりゃおかしくもなりますわ。これシリーズDVD出ないかなぁ。

 馬鹿話。

らむだ「おー、ジュラシックパークの恐竜こえー。」
美 森「しかし、我々が子供の頃の恐竜と、今のとじゃイメージが全然違うな。」
らむだ「ほんとにねぇ。頭としっぽは水平だし、羽毛が生えてて鳥っぽかったり。」
美 森「まあ出現期と滅亡期でずいぶん時代が違うから、一概に言えないわけだが。」
らむだ「いまボーンフリーを放映したらどんなになるのかな。」
美 森「それよりも、みすずちんの『ひよこは恐竜の子供』説がじつは正しかったというのが凄い。」
らむだ「あー、そいえば。」
美 森「さすが翼人として実際に見てただけのことはある。」
らむだ「そう考えるのか(笑)」
2008年9月15日(月) 敬妄の日
 ようやっと今月のG's本誌ベビプリ。

 第1話、霙姉さんなぜ浴衣をはだけるのか。でもぼくの眼は真璃に釘付け(駄目)。浴衣は今年も新調とのことですが、毎年たいへんだなぁ……出費が。収入どんだけなんでしょかね。あと、姉のお下がりを着たがる妹っていないのかしら。ちっちゃい頃に姉の浴衣を気に入ってしまい、大きくなったらそのお下がりをもらうと約束して、いつか当人が忘れていたと思っていたら、ちゃんと姉も妹も覚えていて、という話。小雨が海晴の浴衣を、とか、綿雪が氷柱のを、とか。……春風が弟のをとか。
 氷柱や麗のときと同じく、本誌連載での霙はなんとなく「よそゆき」の雰囲気。公式日記がすでに「日常」の空気に満ち満ちているので、とても対照的です。「家族なんて―自分のことばかり考えていたら成り立たないんだ。」の一言が、この家族のなかである役割を密かに果たそうとしている霙の想いを吐露しているかのよう。そして弟はひたすらからかわれる罠。これはこれで幸せなひととき。
 しかし、もしも弟が最初からこの家にいたならば、霙は弟と一緒に風呂に入ったりしてたわけで。もちろん海晴や春風やヒカルや蛍も。いったい何歳まで一緒に入浴してたでしょうね。奪われた過去をこれから埋め合わせるのだ。アニプリ第7話の咲耶や、ポケストの四葉のように。

 第2話、夕凪の大胆な水着姿。しかも春風の水着を勝手に拝借。お、恐れを知らぬ勇者よ……。もはや魔法使いというよりバーバリアンです。素敵に野蛮人。そして星花のお世話焼きぷりが微笑ましい。この二人、鈴凛・四葉にも似たいいコンビです。吹雪と三人の部屋ってどんな様子なんだろ。あと、「奥の方の1人部屋が続く広
間の近く」という家屋の描写あり。上の方の姉は一人部屋と確定したわけですが、どれほどの敷地なんですかねこの家。
 さて、春風の部屋に謝りにいくと、偶然にも兄がやってきて助かった、というオチですが。それはどうだろう夕凪。つまり、兄は春風に呼ばれて部屋を訪れるところだったとすれば、二人っきりを邪魔された春風さんの憤りは水着どころでは済まないんじゃないでしょうか。その先に待つ修羅場を避けるため、こう言うんだ夕凪。「
お兄ちゃんが、春風お姉ちゃんの水着姿をまた見たいって。」違う修羅場が忽然と出現。
2008年9月16日(火) ミステリイ
 ベビプリ吹雪(9/16)。
 タイトルのトレパネーションてすごく恐いんですが……。ええと、のーみそこねこねということでしょうか。
 のーみそばーんかな(どっちでもいい)。

 さて、吹雪も電車絵画コンクールを観に行ったんですね。しかし、なにやら不穏な空気が。「潔癖な麗姉がそんなことをするはずがない」ということは、何かのずるが発覚したとか。つまり、麗の絵ではないものが出展されていたと。
 それは「青空とマリーがリビングで一緒になって描いていた/明るい色のカラフルな空の城のクレヨン画」。……まじすか。幼児ふたりが描いた絵で、小学校高学年生が入賞するものなのかしら。年齢の区分も確認もないコンクールだったのかな。でも、賞品が「運転士用鉄道時計」というのは、どう考えても幼稚園児向けではありません。「小学生以下の部」でくくってるのかな。あるいは、幼児の絵と似てるけど麗が描いた別物なのか。分からん。

 ともかく、家族にとって重大な問題は2つあります。まず、吹雪の指摘が正しいとして、麗が自分のものではない絵で入賞したことをすでに知っているのかどうか。小雨は兄と観にいったのに麗の元々の絵を知らなかったとすれば、帰宅後に入賞の事実を伝えこそすれ、絵が違うという未知の事実を話すことはないでしょう。その場合、麗はただ、自分の絵が入賞したものとして素直に喜んで時計をためすすがめつしているはずです。吹雪が懸念するように、真実をどう扱うかが非常な緊張感をもったものになる、と。
 次に、「髪が短」いらしき「黒っぽい人影」は誰で、何をしたのか。麗よりも上手だな、とか言って麗を怒らせただけならそれまでですが、まさかその埋め合わせに幼児の絵で応募しちゃったのでしょうか。でも、麗が素直に賞品を受け取ったのだとすれば、麗も自分の絵を提出してるはずですよね。同じ子が2枚の絵を送ったことになって、しかも絵のタッチが全然違……わなかったんでしょうか。うーん。
 で、この人物が誰かといえば、まず思いつくのが霙姉さん。「残された甘い香り」はすなわちおやつのそれ。……ただし、「残された」香りとは、ぷいと出て行った麗の香りなのかもしれないし、だいたいこの姉がそんな余計なことをするとは考えにくい。
 黒っぽくて神が短いのは長男もあてはまりそう。もしや、麗を怒らせた長男が、とんでもない余計なことをしたのでは? そして、小雨にもそのことを打ち明けられずに、ただ黙ってコンクール会場に出かけて行き、何も知らずに妹の入賞を喜ぶ小雨の横でうしろめたさをいっそう募らせていたのではないでしょうか。もしそうだとすると、この連休を通じての長男の心中たるや。や、でも長男が自分で描くのならともかく、幼児の絵で勝手に応募することはないよね。むしろ麗にがんばってもらいたいはず。
 一応、麗がやってしまった可能性もないわけではなく。しかし、まさしく「潔癖」なこの子のすることではない。じつは素直に妹達の絵をお手本にしたとか、眞璃の絵も麗のと別に申込んだんだけど氏名を書いた申込用紙を麗のと幼児のと逆にしてしまい、というのならまだしも。
 よって消去法の結果、これは新キャラと判明しました。裏山に住んでいる妖怪の仕業です(のーみそちょろりん)。

 追記。はるひめさん予言がやばい(笑)。
2008年9月17日(水) わりきれた
 ベビプリ観月(9/17)。
 よかった、裏山の妖怪はいなかったんだ。いや、いるかどうかは不明ですが、このたびの一件は何のミステリイでもなかった模様。青空ではなく虹子と真璃の描いた絵をめぐる霙と麗のやりとりと、実際に絵を描いて応募した麗、そして幼児さん二人の絵も別に応募して獲得した入賞の品。姉に時計を贈ることができて嬉しそうな妹達、そしてそのうえ参加賞でもいいものをもらえた姉。それを見守っているだけでも気持ちが安らぐ観月、その顛末を聞いて安堵する長男。幸せの相互贈与で全面包囲です。
 あとで吹雪も安心させておきましょう。嬉しいあまり妹達に1度きりだけど笛を貸してくれる麗にお願いして、吹雪にも吹いてもらいましょう。麗とは日頃から仲がいいので、べつだん気を配るまでもないかもしれませんが。昨日の吹雪も、その麗がよもや、と思うからこそあれだけぐねぐねしていたわけで。
 問題はこれで片付いたとして、さてオーラ。霙が甘いものを食べると色が変わってねるねるねるね。麗が怒るとえらいことに。春風さんはパールピンクあたりでしょうか。いまのご機嫌な麗のオーラはどんな色なんですかね。

 医療訴訟問題について各所をチェックするうちに、ソルジェニーツィンの『ガン病棟』を読んでみたくなる。古本で買ったまま積んでたのですが、これってスターリニズムとその後のソ連に対する痛烈な批判であるとともに、ガンを通じて人間の生そのものをえぐりだしていく古典なのですね。いまの医療をめぐる諸問題が、ほとんどそのままここに語られているように読めました。
2008年9月18日(木) いんたはいすすむ
 ベビプリさくら(9/18)。
 はや運動会の季節ですか。さくらも姉妹共通の技「エヘヘ」笑いをするのね。でも幼稚園の運動会って、小学校のスケールダウンみたいなものばっかりであまり独自性って見えないんじゃなかったっけ。しかし、そこはトゥルー世界の幼稚園。眞璃になじられるおもらし男子の見せ場もあります(おもらしはしません)。
 さて、さくらは踊りがうまくできないのかな。扇子をくるりんですか……。もう少し大きくなったら、バトンをくるりんができないと嘆きそうです。「お兄ちゃん、さくらのこと/キライにならないで――」から、見捨てないでねお兄ちゃま、への距離はそんなに遠くないような。せっかく兄に初めて参観してもらう運動会なのだから、どうしてもいいとこ見せたいのは当然。そのためにも、家で練習しましょう。兄と並んで一緒に振り付け。ついでに兄もおだんごヘアに。そしてチャイナドレスを用意する蛍。

 ソルジェニーツィンづいて『収容所群島』第1巻。2巻目以降を持ってないのが悔やまれる。内容は題名どおりラーゲリづくしで、もう無茶苦茶なソ連の真実が縷々と。この本は、ずっと若い頃に読んでたら耐えられなかったし、やや若い頃に読んでたら歴史的冗談としてのみ受けとめたと思います。今だから重さとともに受け入れられるのだとすれば、読むべきタイミングってやっぱりあるんだな、と。
2008年9月19日(金) 炎のこま
 ベビプリ夕凪(9/19)。
 海晴のとは別の天気予報を観ると怒られる、という反応を長男がしたんでしょうか。たぶん、自分以外のお天気お姉さんに目を向けるな、という意味で以前に釘をさしていたのでしょう。んで、「すっごく朝早〜いやつ」しか担当していないとすると、海晴は大学に通いながら仕事してるのかも。しかし、「あなたの今日の人生にとびっきりのお天気を(はぁと)」という決め台詞は、天気予報というよりむしろ星占いです。そういうキャラ立てなのかしら。
 そしてそこにピンとくる夕凪。すなわちマホウ。そして思いついたら相変わらずの一直線です。翌朝に備えて早めに寝ている長女を起こしにいくという、衝動的にもほどがある作戦。「夕凪の恋のマホウパワーと/海晴お姉ちゃんのお天気のマホウパワー」が合体すればいいですが、後者は発動しないと思うな。その代わりにきっと怒りのパワーが。この妹、ほんと懲りないというか……そこがいいんですけども。
 しかも兄を連れていくというのは、本誌連載での経験を生かしていると言えなくもありません。でも、二人で海晴の部屋に駆け込んだとして、追い返されるのは夕凪だけと想像します。桃色のパワー発動。そしてオーラに導かれて春風さん登場。またも屋内台風発生です。
2008年9月20日(土) 忘れないように
 アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』(群像社)読む。いやあ……これは……。第二次世帯大戦中のソ連で、ドイツ軍と戦った女性たちへのインタヴュー。戦争が終わってもなお続く、戦いと悪夢。自分の体験を他人に語ることのできない、他人に理解してもらえない孤独。一人ひとりの言葉が、とても重い。
 これと『収容所群島』をあわせて読んでると、だんだん目眩を覚えてきます。

 窓の網戸がはがれてきました。 
>1 とりあえずガムテープでごまかす
>2 数日で粘着力ダウン
>3 貼ったガムテープ分の重みで網戸がさらにはがれる
>1に戻る

 今はそりゃもうべろーんと。
2008年9月21日(日) 雨すごい
 プリキュア。イケメン敵幹部が初登場の話を観ていなかったので、テニスコートでテニスのスコートな場面がどういう展開だったのか分かりませんでした。そんな場面はたぶんない。しかし、こいつの能力は強すぎませんか。あんな単純な仕掛けで6人をミクロの仲間にしてしまうとか。どうやったら倒せるのか見当もつきません。

 パンツを平然と脱ぐが勇気なら、おまるを黙然とかぶるは因果。(ボイド風味)

 だんだんのーみそが腐っていく感覚がここのとこ続いています。あまり生産的なことをしてない(というか、新奇なものにも手を出さず反復的な消費ばかりしてる)からだな、きっと。
2008年9月22日(月) 道はこんちぇると
 ベビプリ春風(9/22)。
 そか、昨日は吹雪の誕生日でしたか。小2だから8歳? 「嬉しそう」な吹雪というのがまた結構です。金魚の刺繍入りのワンピース。ぎょっぴー。
 さて、「春風にも、ちっちゃい頃に/蛍ちゃんみたいな“お姉ちゃん”がいたら――」と言ってはりますが、幼い日の海晴と霙はどんなふうに妹の誕生日を祝ったのでしょうね。なぜかケーキがあんこに、とか。それ祝いというより呪い。ともかく、霙も自分がちっちゃい頃に春風みたいな”お姉ちゃん”がいたら、と思ったことがあるんじゃないでしょうか。ただし霙さんは姉妹の順位が下がると完全に権威を失いますので注意。あのうっかり具合のまま下の妹になったら目も当てられません。
 そんなことに気をめぐらせているうちに、春風台風は通過せずに風速をぐんぐん増しておりました。明日の休日を自分とのデートにあててと弟にお願い。あててんのよ(懐)。今晩はタタカイだ。

 秋ひものさんより、オリジナリティー話の続き。
 トールキンの有名な逸話から、二次創作とはそのようなオリジナリティーあふれる一時創作に対して、「創作の土台に対する明確な承認と敬意、つまり愛を持って世界を広げるということ」なんだ、というご指摘。つまり、オリジナリテイーとは新たな世界をこしらえるってことなんですね。そして、その世界のなかで「横的な移動」で軽く楽しんでもいいし、「縦軸の変化」で濃ゆく楽しんでもいい。まったく同意です。
 「愛のない二次創作」については以前にも書いた覚えがありますが、例えば青年男性向けの場合。その対象となる一次作品(とその登場人物)を、既存のエロシチュに当てはめて消費するのは、ぼくの考える「愛のない二次創作」。その二次創作を通じて、性愛という視点から一次作品(とその登場人物)の解釈が多様化・深化するのが「愛のある二次創作」。劣情を本気で込めた結果、そういう二次創作が生まれることもありますね。
 音楽にうといのでカバー曲というものをよく分かっていないのですけど、「原曲を違った風に演奏する」という横方向へのずらし方が言うなればパターン化してて、こうずらしときゃいいだろ、みたいな既存のものへの寄りかかりが感じられるとき、そのカバー曲というのは「愛のない」ものなんだろうな、と思います。だとすると、その限界にとどまらないカバー曲というものもあるのではないかしら。「既成の古典をありったけの解釈と愛情を持って演奏するクラシック音楽」と、きわめて近いようなもの。
 ある作品を好きになったとき、その作品とぼくの間には、固有の関係が生まれます。その作品には大勢のファンがいるとしても、ぼくが好きになったその仕方や中身には、ぼくという人間固有の何か(つまり、ぼくという個人だけが看取できた作品要素)が含まれているはず。その何かを、既存の枠組みを借りながらもどうにか表現しようとしているうちに、ありがちな枠組みでは間に合わないものがでろりと溢れでてくる。そうやって生まれた二次創作は、一次作品のたしかな反響となるのでしょうし、少なくとも自分と作品との幸せな絆を確証させてくれるはずです。

 そんなことを夢見て考察だのパロディコンテンツだの作ってきましたが、しかしこれだけ続けていると、どの二次創作にも共通する要素が露呈してきまして。これをぼくのオリジナリティーと考えていいのか、それともパターンへの寄りかかりと反省するべきなのか。たぶん、僕が一次創作に着手したときにその答えが得られるのでしょうけど、怖くてとても踏み出せません。そこで踏み出して耐えていける勇気が、オリジナリティーの最後の条件なのかも。
 「萌えは協奏曲である」という言葉とあわせて思い出すのは、やはり『萌え文集』のことです。あのとんでもなく純粋な作品群のなかに、自分のを混ぜてしまってよかったのかと悩みました。正直なところ、ぼくの脳内家族テキスト等はどうにも軽くて……。でも、メンバーの中でぼくはそういう役割をたまたま担ってたとすれば、他の方々も各自の萌えを多彩な音色でかたちにしていて、それら全部ひっくるめたあの文集は、間違いなく一つの協奏曲だったと感じます。
2008年9月23日(火) この日にあえてこんなの
 寝る前に今日の日記もう載せちゃう。
 昨日、泣きごとを言ってたぼくですが、それでも二次創作ではない作品を書けたらなぁと思うことはあるわけです。前に開催されたこちらのオリジナル短編コンペに応募しようかとこっそり考えていたくらいには。そのとき書いていたものが発見されましたので、この機会にご笑覧いただくの巻。ついでながら、今後の創作活動で参考にしたいので、拙作がどうすれば読めるものになるのか、ご助言をいただければありがたいです。


 『みにくいおまるのこ』


 むかしむかし、あるほいくえんに、みにくいおまるのこがいました。
 すわるところがたいらじゃなくて、つるのあたまみたいにつきでていました。
「それじゃ、おしりのあなをふさいじゃうよ」おとなたちはわらいました。
 おなかがゆかにぴったりつかないで、まぁるいあんよがはえていました。
「それじゃ、おちついてふんばれないよ」こどもたちはわらいました。
 あんまりへんてこなかたちなので、いままでだれもすわってくれませんでした。

 にんきもののまりちゃんも、ちゃんとあひるのかっこをしたおまるばかりつかいました。
 うらやましそうにみていたら、まりちゃんはよこめでにらんでいいました。
「このおまるは、すべすべしてるしあたたかいわ。おしっこもうんちもどんどんでちゃう。
 なのにあっちは、ごつごつしてるしつめたいし、おしっこもうんちもひっこんじゃうわ」
 かなしくなったおまるのこは、あんよをくるくるまわして、ほいくえんをでていきました。
 とおくから1どだけふりかえりましたが、だれもきづいてくれませんでした。

 とぼとぼあんよをまわしていくと、べつのほいくえんがありました。
 みつかったらまたわらわれる、とおもったおまるのこは、きのうしろにかくれました。
 するとそこには、おんなのこがめをまっかにしながら、さきにかくれていたのです。
「どうしたの、けんかしたの?」おまるのこがたずねました。
「おもらししちゃったから、かえれないの」おんなのこはこたえました。
「わたしは、みか。もうおむつはしてないの。だけど、おもらしがなおらないの」
 みかちゃんのぱんつから、おしっこがぽたぽたしたたりました。
「おまるにすわるまでがまんできなくて、おともだちにわらわれちゃったの」
 みかちゃんのおめめから、なみだがぽろぽろこぼれました。

 おまるのこは、みかちゃんのあしもとにそっところころちかづきました。
「かわいそうなみかちゃん。ぼくがたすけてあげられたらいいのに」
 それをきいたみかちゃんはうれしくなって、ぽろぽろなみだがきえました。
「ありがとう、やさしいのね。おともだちになってくれる?」
 それをきいたおまるのこは、びっくりしてたずねました。
「でもぼく、おまるのできそこないなんだ。こんなぼくでもいいの?」
 それをきいたみかちゃんは、にっこりわらってうなずきました。
「それじゃ、わたしのおまるになってほしいわ」
 それをきいたおまるのこは、うれしくてみかちゃんのまわりをくるくるまわりました。
 みかちゃんも、うれしくていっしょにくるくるまわりました。
 りょうあしのあいだで、ぽたぽたおしっこがちいさなまるをかきました。

 きがつくと、もうおうちにかえるじかんがすぎていました。
「どうしましょう、おやつにまにあわないわ」みかちゃんがなきそうになりました。
「ぼくがのせていってあげるよ」おまるのこがげんきにいいました。
「でも、わたしのぱんつはおもらししたままよ」みかちゃんがもじもじしました。
「ぬいで、このなかにいれておけばいいよ」おまるのこがかごをゆすりました。
 みかちゃんはいわれたとおりにして、おまるのこにすわりました。
「みかちゃんのおしりってやわらかいんだね」おまるのこはかんげきしました。
「あなたのすわるところもふわふわできもちいいわ」みかちゃんはほほえみました。
「それではしゅっぱーつ!」ふたりはこえをあわせて、おうちにむかいました。

 ころころすすむおまるのこ、はやいはやいとよろこぶみかちゃん。
 とちゅうで、おおきないぬがやってきました。いつもみかちゃんにほえるのです。
 でも、おまるのこについていたベルをならしたら、いぬはおどろいてにげていきました。
 とちゅうで、おおきなからすがとんできました。いつもぱんつをつつくのです。
 でも、おまるのこがかごのふたではさんだら、からすはおどろいてにげていきました。
「あなたってつよいのね。わたし、こわいものなくなっちゃった」
 みかちゃんにほめられたおまるのこは、おもわずあんよをはやめました。
 ころころころ、から、ころころころろころころころろ、って。
 みかちゃんも、きゃあきゃあさけんでたのしそうでした。
 だから、さかみちにはいったときには、もうとまれませんでした。

 あっとおもうまもなくまえのめり、ぐんぐんいきおいがついていきます。
 ころころころろ、から、ころろろろろろろろろろろろ、って。
 みかちゃんはこわくなって、おもらししそうです。
 おまるのこは、なんとかころばないようにがんばります。
 すれちがったおとなのひとが、ふたりにきがついておおごえをだしました。

「たいへんだ、おんなのこのさんりんしゃがとまらない!」

 それをきいたとたん、おまるのこはびっくりしました。
「そうか、ぼくはおまるじゃなくて、さんりんしゃだったのか」
 それをきいたとたん、みかちゃんはこわくてふせていたかおをあげました。
「わたし、さんりんしゃにのるのってはじめてよ」
 かおをあげたとたん、みかちゃんはとてもこわくなっておもらししてしまいました。
 これでは、たすけてもらえても、みかちゃんがはずかしくてたまりません。

 そのとき、さんりんしゃは、ゆくさきにおおきなみずたまりをみつけました。
「えいっ」ぐいっとハンドルをまわすと、さんりんしゃはみずたまりへバッシャーン。
 まんまるおめめのみかちゃんにも、バッシャーン。
 かけよってきたおとなたちにも、バッシャーン。
 そのまましばらく、さんりんしゃはみずたまりのなかをころころすすみました。
 そのまましばらく、みかちゃんはおしっこをおもらししました。
 さんりんしゃもおしっこも、きゅうにはとまれないのです。
 でも、みんなびしょびしょにぬれてしまったので、おもらしにだれもきづきませんでした。

「けがはないみたいだね、きをつけるんだよ」みんながしんぱいしてくれました。
「ありがとう、ごめんなさい」みかちゃんは、いつもとちがってなきませんでした。
 だって、おともだちのさんりんしゃにすわっていたのですから。
 おもらししたおしっこは、サドルにこっそりしみこんでいきました。
 でも、さんりんしゃは、これでみかちゃんともっとなかよしになれたきがしました。

「いいさんりんしゃだね、だいじにしようね」おとなのひとがみかちゃんにいいました。
「もちろんよ、わたしのおともだちなんだもの」みかちゃんがおひさまのようにわらいました。
 さんりんしゃはなんだかうれしくてはずかしくて、またバッシャーン。
 みずしぶきのむこうにみかちゃんのえがおがみえたとき、ちいさなにじがかかりました。
 なないろの、ちょっとだけきいろががんばっているきれいなにじ。
 こんどは、このにじのうえをのせていってあげたいな。
 サドルをちゃぷちゃぷさせながら、さんりんしゃはそうおもいました。

                              (おわり)


 これを応募してどうするつもりだったんだ、とかいうご意見は無用です。
2008年9月24日(水) でろりん
 ベビプリあさひ(9/24)。
 あー、昨日買ってきた秋物がよだれまみれに。本誌連載のヒカルの制服のようになってまうのでしょうか。春風さんの憤りはさすがにあさひに向かわないでしょうから、霙姉さんが空気を読んで信管に頭をぶつけにいくのか、それとも長男が慰めてあげるのか。「これは俺のよだれだ」とごまかす手もありそうです。

 秋ひものさんより三たび。どもですー。オリジナリティとしての「記名性」ってのはなるほど分かりやすいですね。その「匂い」が鼻につきすぎることもあるし、それがまったくない職人ぽさというのもあるんでしょうけれど。これはこの人にしか表現できない、というときに、個の特殊性のなかに普遍性が宿るというか。パターンとしての一般性じゃなくて、戦慄のように心を震わす普遍性。「記命性」というのもかっこいいなぁ。自分という命を記す。自分の「かくあれかし」という命令、祈りを記す。何によって記すかといえば、時々ちんちんだったりするわけですが。

 あと、昨日の拙作へのコメントもありがとうございます。「ほのぼのハートフル」と「下品で変態」は自覚してますが、「何かに対する悪意に満ちた批評性」はどうなんでしょう。童話というものへの悪意は満杯かもしれませんが……。そいえば、おもらしを受け入れた二人には幸福が訪れる、とか、尿のしぶきが世界の美をつきつける、とかいうこの物語のモチーフは、ぼくが妄想するこの手の物語で必ず出てくることに気がつきました。モチーフって言葉の使い方これでいいのかしら。愛と変態のメルヒェン空間にようこそ。ほのぼのした世界のなかで一人の変態として素直に生きていきたい、というのがぼくの切実な願いなのです、たぶん。
2008年9月25日(木) イベントづくし
 ベビプリ氷柱(9/25)。
 これ26日に書いてますので、本日分をがんばって読まないようにしてます。さて学園祭ですか。体育祭と文化祭を一緒にゴー。進学校なんですかね。学校行事をまとめて開催するようにすれば、準備なども含めて授業時間を削る必要が少なくなるんじゃないかしら。氷柱はたしか特別に学力の高いクラスに入ってましたから、そのへんあわせても納得できます。でも、文化祭の設営を間際までやってた生徒が、体育祭に出て体力もつんでしょうか。もつんだろな。若いって素晴らしい。
 しかし、

>小さい頃から霙姉様と
>オヤツ食い逃げ競争で張り合った
>この実力――

 もうだめだこの姉妹。とくに姉の方。そこで威張ってしまう妹も妹ですが。これねー、どうやって張り合ってたんでしょうね。母親や海晴に捕まらないように逃げる、のだと霙と競争する必要はないですから、先に相手のおやつも食べてしまうという競争だったのかしら。普通は姉に自分のおやつを食べられたら泣いたり最年長者に訴えたりするものかと思いますが、氷柱は負けずに対抗したという。さすが幼いころから氷柱だったと感心しますが、一方で霙姉さんは何してたんだ。つい妹のあんこ菓子まで食べてしまったところを氷柱に見つかり、咄嗟に「オヤツ食い逃げ競争」を思いついてごまかしたと想像してみる。ただし「競走」ではなく「競争」なので、よーいどんでスタートしなくても春風・蛍の後ろからちょろまかしてもオッケー。よい狩人の条件は隠密性。立夏は「パン食い専門」だけど、霙姉さんはあんぱんの中身だけを抜き取ります。
 そして、なんだかんだで長男をしっかり応援したり、ヒカルと丁々発止したりする氷柱。可愛いのでよし。「土曜日だけは」と言ってるので、日曜日は中等部の文化祭に顔を出せということなのかにゃ。
2008年9月26日(金) うー酔った
 ベビプリヒカル(9/26)。
 さて本日分に突入。って、あれ? この雰囲気は何事でしょうか。ためらいのヒカル。乙女空間に引きずり込まれてますか。なんか、行を進めるにしたがってドキドキしてきます。なんさいですかぼく。心はいつまでも童貞(体もです)。
 さて、「例のシンデレラ――」ってなんだ。仮装競走ですかね。同じクラスでこれということは、長男に王子様役で出場せよということか。もちろんシンデレラはヒカル。くきゃー。あるいは逆に、ヒカルが王子様で長男がシンデレラという可能性もありますが。どっちもありなので、走ってる途中で衣装を交換するもよし(駄目です)。ヒカルに押しつけられたシンデレラ役を長男に代わってもらいたいとか。いや、それでは普通だ。
 そして絶妙のタイミングで介入する春風さん。可憐の魂ここに。蛍と一緒に、ヒカルの衣装合わせを楽しんでるだけもしれませんけど。いや待て、春風さんも高等部だから、シンデレラ役を代わってくれとかそういう無理を……。ただ字面では、あんまり言いにくいので春風さんをダシにごまかした、とも読めます。来週の展開が楽しみだー。

 うわー、もったいないお言葉を頂戴してもたー。ここまで言っていただけるのなら、やはり拙作をコンペに投稿しておくんでした(無理)。作者が言うのも何ですが、おまるのこもみかちゃんも基本的にいっしょうけんめいなので、その誠実さを汲んでいただけて嬉しいです。だったらそれをもっと真面目な物語として表現できないのか、とも思うのですが、どうにもこうにも。変態の純情を諧謔にくるまないと話がまとまらないのでした。そうやって斜めに進みながら、変態の穏やかな境地というか、かなしみとおかしみの融合した風景というか、そういうとこに辿り着きたい気分。そいえば「悪意」や「批評性」については、同じフレーズの繰り返しなど絵本やメルヒェンの形式を意図的に用いてました。
 ただ、書き終えたあとで何か引っかかっていたんですが、いま書きながら合点がいきました。たぶん、醜いアヒルの子が白鳥という本当の自分を発見して幸せになるように、「みにくいおまるのこ」が「さんりんしゃ」という本当の自分を見つけてめでたし、という話でなくてもいいのかな、と。「さんりんしゃ」として幸せになっていいんだけど、そのために「おまるのこ」という最初の自己像を捨てなくてもいいんじゃないかしら。みかちゃんにとっては、初めて乗れた三輪車でもあるし、また自分が初めて座った子となったおまるでもあるわけです。そのおまるのこは、みかちゃんのおもらしを嫌わずそのまま受け入れたし、みかちゃんはそんなおまるのこをそのままの姿で受け入れました。だから、みかちゃんが座る相手は三輪車であると同時におまるでもあり続ける。他の誰もが三輪車としか見なくとも、黄色い糸で結ばれた二人の間ではちゃんとそのことが分かっている。とかなんとか。

 MK2さんにとって「9歳」というのは「幼女」なんだなぁ、などと感覚の違いに気づいたり。二桁からが「少女」なのか、それとも年齢ではなくて「なまいき盛り」や「ちょっと早熟」といった修飾語句がくっつくような子はおしなべて「幼女」ということなのか。ぼくだと小学校にあがったらもう「少女」です。だってランドセルしょってるんですよ。いや、それは基準としてどうなんだ自分。むしろ縦笛か。するとやはり9歳か。あと、その光景は簡潔には描写できません。
2008年9月27日(土) まにあわな
 いろいろ行き詰っております。あうー。逃避したい。うわ、IMEって「とうひ」で変換できない。なんだ塔日って。

 深浦王位つえー。昨年は羽生から奪取、今年は羽生の挑戦を受けて防衛成功。タイトル戦で羽生に2度勝っているのは、谷川・佐藤・森内・深浦の4人だけですか(1度だけなら、郷田、三浦、藤井、丸山も)。これまでA級に定着できず陰の実力者扱いでしたが、これで名実ともにトップ棋士。お見事でした。

 MK2さんの下品ポエムを読んで、女の子側に視点を移してこういう話を考えたんですけど詩に作れません。詩ってほんと向いてないぼく。
 ええと、女の子の体操着でこすこすしていた男の子は、その女の子に見つかって体操着を持って逃げちゃったわけですが。じつはその体操着、彼自身のだったのです。というのは、男の子が教室にこっそり来る前に、この女の子がその男の子の体操着を密かに借用しようとしてたわけ。そこに男の子が来ちゃったものだから、自分の身だけは机の下に隠したものの、彼の体操着を自分の椅子の上に置き忘れてしまった、と。そしたら男の子が自分のだと気づかずにその体操着でこすこすし始めちゃったものだから、思わず様子をじっくり眺めようと体を乗り出して男の子に発見されてしまいました。これってたぶん両想いなんだろうけど、このままだと男の子は学校に来れずひどい誤解のままで終わってしまうそう。意を決した女の子は、手紙を添えた自分の体操着をその子の家まで届けに行くのでした。
2008年9月28日(日) うっくつ
 プリキュア、久々にブンビーさん。黄色のうららがカレー宣伝という、伝統的に正しい話。同級生のよしみちゃんは、気弱だけど優しそうな女の子。お店に客寄せとなると、うららがインタビューかなんかで名前を出せば効果ありそうですが、まだそこまでの知名度はありませんか。仕事にプライベートを持ち込まないというけじめがあるのかもしれないし(のぞみ達は別格)、でなくともよしみの両親がさせないかも。一家全員、真面目そうなので。
 しかし、うららのしょんぼりなタイミングで今回もシロップが絶好の支援。これはあれか、のぞみ・りん・ココ・ミルク・クレープ王女とともに壮絶な7角関係を夢見るため生まれた。でも今日のみるくは、なかなか合点のいかないのぞみに分かりやすいフォローしてましたね。ほんと仲良いなあ。
 ブンビーさんも今の組織に見切りをつけるかどうか模索中。世知辛い世の中でありまする。でも、ブンビーさんが加わった組織はじきに崩壊するのですから、ナッツハウスで雇ってもらえばすぐにプリキュア倒れますよ。

 先週のベビプリで、前半の春風・あさひ話と後半の氷柱・ヒカル話が分断してるなーと思ってたのですが。もしや、あさひ日記の「いろんないろが/いっぱい!」って、春風が長男と買ってきた秋物ではなくて、蛍達が用意していたヒカル用のシンデレラ衣装だったのかしら。
 あと、氷柱と霙が「オヤツ食い逃げ競争」なんてものを小さい頃から楽しんでたわけですが、両者の間に位置するヒカルはこれに参加してなかったんでしょうか。メンバーだったのなら、いま霙のことが苦手というのは奇妙です。……あ、春風や蛍のおやつを守ってあげてたんでしょうか。あるいは、やはり「競走」でなく「競争」なので、「テケリ・リ! テケリ・リ!」などと訳の分からない言葉をつぶやいて隙をつくりおやつを盗む霙に、ヒカルはただ得体のしれない恐怖を抱いた、とか。

 最近、涙もろすぎていけません。自律神経がわやになってるのか、何を見ても泣けます。心の琴線が知覚過敏。たぶん大声だされても泣ける(ただのびびり)。真面目な話、人と話しててこちらの意見に強く同意されたり
感動されたりすると、とたんに目元がじんわりというのは、どうにも。
2008年9月29日(月) あせあせ
 ベビプリ(9/29)。
 学園祭の顛末は、本誌連載の方ですか。もうそんな時期でした、月の歩みが速いです。
 さて、代休日の予定は遊園地だったのに、雨天がうらめしや。雨男は誰だ(約1名)。残念なのはもちろんだけど、ここで年少者達のことを気遣うあたりは、さすがというか蛍らしさ。損な性格だよねー。でも、そうやって人を思いやる蛍だから、人も集まってくるわけで。氷柱あたりは妹達に厳しさも教えるべきと言ってますが、あなたも一昨年まではそうやってハブられてたので、ここでルール変更は不公平だと思って当然。立夏も今回は氷柱と同様に……いや、あの子の場合は何の気なしに「いーよいーよ」と妹達を引っ張り込むかも。

 で、「家庭内遊園地」という発想がまた蛍。列挙されてる遊びを想像してみます。
 お兄ちゃん飛行機:足の上に妹の胴体を乗っけるアレか、背中におんぶしてぶーん
 お兄ちゃんタワー:兄の首に両手をかけてぶらさがった妹をぶんぶん振りまわす
 お兄ちゃん大車輪:兄が妹の両手を握ってぶんぶん振りまわす
 お兄ちゃんメリーゴーランド:おうまさんになって背中の高さをゆらゆら変える
          または、手と脛の上に一人ずつ乗せて仰向けに寝てぐるぐる回る
 最後の以外は、バイト先でだいたいやってた記憶が。お兄ちゃんタワーは二人まで。完璧に窒息します。でも、雨の日に家の中でちっちゃいこを楽しませるのって、それなりに工夫するとこっちも面白いんですよね。体力が続くかぎりは。この人数だと長男も大変だ。

 さて、ヒカルと長男は見事に1等賞だったそうで。おめでとーぱちぱちぱち。賞の数だけおててをぱち。ぱち(終了)。長男がシンデレラ姿だったというオチはなさそうですね。
2008年9月30日(火) ぐんにょり
 ベビプリ星花(9/30)。
 ほんと急に寒くなりましたね。風呂場のお湯が出ないままもう10月です。なんとかしないとね(馬鹿)。
 さて、「頻脈」なんて言葉よく知ってますねこの子。三国志に出てきてたのかしら。最初読んだとき頻尿かと思ったよ。そういう人間はほっといて、兄のおでこにこっつんこ。「おでこ、くっつけつかまつります」という言い回しも絶妙なのですけど、こんなことされるともっと脈が上がっちゃうよね。星花と同じ熱さということでしたが、それってこの子も風邪気味だったとかいう展開じゃないでしょうね。
 布団も替えて、家庭科では編み物で。あったかい秋。二人でおしくらまんじゅう、またやりましょう。

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