日記
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2007年4月1日(日) 嘘つかない
 日曜朝番、久々に観られました。今年度の3作品は、どれもそのまんま子供に観させてあげたいものばかりです。

 ゲキレンジャー。感性的な野生児レッドがいいかんじ。「頑丈」がとりえってのがこれまた。「根性」はイエロー(女性)の長所なんですね。敵の側にも、武術を磨こうとする意志や、仲間(つか片思いの相手)のために尽くそうとする姿勢なんかが描かれて、善悪だけで割り切れない展開になるのかな。小さい子には分かりにくいかもしれませんが。

 電王。いかん、キンタロスの男気に泣いた……。ハナさんもイマジンを憎悪する理由が一部判明して、良太郎もいつか自分の世界が消失してしまうのか、と恐怖を抱く基盤ができました。特異点としてのこの恐怖が今後の柱の一つ。大好きなみんなやこの世界が消えちゃうよりは、せめて自分ひとりが……なんていう「お願い」をモモタロスにすることになるんでしょうか。そのときはぜひハナさんに全力で殴られてください。
 そのハナさんも、キンタロスを受容することで変化の兆しが。敵の人間らしい顔が見えた衝撃は、ぶん殴ってでも否定したいくらいに忌々しいものだけど、でも、キンタロスの消滅を見過ごせるほどには自分の人間らしさを捨てきれない。ああ、これいい物語だなあ。「後で言うんだ……。」もよかったです(笑)。
 なんかね、あの駅構内の発車メロディみたいな変身BGMが鳴り始めると、子供の頃のようにわくわくしてくるんですよ。

 プリキュア5。あー捏造第10話ぽかった(笑)。しかしオチが外れて惜しかったです。次回はナッツの店の宣伝話みたい。そうですか、イケメン情報だけ飛び交っても商品は売れませんか……。
2007年4月2日(月) まなび捏造
 まなび第10話のラストでは学園祭復活署名が76%に到達できたわけですが、もしも全13話構成だったなら、これを2話分に増やしたいと思いました。1話はこの第10話のラスト直前まで。新たな1話は、次のようなお話です。

「みんなのなかみ」

 署名提出期限直前。一般生徒達の協力によって生徒会室は旧学生寮に蘇り、署名も急激に集まったものの、約束の70%にはまだわずかに届かない。まなび達以外の生徒達も、懸命になって署名を募るが、その声を図書室の窓辺から耳にして「……ふん」と顔をしかめる3年生がいた。
 彼女は受験に専念する友人達とともに、学園祭などという無駄な活動を小馬鹿にしていたのだが、その友人達が今日になって突然「学園祭の署名、してあげよっか」と言い始めた。今まで同じ気持ちで受験に向かって頑張っていたつもりだったのに、この豹変に「裏切られた」と感じた彼女は、孤独感に苛まされているのだ。
 いつもの図書室で勉強するも、一緒に机を囲んできた友人達は今はここに誰もいない。頃合を見計らって下校しようとすると、校門ではまなび達が未だに署名集めに粘っていた。声をかけられた3年生は、まなびの屈託のない笑顔に無償に腹が立ち、「だいたいあなたみたいな人がいると、こっちはいい迷惑なのよ!」と怒鳴ってしまう。その勢いのまま彼女は、学園祭のおかげで自分のような生徒が排除されてしまっていること、「みんな」の中に入れない人がいることに生徒会が気づいていないことを激しく詰る。
 まなびの呆然とした表情にやっと憤りを収めて慌てて背を向けると、3年生は暗い満足感を抱いて帰途につく。その後姿に食ってかかろうとするむつきを引き止めて、まなびは首を横に振る。「嫌な人がいるなんて、気づかなかった。どうして嫌なのかって、考えもしなかった。」それはまなびの挫折だった。

 3年生が校門の外に出て道を曲がると、そこには受験勉強の友人達がこっそり彼女を待ち構えていた。じつはもうすぐ別の学校に転校する予定の彼女のために、今日みんなで送別会を開こうと計画していたのだ。でも家で勉強しないと、などとしり込みする彼女を無理矢理に喫茶店に連れ込んで、ケーキとお茶で乾杯。孤独感をいくぶん癒された彼女は、思い切って友人達に、なぜ署名に賛同したのかを尋ねてみた。
 友人達はえへへと笑い「ほら、あたし達って先輩らしいこと一つもしてやれてないじゃん?」と頷きかける。どうせまなび達も来年は自分達と同じように受験や就職以外に目が向かなくなるだろう。ならば、せめて今のゆとりのあるうちに、精一杯遊ぶ機会を与えてあげてもいいんじゃないか。それで先輩らしいことができたって思えるんなら、こっちも気兼ねなく卒業できるし。
 それを聞いて「……それって自己満足じゃない?」と問い返せば、でもあの子達だって自己満足じゃんか、お互い様だよ、と笑う友人達。何よそれ、とつられて笑ううちに、彼女の中にあるしこりがほぐれていった。ふと気がつけば、ポケットの中にはくしゃくしゃに丸められた署名用紙。残り時間はあと10分。ちょっと忘れ物、と言い残して学園に戻ると、怖気づきながら生徒会室を目指した。

 旧学生寮の生徒会室では、まなびがみかん達に「わたしが転校すれば、学園祭認めてもらえるかなぁ」などとすっかり煮詰まって叱られている。(まるで私が悪者みたいじゃない!)と憤った3年生は、殴り書きした署名用紙を手に乗り込もうとするが、足がすくんで入れない。その背後にいつの間にか立っていためいの声にびくっと身を硬くするが、めいはその手から署名用紙を恭しくつまみ去ると、「ありがとうございます……先輩」と頭を下げる。その後頭部を前にひたすら混乱した3年生は、「か、かってにやればいいのよ」と小声でつぶやいて駆け去った。待たせっぱなしの仲間達をカラオケに誘おうと心に決めて、しかし音痴の自分は何を歌おうかと悩みながら。
 その姿が消えたとたん、めいはくしゃくしゃの署名用紙を両手に広げて踊りこみ、集計結果を再確認する。署名率70.2%、ついに約束の値を越えたのだ。抱き合いながら大喜びするまなび達のもとに、続けて駆け込んできたのは、自宅学習中の3年生の署名用紙を何枚も手にして滑り込んだももとしもじーだった。「なんだぁ、ぜんぜん足りてるじゃないか。」「でも……」「うん、みんな大切な一人の先輩、だよね。」「賛成してくれなかった人にも来てもらえるような、すっごい学園祭にしようよね!」

 翌日、愛光学園の学園長室では、心配そうなたかちゃんに、鏡子が「76%!」とにっこりウィンク。
 さらに数日後、転校日を迎えたあの3年生は、色紙と花束を手にして電車に乗り込む。ほぅ、と息をはいた彼女の耳に、あの喧しいまなび達の声が響いてきた。学園生の転校のことを園長から聞いて駅に駆けつけた5人は、「せんぱーい、おげんきでー!」と大きく手を振る。車内の先輩は真っ赤にうつむき、「……がんばんなさいよ」と後輩達へのエールをつぶやいた。
2007年4月3日(火) おへんじ
 はい、次の中から(あるいはそれ以外から)お好きなものをお選びください。

1.もともと『まなびストレート!』のまなび達の言葉に対するぼくのコメントに由来するやりとりなのだから、作品内でのまなび達の過剰な(とぼくには思える)言葉がもしも作品内の他者達に届いたのなら、それは過剰ではなかったことになる、ということ。でも先日のぼくはそのようにあなたに伝えようと言葉を尽くしていなかった。

2.あなたがおっしゃるようなことをふまえたうえで、過剰として(あるいは不足として)受け取られる可能性があるけどそれでもなお、あえて伝わる希望を託して試してみたいことがあるのだ、と言いたかった。でもぼくはそのように明確に言ってなかった。

3.あなたのこの一言がたんなるまぜっかえしなのかと感じたので、ごくごく表層的な反応だけしておいた。そしたら言葉を尽くしたお返事がかえってきたので、ぼくとしては満足した。つまりぼくが不誠実だった。

4.ぼくが「文章自動生成の機械」どころか天然無能だった。

 あやや、すみませんでした。「書いたり語ったりする主体」は、ぼくの場合、作品スタッフでもあり登場人物でもあり日記の書き手でもあります。
2007年4月4日(水) 鞠絵様がご生誕
 マリみて最新刊『あなたを探しに』読む。遅れてるぅ。
 ここのとこしばらく、瞳子話が引っ張られてたので、こういうふうに1冊で起承転結があるというのは久々にすっきり感じられました。いやもう、瞳子話の落着はもちろん大満足なんですけどね。ちさと話も思えば長い道のりでしたし。この本で話が全部進んだのは志摩子さんデート話だけか。
 だから(何が)、ゆみすけと瞳子の二人場面が分量的にそれほどないんだけど、わりとお腹一杯になる内容でした。次だ次。次こそ濃密だ紅薔薇姉妹。何といっても、卒業話に突入でしょうし。 いま、卒業を卒乳と入力してしまいました。
2007年4月5日(木) ふびんじゃない
 こないだのIRC会話をWhiteさんが編集してくださいました。どもですー。作品を思い返すとますます納得します。

 エイプリルフールねたで一番面白かったのは文月さんのでしたが、ひとしきり「うわー」とか喜んだあとで、なんだろうこの目からこぼれる水は……。
2007年4月6日(金) 深夜特撮
 馬鹿話。

らむだ「未熟半熟つるつるぺったん、」
美 森「な、何の歌だそれ。」
らむだ「清く正しくカブターック!」
美 森「……すがすがしい変態だな。」

 笑顔で逮捕。
2007年4月7日(土) デストピア
 馬鹿話。

らむだ「少子化問題の解決策を思いつきました。
    子供の年齢を40歳あたりまで引き上げるの。」
美 森「ああ、それならたしかに数は増えるな。」
らむだ「迷惑千万なおっさんおばさんも、『子供だから』で納得ですよ。」
美 森「選挙権も安心して剥奪。」
らむだ「来週も世界平和。」
美 森「でも、30代なんてどう見てもロリータじゃないよね。」
らむだ「……そ……そうか……。その問題が……。」

 成年コミックがたいへんなことに。
2007年4月8日(日) チョコパフェとかガマオとか
 日曜朝番。

 ゲキレンジャー、娘さんレギュラー化でしょうか。わーい。しかし敵のラブラブペアが早くも戦死。もったいない。あとレッドが『燃えるお兄さん』みたいに思えてきました。
 いま、『漏れるお兄さん』と入力してしまいました。

 電王、キンタロス暴走。泣けるでぇ。善意の人間の暴走ほど始末に終えないものはないというお話でした。モモタロスの出番を失わせる勢いの強さでしたが、来週は弱点が発覚するのかな。そいえば、4人目ってどんな名前になるんでしょうね。あの服装からすると、サンネンネタロス?

 プリキュア5、イケメンぢから全面展開。ナッツの潔癖さがほぐれるお話でしたが、それをさしおいて、こまちとかれんの相互ツッコミに酔いしれました。

らむだ「ガマオが再登場したのは嬉しいんだけど、
    キュアドリームに『かっこわるいよ!』とか言われてもう泣けました。」
美 森「ネットによくいるような、自分に甘くて社会を呪っている奴なのか。」
らむだ「まあそんな感じで、ナッツの頑張りと比較される展開も分かるんだけど。
    でもガマオはあんなガマ姿で、比較対象のナッツはイケメンじゃないですか。」
美 森「それが格差社会の厳しい現実だ(笑)ルックスのいい奴が勝つという。」
らむだ「泣けるでぇ(笑)。プリキュア達も可愛くてスマートだしね。」

 もりもり食べる姿に視聴者少女達へのメッセージが込められているとしても、あの3人って太りそうにないのです。
2007年4月9日(月) 事実確認的発話
 馬鹿話。

美 森「馬鹿かお前は。いや、馬鹿だお前は。」
らむだ「な、なんでそこで言い直しますか。」
美 森「馬鹿じゃない可能性がなかったからだ。」
2007年4月10日(火) まなびの近くにいるために
 水野さん、どもですー。あのまなび捏造は、自分なりの作品批判と作品愛をかけあわせたものでした。

 『まなびストレート!』という作品に対する否定的評価のなかには、まなび達やその学園生活が視聴者にとって眩しすぎる、というものがありました。現実の自分自身の影をくっきりさせてしまうその眩しさが耐えられないために、作品自体を完全否定したり部分否定したりするわけです。
 で、そういう個人的感覚(痛い、辛い)を客観的評価(演出が悪い)にすりかえてしまう評価に対して、ぼくは何度も引っかかってきたわけですが。考えてみれば、「あの作品世界に居場所がない」という点では、ぼくのような肯定派であろうと、否定・批判派であろうと、一部のアニメファンにさしたる違いはないのかもしれません。あの学園祭にぼくがしっくりはまっている光景なんて想像できません。しもじーのような立場であれば何とか、と思いますが、同年代の生徒としては無理。
 その一方で、作品を振り返れば、学園祭開催に76%の生徒達が賛成する一方で、24%の生徒達が無言の反対をしていることも事実でした。つまり、学園祭から自らを排除した者達が、描かれないままにいたということです。(第10話第11話の視聴時に、この24%について言及しています。)これを含め、本作品にはやはり幾つかの「もうちょっと丹念に描いてもらえたら」とぼく個人が感じる箇所がありました。それは、ぼくがこの日記で批判してきた方々とは部分的に重なるものだったでしょう。
 さて、ぼくの作品視聴・考察態度とは、そういう作品の瑕疵や批判から目をそらさずに、そこをも肯定的に意味づけて作品全体をもっと好きになれるようにする、というものです。ただし今回行ったのは考察ではなく、原作に寄り添った二次創作でした。すなわち、

 見えざる24%の生徒達(おそらく3年生を多く含む)が学園祭開催過程に居場所を見出す可能性を描き出すことで、視聴時に感じたぼくの欠落感を補いつつ、作品内に自分(を含む一部の者達)の居場所も確保する

 という作業を、あの第10.5話捏造で試みたわけです。もちろん、ぼくなりに読み取った作品主題や人物造形、雰囲気などを踏まえたうえで。
 それでもあの学園世界から自らを排除してしまう視聴者もいるとは思うのですよ、あの3年生の受験勉強友達みたいな関係さえもたない人とか。そういう人は、作品内に自分の居場所をつくる別の試みをしてもいいし、最初から自分の居場所が見出せるような別の作品を楽しんでもいい。実際、ぼくはあの3年生をそういう孤立した生徒として設定しようとして、1話で収めるにはあまりに厳しいので(そして、めいの第4話と主題が重なってしまうために)あきらめました。その代わりに、これも作品では最終話以外に描かれなかった「先輩−後輩」の関係を、まなびの先輩達の姿で示してみました。

 この作品で繰り返された、台詞を省略してBGMと情景だけで表現する場面は、この捏造話では、喫茶店で語らいほぐれるとこです。最後の場面で3年生が抱えていた同級生達からの色紙に、「元気でね、演歌女王!」とか書いてあったら面白いかな、とか思ったり。慣れないカラオケで演歌を歌ってしまったわけです。それが、彼女なりの「友達から仲間へ」の過程だった、というお話。
2007年4月11日(水) ごろごろ
 うは、これ良すぎます。
2007年4月12日(木) 子供に歌ってほしいアニソン
 ああ、プリキュア5の主題歌はいいなあ。

 「問題が解けない涙」を「心の消しゴム」で消してしまおう、というのは、無印どれみの「嫌な宿題」を「ゴミ箱へ」捨ててしまおう、というのとほぼ同じ。それは、たんに問題を無視してしまうというのではありません。そういうことや先送りが適切な場合もあるわけだけど。それに加えて、眼前の日常的な問題が不可避のものではなく、必ずそこに別の視点からの相対化や多様な解釈が可能であるということをも、これらの歌詞は示しています。

 そして、勝ち負け「だけ」じゃない未来へ、というのも、そういうものが実際にある世界の中で、しかしそれだけじゃない価値観や生き方を選べるということ、そういうものを貫ける人間になれるということ。それは「夢見るために生まれた」少女のみならず現代社会の「メタモルフォーゼ」をうながす呼び声です。

 ちなみにぼくは文字通りの変態。
2007年4月13日(金) 運命はかくのごとく
 『ふたつのスピカ』第12巻。
 ああ、この日が来てしまった。に感想を書いたときは、もう少し楽観的だったのですが。
 今度は、どうやって正面から受け止めるんだろう。「今度」といっても、どれもこれも毎回が取替えのきかない唯一の喪失なわけですけれど。うう。
2007年4月14日(土) 特殊相対性ぐいん
 グインサーガ第113巻。終わるんかこれ(あまりに今更)。
 物理学的には、光速に近づくほど時間の流れは遅くなるんでしたっけ。同様に、グインサーガの年間執筆枚数が増えれば増えるほど、物語の進み具合は遅くなっていくのでした。年に5巻だと、年1巻と比べて1/5の進展。だめじゃーん。
2007年4月15日(日) しやわせな日曜朝
 ゲキレンジャー、ほぼ見落とし。がーん。でもネバギバだ!(それ違う作品)

 電王、タイムパラドックスの問題がぽろりと飛び出して、だから二度としないようにせよとのお達し。なるほど。そして、ここでのやりとりが、後のハナさん世界の再建や良太郎世界の危機回避などの展開とからんでくるのかな。

 プリキュア5、ああもう完璧でした。のぞみのためを想う仲間達の言葉が、のぞみを遠ざける。のぞみの自信のなさを、小々田コージが優しく受け入れつつ諭し、彼女が気づいていなかったその素晴らしい美点を教える。5人の戦い方も、各人の技を組み合わせるだけじゃなくてジャンプなどの工夫があり、だんだん緊密な絆ができているわけで。それは日常生活での感じ方や考え方の相違があればこそ、その違いを認め合いながらお互いの長所で支えあっていく姿を描いてくれています。
 とくに今回、コージに「のぞみが本当にやりたい夢が見つかったら、ぼくの世界のことより優先していい」と伝えたとき、その胸に抱かれたのぞみは、ほわーっとした表情を「え?」と瞬時に変えました。ここで時間に余裕があったりすると、もしかして自分はやっぱり役に立たない人間だから、ココ達の邪魔になってるんだろうか、あるいは、プリキュアになったのは自分の夢から逃げていただけなんじゃないか、などとうだうだ悩みかねない場面です。でも、そこに敵が登場してくれたから、元の姿に戻って弱弱しいのに自分を助けてくれようとするココの健気さに、プリキュアとしての夢をいまは何よりも大切にしようとする意気と誇りとをあらためて確認できたという。それは決して逃避ではない。
 しかも最後には、その夢がココのためだけではなく、自分のためにもなっているという言葉。それは、関係のないこの世界の少女を巻き込んでしまったという、語られざるココの(そして、ナッツが態度で示してきたところの)誠実な申し訳なさを、笑顔で吹き払ってくれるものでした。あの黒雲がかき消えたように、すっきりと。ナッツのココへの信頼は明確にやおい気味に描かれてましたが、ココもナッツと想いは同じなんですよね。同族であるお互いを信頼しながら、この世界の少女達にできるだけ迷惑をかけたくない。それをなんとはなしに受け入れながら、のぞみは自分自身のためにもと望んで引き受けてくれるから、そのすぐ隣でコージも微笑めるのでした。学ぶことや教えるっていうのは、お互いがこうやってほぐれて結びつくようにメタモルフォーゼしていくってことなんでしょう。それを信じてまっすぐGo!(それ違う作品)

 ところで、のぞみ−コージは生徒−教師関係であり、今回はわずかながら恋愛風味の少女−青年関係がそこに重なっていました。おおよそコージの方がのぞみを包容&抱擁する立場。しかし戦闘場面でのドリーム−ココは、小さく無力なココをドリームが守り抜くという、保護対象−保護者の関係へと逆転しています。この構造、ほんとにネギまにそっくりです。主人公が少年であるネギまの場合は、日常生活で保護者の明日菜が戦闘場面で保護対象になるという逆転があったわけですが、主人公が少女であるプリキュア5はその裏返しになっているという。そして、ネギま「串団子方式」における関係の対称性は、プリキュア5では、男の側が実際に姿を青年−マスコット動物と変化させることで、より明瞭に描き出せました。
2007年4月16日(月) ためため
 シスプリの兄呼称は、中国語版『妹妹公主』だと全員

「可  可
 可  可」

なのですか。英語版はほんとに凄かったのですねえ。

 プリキュア5には会社員の親をもつメンバーがいないんだけど、敵組織もまったく企業風味ということもあり。これ観た子供達は、会社勤めの親を尊敬できなくなりませんかね。
2007年4月17日(火) ハルヒ新刊
 『涼宮ハルヒの分裂』読む。あれ、これって分裂してるのかな。もろに並行世界に。
 二元論的な対立図式が確定したかと思いきや、じつはそれさえもがハルヒの無意識によって創造されたものだったということか。どこまでも単純な図式にはまらないのは、第1作と同じ。この二つの展開、まったく異なる過程をふみながら、しかし最後に同じ未来へと行き着いたりするのかな。
 佐々木さんの内面世界があまりに穏やかであること、と言うよりむしろ空虚であることに、何とはなしに戦慄を覚えたり。こっちの方がよほど虚無的な状態のではないかしら。でも、キョンを媒介にしてそこに立つ波風もおそらくあるのでしょうね。
 ああもう推測ばかりです。早く続きを読みたい。もしや、真っ白な男と真っ黒な女がひょっこら登場したりしませんか。ハルヒ世界に統合されていく谷川作品。そしてキョンの正体が明らかに。もちろんそれは永井豪のサタン。『バイオレンス・ジャック』『デビルマンレディ』に続くサタンの人類救済計画。それは、自分の能力をハルヒに託し、意識を封印して妹ちゃんに身をやつし、ハルヒの力のもとでこの世界が救われるかどうか試みるというものでした。答えはいつも冷や奴先生の胸に。
2007年4月18日(水) るふぃーあ萌え(基本)
 雑用中、「エルサイスこそうるさいす」というハッタタスの声が脳裏から離れませんでした。なぜだ。あんまり分からんので爆発だ。そいえば、あのドラマCDって原作ファンの間では封印された過去なんでしょうかね。
2007年4月19日(木) 何度目かの発見
 グナガンが倒せません(挨拶)。いや、それどころではなく。

 うおー真面目に生きたくないー、と叫びながら、今まで一度たりとも真面目に生きた経験がないことに思い至りました。そうか、何も望まなくたって、あるがままでいいんだ(駄目です)。
2007年4月20日(金) せんちめんたる
 電車で移動中、「思い出すだけで泣ける漫画の場面」を頭の中で列挙してたら、目の周りが真っ赤で人前に出られない状態になってしまいました。馬鹿だ。だって、『うしおととら』の十郎の笑顔とか、『マップス』でガッハが思わず手を伸ばすとことか、『銀曜日のおとぎばなし』での母子の和解とか、『ダイの大冒険』でハドラーが支える下でポップがメドローア放つとことか、たまらないじゃないですか。
2007年4月21日(土) けんもー
 馬鹿話。

らむだ「いやー、最近ずっと多忙でねぇ。」
美 森「嘘つけ。」
らむだ「あうー、そんな全面否定しなくても……。」
美 森「多忙の『ぼう』は『忘』じゃないのか。」

 うまいことを言う。
2007年4月22日(日) 右肩下がり
 出張中につき朝番組鑑賞不可能。うそ。プリキュアだけは時間確保できたはずなのですが……。気がついたら終わってて……。
2007年4月23日(月) 存続と発展
 馬鹿話。

らむだ「週間少年誌連載漫画って、多くは次回への引きを毎回続けてるわけだよね。
    それで『キン肉マン』だの『リングにかけろ』だのあれだけ続けたんだから凄いよなあ。」
美 森「だいたい、つじつまが合わなくなるけどな。」
らむだ「えろ漫画なんかだと、たいていは引きがなくてもいいし。
    あ、でもそうすると、『ふたりエッチ』ってもっと凄いよね。」
美 森「まあ、ある意味たしかに偉大だが。」
らむだ「気がついたら『さんにんエッチ』になったりしてないもんね。」
美 森「なるか(笑)書いとけ。」
2007年4月24日(火) ネギま最新刊
 ネギま第18巻。連載を読んでなかったので一気読みです。

 ネギ−のどか−夕映の関係について。
 ネギ−のどか関係においてどちらが主導的立場かは、バトルパートと学園生活パートとで入れ替わってきておりました。が、今回、のどかが夕映と比べて「ネギ理解」に遅れをとったと感じました。しかし一方、そののどかのことをネギはあの学園祭での再度の告白を受けて以来、特別視し続けていますし、夕映に対してはむしろ敬意のようなものを抱いているっぽい。そして夕映は、実際の恋愛行動についてはのどかの後塵を拝したままですし、ネギに対しても空を駆け上るその背中を遠く見上げたばかりです。つまりこの3者、お互いにジャンケン的な間柄に立ってしまったというか、微妙なバランスが成立してしまったという。きゅわー。入れ子構造がさらに複層化。

 そして、夕映とのどかのアーティファクトをあらためて比べてみれば。夕映の『世界図絵』が、外的世界のほぼ一切を総覧しうる知の百科全書であるのに対して、のどかの『いどのえにっき』は心理という内的世界を表象する手段。ここでも二人は表裏一体のものとして、ネギとの関係の相違を顕わにしていました。
 しかも、のどかがついに自分の嫉妬心という「昏さ」に気づいてしまう段階に到達。己の闇に勇気をもって向かい合うのは、『ゲド戦記 闇との戦い』でも描かれた魔法使いにとっての、そして人間にとっての成長の壁ですよ。それを内観した者同士、のどかと夕映は、すでにお互いに(つまりネギとも)肩を並べているわけであり、そうなると明日菜は相変わらず一歩後ろを進んでいます。アーニャが登場するまでは仕方ないよね。
2007年4月25日(水) 社会的に消失
 馬鹿話。

美 森「『踝アンヨの憂鬱』というのはどうだ。」
らむだ「いや、どうだと言われても。」
美森「『普通の女には興味ありません。貧乳、小学生、幼馴染がいたら私のところに来なさい。以上。』」
らむだ「ぐわー、そんな自己紹介したら学校生活終わるー(笑)」
美 森「なに、どうせ放っておいても終わってるんだから同じだ。
    んで、主題歌は『冒険ペドペド』。」
らむだ「それはじつに冒険だ。」
美 森「答えーはいつもあーの子の胸にー。」
らむだ「いっそ、たーいらなむねにー。
    ……なんか、浅倉のナイフじゃなくて妹ちゃんのアイスピックで刺されそう。」

 続編は、『踝アンヨの投獄』。
2007年4月26日(木)  ネギま最新刊感想続き
 第18巻表紙、みんなが後夜祭の乾杯コップを手にしてるんですが、夕映のコップだけは妙な色の液体が入ってますね(笑)。なんだこの緑色。さすが怪しい飲料スキー。

 明日菜、「全く役に立てなかった」「実力不足」。そいえば、刹那には試合で負けたばかりだし、超にも指一本触れられなかったし、明日菜の自己評価はさっぱり低いままなんですねえ。カモ達が横でいくら凄いすごいと言ってても、明日菜の耳には入らない、ネギだけを向いた目の中にも入らない。
 んで、ネギに正面から詫びるあたりが。そして、「パートナー」の意味を勘違いしてあとで暴走するあたりが。このあたりの流れは、第8巻でのケンカの流れをほぼ踏襲しながら、「パートナー」をめぐる意味理解のすれ違いはネギと明日菜とであのときと逆転してしまっていますね。それは、明日菜が揺れながらもあらためてネギを受容しなおしているから。タカミチへの恋が破れたあと、ネギへの気持ちが単独で彷徨いだしているから。
 そのことは、誰とのケンカかと訊かれて「えーと あの …あれ?」と言葉に迷っていることにも如実に示されていて。教師−生徒、被保護者−保護者、魔法使い−守護剣士、少年−少女、というすべてのネギ−明日菜関係のもつれた重複が彼女自身にもぼんやり感じられているという、そんな場面でした。
 とはいえ、明日菜はのどかや夕映のように、危険だと心配するネギに「お役に立つ」と言い切ることができません。だって、ネギが真剣に戦うべき相手に対して、いまの自分では敵わないことを身をもって知っているから。「バカねー あんたがそんなコトにならないように私達がついていくのよっ」と眉根を寄せるのは、ネギの保護者としての自尊心の表出であるとともに、その保護対象に力が及ばないことへの不安を垣間見せています。

 超、「私の望みは既に達せられた」。ええと、『リヨン伝説フレア』?(違います)あ、ちゃんとクラスメートからのプレゼント持って帰るんだ。
 その超を間近で見守り協力してきたハカセは、期末試験の第2位という結果に歓声を上げる皆の横で、口をきっと結んでいます。それは、あの偉大な友人に向けた彼女なりの餞別であり、また学園首位が不在であることの埋めがたい穴を感じて、再度その偉大さを認識した表情でした。

 柿崎、「10歳の少年の性への興味はどれくらいでしょう?」えろい(笑)。

 ネギ丸洗い。風香はネギの股間を見てしまい赤面。史伽はネギの顔面に股間を乗っけてしまい赤面。双子それぞれでした。

 ゆーな、指輪をパス。ネギがかわいいからこそ思わずいじめたくなってしまうという因果な関係。ところで美空さん、湯面の上を堂々と走ってませんか。

 そしてアキラ、「ちからもち」(笑)。そりゃ、「とってもやさしい」くらいではバランスがとれませんか。
2007年4月27日(金) チャット参加
 吉田アミさんの『まなびストレート』感想リンク集にて取り上げていただきました。どもですー。しかし、そうかぼくの名前は「癒し系ハンドルネーム」だったのですか(笑)。オフ会などで初対面の方に名乗るのがどんどん嬉し恥ずかしになってきていた(それでも嬉しいのか自分)「くるぶしあんよ」というこのHN、肯定的に評価されたのは今回が初めてかも。わーい。

 で、まなびチャットに参加してきました。吉田さん、参加者の皆さん、どうもありがとうございましたー。楽しかったです。
 そして、自分が作品についてはいろいろ語れても、作品製作者についてはまったく無知であることを再確認しました。そいえばアニメ版シスプリのときだって具体的な製作事情を最後まで何も知らないまま(つまり知ろうとしないまま)でしたし、これはもう止むを得ないですね。作品と自分の関係ばかりがぼくの思考の核ということみたい。
2007年4月28日(土) 新世紀くりぃむレモン(下品)
 裏次郎『ひよこのたまご』(成年コミック)。「ロリコンこじらせて死んじまえー」とか、あちこちの台詞がおかしくて腹を抱えました。いや、漫画の内容もまさに「腹を抱える」までの物語でしたが(たいへん変態)。

 馬鹿話。

らむだ「新人たちがエヴァの話で盛り上がってるのを横で『ふーん』てな感じで聞いていました。」
美 森「加わればよかったのに。」
らむだ「だって、『小中学生の頃の思い出』みたいな話だよ? こっちはそんとき何歳だったって、もう。」 
美 森「『おじさん、レイちゃんが好きだったなぁ』とか気さくに話しかけてみるとか。」
らむだ「光速で引かれます。しかし、エヴァ以降のアニメの話さっぱりついていけなかった……。」
美 森「それより前の作品だと、こんどは連中まったく知らないだろうしなあ。」
らむだ「それはそれで会話にならないよね。
    だいたい、あの年齢だと『くりぃむレモン』さえも知らないはずですよ。なんてこと。」
美 森「あれか、AC生まれか。つまり、After Cream-Lemonという。」
らむだ「紀元前はBefore Cream-Lemonか(笑)そこが世代の分かれ目かぁ。」

 むしろ割れ目とか言いそうです。
2007年4月29日(日) 夢見るぞ
 プリキュア5。りんのかぁちゃんも美人だなー。
 急に写真を撮られても、ちゃんと笑顔になってるうらら。という点についてはとらさんが指摘済みでした。さすがだ。
 りんフットサル同好会への入会を決意するまでのいきさつ。これで5人集まったから部活に昇格、という話だけど、顧問が要りますよね。それは当然コージがなるのか。
 日ごろ、実家の店の手伝いだの弟たちの面倒見だので忙しいりん。そんな親友を気遣って、のぞみも手助けしようとはするのだけれど、気持ちはともかく役に立たず。最近なんだか駄目っ子ぶりを遺憾なく発揮してますが、4人をスカウトするときの姿があまりに格好よすぎましたから、これはこれでやっとバランスがとれたのかも。
 で、人の世話ばかりしてしまいたくなるというりんの「助っ人」性格は、『まなびストレート』のむつきと非常に似ておりまして。ぜひ試験中にカラオケに(かれんが許しません)。そんな姉の頼もしい背中を弟たちも見ているから、姉に好きなことをさせてあげるために、自分たちを成長させようと思い立つのでした。これで姉弟の感動の抱きしめあいで終わるかと思いきや、報道少女みかさんの乱入とは……(笑)。いいですね、こういう外し方。

 そして5人の帰属集団にちょっと関心を向けてみたの巻。家族や学級を除けば、かれんとこまちは生徒会、うららは芸能プロダクション、りんはフットサル部、のぞみは……プリキュア。メインヒロインだから設定上、行動の自由度を高くしておかねばならないんでしょうけど、彼女自身の夢を見つけるという物語の主題をふまえても、何かに没入するまでには時間がかかりそう。
 もしも来年以降まで放送延長したら、『どれみ』のあいちゃんの両親復縁のように、のぞみの夢の発見も引き伸ばされるんでしょうね、きっと。とても出来のいい作品なので、放送延長してほしいけど、でもそういう引き伸ばしは避けてほしいという矛盾した気持ち。いや、「りんちゃんのお嫁さんになる」とかいう夢だったらすぐにめっけても大丈夫か(駄目です)。
2007年4月30日(月) ぱくぱくまま
 のぞみの母親もりんの母親も存外に綺麗な女性であるわけですが、他の3人の母親はどうなんでしょうか。やはり、同じように痩身美人なんでしょうか。
 どれみのときも若々しい母親が多かったものの、おんぷの母親だけは元アイドルなれど今や貫禄ありましたし、マジョリカたち魔女の側にも恰幅のいいひとがいました。そういう女性は登場しにくくなってるのかなぁ。
 ……あ、おタカさんがいますか。あのひと、じつに重要な役どころですよね。

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