「少女」はどこに行ったのか?

〜アイドルポップスに見る「少女」の系譜〜

 

今から20年ぐらい前、「アイドル歌手」という職業の人たちがいました。1980年台前半にデビューして一世を風靡した彼女たちは、今、「花まるマーケット」などの奥様番組でよい主婦を演じていたり(1)、バラエティー番組の司会者やゲストをやっていたりします。もう少し年齢が低い方々も、気が付くと「おじゃ魔女ドレミ」(TV朝日)で「おんぷちゃん」の声を当てていたり、「Full House」(NHK)でキミーの声を吹き替えていたりして、なかなかに目が離せないご様子(?)です(2)。その昔、彼女たちは同じTVの画面の中やステージの上で、とても現実離れした格好で歌を歌っており、それを見て多くの信者、いやファンたちが狂喜乱舞していたわけです。こういうアイドル歌手の人たちはいったい、どこに行ったのでしょうか。以下では彼女たちが歌っていたアイドルポップスの分析を通じて、そこに現われた「少女」の消滅理由について考察していこうと思います。なおこの小論は第57回コミックマーケット(3)において発表した、同名の同人誌をもとに加筆修正を行ったものです

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