日記
バックナンバー

[先月] [目次] [来月] [最新版] [トップ]

2011年8月21日(日) べびプリアニメ鑑賞感想
 アニメ版べびプリ視聴しました。ブルーレイ機器もってないので、3Dじゃなくて2Dの方です。3Dのも同時購入したので、いつかきっと観るのです。おっぱい飛び出すのはちと勘弁ですけど。胸揺れアニメを見てると酔うので(経験あり)。

 冒頭の暮れなずむ街並みを見て、ああ、帰ってきた、というのが最初の実感。ぼくは「トゥルー家族」という表現をあえて使わないファンなのですが(自分の実家族を捨てた気分になるため)、この場面はとりあえず3丁目の夕日的な家路への憧憬を誘っています。ただしぼくにとってはそれだけじゃなくて、プロミストアイランドの1丁目とか、翼多市の街路とか、あの兄妹たちの住む世界を思い出させるものでもありました。ああ、帰ってきました。脳内に流れるアニプリのBGM。

 もちろんシスプリからいろいろと継承しつつ本作品は別要素も取り入れてるわけで、氷柱や麗の反発もそうですし、過剰な色気もそう。基本的におっぱいアニメとして宣伝されていたのも、まぁ原作から大きく逸脱してはいません。なんといっても、揺れる人がいれば揺れない人がいっそう引き立つのですし(特殊な鑑賞態度)。
 真面目な話、ぼくが注目し続けてきた長女と長男のパートナーシップが、部分的に描かれていて嬉しかったです。部分的にというのは、海晴のリーダーシップと長男のそれとが別個に表現されていたから。長女は麗の大騒ぎのさいに笑いを入れて場を和ませたり、夜中にあさひの面倒を見たり、そのついでに三女の始末もつけたり(笑)と、きょうだいの調和を維持するための役に徹していました。この人が担っている責任は、長男が共同生活にしっくりくるまでは過去の比じゃなく大きかったのであり、このアニメ版の段階でもその務めを果たす姿がじつに立派に描かれていたと思います。最初に画面に登場する姉妹がこの海晴というのも、正しい演出です。駅うどん食べてる顔もかわいい。
 ただ、旅行の道中絵で長男の姿が描かれていないことが、撮影担当だからという理由はさておき、個人的にもったいないところでした。長女が妹たちを引率する傍らで、長男は荷物をたくさん持って動いてるはずなのです。しかも、時々は年少者たちの面倒も分担しながら。雑誌連載や公式日記でもたびたび姉の口から語られているように、男手として頼りになる姿が、本作品ではカットされてしまいました。このアニメ版は小説版の設定をほぼ踏襲しているわけですので、この頼れる感じの薄さというのは小説版どおりとも言えますが。航のように内心を吐露することもないですしね(これは作りとして成功)。

 お話としては、ヒカルの天然攻撃と氷柱の素直になれない攻撃にはさまれて長男悶絶というお馴染みの展開で、そこにほかの姉妹全員分の見せ場をちゃんとはさんでるという格好。19人をそれぞれの個性どおり動かした偉業に拍手。わー。青空が走ってるのを観て涙でそうになりました。ところで、麗のおしりをぐりぐりしてる青空の笑顔に「くししし」という笑い声を思い出しましたが、この場面の作画って志田ただしさん担当だったのかしら。この方のお名前もアニメ版シスプリからの継承ですにゃ。
 色気が大盛りとはいえ、玄関の壁にかかった年少者の絵だとか、ヒカルのスクールバッグにぶらさがったピンクのフレディのマスコットだとか、星花と夕凪と真璃の靴の脱ぎ方の違いだとか、一同揃った絵での個々人の行動だとか、細かいところにも配慮が行き届いており、おっぱいを掲げて安息を売る、というふんいき。あんまり心地よいので、年少者の入浴シーンにも興奮しませんでした。しなかったんですってば。何度も巻き戻したけど。

 で、今回いちばん畏怖を感じたひとは、春風さん。イロボケしたみくるまんまの声でしたが(みくるは鍵を閉められて悲鳴をあげ、春風さんは自ら鍵を閉めるというのが相違点)、このお姉ちゃんは旅館バスのなかでただひとり居眠りしてるんですよ。立夏たちがポテチの袋あけて食べてるときに。さすがに旅行の支度や弁当の用意などで疲れたんだろな、と最初は思ったんですが、支度なら年長者全員が分担しているはずであり、弁当はそもそも今回所持してません。だいたい、小説版でヒカルにさえ体力を評価されている春風さんが、その程度で疲れてしまうはずがない。
 すると……そうです、このとき春風さんはすでに、王子様を今夜ひとりじめして朝まできゅんきゅんする決意を心に秘めており、そのための体力を温存していたのです。なんという計画性。いや、あの誘惑シーンは風呂場で全裸長男を直視したゆえの衝動的行動かもしれないのですが、やはり策士と想像しておきたい気分です。ねぇ可憐。

 というわけで、ぼく大満足。久々に日記を書いてしまうくらいに。素晴らしい作品をありがとうございました。
 まだお手元にお持ちでない皆様、ぜひご購入くださいませ。3Dの方も早く観てみたいものですねー。そちらには初回特典として長男アフレコ用の台本も添付されているのですが(陽太郎の声のみ消したアフレコ用トラックもあり)、さすがにぼくがアフレコ遊びすることはないにせよ、考察するのに台詞を聞き取りする手間が大きく省けて助かります。

[先月] [目次] [来月] [最新版] [トップ]

anyo@puni.net

Akiary v.0.42+puni.net patch 0.5