日記
バックナンバー

[先月] [目次] [来月] [最新版] [トップ]

2010年8月1日(日) はときゃち
 待ちに待ってた夏合宿話。おそらく今年も水着の出番はないのでしょうが、同じ部員として合宿というのはシリーズ初。つか、そもそもコンビが同じ部活というのも初めてですね。
 初代もSSも5も、見知らぬ者同士が「プリキュアとなること」によって決定的な接点を得るんだけど、部活や趣味まで共有することはそんなになかったのでした。そこに、女の子の個性の多様性・独立性と、大切なもののために戦う勇気の共通性・普遍性とが、重ねて描かれていたわけです。
 しかしハートキャッチは違う。もちろんつぼみは園芸部入ってるし二人の趣味が完全に一致することはないんだけど、つぼみはファッション部に入って副部長となり、えりかも朝の水やりにつきあったり園芸部の活動に飛び入りしたりと、この作品では二人の距離を相当に近いものにしてきています。いつきもファッション部員にはなったけど、道場や生徒会のこともあるしクラスも別だしということで、他の二人ほどの近さはありません(かれん・こまちよりもまだ遠い感じ)。この、「底辺が短い二等辺三角形」という関係が、合宿を通じてどう変化するのかしら。

 と思っていたら、いきなり「いつき」と呼びつけする二人。おお……! えりか、お前という子は……! いや、言いだしっぺはつぼみだったかもしれませんが。正三角形になるまでにはもうひと踏ん張りにせよ、なんか冒頭から安心しました。以下、視聴時の呟き。

・この兄、なにげなくえりかの頭をなでている……これがイケメン兄パウァ……

・座るときに声がでるなみなみがおば……お母さんぽい。

・としこの呼び方が「とっこ」になったのは、部員同士の親密さが増したということでもあるし、「視聴者もそろそろ本名は覚えたよね」ということでもある。うん大丈夫

・千影「あっ……」

・ぱじゃまー!!!ぱぱっぱぱーじゃーまー!!!!!

・千影「兄くん、眠れないのかい」

・流しそうめんすくえなかったり、夏合宿で夜の浜辺だったり、「無礼講って」「なに?」で「アドリブってなに?」を思い出したりと、アニメ版シスプリこのあとすぐ

・「ムーンライトさんが縮んで復活する」という予想は無残にも否定されたのであった

・ブロッサム全部パンチが迫るなか、コブラージャは(女の子がその身を投げかけようとしているのに、避けるわけには……)などと逡巡してたためゆかいに直撃

 お話は次回へ続く。初日に挙動が怪しかったなおみがヒロインですね。憧れの生徒会長がこんな近くに……ああ、でもどうやって親しくなれるのか。もう思い切って告白しちゃいなさい(違)。

 さて、OPとEDでサンシャイン追加と予想してたら、いきなり4人でしたね。ムーンライト様お美しうございます。サブタイトル絵でもややこっ恥ずかしげな表情がたまりません。
 EDでムーンライトだけやたら背が高くて、場違いという印象もありましたが。これ、テレビの前で子供達と一緒に大きいお姉さん・お母さんも踊れる仕様なんですね。母と娘が顔をにっこり見合わせながら、踊る姿。それはそれで、いかにもハートキャッチではないでしょうか。
2010年8月2日(月) ついたより
・親方、空からキュアブロッサムが!(全部パンチ

・いま「全部ぱんつ」と打ち間違えた

・えりかはさておき何故つぼみまでもが「いつき」と呼び捨てにがしてるのかと悩み嫉妬したなおみがそんな自分の小さな悪意につまずいて自己嫌悪の影が色濃くなるもののいつきの笑顔で雲散霧消
2010年8月3日(火) ついたより
・少年ジョージ・ワシントン「桜の木を切ったのはぼくです」ブロッサム「私、堪忍袋の緒が切れました!」こうして合衆国は歴史の闇に沈んだ

・とっこ「いつきさん!」るみこ「いつきさんっ」なみなみ「いつきさーん」なおみ「いつきさ……ま」
2010年8月4日(水) ついたより
・ブロッサム「新キャラ?」
 マリン「うむ、新キャラだ」
 ブロッサム「奇抜な奴を新たに登場させるのか」
 マリン「いや、既存キャラを変身させるのだ。
     驚きは必要だが、唐突すぎては読者が困る。
     他の候補で惑わしつつ、結果を見れば腑に落ちるようにするのだ」
 また一歩こころの大樹に近づいた!(『猿でも描けるハートキャッチ

・とっこ「無礼講って?」
 つぼみ「ええと、J9って知ってますか」
 なおみ「それはブライガー」
 つぼみ「お相撲取りの」
 るみこ「それは鬼雷砲」
 つぼみ「ムーサイの一柱で」
 なみなみ「それはクレイオ」
 つぼみ「年に一度しにたくなる」
 いつき「それはカントリーロード」
 えりか「なにこの部」
2010年8月5日(木) ついたより
・乗用車の平均時速50km/h、合宿先までの道のりを94kmとするとき、夜中にトイレから戻ったえりかとなおみが誰の寝床にもぐりこんでしまうかをそれぞれ答えなさい。(各5点

・どなたか、プリキュアキャラで『わいどにょ』を作ってくださいませんか。登場するのはオールスターに加えて、薫、満、キュアフラワー、そしてブンビーあたり
2010年8月6日(金) ついたより
・転校生で真面目で純粋で優しくて言葉づかい丁寧で微妙に天然で勉強得意で運動音痴で眼鏡着脱可能でセンス古くて足細くて胸ない。こんな完璧超人なつぼみに転ばない同級生男子一同たるや、全員えりかファンである

・転校生としての自己紹介を間近に控えて緊張の極に達したつぼみは、こういうときこそ先人に学ぶべきと悟っておもむろに『涼宮ハルヒの憂鬱』を開いた(黒歴史フラグ

・うわぁ、Aパートアイキャッチでもえりかは「閃いた」ポーズとして手をポンと打ってるよ
2010年8月7日(土) ついたより
・在日米軍漫画、登場する米軍側キャラの身長が日本側キャラよりも必ず低いというわかりやすさ。日本側をもっと小さい子にして、米軍側をロリコンフェニックス達に置き換えてみる遊びを構想

・憧れの先輩の家族に囲まれてエンターキーを押したら3年前の7月7日夜の文芸部室に出現したので朝比奈(大)さんと長門を探す

・砂漠王デューンからさらに強力凶悪冷酷なジェンド・プリキュアとかが送り込まれてきて、ダークプリキュアが路頭に迷って野良プリキュアになる展開

・戦隊ものもすでにメンバー5人のうち2人は女性なのだから、プリキュアにも1人くらい男の娘が混じっててもいいのではないだろうか。物語の途中で生えたり抜けたりしても可

・うふふ、あと1回寝るとハートキャッチ。うふふふ
2010年8月8日(日) はときゃち
 合宿話、後編。なおみがいつきと友達になるまで。
 つぼみはすぐになおみのためらいに気づけて、横に並んで本音を引き出せる。安心して話せる相手、信頼できる相談役としての副部長。散歩について一度は「だめ」と言えたように、えりか部長が引っ張りつつ・緩ませるのをやんわり支えつつ・引き締める。いいコンビですね。つぼみのいいところが出てますね、認められてますね。
 しかし、つぼみが相談した部長の暴走たるや。このへんは相変わらずなところで、まあ……。本人も反省してますけれど、さすがに副部長も止めようがなく。

 デリカシーのない気遣いに耐えきれず、えりかに怒鳴って逃げ出してしまったものの、なおみもえりかの配慮そのものには感謝しており、それに応えられない自分自身が嫌になる。いい子ですね。元々が、としこ・るみこに比べてそんなに自己主張してきてない部員です。それがさらに憧れの生徒会長を目の前にして、気後れするなと言う方が厳しい。
 そこから後は、デザトリアン療法です。本音(の一部)を叫ぶ。サンシャインが聞く。クモジャキーが批判する。プリキュアが反論する。いつき=サンシャインと知らなければ、なおみデザトリアンもあのように反応することができないとか、クモジャキーもその意見だけ取り上げればそれなりにいいこと言ってる(しかしそれをなおみに強制することは誤り)とか、いろいろありますが浄化&友達に。呼び捨てこそまだ遠い先だとしても、名前をさん付けで呼びあえるなんて、どんなに素晴らしい夏の夜。
 なおみが「もー、いつきさんてば」などと頬をふくらます日も来るといいな。
2010年8月9日(月) ついたより
・ぼくもつぼみたちとふつうになかよくなりたいのに……

・そして女の子座りしながら輪になってのランチ光景に、シスプリ第16話運動会話を思い出すのはもはや必然。ただし後者では女の子座りをしていたのは亞里亞のみ
2010年8月10日(火) ついたより
・「ブロッサム国電パーンチ!」「なにっ!復路だと……!?」

・なんか運動不足だなーと感じていたけど、ハートキャッチEDが新しくなってから踊っていないことに気づきました
2010年8月11日(水) ついたより
・幼児期、『1・2のアッホ!』連載を最初?に読んだとき、進学塾のハリボテ高層ビルが崩壊する話で。その次の週にはまったく別のネタ。「あれ?こないだの進学塾はどうなったの?」と戸惑ったんだけど、それは連載ギャグマンガの読み方がまだ分かってなかった証拠

・あ。「しにたい」というのはもしやわびさびそのものでは
2010年8月12日(木) ついたより
・ぼくが!泣くまで!殴るのをやめないで!

・ハートキャッチ映画。ミラクルライトをみんなで振ると、謎のイケメンが現れて敵をあっさり壊滅させるとか(それはない
2010年8月13日(金) ついたより
・これは頼朝公、非実在青少年のみぎりの頭蓋骨

・機会の体を求めて辿りついた先は、リープタイプの星でした

・もも姉につぼみをとられまいと腕をひっぱり目を><にするえりか。観てるこちらの何かがゆるんで鼻水が止まらない

・つぼみとえりかが教室最後列の理由が分かった。あんなうなじが目の前にあったら勉強にならない
2010年8月14日(土) ついたより
・クラス男子に告白されたものの、それがただの罰ゲームだったと気づいて「なんだー。そんなことだろーと思ったよー」と笑い飛ばすえりか。その夜、添い寝するつぼみ。みたいな夢を見た

・第1話でもしもサソリーナがつぼみのこころの花をチェックしていたら、いきなりつぼみがデザトリアンにされてハートキャッチ・完になってたかも。そう思えばシプレ&コフレがつぼみの胸元に潜り込み、pseudきょにうとしてサソリーナの目を背けさせたのは偶然にせよ大手柄でした
2010年8月15日(日) ハートキャッチ指先
 一緒にいたのに先だってしまったあのひと、後ろにいたはずなのに追いつけないあの子。

 おばあちゃん、そんなお風呂も入ってないときにおじいちゃんとの出会いを……。それはおじいちゃんの側も同じですか。修行のために「山ごもり」というあたりがいかにもあの時代ですが、しかし若き日の薫子さんは凛として美しい。
 祖父のそらさんは、本当に人間なのか? コッペ様や謎のイケメンとの関係は?

 など、謎を残したままですが、おばあちゃんが呟いた「待っている」という言葉がちょっと引っかかります。「天国」に行ったのであれば、自分もそこへ行くまで待っていて、という言い方になるはず。かつての戦いの中で、何事かあったのでしょうか。
 初恋の思い出、人生を刻んだ両手。大切なものを守るために戦い続けてきたけれど、それでもするりと離れていってしまうものもある。第2話、夕暮れの帰り道で言葉を紡いだとき、薫子さんは孫娘の手をそっと握りしめている。この柔らかな掌からたくさんのものがこぼれおちていくとしても、それでもこんな温もりのように、必ず掴みとれるものがあるから。

 さて、つぼみの幼馴染のみつる登場。久しぶりに会えた幼馴染の少女は、髪型も変わり眼鏡も外し、ずいぶん大人びて。でも頭の上にぬいぐるみ乗せて、それが向こうの流行りなのかとも訊けず。
 だけど間違いなく分かることは、みつるは「くん」づけで、いつきは呼びつけであること。そりゃまぁ、転校先の「美男子」には対抗意識も燃え立ちます(なんで私服で来ないのかいつき)。とはいえ、そっちをボウボウ燃やしても、おのれの不完全燃焼がいかんともしがたいわけで。

 つぼみが引越しの車に乗るときも、すぐそこにいたのに別れの挨拶ができなくて。オルゴールを拾ったことも、遠い幼馴染に伝えられなくて。伝えるだけなら電話や手紙でもできたはずなのに、何を言葉にしたらいいのか分からない。いや、よく分かってるからこそ、その言葉がでない。
 つぼみを守れるだけの力が自分にはないから、告白する勇気がでないのかな。いつきみたいな「優男」のように振る舞えもしない。不器用すぎて、つぼみに微笑んでもらうことさえうまくできない。つぼみが引っ越すと知ったとき世界が真っ暗になっただろうけど、彼女が両親と一緒に暮らすためだと分かれば、辛い涙も飲み込まなきゃ、と。自分がそばにいてもつぼみの寂しさを癒せなかった、その敗北感が自分の至らなさをいっそうつきつける。

 でもね、つぼみはたしかに守られるべき大切な女の子だったかもしれないけど、自分らしく生きることを願う一人の人間でもあって。花を愛でるように守ってくれる人じゃなくて、花を一緒に慈しんでくれる友人が、お互いの気持ちを分かち合える相手が、ほしかったんじゃないのかな。
 第4話でえりかが他の相棒を見つけようとしてると誤解したとき、つぼみは泣きながら身を引こうとしてたけど、それはたぶん鎌倉でも繰り返していた悲しみだよね。みつるに助けられるたびに、つぼみは感謝の気持ちとともに申し訳なさを募らせていたんじゃないのかな。自分がもっとしっかりしていれば、迷惑かけずにすむのに、って。
 そんなつぼみを、えりかは第4話で「言ってくれなきゃわかんないよ」と叱りつけ、「ブロッサムが好き」と瞳を輝かせ、「あたしたち親友だよね」と問いかけてくれた。あのときぼくはえりかの気持ちに寄り添ったけど、つぼみもどれほど嬉しかったことか、あらためて感じ入る。手をつなげる友達なんていつ以来か。
 まぁしかし、女の子同士とはわけが違うもんね。みつるは「好き」と告げることから始められない。でも、つぼみにしてもやっぱり、言ってくれなきゃ分からなかったと思うのです。そして言わずにいた間に、幼馴染は自分のもとを離れていってしまい、自分の知らない日々のなかでどんどん成長してしまったのであった。自分の背中の後ろにかばっていたつもりだったのに、たった半年ではるか前方へと追い越されてしまった衝撃。ますます言葉もでないやね。

 だから、そんなみつるが最後にようやく言えた言葉が。「また会えるよな」って一言が、つぼみにはとても嬉しかったはず。この生まれ育った場所にも、つぼみのことを忘れずにいてくれる人がいる。かつての自分はただお荷物だったのではなく、会いたいと思ってもらえている。そう分かったから。
 せっかく鎌倉に行けるというのに、つぼみはかつての同級生の誰にもそのことを知らせてないんですよ。つぼみが遠慮しただけとか、夏休みだから皆お出かけ中なだけかもしれないけど、それにしてもどうなのか。えりかやいつきが同行してくれなかったら、と想像すると泣きそうになります。つぼみは以前の同級生達との縁遠さを知っています。だからこそ、みつるの言葉はつぼみに響きました。

コフレ「つぼみにも、みつるくんの思いが伝わったですっ」

 うん、ぼくもそう思う。たしかに告白はできなかった。一番伝えたいことは伝えられなかった。だけど、一方的に守るべき相手としてではなく対等の間柄として、みつるがつぼみに初めて向き合ったということ。この幼馴染がまた会いたいと思えるような自分であるということ。そう思ってくれる人とここでずっと過ごせたということ。
 引っ越してこのかた、自分を変えようと頑張ってきたし、えりか達にも助けられていまがあるけど。過去の内気な自分をそのまま受け入れてくれてた人がいると教えてもらえたから、変わる前後の自分がつながっていく。たった半年で懐かしく感じてしまうほど、いまの希望ヶ花での毎日は楽しくて幸せだけど、その輝きに隠れてしまうほど、鎌倉での日々はくすんでいたわけでもない。
 だって、生身のままでサソリーナにくってかかるほどの正義感や、他人のかすかな痛みもキャッチしてしまう優しさは、この鎌倉で育まれたのだから。そんなつぼみのことがみつるも好きで、守ってやりたかったのだから。

 ただまー、ブロッサムがサソリーナに反論するときに「みつるくんは」云々と言わず一般論で押していたのが、何ともにゃあ。矢田くんとはづきちゃんのようにはいかないようで、今後よほどの努力が必要と思われます少年。電話は無理でも手紙書け。
2010年8月16日(月) サルでもかけるハートキャッチ・1
つぼみ「シリーズ新作?」
えりか「うむ、シリーズ新作だ」
つぼみ「しかしプリキュアも早や7年目、キャラも我々で5代目だぞ。
    新作といっても、いいかげん新味に乏しくなるんじゃないか?」
えりか「弱気になるな!
    たしかにこれだけの長期シリーズだけに工夫が必要な点は多い。
    だが、まず考えろ。『新味』とは何なのだ?」
つぼみ「それは……今までのシリーズ作品になかった要素を導入して……」
えりか「ならば『仮面ライダー555』のようにプリキュア同士の争いを導入したら、どうなる?」
つぼみ「いや、それは駄目だ……初代映画のように、子供が泣いてしまう」
えりか「その通り。いくら新味といっても、プリキュアらしさの根幹を揺るがせてはならない。
    逆に言えば、それ以外の点はいくらいじってもかまわないということでもある」
つぼみ「ふむ。具体的には?」
えりか「じつはプリキュアらしさというのは、主に3つの要素から成り立っている。
      『怒り』、すなわち『かけがえのない日常を脅かす非日常への怒り』。
      『変身』、すなわち『非日常に対抗するための変身による強化・美化』。
      『友情』、すなわち『非日常を通じての友情という日常の発生・強化』。
    平和な生活や大切な人々を脅かされたときに立ち向かえる心をもつ少女達が、
    その心を支える力として変身能力を授かり、
    その戦いを含む日々を通じて、互いの絆をかけがえのないものとして育んでいく。
    これがつまり、プリキュアらしさだ。」
つぼみ「なるほど。初代からフレッシュまで全てあてはまる」
えりか「しかし、どの作品もこの3つの要素を同じバランスで位置づけているわけではない」
つぼみ「というと?」
えりか「初代を基準に比較してみよう。
    SSでは、二人の友情を百合レベルにまで高めたうえ、
    満・薫という敵側の少女達を友情に導き入れるという新機軸を打ち出した」
つぼみ「ある意味、『プリキュア同士の争い』の逆を行ったわけか」
えりか「5・5GoGoでは、5人という大人数によって絆を多様化した。
    そして、変身後の能力も個別化した」
つぼみ「玩具もはっきり別々になったのだったな」
えりか「フレッシュでは、敵幹部がプリキュアに加わるという、SSの一歩先を描いた」
つぼみ「あの展開には泣けた」
えりか「ここで総括すると、どの作品も『怒り』だけはまったく同じだ。
    初代がすでに戦いの困惑さえ描いているから、ここはいじりようがない。
    対照的に、『友情』は新味のネタとしてさんざん用いている」
つぼみ「となると、そこでまた新たにというのは難しそうだ」
えりか「そこで『変身』だ」
つぼみ「うむ、中盤でパワーアップして二段変身か!」
えりか「甘い! それは来年するのだ!」
つぼみ「来年!? お前、もう延長することを算段に入れているのか……!?」
えりか「延長するのではない、延長させるのだ!
    そのためには、あまり早めにパワーアップしてしまわない方がいいのだ。
    しかし、お前の指摘は惜しいところを突いている」
つぼみ「うむむ? パワーアップしない、となると……パワーダウンするのか!」
えりか「馬鹿者! 誰がそんなヒロインに憧れるか!
    パワーアップはする。だが、その過程が問題なのだ」
つぼみ「さ、さっぱり分からん……説明してくれ」
えりか「ここで本日のキーワードだ。それは、

       せいちょおぉぉぉぉ。

    −−−
    『成長』。物語とは変化を描くものである。このうち人物の変化に限っていうと、
    子供向け作品に登場する主人公の変化とは、人間的な成長を意味することが多い。
    結末で成長後の姿を示すために、物語中では成長の過程を描くことになる。
    このことから、物語開始時の主人公は、未熟であることが重要な条件となる。
    主人公の未熟度とは、目標到達を前提とする成長可能性にほかならない。
    −−−

    つまり、ハートキャッチの序盤ではプリキュアを可能なかぎり弱くするのだ!」
つぼみ「なにいいい!? そ、そんなので勝てるのか敵に!?」
えりか「敵もプリキュアにあわせて『成長』させればいい。
    要するに戦力の逐次投入とか、ボンクラ幹部の退場とか、そういうことだ」
つぼみ「な、なるほど」
えりか「従来のシリーズ作品では、この『成長』が日常に主導されやすかった。
    日常生活のなかで『友情』が少しずつ深まることによる精神的『成長』が、
    『変身』後のパワーアップや連携強化を生み出すというパターンばかりで、
    『変身』して戦闘する時の継続的な『成長』というものはあまり描かれなかった」
つぼみ「言われてみれば」
えりか「プリキュアが身体的に強いのだから、それも当然と言える。
    精神面での『成長』は日常生活でこそなされるべきだからな。
    しかし、プリキュアがそんなに強くなければ?
    精神面だけでなく、身体能力も未熟であるならば?
    もちろんそれでも日常の中で特訓だの何だのするはずだが、
    戦闘中に新戦術を試み、失敗をもとに改善するといったことも可能となる。
    だんだん強くなっているのが分かる、これがハートキャッチプリキュアなのだ!」
つぼみ「おお! やっと分かったぞ!
    己の未熟さと向き合い、失敗を恐れず試み、日々向上していくその姿。
    それこそが、子供達に見せたい変身ヒロインとしての我々だ!」
えりか「そうだ。我々の駄目な姿、情けない姿を存分にさらしてこそ、
    我々は子供達のハートをがっちりキャッチできるのだ!」
つぼみ「そして大きいお友達のハートもだ!」
えりか「うむ? どういうことだ?」
つぼみ「『変身』しても未熟なヒロインを見て、
    20年前に恋いこがれたあの東映作品を思い出さない者がいようか?」
えりか「おお!」
つぼみ「うむ!」
つ&え「『美少女戦士セーラームーン』!!」

  こころの大樹に一歩近づいた!
2010年8月17日(火) サルでもかけるハートキャッチ・2
えりか「どうだ、第2話は描けたか」
つぼみ「うむ、見てくれ」
えりか「何だこれは! デザトリアンとの初対決で勝っているではないか!」
つぼみ「し、辛勝という雰囲気を醸し出してみたのだが……。
    それに、これ以上ブロッサムを弱くすると、どうしても敵に勝てなくなるぞ」
えりか「それでいい。むしろ、初対決に敗北したプリキュアなんて斬新じゃないか」
つぼみ「待て。まだマリンが登場していないのに、どうフォローするんだ!?
    敵から逃げるのか? しかしそれではあまりにも印象が悪すぎる」
えりか「自分の意志で退却したのではない、ということにすればいい。
    頑張ったものの力及ばず気絶したところを、誰かに助けてもらうのだ」
つぼみ「誰にだ?」
えりか「この謎のイケメンにだ」
つぼみ「お前……これはセラムンのタキシード仮面まんまではないか!?
    大きいお友達も、ここまでパクリではさすがに非難するだろう」
えりか「むろん、あのような将来の彼氏役として出すわけではない。
    じつはこいつは、キュアフラワーやその妖精と関係のある存在なのだ」
つぼみ「なんだ、そのキュアフラワーとは」
えりか「花咲家の祖母だ」
つぼみ「薫子おばあちゃんがプリキュアだと!?」
えりか「まあ説明を聞け。今回のキーワードは2つあるが、まずは、

    せんだつうぅぅぅ。

    −−−
    『先達』とは、主人公の師匠・先輩といった先行者のことである。
    彼らは主人公よりも優秀で経験豊富であり、その功罪を引き受けている。
    彼らの役割は、主人公の成長にともなって、憧れの対象、指導者、
    優秀な競争者、打破すべき旧弊や過失の象徴、などと変遷する。
    −−−

    とくに本作品ではプリキュアは弱い。そこで先達の支援が必要となる。
    しかし、それほど強い先達がいるのなら、何も弱い新人に頼る必要はない。
    そこで、支援はできるが主力にはなりえない、という制限を設けるのだ。
    キュアフラワーは強かった。しかし、もはや老齢で戦うことはできない。
    だから、その関係者として謎のイケメンが現れてブロッサムを救い出すのだ」
つぼみ「な、なるほど。つまり薫子おばあちゃんの妖精コッペ様が、
    このイケメンの正体である、ということか……」
えりか「そこは表現上、そう匂わせていくだけでもいいだろう。
    ただし、祖母が強力なプリキュアだったことは明言させる。
    初代、ほのかの祖母が子供時代に変身アイテムを持っていたことを覚えているか」
つぼみ「ああ、しかしあの祖母がプリキュアだったかどうかは不明なままだった。
    我々はそこを一歩踏み出すのか……」
えりか「『成長』というキーワードをふまえれば、
    それは日常では成熟した大人達と未熟な主人公達、
    非日常では名を成した先達プリキュアと駆け出しの主人公達、
    という対比が描ける。後者は前者を目標に励む。
    そして、前者ができなかったことを、成長した後者が成し遂げる」
つぼみ「『ネギま』だな!?」
えりか「そうだ! あるいは、セラムンなら転生前後ということになる」
つぼみ「では、やがてキュアフラワー引退時の話も描くのだな。
    そうか、老いたキュアフラワーの敗北をブロッサム達が救うという展開も……」
えりか「馬鹿を言え、老婆の変身姿など誰が見たいものか。
    その敗北と挫折の役目は、キュアムーンライトが担うのだ!」
つぼみ「な、なにいいい!? さらに一人増えるのか!?」
えりか「フラワーは性格的にも厳しい師匠役にはなりがたいし、戦闘も無理だ。
    そこで、新人達より若干年上で敗北したばかりの先輩プリキュアを登場させる。
    近い世代として、新人達を叱咤するのはこの先輩の役目である。
    そして彼女が敗北の挫折から立ち直るのは、新人達の姿に支えられてなのだ。
    第1話の冒頭に、その敗北の光景を夢に見たという場面を追加しよう」
つぼみ「そ、それはいいが……人間関係が複雑になりすぎないか?」
えりか「お前は、女子高生プリキュアと老婆プリキュアのどちらを見たい?」
つぼみ「無論、女子高生だ」
えりか「そういうことだ」
つぼみ「そうか!」

  こころの大樹にまた一歩近づいた!
2010年8月18日(水) サルでもかけるハートキャッチ・3
つぼみ「もう1つキーワードがあると言っていたな」
えりか「うむ。それは、

    こいばなあぁぁぁぁ。

    −−−
    『恋バナ』とは、主人公と異性の間に恋愛を匂わせる関係が描かれることである。
    恋が思春期の入り口にある少女にとって重大問題である、と描くことは、
    女の子向け作品の必須条件である。
    しかし、恋の成就はそれ自体が物語の排他的テーマたりえてしまう
    (『成長』の到達点を相思相愛の実現におくこともできる)ため、
    他の要素とのバランスをとることが絶えず必要な、諸刃の剣である。
    −−−

    初代のなぎさ、SSの咲、5ののぞみ、フレッシュのラブといった、
    活発系のチームリーダーには必ずこの展開が与えられていた。
    しかし、のぞみ&ココという異世界間恋バナを除き、
    男女カップルを確定させるような描写は避けられている。
    これは、女の子同士の『友情』を描くべきプリキュアシリーズに、
    『恋バナ』の要素をできるだけ取り入れた結果なのだ」
つぼみ「なるほど。彼氏よりも友達を優先するなんてぶっちゃけあり得ない。
    メンバー同士が恋敵になるなんて展開も、想像したくないしな」
えりか「初代以来の微妙に百合っぽい関係描写は、
    本来の『友情』形成のうえで同性間での恋バナに接近した努力の成果だ」
つぼみ「大きいお友達のハートをわしづかみ、というわけか」
えりか「男キャラにヒロインを横取りされた、と思われるよりはよほど有益だろう」
つぼみ「うむ。しかし、すると謎のイケメンはどういう扱いになるのだ?」
えりか「主人公が憧れ、淡い恋心を抱く。そこまではよしとする。
    しかし、二人がいつか結ばれそうだという予感は打ち消しておく」
つぼみ「視聴者には安心させておくわけか……」
えりか「若干もったいないが、リスクマネジメントということだ。
    その方法として、薫子の夫の若い頃とうり二つにしておく」
つぼみ「おじいちゃんはもういないぞ?」
えりか「いない。しかし、いなくなった理由は明かさない。
    死別かもしれんし、もしかすると……と視聴者に思わせておけば、
    少なくとも恋バナの対象として受けとられることはなくてすむ。
    ただ、そのための描写を第2話に盛り込むのもきついところだ」
つぼみ「そうだな。……タキシード仮面と区別するために、
    このイケメンには一切しゃべらせない、というのはどうだ?
    そうすれば祖父の説明がない段階でも、コッペ様と似ていると思わせられるぞ」
えりか「そうか! よし、それでいこう」
つぼみ「声優の予算も一人分浮くしな!」
えりか「なおのことよし!」

  こころの大樹にまた一歩近づいた!
2010年8月19日(木) サルでもかけるハートキャッチ・4
つぼみ「部活?」
えりか「うむ、部活だ」
つぼみ「それならすでに考えておいたぞ。赤が園芸部。青が7人制ラグビー部だ」
えりか「馬鹿者ーっ!」
つぼみ「ぐわっ……何をする!?
    シリーズの傾向にあえて背を向け、赤を内向的、青を外向的と決めたではないか。
    ならば、この設定で問題のあるはずがない!」
えりか「だから馬鹿者だと言っておるのだ。
    それでは、なぎほのや咲舞の分担を入れ替えただけだろう。どこに新味がある」
つぼみ「うおっ……たしかに……」
えりか「だいたい7人制ラグビー部に入る女子中学生がいるものか」
つぼみ「いや、そこに新味をと思って」
えりか「いいか、新味と奇天烈を一緒くたにするな。
    赤はそのままでいいだろう。青は、ファッション部にするのだ。
    このさい赤も、すぐファッション部をかけもちさせよう」
つぼみ「なに!? それでは二人とも文化部になってしまうぞ。しかも同じ部活だなんて」
えりか「別におかしくはない。思い出してみろ、たしかに初代とSSは1/2が運動部だった。
    しかし5は? りんだけ運動部、1/5だ。フレッシュに至っては0/4つまりゼロだぞ」
つぼみ「だがフレッシュではダンスをしていた、あれも運動部みたいなものでは」
えりか「だが、4人以外のメンバーがいたか? 今回のキーワードの1つ目だ。

    ともだちのともだちいぃぃぃぃ。

    −−−
    『友達の友達』とは、主人公達が共有していないメンバー固有の友人のことである。
    メンバーの一人に焦点があたるとき、その友人達も重要な役割を演じる。
    しかし、他のメンバーがメインのときは、そちらの友人達だけが扱われる。
    例えばAの友人達A’は、Aメインの話ではバイプレイヤーとなるが、
    Bメインの話ではA’は登場せず、友人達B’の出番となる。
    このA’とB’の交流はきわめて描かれにくい。
    −−−

    部活というものは、主人公の一人をプリキュア仲間の視点ではなく、
    部活仲間の視点から描くことで、普段とは異なる魅力を示すための設定だ。
    もっとも、描く順番は部活(日常)の次にプリキュア(非日常)となるから、
    新たな魅力はむしろ後者の場面で描かれる、と言うべきかもしれない。
    そして、プリキュア同士の絆がかたく結ばれれば結ばれるほど、
    その絆は部活仲間との絆から浮き上がっていくのだ」
つぼみ「それは一応分かるが、何か問題なのか? どちらも大切な仲間だろう」
えりか「その大切な絆と絆が、背反的に見えてしまう危険性を問題視しているのだ。
    部活に専念すれば、プリキュア同士の時間は少なくなる。逆もまたしかり。
    ここを真正面から巧みに描ききったのがSSだったが、
    あの作品でも咲舞の絆を通じてソフト部と美術部の交流深化には至っていない。
    『友情』が柱のひとつであるなら、そこまで踏み込むことが次には必要なのだ」
つぼみ「そ、そう考えるのか……。ならば、そういう話を盛り込めば」
えりか「そんなたくさんの脇役を描ききる余裕などあるか!
    プリキュア先達の話とそれとで、どっちつかずになりかねん。
    そこで、部活という『友達の友達』を、一本化してしまうのだ。
    園芸部の方は仕方ないとして、ファッション部は二人共通の友達にする。
    こうすれば『友達の友達』を通じて描く手間は半分に省けるし、
    部活の中で二人の絆が深まることで部員達との関係も深化できる。
    例えば、青が部長で赤が副部長、としてみるか。
    二人の息が合うことで、部活もより順調になり、部員の結束も堅くなる。
    背反的な危険性を避けられる、というわけだ。まことにめでたい」
つぼみ「何かだまされている気もするが……描くのが楽なのはいいことだな、うん」
えりか「だろう」

  こころの大樹にまた一歩近づいた!
2010年8月20日(金) サルでもかけるハートキャッチ・5
つぼみ「もう1つのキーワードとは何だ」
えりか「うむ。それは、

    スポンサーだ!!!

    −−−
    スポンサーとは、作品製作に必要なお金を出してくれる偉い人である。
    子供向け作品を含むすべての民放番組は、スポンサーの宣伝のために存在している。
    −−−

    スポンサー様のご意向により、我々は赤青の部活を文化系とするのだ!」
つぼみ「なんだと!? そ、そんな勝手な都合で変えられてたまるか!」
えりか「大馬鹿者!!!」
つぼみ「ぐあああっ」
えりか「まさに天に唾する所業よ。スポンサー様なくて我々の作品は世に出ないのだぞ」
つぼみ「そ、そうだった。スポンサー様、ひらにひらにご容赦を……」
えりか「土下座はそこまでにしておこう。
    さて、スポンサー様が売りたい商品は、まず女児向け玩具だ。
    そして文具や文具系玩具。これらはどれも体育会系ではない。
    外遊びで使用するにせよ、スポーツと直接結びつくものではないのだ」
つぼみ「それがどういう……ああっ! 作品の中でラクロス部やソフト部を描いても、
    そのスポーツに関する商品をスポンサー様が売ってはいない……!?」
えりか「そういうことだ。じつに単純な話なのだ。
    もちろん作品を観てくれた子供達が、将来そのスポーツに興味を持つ可能性はある。
    しかしスポンサー様が望むのは、いま・ここで・女児向け商品が売れることだ」
つぼみ「そして、その売り上げ如何で、来年の我々の運命も決まる……」
えりか「やっと分かったようだな。その点フレッシュのダンスはスポーツ系というより、
    3Dダンスゲームなどの宣伝として機能すべく導入されていた。
    我々はこの伝統を受け継ぎつつ、さらにスポンサー様のお役に立たねばならぬ。
    園芸部とファッション部、どちらがその目的に適う?」
つぼみ「ファッション部だ! ゲームにもそれ以外の玩具にもしやすい!」
えりか「そういうことだ。人物の衣装を毎回工夫することも必要になるが、
    それもまた本作品の新たな特徴となることだろう。
    苦労のしがいはあるし、少人数の部活だから効率もいい」
つぼみ「着せ替えか! 大きいお友達も嬉しいシーンだ!」
えりか「うむ! 水着なしの埋め合わせは十分につく!」

  こころの大樹にまた一歩近づいた!
2010年8月21日(土) サルでもかけるハートキャッチ・6
つぼみ「おお、製作会議は終わったか。お疲れさま」
えりか「……」
つぼみ「これを見てくれ、キュアサンシャインのバンクを早速こしらえた。
    また新たなプリキュアを登場させると聞いた時は、
    さすがに許せんと思ってお前に噛みついてしまったが……。
    たしかにお前が言ったとおり、赤・青・紫と並ぶ前に、
    赤・青・黄と並んだほうが映えるし、歌にも合っているな。
    この次に紫が入れば引き締まるし、それにどうだ!
    3人でタクトを構えた合体技、5 GoGoとはまた別のこの躍動感。
    これが今後さらに4人で! ますます楽しみだな!
    ……どうした、お前が何もしゃべらんとは……?」
えりか「……サンシャインタクトは没だ」
つぼみ「……は?」
えりか「サンシャインタクトは没だ! 別形状のアイテムにする!」
つぼみ「なっ、何を突然言いだす!?」
えりか「黙れ! 没だ! そんなバンクはこうだ!」
つぼみ「ああーっ!? た、丹精込めた神作画が……貴様……!」
えりか「…………なぜ殴らない」
つぼみ「……お前がここまでするには相当の理由があるはずだ。今日の会議だな。話せ」
えりか「……フラワータクトの玩具にパーツ付け替えギミックがあるのは知っているな」
つぼみ「ハートパーツを付け替えて、ブロッサムにもマリンにもなれる。
    当然知っているが、それがどうした」
えりか「当初我々は、キュアムーンライトを中盤に復活させるつもりだった。
    そのさい、タクト玩具付け替え用にムーンライトのハートパーツと、
    ブロッサム・マリン強化用の新パーツのセット販売を想定していた」
つぼみ「うむ」
えりか「しかし、キュアサンシャインがそこに加わった」
つぼみ「それはむしろ、よい変更ではないか。
    こちらの腹案だった『ムーンライトが小さくなって復活』よりもよほど真面目だし、
    いつきというキャラをうまく活かしている。お前に感謝しているんだぞ」
えりか「4人分もアイテムがあるならば、1つくらい別アイテムでもいい」
つぼみ「……?」
えりか「フルーレのように、いちどきに全員分揃うアイテムなら一緒でもよかろう。
    だが追加されていくアイテムが同じである必要はない」
つぼみ「ちょ、ちょっと待て。なるほどそれも道理だが、
    だったらムーンライトもタクトでなくともよかったはずだ。
    しかしムーンライトのタクトは第1話で描いてしまっている。
    そこでサンシャインだけアイテムが異なっていたら、
    4人揃ったときに違和感がないか?」
えりか「……」
つぼみ「……そうか、お前がそんなこと分かっていないはずがないな。
    ……そうか。スポンサー様か……」
えりか「……売れそうなのだ。いつきは人気が高い。
    お前の変身バンクが放映されれば、その人気はもっと高まるだろう。
    だから、なのだ。これを逃す手は、ないのだ。
    だから……サンシャインタクトは……」
つぼみ「タンバリンなんてどうだ?」
えりか「……?」
つぼみ「サンシャインのアイテムだ。サンシャインタンバリン、は長すぎるから、
    シャイニータンバリン。うむ、いい感じではないか」
えりか「……」
つぼみ「サンシャインは防御能力に長けているのだったな。これは丸い盾だ。
    そして、ヒマワリの形でもある。じつにぴったりだ。
    叩くと音が出るようにしよう。小さい子向けに遊びやすい」
えりか「……」
つぼみ「どうだ? けっこういいアイディアだと思うのだが」
えりか「そう、だな。お前にしては……目から汗が出るほど素晴らしい、な」
つぼみ「よし、ではこれでいこう」
えりか「しかし、ひとつ気がかりなことがある。
    大きいお友達はマリーベル・タンバリンのパクリと感じないだろうか」
つぼみ「うむ、たしかに。しかし、こちらは明らかに防御用アイテムではあるし、
    あとはスポンサー様が考えるべきことだろう」
えりか「それもそうか……わはは」
つぼみ「ははは。我々は、こういう玩具更新時の呪文を唱えておけばいいだろう」
えりか「何だ、教えてくれ」
つぼみ「クルクルピカリン、クルピカリン」
えりか「それは!『魔法の妖精ペルシャ』の新呪文!」
つぼみ「ペルシャが言ったとおり、魔法でもどうにもならないことがある。
    その最たるものがスポンサー様のご意向だとするならば、
    我々はそれに従いながら、最善を尽くすのみ!」
えりか「おう!」
つぼみ「おしりパンチにクレームがついたのなら、
    シャイニータンバリンをおしりで叩かせてみせる!」
えりか「その意気よ!」

 こころの大樹にまた一歩近づいた!
2010年8月22日(日) はときゃち
 夏休みの宿題話。絶妙なタイミングでこのテーマ、さすが教育的番組です。問題は、小さいお友達のみならず大きいお友達にも効果的だということで……観てて胸が痛い……。
 敵側ですが、コブラージャらしい?知的にひねった作戦でしたね。子供のこころの花はたしかにこの時期が狙い目です。ただし、解消されてしまったときにはその分大きな反動が……実際に、こころの種がマシンガン排便(爆笑)。これはいい! クレームも粉砕!
 で、敵の言い分や誘惑に、ついのってしまいそうになるえりか・マリン。だめだこりゃ。他の二人が優等生ですから、こういう役回りはえりか一択だとはいえ。以前つぼみの宿題を邪魔してたとき、後ろから「公式を」云々と言ってたので、もともと数学が苦手なわけではないのかな。ただ、単元が終わるとすぐ忘れてしまうだけとか。要領のよさが地道な努力を阻んでいるというパターン。
 いつきも初めて仲間の家に上がりこんで(明確な描写としては)、これはこれでプリキュアメンバーとして良い光景。ただ、せっかくだからファッション部員も後で一緒に、ね? なおみも、ね? などと余計な心配をしてみたり。

・つぼみ「また図書館に」
 えりか「やだー」

・夏休みの課題はぜんぶごみばこにすてちゃおー

・ちょっとまていままりんのかおにくっついたのーと

・死ね死ね団みたいな壮大な作戦だなー

・おでこぱんち!

・デルタエンドだ!

・そしてまたも手をぽんと

・宿題よりも学校の意義にテーマの重点がおかれてたなら、つぼみが「もし学校がなかったら、私、えりかと会えなかったんですよ!?」と真剣に叫んだかもと想像して、えりかもぼくもメロメロメロウ
2010年8月23日(月) ついたより
・つぼみが鎌倉から引っ越してきたってことは、幼少期にコメットさんと出会ってた可能性があるのか。……ネネちゃんツヨシくんと同い年くらい? コメットさん第1話に登場する踏切ってハートキャッチ鎌倉話のそれと同じかしら

・コメットさんを観返しながら、「どれみの可愛らしさ・賑やかさ」と「コメットさんのいろっぽさ」の両方をハートキャッチが兼ね備えていることに気づいた。だからこんなにぼくは
2010年8月24日(火) ついたより
・プリキュアオールスターズDX3 希望の光☆セントジュエルを探せ!(みんなでライトを振るとスーパーゼウスが登場

・「私の妻になる者は、さらに大人気ないものを見るであろう」

・フィリップさーん! はーい!
 琉兵衛「園咲家憲法第2条!」
 文音「ご飯はみんな一緒に食べよう!」
 冴子「さえこ、たくさんたべるよ!」
 若菜「わかなちゃんも!」
2010年8月25日(水) ついたより
・ハートキャッチ第21話でカンフー少年が隣の女子と「アチョー」ってじゃれあってたのは、カンフーに対する不要な力みが抜けた、という変化の表れだったのかな。真似遊びもできるし、真剣に練習もできる

・「新しい私」。えりかのおかげで見つけられた、元気な私。私じゃなくちゃだめなんだ、私のことが好き、って言ってもらえて、晴れがましい私。えりかいろの青空を見上げる小さな花のように、真っ直ぐな私

・「新しい私」。ほんとは自信のない私をそばで見守ってくれるつぼみ。私が好きだって言ったら喜んでくれたつぼみ。園芸部で忙しいときもファッション部を一緒に支えてくれるつぼみ。私は何も成長してないけど、この衣装に込めるのは、つぼみと出会えたから生まれた感謝の気持ち

・ファッションショーが終わったらすぐ部員のみんなにお礼を言おうと思ってたのに、先につぼみ達に「部長、ありがとう」とねぎらわれてしまって、普段みたいに照れてごまかすことさえできず涙ぽろぽろのえりかさん
2010年8月26日(木) ついたより
・幼少期えりかの回想シーンが今後登場するやもしれぬ。みな心して備えておくように

・ファッション部、今週のテーマはインナー。小さな歓声や溜息がときおり漏れてくる教室のドアを、間違えて開いてしまった男子がいつきの手でのされていく

・えりかの誕生日はまだこれからだと気づいて妄想。最初に会った日、えりかが無理矢理くれた服を着て、つぼみは高台に立ち、妖精達と出会い、新しい私を見出した。すべてえりかのおかげと感謝して、つぼみはお返しに衣装を贈る

・嬉しくて、すぐ着てみて、みんなに見てもらったけど。えりかはふと思い立って、薫子にこっそり教わりながら、生まれて初めて鉢植えの花を育てようとする。春先、つぼみの誕生日にプレゼントできるように

・あるいは。ファッションショー大成功の翌日、下級生の女子達が入部を求めてやってきた。大いに喜ぶえりか。しかし後輩の面倒を見るあまり、つぼみと二人きりの時間を失ってしまう。ふと寂しさを感じるえりかに、つぼみが差し出した招待状とは。次回ハートキャッチプリキュア「部長、ハッピーバースデーです!」
2010年8月27日(金) えりか妄想
・小3まで自慢の姉と一緒に登校してた。姉が中学校にあがる頃、自分が姉みたいになれない、って気づいた。姉と毎日ケンカするようになった。自分が中学生になったとき、姉は高校に進学した。記念写真を撮るとき、頭ひとつ分高い姉の横顔を見上げながら、同じ学校に通うことはもうないんだ、って気づいた

・中1のとき手芸部に入った。ファッションショー開催などを提案したが、先輩達に苦笑されただけだった。姉は雑誌の常連モデルになった。学年が上がり、身長は伸びなかった。部長になり、部名をファッション部に変えた。年度計画を立てた。つぼみが転校してきた。部員が皆やめた

・つぼみを勧誘して断られた。つぼみが入部してくれた。つぼみが好きだと言えた。つぼみと親友になれた。としこなおみるみこが、なみなみが、いつきが入部してくれた。演劇部の舞台衣装を完成させた。夏合宿に行けた。背のことは気にならなくなった。つぼみに寄りかかるのにちょうどよかった

・自分が弟だったら、と考えた。姉と比べられることはないはずだった。でもプリキュアにも、つぼみの親友にもなれなかった。つぼみの隣にいるためには、つぼみに寄りかかってもらえるためには、姉くらいの身長が必要だった。自分は今のままがいいと思った
2010年8月28日(土) ついたより
・右手にLOを持ったとき、左手に何を持てばメドローアを放てるのだろう。ちんこか。

・ポップ「……ふぅ」(大魔道士タイム

・ポップ「大道寺と呼んでくれ」(ハンディカムを構えながら

・「花咲、来たばっかン時とずいぶん変わったよな」
 「なに、お前花咲?あーでもそんな悪くねっか」
 「微妙に天然だぜ?」
 「天然ったら来海がまじ上だけどな」
 「あれーお前わりと来海にこだわってね?」
 「ちげって。俺は、鶴崎(笑)」
 「まじか!(笑)」
 「応援してやんよ(笑)」
 (全員隠れえりかファン
2010年8月29日(日) はときゃちなど
 『仮面ライダーW』、じつはずっと観てました。今日もとてもいい最終回。最初はあれだけガチャガチャ感じてたこのメンバーが、とてもしっくりと「仲間達」としてそこにいて。男の子版プリキュアみたいなコンビものだったのも個人的にお気に入り。クウガ以来の満足感、かもしれません。

 そしてはときゃち。先週予告の段階では、林くんがつぼみに告白か?と部員に冷やかされる展開か、と想像しましたが、そういうことはなく。や、しかしあれ絶対にクラスメート達に噂されると思うんですけれども。
 プリキュアよりも先に視聴者をうちのめす赤ふんクモジャキーが、今日も正論を吐いておられました。自分は駄目だ、と言うばかり奴がいちばん駄目なのだ。あああ。こないだ言われたあああ(こころの花・枯死)。
 駄目な大人はさておき、林くんの辛さは想像するにたまらんものです。カンフーの彼の時と同様、男子級友の被害は甚大でございます。鶴崎先生が言ったとおり、箱根の関こそバスに乗ってしまったにせよ、京都から東京まで自転車で走った事実は尊いものなのですが、本人としてはそりゃ嘘に耐えられないよね。みんなに迎え入れられた場面で、あっさり白状できれば傷も浅くてすむんだけど、まさかあんなに歓迎されるとは思ってなかったわけだし。
 学校で出迎えた級友も、男女それぞれ複数いました。とくに男子は、話を聞いたとき笑ってしまっただけに、素直に評価を改めて詫びる気持ちがあったはず。それだからこそ、真実を知れば「騙された」という思いはどうしても生まれてしまいます。鶴崎先生の言葉は正しいけど、納得できるかというとそうではない。
 今回、デザトリアンの告白を聞いて、ブロッサムも驚愕してるんですよね。マリンもそうですが完全に足が止まってしまい、事情を知るサンシャインが黙って単身戦ってくれました。そこでなんとか立ち直り、クモジャキーの正論にブロッサムもまた正論をもって反撃に及ぶ。嘘を嘘と認めて辛く感じる、その気持ちは駄目じゃない。そう、そうなんです。しかし、その言葉を聞いて「ああまだ下がある。安心」と感じたら本格的に駄目だし、「女の子にここまでかばってもらうなんて」と感じてもさらに深みに落ちてしまう。
 級友と先生の前で告白したとき、つぼみがたまらず弁護してくれましたが。あそこで、場合によってはその深みにはまる危険性もあったはず。でも、林くんはこらえて再び立ち向かった。彼の名が示す「ゆうき」を、自分の決意がつぼみに与えていたということは、嘘じゃないから。手作りのメダルは、それが真実であることのまぎれもない証拠。だから、こんどは自分が自らの決意を真実のものにするために、布のメダルで道を照らしながら再挑戦するのでした。
 しかし、あの場面はやばかった。林くんもつぼみの天然パウァにとらわれていく。まぁ彼本人は誤解しないとしても、級友がどう感じたか大変に心配です。えりかや部員仲間がクラスにいるので、妙な噂が広まることはなさげですが。ううー。
 ……あ、「番くんと仲がいい」と知られていれば、誰もちょっかいださないか……。

 あと、つぼみ手作りのワンピースが。もう。くるくる回るとこ反復視聴してるうちに、全身から2回ほど体液を出しつくして死にました。可愛すぎる……。膝裏……。そして胸がある……。これファッションショーでお披露目ですか。何人の男子が倒れますか。いつだ、いつなんだ学園祭話は。そしてえりか達の衣装はどんなだ。
2010年8月30日(月) べびプリ小説版に求む
・べびプリで足りなさを感じるのは、てきとーなご飯の描写。春風や蛍の手料理は上出来すぎる。パンの耳は登場したけど、夜中に起きてきてありものでお茶漬けつくってヒカルと一緒に食べるとか、野菜くずでお好み焼きもどきつくって幼児さんの簡単おやつにするとか、そういうの

・陽太郎がやってくれないかな。ばーちゃんにいつも作ってもらってた大きなおむすびを見よう見まねでこしらえて。綿雪たちが大事そうに両手でかかえて、ちっちゃな口ではじっこから食べる。目を丸くしながら、すごく嬉しそうに

・陽太郎ががんばって剥いたデザートに、男が触れた果物なんて、と文句言う麗。でも耳の太いうさぎさんりんごを優先して手に取る

・葡萄の皮を剥いてると、妹達が横一列に並んで口を開ける。いちばん左には帰宅したばかりの海晴もしれっと並んでる

・陽太郎が高1から始まってたらなー。ヒカルと同い年だからそれは無理な話なんだけど、高1なら例えばバイトも可能だったわけで、金を稼ぐということの実感が伴ってたはず
2010年8月31日(火) べびプリ日記半年分概括
 半年以上ぶりのべびプリ日記感想。昨年の11/17からですね……。全ての日にコメントすることはもうできませんので、姉妹一人ずつまとめて。

 海晴。天気予報の仕事に対する愚痴、あとは弟妹を可愛がる定番を継続。注目は2/14の、「なんだかたまに、みんなの/お父さんとお母さんになったような/気がするときもあるけれど」。長女と長男のパートナーシップについて明言。

 。こたつとか餡子とかいつも通り。大きな事件は4/23のお見合い。でもこの人なのでまったく心配することなく終わる。

 春風。順調に日々きゅぅうんっ。キスをせがむ傾向が目立つものの、個人的に注目は3/10で年少者の靴洗い。小説版と同じく馬力あり。

 ヒカル。相変わらずの警戒心のなさ。しかし周囲の雰囲気に影響されつつある模様で、6/29で「ケッコン」と口走るなど一撃の破壊力ばつぐん。

 。完璧主婦の名をほしいままにしっぱなし。日々の些事に幸せを感じつつ、時々7/8のようにあててんのよ。

 氷柱。まぁこの半年できょうだい最大の事件といえば、バレンタインデー夜なわけですが……。キスは確定とみていいんですかね。vsヒカルの対抗意識もすくすくと。

[先月] [目次] [来月] [最新版] [トップ]

anyo@puni.net

Akiary v.0.42+puni.net patch 0.5