『シスター・プリンセス』キャラクターコレクション分析一歩手前

〜予備的作業として〜



はじめに

 『シスター・プリンセス』キャラクターコレクション全12巻について、論者がこれまで日記等で検討してきた諸項目を、暫定的にここにまとめておく。


1.形式上の項目

(1)フォーマット

  1ページあたり: 33字×15行(495字)。
  1話あたり: 副題1ページ、裏ミニカット1ページ、本文8-9ページ、イラスト1ページ。

(2)行数(副題込み

名前/話 合計 平均 行数の平均とばらつき具合
可 憐 122 107 106 100 102 98 119 754 107.7
花 穂 98 98 106 100 119 96 102 719 102.7
109 101 110 102 120 98 110 750 107.1
咲 耶 124 116 121 103 98 102 98 762 108.9
雛 子 113 107 106 99 113 108 103 749 107.0
鞠 絵 111 105 93 102 102 96 90 699 99.9
白 雪 121 118 117 108 116 111 116 807 115.3
鈴 凛 120 114 114 99 101 95 100 743 106.1
千 影 110 123 103 93 92 108 95 724 103.4
春 歌 115 119 116 118 105 110 110 793 113.3
四 葉 114 114 106 113 118 98 115 778 111.1
亞里亞 111 88 91 103 107 100 105 705 100.7
全 妹 8983 106.9

 右のグラフを作成した美森勇気氏による註釈を引用(グラフも当該日記より):
「行数について検定すると、白雪は花穂、鞠絵、亞里亞に対して危険率1%で、千影に対しては危険率5%で有意に長い。また、春歌、四葉は共に花穂、鞠絵、亞里亞に対して危険率5%で有意に長い。ゆえに、以下の議論において、各データの出現数は行数で割って正規化する必要性が認められる。」

(3)ハート数(副題込み)

名前/話 合計 平均 ハートの行あたり出現数とばらつき具合
可 憐 8 18 13 7 25 8 5 84 12.0
花 穂 9 9 10 9 18 12 16 83 11.9
6 13 16 14 25 11 8 93 13.3
咲 耶 16 7 24 17 8 26 10 108 15.4
雛 子 16 17 22 13 19 13 9 109 15.6
鞠 絵 17 11 10 8 4 9 13 72 10.3
白 雪 37 28 16 20 25 19 22 167 23.9
鈴 凛 25 23 18 17 5 8 8 104 14.9
千 影 0 0 0 0 0 2 0 2 0.3
春 歌 12 14 23 6 21 15 27 118 16.9
四 葉 9 16 15 9 17 5 26 97 13.9
亞里亞 25 14 11 19 17 23 13 122 17.4
全 妹 96.5
千影を除くと105.2

 右のグラフを作成した美森勇気氏による註釈を引用(グラフも当該日記より):
「グラフから見てもわかるように、千影にはハートが少なく(他の11人に対して危険率1%で有意に少ない)、また白雪は多い(亞里亞以外に対して危険率5%で有意)。他のキャラクター間には、有意差は認められない。」

(4)ダブル三点リーダ数(「……」で1個)

名前/話 合計 平均 1行あたり
可 憐 98 62 54 83 90 74 65 526 75.1 .698
花 穂 49 74 66 66 103 83 65 506 72.3 .704
75 96 103 77 99 76 112 638 91.1 .851
咲 耶 108 101 108 87 76 75 106 661 94.4 .867
雛 子 51 39 63 71 78 61 29 392 56.0 .523
鞠 絵 113 109 90 90 95 120 88 705 100.7 .991
白 雪 95 71 87 108 87 102 111 661 94.4 .819
鈴 凛 112 89 88 93 105 91 118 696 99.4 .937
千 影 375 361 318 262 331 279 338 2264 323.4 3.127
春 歌 100 84 107 77 72 96 99 539 77.0 .680
四 葉 108 78 81 87 83 70 77 584 83.4 .751
亞里亞 78 97 86 74 98 89 100 622 88.9 .882
全 妹

 千影の「…………」は2個分として数えた(半分にすると合計約1132)。千影の圧勝については語るまでもないが、他の妹達の巻でも相当数の三点リーダが用いられており、本文1〜2行あたりに1回は登場することに注意したい。これは後述する兄呼値よりも多い。
 この三点リーダの意味については、
(a)口調(とくに千影)
(b)内面性、自分のありかたに悩んでいる度合い
(c)恥ずかしさや嬉しさを示す乙女心の強さ
 などがあり、数の多寡にもそれらが複合的に影響している。例えば最少(392)の雛子は幼児ゆえの真っ直ぐさで言葉に感情のタメがなく、また内省的な描写がほとんどない。一方、鞠絵はためらいがちな口調や行動、内省的独白などによって、三点リーダの数が多い。春歌の場合は、妄想や乙女心による増加分が、明朗な性格や口調ゆえのタメのなさによる減少分に越されている。

(5−1)兄呼数(副題込み)

名前/話 合計 平均 行数と兄呼数の相関
可 憐 47 41 46 53 49 53 32 321 45.9
花 穂 19 37 14 25 28 9 25 157 22.4
28 19 47 11 43 27 21 196 28.0
咲 耶 55 11 57 45 36 30 40 274 39.1
雛 子 42 26 42 28 29 36 30 233 33.3
鞠 絵 30 18 28 15 11 40 39 181 25.9
白 雪 39 50 17 15 13 38 42 214 30.6
鈴 凛 23 29 28 23 16 26 26 171 24.4
千 影 41 40 38 14 16 14 27 190 27.1
春 歌 23 25 36 12 38 26 50 210 30.0
四 葉 46 41 42 40 32 23 39 263 37.6
亞里亞 32 20 6 5 16 19 65 163 23.3
全 妹 2573 30.6

 右のグラフを作成した美森勇気氏による日記での註釈を引用(グラフも当該日記より):
「行数と「兄」呼称の間にどの程度の相関があるのかを調べたところ、相関係数は0.285となり、強い相関が見られなかった。」

(5−2)1行あたりの兄呼数

名前/話 平均 1行あたりの兄呼数とばらつき具合
可 憐 .385 .383 .434 .530 .480 .541 .269 .426
花 穂 .194 .378 .132 .250 .235 .094 .245 .218
.257 .188 .427 .108 .358 .276 .191 .261
咲 耶 .444 .095 .471 .437 .367 .294 .408 .360
雛 子 .372 .243 .396 .283 .257 .333 .291 .311
鞠 絵 .270 .171 .301 .147 .108 .417 .433 .259
白 雪 .322 .424 .145 .139 .112 .342 .362 .265
鈴 凛 .192 .254 .246 .232 .158 .274 .260 .230
千 影 .373 .325 .369 .151 .174 .130 .284 .262
春 歌 .200 .210 .310 .102 .362 .236 .455 .265
四 葉 .404 .360 .396 .354 .271 .235 .339 .338
亞里亞 .288 .227 .066 .049 .150 .190 .619 .231
全 妹 .286

 右のグラフを作成した美森勇気氏による日記での註釈を引用(グラフも当該日記より):
「可憐の文章中に極めて「兄」を示す文字列が多く(花穂、鈴凛、亞里亞に対して危険率1%、衛、鞠絵、千影、白雪、春歌に対して危険率5%でそれぞれ有意に多い)、咲耶がこれに続く(花穂に対して危険率5%で有意に多い)。ただし、花穂の兄の呼称は「お兄チャマ」と5文字であり、咲耶のそれ(お兄様)が3文字であることと比較すると若干小さな値となる可能性は否定できない。一方、可憐の場合には「お兄ちゃん」と5文字であり、文字数を補正すればさらに他の妹との差が開くのは明らかである。」

(5−3)兄呼値(何行に1回「兄」を呼ぶか。(5−2)の逆数。)

名前/話 平均
可 憐 2.60 2.61 2.30 1.89 2.08 1.85 3.72 2.35
花 穂 5.16 2.65 7.57 4.00 4.25 10.67 4.08 4.58
3.89 5.32 2.34 9.27 2.79 3.63 5.24 3.83
咲 耶 2.25 10.55 2.12 2.29 2.72 3.40 2.45 2.78
雛 子 2.69 4.12 2.52 3.54 3.90 3.00 3.43 3.22
鞠 絵 3.70 5.83 3.32 6.80 9.27 2.40 2.31 3.86
白 雪 3.10 2.36 6.88 7.20 8.92 2.92 2.76 3.77
鈴 凛 5.22 3.93 4.07 4.30 6.31 3.65 3.85 4.35
千 影 2.68 3.08 2.71 6.64 5.75 7.71 3.52 3.81
春 歌 5.00 4.76 3.22 9.83 2.76 4.23 2.20 3.78
四 葉 2.48 2.78 2.52 2.83 3.69 4.26 2.95 2.96
亞里亞 3.47 4.40 15.17 20.60 6.69 5.26 1.62 4.33
全 妹 3.49

 例えば兄呼値2.00というのは、66字に1回「兄」を呼ぶということであり、400字詰原稿用紙なら約6回となる。
 事前予想では、兄が登場しない話・兄が最後にのみ登場する話・第三者介入話では兄呼値が悪く、デート・お泊まりでは値が良い、というものだった。
 しかし、とくに可憐第4話では、ピアノ演奏会に兄がなかなか来ないことへの不安が、逆に凄まじい勢いの兄呼値(1.89)を生んでおり、お泊まりの第6話(1.85)に迫っている。他の妹に比べて圧倒的に兄呼値が高い可憐だが、いるはずの兄がいない状況での兄希求度がいかに強いかが分かる。しかもこれが雛子の迷子話(第6話、3.00)さえ越えていることに注目したい。
 花穂は、可憐と対照的に、遠くの兄をピンポイントで想う話や回想話が多い。値が悪いのはお泊まり話がないためでもある。唯一高い第2話はチア話。第6話(子猫の話)は兄呼値が悪いにもかかわらず、子猫と自分を乳児期の自分と兄になぞらえることで、重要な視点を与える。
 衛は、値が良いときには兄のそば、悪いときは兄不在という分かりやすさ。第4話は自転車が届いた話だが、ここで衛はツーリングの爽快感によって不安を吹き飛ばしていることに注意。
 咲耶は、第2話「ホーリーウェディング」(リピュアBパートのあれ)だけが突出して悪く、あとは可憐に劣らず。可憐ほど兄と直接会っていないにもかかわらず、内省的独白が全て兄関連なのがその原因。花穂の場合は、兄以外の第三者との会話で兄が想起されない箇所が多いのだが、これとも対照的。
 雛子は、第三者(母、ライオン、カエルなど)が登場すると値が若干悪くなるものの、兄登場話が多いため、結果的に平均値は良い。「おにいたま」が5文字であることを考えれば立派。
 鞠絵は、兄ピンポイント登場による悪値話と、とくに第6・7話のデートをめぐる良値話の差が大きい。それでも後でみる亞里亞より差が小さいのは、鞠絵ならではの想いの深さか。
 白雪は、第3話(ミナコ)・第4話(カズくん)・第5話(マダム・ピッコリ)と第三者話が続くため、それらの悪値話で平均値が悪化しているが、それらを除くと可憐・咲耶に十分追随できる。
 鈴凛は、導入・紹介話である第1話で小森さんが登場するという意外性。しかも第3話(パーツ買い)・第4話(幽霊話)のデートでさえ、他の妹並みの良値にならない。彼女らしい兄との距離を指し示す。
 千影は、第4話(前世)・第6話(球)の過去話と、第5話(キューピッド)の第三者話の値が良いという普通の傾向。残りの話は可憐達に次ぐが、「……」がやたら多いことを考えると相当良い。
 春歌は、第1話(桂子)・第2話(麹町)の第三者話や第4話の過去話で平均値を悪化させている。第6話(七夕)も悪いのが意外だが、これは「催涙雨」説明などのため。それ以外は順当。
 四葉は、全編兄チェキにより平均値が第3位。ただし第5話(夢遊病)での状況説明や第6話(英国)の過去話のため、やや悪化した。それでも第6話は過去話としては良好(4.26)。
 亞里亞は、第3話(サーカス)・第4話(音楽)の第三者話できわめて兄呼値が悪い一方、兄お泊まりの第7話では全妹最良値(1.62)。目の前の状況を受け止めるのに精一杯な日常は、いざ兄を迎えたときの精一杯のまなざしと連続している。


2.内容上の項目

(1)副題一覧

可憐(第1巻)
1.兄妹だっていいんだもん!
2.愛の記念写真を撮ろう
3.お兄ちゃんとおつかい
4.ピアノ発表会
5.パフェ大好き!
6.お兄ちゃんと2人の夜は……
7.可憐ちゃんとロケットの秘密
雛子(第5巻)
1.しゅるしゅるパーン!
2.いじわるライオン
3.おにいたまとひみつ基地
4.ピヨちゃんと雨降りカエル
5.お手伝いをしよう
6.ヒナ泣かないモン!
7.元気の歌
千影(第9巻)
1.金色の果実
2.2人の千影
3.サキュバスの誘い
4.闇の光り
5.千の傷あと
6.小さい王様と3つの願い
7.キミを手に入れる薬
花穂(第2巻)
1.お兄ちゃんともみの木
2.あこがれのセンパイ
3.太っちゃったかも!
4.お習字の思い出
5.ピッカピカの赤い靴
6.子猫の赤ちゃん
7.星の降る夜
鞠絵(第6巻)
1.遙かなあなたへ
2.お天気のいい日は……
3.命のお守り
4.遠い日の約束
5.ひばりちゃん
6.もうダメなの?
7.いつまでも2人で
春歌(第10巻)
1.お手柔らかに
2.鬼退治ですわっ!
3.むらさきの君
4.若草色のドレス
5.湯気の向こうに
6.揺れる想いを短冊に……
7.お灸をすえてさしあげます
衛(第3巻)
1.あにぃとスノボの夢
2.衛ちゃんの身体検査
3.洞窟探検へレッツゴー
4.自転車がやってきた!
5.2人でショッピング?
6.キャンプへ行こう!
7.サッカーをやるときは……
白雪(第7巻)
1.やさしく教えて!
2.デートはびしょぬれ
3.シュークリーム勝負!
4.ママになれるかな?
5.マダムの訓え
6.こんな格好でいいかしら
7.スノウホワイト
四葉(第11巻)
1.壊れたユニコーン
2.犯人はこの部屋にいマス!
3.出生の秘密を探れ
4.見えない手紙
5.ムユウビョウの四葉
6.ビッグベンの下で
7.流された三角
咲耶(第4巻)
1.恋する季節
2.ホーリーウェディング
3.運命の山脈
4.愛の結晶
5.キレイを磨こう
6.温泉でのんびり?
7.消せない絆
鈴凛(第8巻)
1.レースのハンカチ
2.お掃除大好き!
3.不思議なパーツ
4.幽霊でガッポリ!
5.東風が吹いたら
6.料理長はどっち!?
7.もうひとつの未来
亞里亞(第12巻)
1.ちっちゃな黒雲
2.すっぱいのはキライ
3.サーカスが来た日
4.しからないで
5.連れていってね
6.お屋敷は大騒ぎ
7.亞里亞の王子様


(2)基本的構成

 各話を単純化して分類すると、例えば以下の通りとなる。

名前/話種 兄登場 兄不在 過 去
可 憐 6 - 1
花 穂 2 3 2
4 2 1
咲 耶 4 2 1
雛 子 7 - -
鞠 絵 5 1 1
白 雪 5 1 1
鈴 凛 4 1 2
千 影 5 - 2
春 歌 6 - 1
四 葉 6 - 1
亞里亞 5 1 1

 例えば咲耶は、兄が登場しない内省的な話が多い(兄登場話でも同じ傾向あり)。また、兄登場話でも、兄が最初から登場している話と、後半・末尾でようやく登場する話とで大きく異なる。
 さらに兄登場話のうち、兄の家を訪問するのは6人(花穂、咲耶、白雪、千影、春歌、四葉)。妹の家に兄が泊まるのは7人(可憐、咲耶、鈴凛、千影、春歌、四葉、亞里亞)。訪問のみなら追加4人(衛、雛子、鞠絵、白雪)。外泊が1人(衛キャンプ)。デート・買い物などは全員。
 ここで特筆すべきは花穂。兄が直接登場しない話が多く、その結果、「お兄ちゃまの笑顔が見える」(p.26)という花穂独特の想いのかたちが、いっそう際だっている。なお、花穂には兄が泊まる話はないが、第7話末尾でお泊まりへの展開が確定している。
 なお、宿泊(キャンプ含む)話での兄呼値は、亞里亞の1.62から四葉の3.69まで幅を持つが、総じて非常に良値である。

(3)独立した兄の台詞の数

 これは、文中に「(兄の台詞)」が挿入されるのではなく、行の頭から終わりまで「(兄の台詞)」のみが独立して記されている箇所をさす。
 例:第1巻第4話p.50 「か、可憐!遅くなってゴメンな……」
 このような箇所の数は、以下のように個人差が大きい。

名 前 箇     所
可 憐 1 p.50
花 穂 2 p.46, 85
4 p.38x3, 87
咲 耶 4 p.35, 38, 40, 62
雛 子 3 p.49, 50, 62
鞠 絵 6 p.36, 38, 48, 62, 74, 84
白 雪 6 p.15, 16, 23, 40, 87, 88
鈴 凛 19 p.12, 13, 39, 46x2, 47, 48x2, 50x2, 58, 63, 67, 69, 71, 74x2, 75, 86
千 影 14 p.10, 21x2, 22, 28, 36, 38, 39x2, 45, 62, 75, 81, 82
春 歌 6 p.15, 40x2, 55, 75, 82
四 葉 5 p.11, 27, 48, 52, 62
亞里亞 5 p.26, 39, 82, 83, 86

 これをもって兄との「距離」ととる場合、例えば咲耶の少なさなどが問題となる。だがこれは、次に見る内容構成と深く関わる事柄でもある。いずれにせよ、兄の台詞と妹の台詞を並べた対話体を多用することは、キャラコレ準拠枠から外れるものである。
 また、とくに文章形式としては、可憐の第5話が全編一貫して可憐の言葉のみで記されている。「 」なしで綴られる、兄への語りかけの嵐。デートにはしゃぐ妹の感情をそのまま示すのに有効な方法だろう。

(4)第三者

 二次創作で最も軽視しがちなのが、この「兄妹以外の存在」ではなかろうか。兄妹が他者からどう見られているのかを読者に示す第三者は、同時に、妹の想いを明確にしたり、兄が兄らしく振る舞う契機を与えたりする。

名前 登場する第三者
可 憐 父母、祖母、ピアノの先生、ゆかり、綾小路、級友女子
花 穂 母、竜崎先輩、チアの先生、みき、習字の先生
父母、真理子、保健の先生、級友男子
咲 耶 兄級友女子、コスメショップ店員
雛 子 母、花火屋、奈緒、デパート店員
鞠 絵 ミカエル、看護婦、ひばり、医者
白 雪 めぐみ、ミナコ、先生、保育園児、カズ、マダム・ピッコリ、級友女子
鈴 凛 小森、母、ジャンク屋、ジジ
千 影 小さな悪魔、翼ある存在、キューピッド、小さな王様
春 歌 桂子、老師、麹町、祖父母、ドイツ少年
四 葉 兄学校関係者、英国寮母
亞里亞 じいや、音楽教師、庭師

 いかに父母が登場しないかに改めて驚く。また、ほとんどの場合、兄妹関係に相対的な視点を与える(あるいは危機をもたらす)存在がいることに注意したい。


3.暫定的な準拠枠組みの例

 以上を踏まえて、さしあたってのキャラクターコレクション準拠枠を例示する。各話共通フォーマットは、1ページあたり33字×15行で8-9ページ。なお、下記の兄呼値は未だ適当。全体としては2.5-4.5程度となる。

第1話:導入。妹の自己紹介、その長所・短所の明確化。兄呼値:2-4。
第2話:妹の特徴に由来する騒動。軽めのデートにもなる。兄呼値:3-5。
第3話:第三者の介入。最後に兄が登場して落着。兄呼値:5以上。
第4話:過去の逸話。そのときと今とを結ぶ兄との絆。兄呼値:4-7。
第5話:「お兄ちゃんの日」。兄との外出。兄呼値:2-5。
第6話:兄のお泊まり。兄との距離。兄呼値:1.5-3.7。
第7話:兄不在話。兄妹の未来へ向けての不安と希望。兄呼値:4以上。


終わりに

 本考察は作成途中であり、内容は適宜変更される可能性がある。



(2004年1月20日公開 くるぶしあんよ著)

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