『アニメシスタープリンセス』は、航達が兄妹となる物語でした。
『シスタープリンセス Re Pure』は、兄妹の日々の幸せを綴る物語でした。
そして、これから始まるのは、そんな兄妹に導かれていく一人の少女の物語なのです。





『シスタープリンセス Wake Up !!』は、『シスタープリンセス Re Pure』と同じく、
ストーリーズパート(Aパート)とキャラクターズパート(Bパート)から構成されます。



<各パート概要>
ストーリーズパート (Aパート) キャラクターズパート (Bパート)
あれから半年、秋のプロミストアイランド。航達の陰で、独りぼっちで生きる少女、玲香。
そんな彼女のもとに、いきなり、兄を名乗る見知らぬ者からのメールが送られてきた。
衝撃、反発、葛藤、煩悶、そして胸の奥に閉ざされた、ひそやかな希望。
航達兄妹との交わりは、そんな玲香の心を次第に融かしていく…。
新たな兄妹の絆が結ばれていく姿を、妹の視点から描くアニメ版オリジナルストーリー。
『シスタープリンセス Re Pure』に引き続き、
各妹のキャラクターコレクションから1話を選び出して、
一人称で綴られる彼女達一人一人の繊細な姿を、
各妹のイメージに合わせた音楽・歌とともに、
原作に忠実に、そして詩情豊かに描く。



<ストーリーズパート主題歌>
オープニングテーマ 「きざし」 エンディングテーマ 「せつな」
独りの夜にくるまれて 眠っていた昨日まで
胸の奥の傷も涙も 凍らせてしまえばいい だけど
かすかな光もまぶしくて 温もりに傷ついて
構わないでと背を向けても もう戻れないと気づいてた
空がささやく (Wake up !!) まぶたを開けて
海が微笑む (Wake up !!) 扉を開けて
通いなれたこの坂道を 駆けあがり息弾ませる
今日は違う風の色に さりげなくそっと手をふるの
強がりに頬を染めて見つめれば 瞳の中にWake up !!
いつかかなう そう信じてた
いつか会える はるかな明日
そんな夢に もう 別れを告げて
この一瞬を 抱きしめていたい
だから いま ここにいて
指をそっと からませて
いつか忘れた 微笑みを
思い出せるの その時には



<ストーリーズパート登場人物設定>
主要登場人物 設 定  (舞台はプロミストアイランド)
 野神 玲香 (のがみ れいか) 
勝ち気で冷徹な委員長タイプの眼鏡っ子。ややつり目できつい印象。独り暮らしの奨学生、高1。
実は面倒見がいいが、口が悪いので誤解されることを気に病む。そのうえ意外に涙もろい。
父親を早くに亡くし、母親も昨年病没。高校卒業後は島の大学進学か島内で就職かする予定。
将来の雇い主になる海神家の兄妹を羨み、自分の兄の存在を知ってからは反発する。
ただし同級生の咲耶とは仲が良く、正直に心を打ち明けあえる間柄。

(左のサムネイルをクリックすると、大きいグラフィックが見られます。)
 滝神 昇 (たきがみ のぼる) 
旧姓は野神。玲香の兄。幼い頃、主家の滝神家に養子に出された。
後に滝神家は野神家に経営上の罪を着せて切捨て、昇はそのまま後継者の道に入った。
苦労をそれと見せないほどおっとりかつ優秀だが、異性とのコミュニケーションにはやや不慣れ。
妹の存在を以前から知っており、島の外で一度だけ正体を内緒にして幼い妹と会ったことがある。
今回、ようやくつきとめたメールアドレスに唐突に連絡を送る。最終回で初めて姿を見せる。

(左のサムネイルをクリックすると、大きいグラフィックが見られます。)
 海神 航 (みなかみ わたる) 『アニメシスタープリンセス』の主人公だったが、本作品では脇役として登場。
あの頃に比べると、立ち振る舞いがやや格好よくなっている。
滝神家は、海神家や山神家に対抗して最近勢力を伸ばしてきた資産家一族。
航はこの事情をよく分かっていないが、島のために尽くしてくれた者達やその子女には、
せめてできるだけのお礼をしたいと考えており、燦緒・昇と連絡をとっている。
 海神家の妹達  12人全員、星見が丘西学園に在学中。学年は、高2:可憐、高1:咲耶・千影、
中3:白雪・鈴凛・春歌、中2:鞠絵・四葉、中1:衛、小5:花穂、小3:亞里亞、小1:雛子。
咲耶と千影は玲香の同級生であり、とくに咲耶は玲香と親しくたびたび登場する。
 ミカエル 本作品でも健在。犬が苦手な玲香には嫌がられるが、かまわずじゃれつく。
 山神 燦緒 ・ 眞深美
 (やまがみ あきお・まみみ)
前作最終話以来、島に住んでいる兄妹。昇が滝神家から離れることが山神家に利益となるのに加えて、
昇・玲香兄妹の仲を結んでやりたいという感情的な理由から、航と連絡を取り合いつつ島の外でも動く。
航の人の良さにも、結局彼を手伝ってしまっている自分達にも、やや呆れながら楽しんでいる。
 じいや 海神家の老執事。本作品でも様々な役割を演じるが、玲香達に直接干渉はしない。
 山田 太郎 (やまだ たろう)
毎回、ちらっとだけ登場する。



<全13話 各話内容>
話数  ストーリーズパートサブタイトル  キャラクターズパートサブタイトル 放 映 日
ス ト ー リ ー ズ パ ー ト 内 容
第1話 「兄妹なんて」  可憐 「兄妹だっていいんだもん!」 10/2
 親友の咲耶が今日も航の話ばかりするのに苦笑しつつ、玲香は今月の家計に思い悩む。賑やかな航達を横目に、買物を済ませて学寮の寂しい自室に帰り、父親の遺影とまだ新しい母親の遺影に「ただいま」と語りかける。孤独な夕食にふと涙ぐむ自分を叱っていると、メールが1通着信する。それは自分の知らない生き別れの兄を名乗る者からの挨拶だった。イタズラかと思ったものの、病床の母が「昇」と呟いていたことを思い出して消すに消せない。翌日彼女の様子がおかしいのに気づいた咲耶に相談し、その知恵を借りて自室から二人でメールの差出人の素性をただそうとした結果、相手が確かに家族でしか知りえない記憶を持っていることを認めるほかなくなる。他人事ながら喜ぶ咲耶の横で、しかし玲香は、両親の、そして自分の苦労を分かち合うことのなかった兄を今更受け入れることなどできずに、冷たく突き放した返信を送る。心配する咲耶につい「兄妹なんて」と語気を荒げてしまいすぐに詫びるが、親友の気遣いに応えられずにただうつむく。咲耶は「信じてあげてね」とだけ伝えて部屋を去る。翌日はいつも通りの咲耶に感謝し、放課後の帰り道には賑やかな航達の姿に胸を痛めつつ、玲香は自室に戻る。何件もの受信を確認するが開くことなく、しかしいっそ接続コードを外そうとするものの果たせず、煩悶のままにベッドに横たわった。
第2話 「チェキする気持ち」  衛 「衛ちゃんの身体検査」 10/9
 兄から届くメールを読む気になれないまま、玲香は中途半端な気持ちで無視し続ける。学園では四葉が航をチェキするあまり、高等部に入り込んで少々の校則違反を重ねてしまう。これに耐えかねた玲香はしつこい迷惑行為だと非難し、四葉を落ち込ませる。咲耶は四葉のことだから心配ない、航に任せておけば大丈夫と言ってくれるものの、玲香もやや気が塞ぎ、帰宅ついでの買物途中で公園に佇む四葉を見つけ、つい見過ごせずに声をかける。言い過ぎたと詫びる玲香に、四葉は自分の方こそと誤りながら、航が好きだからチェキするのに、もしチェキすることで航に嫌われてしまったらと考え始めたとたん怖くて何もできなくなったとべそをかく。そこに現れた航の、四葉のことが大切だから何を悲しんでいるのか知りたい、という言葉に、四葉は初めて航が自分のことをチェキしてくれた喜びにはしゃいで胸に飛び込む。半ば呆れながら帰宅した玲香は、兄からのメールを開こうかさんざんためらった末にようやく思い立ち、一通り読んでみてから何と返事したものか再び迷い、結局「読了」と一言だけ返信することにする。送信ボタンを押しながら「…チェキ」と何となく呟いた玲香は、あまりの恥ずかしさに頭を抱えた。
第3話 「メロディは遠い空へ」  雛子 「しゅるしゅるパーン!」 10/16
 中学の頃まで習っていたピアノ演奏の腕前を音楽教師に認められた玲香は、コンクール参加を薦められるが、母親を思い起こすため興味ない態度をとる。だが可憐が出ることを知り、何とはなしの対抗意識から参加することに。放課後に音楽室で練習中、可憐が現れてピアノ使用の順番を待つ。わざと演奏を止めない玲香の技を、可憐は素直に褒める。苛立った玲香は、嫌味なのかそれとも勝とうという欲がないのかと問うが、可憐は勝ち負けよりも航に聴いてもらえるのが嬉しいと答え、玲香を辟易させる。コンクール当日の朝、穏やかでない心のまま緊張する玲香は、兄からの「落ち着いて」というメールに激昂のあまり熱演。技は未熟なれどかつての日々を胸に抱いての演奏で審査員特別賞を獲得するものの、準優勝の可憐が航達に囲まれて微笑むのを横目に、玲香は独り帰路に着く。自室に戻り、賞状を遺影に供えた後、言い訳しながら兄に「特別賞だった」と一言だけ送信。ベッドに寝転んだ瞬間、「おめでとう。でも、聞きたかったな。玲香の演奏を」とすかさず返信が届く。あまりの早さに驚きながらその文面を見た途端、亡き両親とこの姿も知らぬ兄に囲まれて演奏する自分を想像して涙が浮かんだのを、玲香は慌てて拭き取った。
第4話 「心からの、がんばれ!」  亞里亞 「亞里亞の王子様」 10/23
 合同体育祭を控えて、実行委員の玲香は応援部門の総括補助を山田とともに任されるが、応援する行為が他人の身勝手な自己満足だと割り切る彼女には義務的作業にすぎない。メールで知る兄の仕事の話も、人は人、自分のことでこっちも手一杯、とそのまま読み流していた。そんな多忙な中、実行委員室に初等部チアの報告に来た花穂は、おどおどしたりミスを連発したりで満足に役目を果たせず、玲香に呆れられてしまう。チア部参加リストにその花穂の名が、どういうわけか初等部副リーダーとして記載されていることに気づいた玲香は、チア部派遣の竜崎にそれとなく変更を示唆するが、竜崎はやんわり拒絶し、当日をみていてください、と微笑する。体育祭当日、バトンさばきも鮮やかに航を応援する花穂の躍動的な姿と熱意は日頃からは想像もできないほどで、チア部員を発奮させて見事な応援合戦を演出し、体育祭の盛り上がりに大きく貢献した。竜崎の語る「技術以上の心の力」を体現した花穂に玲香は驚き、その声援に応えようと頑張る航の姿に見入った。片づけを終えて帰宅後、いつものように読み流すメールで兄の仕事が厳しい状況にあることを知り、玲香は初めて「がんばれ」と返信し、台所に立って夕飯の仕度をしながら、何となくおたまをクルリと回してみた。
第5話 「定めの向こうに…」  花穂 「星の降る夜」 10/30
 現実的な玲香は占いや運命といった類を信じない。しかし昼休みに校舎の屋上で千影と出会った時、千影は玲香に不吉な予言を伝える。最初は笑い飛ばしたものの、玲香は小さな事故に見舞われ続け、苛立ちつつ不気味に思い始める。偶然にも兄まで怪我を負ったことを知り、もしや千影が不幸を呼び寄せたのではと想像し、その荒唐無稽な考えを持て余しながら、魔法ショップなどを調査する。そのさい千影に背後に立たれて驚き転倒し、さらに疑心暗鬼となった玲香は、千影の独り言から情報を得て夜中の湖畔を訪れる。「幾重にもなる影が汝らを覆い尽くし…」と呪句を唱える姿に玲香は飛びかかろうとして、鈴凛のゴーストカミング1号が発した轟音に卒倒しかける。儀式を邪魔された千影の視線に玲香は「運命なんかに決めさせない」とにらみ返し、千影は、「君達は守られているよ…」とだけ呟き微笑む。慌てて自室に戻った玲香は兄に占いの話を振ると、兄から玲香が昔その手の話を怖がっていたと指摘されて驚く。兄が素性を隠してごく幼い自分と遊んだことがあると知り、玲香は反発を覚えて「自分の覚えていない過去にも予言された未来にも縛られない、運命は自分の手で掴む」と返信する。その後届いた兄からの詫びのメールには、先日の怪我のおかげで交通事故を免れたらしい、と付け加えられていた。
第6話 「女ですもの」  鈴凛 「料理長はどっち!?」 11/6
 鼻緒を切った春歌をたまたま助けてやった縁で、玲香はお茶の席に半ば無理矢理に招かれる。春歌に着物を用意してもらったものの、どうにも不慣れで茶室でも粗相を繰り返す。さらに春歌の妄想にもあてられて、とうとう鬱憤が爆発した玲香は、風流もわびさびも自分には無縁であり、そもそも春歌が言う「女らしさ」とは男に都合のいい従順な女性を作るだけ、と話を飛躍させつつ難詰する。呆気に取られる春歌を置いて玲香は立ち去るが、落ちついてみれば身勝手な物言いのうえ、着物を返し忘れていて困り果てる。やむなくうつむき加減で道場に出向くと、ちょうど春歌が成人男子のライバルに弓術で決闘を挑んでいる場面に遭遇する。ライバルが姑息な策略で優位を得ようとするのに対して、春歌は航の頭上に置いたリンゴを見事に射当て、ライバルの意気を挫いて印象的な勝利をものにする。顔面蒼白ながら妹を信じきった航と、それに自信をもって応えた春歌の凛とした強さ、そして航を介抱するたおやかな振る舞いに、玲香は驚嘆する。帰宅後兄からのメールに返信するさい、玲香は春歌から貰った扇子を開け閉めしながら、何となく文章の末尾に「かしこ」と記し、小首を傾げてみるのだった。
第7話 「伝えたい悲しみ」  千影 「闇の光り」 11/13
 図書室の常連同士の玲香と鞠絵は、とある放課後に偶然会話する機会を得、意外に文学趣味が一致し、それ以来しばしば歓談する間柄になる。その後の休日に街中で航と鞠絵に出会った玲香は、鞠絵の顔色の悪さが気になる。軽い会話をして別れた直後に鞠絵が倒れ、その光景に母親の姿が重なり玲香は自失する。航の叫ぶ声に我に返り、軽い貧血らしい鞠絵を一緒に運ぶさい、鞠絵の懐から落ちかけた貝殻を無意識に自分のポケットにしまう。翌日、鞠絵があの後小雨が降り始める中なぜか外に出ようとして体調をさらに崩したと咲耶から聞き出し、玲香は怒りのあまり、買い物途中で出くわした航を難詰しようとするが、その航が学校を休んで鞠絵の大切な貝殻を探していることを知る。昨日のことを思い出した玲香は自室から私服ポケット中の貝殻を掴み取って雨中を駆け戻り、ごめんなさい、と叫んで航に差し出すと、泥まみれの航は心から喜んで玲香を連れてウェルカムハウスに戻り、病床の鞠絵に貝殻を渡す。鞠絵は安堵して航と玲香に感謝するが、玲香にはその笑顔が辛く、着替えやお茶の誘いを固辞して駆け去る。風邪に注意して、という兄からのメールに、玲香は母親が倒れた時のことを闇雲に綴って送信する。それは、初めて感情のままに記したメールだった。
第8話 「いっぱいお話したいの」  四葉 「流された三角」 11/20
 前回、感情的な部分を見せてしまった玲香は、気まずくてメールに眼を通せずにいる。下校途中の回り道、公園に立ち寄ると、林の中に柔らかな光が現れ空に昇るのを目にする。その下には亞里亞と千影の祈るような姿があり、玲香がふと近づくのに気づいた千影は、亞里亞を家まで送り届けてくれるよう勝手に頼んで立ち去ってしまう。普段のつかみ所なくも元気な姿の亞里亞を知っている玲香は、亞里亞の「…くすん」が気になり話を聞くと、遊び相手だった小鳥が死んでしまい、千影に助けを求めたが「天に召される魂を引き留めることはできない」と言われ、2人で公園にお墓を作ってあげた、もう小鳥と遊んだり歌ったりできないと分かった、だから千影が「会える時に、たくさん会っておきなさい。お話しできる時に、たくさんお話しておきなさい。それができる時間はとても短くて、でもかけがえのない宝物なんだよ…。」と言った通りにする、と答える。亞里亞はさらに、「玲香ちゃんは…いっぱい兄やとお話ししている…?」と唐突に尋ね、玲香の胸を突くが、家の近くで花壇の補修中の航を見つけて走り出し、しゃがんだ航の首にきゅっ、と抱きついて、兄やといっぱいお話ししたい、と甘える。付き添いの礼をして航は亞里亞を離れへ運び、その2人の後ろ姿を見つめる玲香の横に、いつの間にか千影が佇んでいる。「素直な魂…そう、思わないかい…?」と呟く千影は、訝しむ玲香に「時間は…無限じゃない…。」と妖しく微笑む。自宅に戻った玲香は焦燥感にとらわれ、未読のメールを一気に読了してさらに「もっと、聞かせて」とメールを出すのだった。
第9話 「お願いします、コーチ!」  春歌 「むらさきの君」 11/27
 晩秋の球技大会で航と組んでテニスのダブルスに出場することになった衛は、なんとしてもいい結果を出そうと力み、玲香が中学時代テニス部の部長だったことを知ってコーチをお願いする。咲耶の頼みもあってパフェを駄賃に引き受けるが、基本はともかく連携が如何ともしがたい。徒労感漂いつつも、衛の一生懸命さだけは認めた玲香は、ある日の放課後、燦緒のショットを顔面に受けて無様に倒れている航を発見する。衛の練習相手になれないのが悔しくてこっそり練習していたと照れながら語る航に、玲香は呆れて、いつまで別々にやってるつもりなの、と言ってしまい、その言葉がなぜか自分の胸に反響する。それを振り切るように玲香は航を衛の練習場所まで連行し、すぐさまペアを組ませてみると、お互いの癖を熟知しており思いの外に息が合う。厳しい叱咤と咲耶・玲香相手の実戦練習のおかげで、大会当日のテニスコートには、燦緒・眞深美ペアを辛くも破り、優勝トロフィーを掲げて航に抱きつく衛の姿があった。結果を伝えられた昇からの「こちらの指導もお願いしようかな、先生」というメールに、玲香は片眉をあげて「うるさい。 でも、パフェ7つなら応相談」と返信し、小さく微笑んだ。
第10話 「微笑んで、tnx(^o^)/~」  鞠絵 「ひばりちゃん」 12/4
 もしもの話でプレゼントについて尋ねる兄とのやりとりで、玲香は、否応なしに自立せざるをえなかった自分の生き方を軽んじられたと感じて傷つく。学校では鈴凛が金属探知機マイダス君3号で校庭を穴だらけにしてしまい、毎度のごとくその後始末を手伝う航になおも資金援助をお願いするのを見て、玲香は「甘えすぎるのもいいかげんにしなさいよ」と厳しく断じる。その翌朝、日直当番のため早めに登校すると、校庭補修作業中にオーバーヒートしたメカ鈴凛の姿を見つけ、鈴凛本人と間違えて驚き騒ぐ。メカ鈴凛の応急修理をしつつ詫びる鈴凛に、玲香は彼女が留学するという噂についてつい訊いてしまい、鈴凛は一瞬虚を突かれたものの、航への最後の贈り物となるはずのメカ鈴凛に託した想いを、冗談めかして話す。そこへプロトロボと一緒にスコップ片手に現れた航は、鈴凛の顔の油汚れをタオルで優しく拭きとってあげながら、メカ鈴凛を一緒に完成させよう、と微笑む。鈴凛の夢を知りつつ支える航と、夢のために不安を乗り越えようとする鈴凛の姿を見て、玲香は自分達を重ねつつ、鈴凛朝食のおすそわけの激辛カレーパンにむせる。放課後自室に戻った玲香は、ふとアルバムをひっくり返して兄の姿がどこにもないことに気づき、互いを結ぶ贈り物として、兄に「写真」と返信した。
第11話 「ないしょのしみつのごしょうたい」  白雪 「こんな格好でいいかしら?」 12/11
 放課後の買い物途中、木立の斜面を転げ落ちそうな雛子に気づいた玲香は、慌てて引っ張りあげて危ない所に近づかないよう叱る。翌日、泥で汚れた制服のクリーニング代を咲耶にきっちり請求した玲香は、同じ場所付近に懲りずにいる雛子を見つけ、今度はこっぴどく言い聞かせようとするが、雛子は玲香の手をとって、助けれくれたお礼にと木立の奥の「しみつ基地」に招待する。そこから眺める夕焼けと海の輝きに玲香は見とれ、雛子は玲香の笑顔を珍しがって喜ぶ。航と一緒に見るのが一番好き、大好きなものや楽しいことは航と一緒だともっとすっごくなる、と言う雛子は、その思い出話の合間に、玲香に兄がいるか尋ねる。雛子の子供らしさを微笑ましく思い、つい正直に、いる、でも遠くに、と答えた玲香に、雛子は、こんなきれいな夕焼けを一緒に見れたらいいね、と無邪気に笑う。不意に涙ぐむ玲香は顔を背け、ちょうどそこへ訪れた航と入れ違いに去っていく。帰宅後、兄からの「そちらに会いに行きたい」というメールに、玲香は何かを抑えるような表情で「来れば」と一言だけ返信し、ベッドに横になり、しばらくしてがばと跳ね起きると「私も会いたい」と再返信し、その送信画面をうつむいたまま見つめ、そしてクッションを抱えてベッドに身を投げた。
第12話 「笑顔がごちそう」  咲耶 「消せない絆」 12/18
 兄が島を訪れると決まったものの、どう迎えればいいのか分からず困り果てた玲香は、相談相手の咲耶の勧めで、ウェルカムハウスで白雪にお菓子作りを教わることになった。しかし普段の弁当とは勝手が違い、なぜかうまくいかないことに、玲香は苛立ち諦めかける。休憩のお茶を淹れつつ、白雪は、航が泥だんごを食べてくれた幼い頃の思い出を語り、喜んで食べてくれる人への想いがあれば大丈夫、と励ます。聞きながら洋酒入り菓子のゾンビーサバランをつまんだ玲香は、アルコールに弱いためやや酔っ払ってしまいつつ、自分のお菓子が泥団子みたいだと言ってるのかとからんで白雪を慌てさせるが、やがて二人して笑い出す。白雪のねばり強い指導と他の妹達の励ましのおかげで、ついに特製クッキーの作り方を伝授され、帰り道に道具を買いそろえて自室でもその練習に励む。だが、そこに受信したメールを兄からのものと思って開いた玲香は、それが兄のきょうだいを名乗る滝神家の者からの「財産目当てで今頃になって昇に取り入ろうとするなんて」という非難メールだということに気づき、声を失って皿を落とす。そのうちに今度は本当に兄から届いたメールを、玲香の震える指はもはや開くこともできず、電源を落として沈黙のうちにしゃがみこんだ。
第13話 「兄さんの日」 (A・Bパートあわせて) 12/25
A:オープニングテーマなし。
 メールが届かないよう接続コードを外し、玲香は昇のことを忘れようと必死に勉強に専念する。その沈鬱な姿を見かねた咲耶が励まそうとするが、玲香は逆上して咲耶を罵り、さらに昇までも非難しようとする。咲耶は「素直になりなさいよ」と玲香の頬を打ち、兄を信じるように、そして兄が玲香を想う気持ちと、玲香が兄を想う気持ちを踏みにじらないようにと訴えながら抱きしめる。
 兄が来島する予定の前日、島は前代未聞の吹雪に見舞われる。夜半、自室で膝を抱える玲香は、震える手を伸ばしてメールをつなぐ。そこには、しばらく蟄居させられていた兄から、養家を抜け出して約束通り島に明け方ごろ来るとの最後の通知が届いていた。しばらく呆然としていた玲香はやがて「…兄さん」と呟き、涙をぬぐい慌てて台所に向かうが、お菓子作りの材料や器具は全部捨ててしまっていた。急いで1丁目の商店街に走るも店は既に全て閉り、5丁目まで登って立ち往生するところを強風に倒されて力尽きかける。そこに現れた両親の幻影に手を伸ばしかけるが、突然背後に現れた千影が「君の兄はそっちにはいないよ…」と告げるのを聞き、その手を下ろす。両親の姿は娘を励ましつつ消え、千影は「運命を、自分の手で掴みたいのかい…?」と問い、玲香は決然と頷く。「呼び合う想いが…運命を紡ぐよ…」と呟き、ふっと笑う千影の背後に、鈴凛操るラッセル機関車が汽笛も高らかに吹雪を突き破り登場する。その後ろに繋げられたキッチントレーラーの中では、白雪がお菓子作りの準備を整え、エプロンを手にして待っていた。

B:約束の日の朝方まで何度も失敗しながら、ようやくクッキーが焼きあがる。風は止み雪が舞う中、坂道を下る機関車は途中で不調に陥るが、ちょうど衛と四葉が橇を持って登場し、玲香を乗せて全速力で滑走する。大木に激突する危機を春歌に救われつつ、何とか船着場までたどり着くと、そこには咲耶が待っていた。言葉も出ない玲香の髪を整え雪を払い、咲耶は「あとは笑顔、ね?」と微笑む。玲香がぎこちなく笑顔を返すと、ちょうど潮が引いて砂の道が開けていく。本土側に現れた人影がその道を駆けてくるのを見た玲香は、思わず目を逸らそうとして美しい朝焼けを目の当たりにし、逃げ出しかけた足を止めて人影に向き直る。その影が転んだのを見かねて、自分も砂の道に降りる。
 ウェルカムハウスの台所で可憐が歌う。庭で雪だるまを作る花穂、雛子、亞里亞が歌う。ミカエルと窓から外を眺める鞠絵が歌う。機関車の上で白雪と鈴凛が、木立の中で衛と春歌が、雪道で千影と四葉が、船着場の上で咲耶が歌う。はじまりを告げる歌が島を包み、マッキー像の上で黄色い麦藁帽子の少女が微笑む。玲香はやがて小走りに砂の道を進み、そして足を滑らせ、クッキーの袋を守ろうと身をかがめ、抱きとめようとした兄を下敷きに転倒する。
 自室から航が送信した「燦緒へ。」で始まる支援感謝のメールを、本土側岸の燦緒が受信する。「任務完了だ。それにしてもいいお節介だったな」と呟く燦緒に、横で歌のメロディを口ずさんでいた眞深美が「あたしはこういうの嫌いじゃないけどね」と応える。「別に嫌いと言ったわけじゃない」と返す燦緒に、眞深美はただにんまり笑い、もたれかかる。
 ようやく起き上がる玲香は、昇に手を貸して立ち上がらせる。その姿をチェキしようとデジカメを向ける四葉の声に、玲香は照れて手を離しそっぽを向きつつも、何とはなしに、昇の袖をつまんでみる。「ねえ…お腹すいてる?…そう、それじゃ…クッキーでも、食べとく…?」玲香が小さく呟く声。「…兄さんの分も、一応あるから…。」
 エンディングはオープニングテーマを背景に、キッチントレーラーの中で昇に寄り添い寝入ってしまった玲香の、やや眼鏡の下がった安らかな寝顔。最後の「Wake Up !!」の声で、ぼんやりと目を開け、きょとんとして、あどけなく微笑む。



<関連グッズ>


関連グッズには、このシリーズ共通ロゴが用いられます。
ストーリーズDVD vol.1 ストーリーズパート第1-4話収録。眞深フィギュア。
ストーリーズDVD vol.2 同第5-8話収録。初回特典は燦緒フィギュア。
ストーリーズDVD vol.3 同第9-12話収録。初回特典は航フィギュア。
ストーリーズDVD vol.4 同第13話、おまけ映像「それぞれの休日」収録。初回特典は玲香フィギュア。
キャラクターズDVD キャラクターズパート全話収録。初回特典はなぜか山田フィギュア。
デスクトップアクセサリ 人物・背景や絵コンテ等、設定資料も充実。
ゲームソフト
「シスタープリンセス Wake Up !!」
アニメ版ストーリーズパートをもとにしたアドヴェンチャーゲーム。
全話分シナリオをクリアすると、燦緒・眞深美の隠しシナリオが出現する。
さらに、これをクリアして得られるパスワードを入力することで、
昇が主人公の裏シナリオ(全話分)に入ることができる。
(左の画像をクリックすると、元サイズのゲーム起動画面サンプルが見られます。
ただし、実際の商品では仕様が変更される場合があります。)
完全ビジュアルブック ストーリーズ アニメ版ストーリーズパートの解説本。
ウェイクアップアラーム ロゴの外型をした、妹声アラームの目覚まし時計。全14種類。



<CM>

ジャージ姿の山田、眞深、じいや、皆井が週替わりでtryme.jpを踊る。
(シスプリ版CMパロディFlashは藍より名無し〜縁〜氏『Sister Princess Online』に)


<製作協力>

Gemmaさま(原案)、DTさま(設定・内容・シリーズロゴ・兄妹絵・ゲーム起動画面)、
かろやんさま(設定)、たけさま(内容)、Zoroさま(アニメタイトルロゴ)

皆様、ありがとうございます。


(2003年4月1日公開 くるぶしあんよ作)

『魔法のシスター マジカル☆ヒナ』も見る  etc.に戻る  topに戻る