某所にて。

らむだ:らむだです。
可 憐:可憐です。
あんよ:三波春夫でございます。
らむだ可憐えいっ
あんよ:ぐあっ
らむだ:だいじょぶ?
あんよ:お…思い切りどついといて大丈夫も何もあるか…。
らむだ:だって、この場合突っ込まないといけないから
あんよ:ものには加減というものがあります。
らむだ:やられるの分かってるんだから、台詞を変えればよかったのに
あんよ:いや、それは芸人魂が許さない。
らむだ:芸人かね
可 憐:「クレオパトラ」にしておけばよかったんじゃないかな。
あんよ:そんな『ラムネ&40』ネタなんて誰も分かりません。
らむだ:あんよもよぉやんなー
あんよ:そんなエンディングテーマもあったなぁ。
らむだ:死ぬまでやってて、くーんなー
あんよ:やかましい。
可 憐:わったっしっのパッピプペポ?
あんよ:欲しいです。
らむだ:駄目じゃん
あんよ:あんたに言われたくはない。
らむだ:あうー
あんよ:ところで、夏休み明けに再び海外に出て行ったはずのあんたがなぜここにいるのでしょう。
らむだ:その経緯が不明なままなんだけど
あんよ:誰も気にしないって。
らむだ:あうー
あんよ:なに、向こうでのお仕事終わったの?
らむだ:いや、まあ別の意味で終わってはいるけど
あんよ:お互い笑い事ではないなぁ
可 憐:お兄ちゃんは、あんよさんの心配をして来てくれたんですよ。
あんよ:え、まじっすか。
らむだ:まじ
あんよ:なんでまた。
らむだ:最近、シスプリ考察が更新されていないようだが
あんよ:ええ、ちょっと。
らむだ:どうしたのかね
あんよ:ここのところ、気鬱なもので…。
可 憐:見た目はいつもとあまり変わらないケド…。
らむだ:何かあったのかね
あんよ:とりたてて何もないです。
らむだ:まさか、りぴゅあにかまけすぎてアニメ版シスプリを忘れつつあるんじゃないのかね
あんよ:うぐ
らむだ:図星?
あんよ:いや、ちゃいます。かまけられるほど萌えてませんし。
らむだ:えー、君のような骨髄からのシスプリ人間が
あんよ:本当に。第1話冒頭の可憐の姿でも、あまりこうこみ上げるものがなくて。
らむだ:…枯れた?
あんよ:思えば、前作第1話の「お兄ちゃん」エコーではあんなに悶えられたのに。
らむだ:どうしたのかしら
あんよ:なんかね、「ああ、そうそう」って感じで素直に受け止められちゃって。
らむだ:期待通りだったということかな
あんよ:事前情報のせいでもないんですが、驚きがなかった。
可 憐:きっと、可憐のこと嫌いになったんだ…。
らむだ:だいじょぶ、ぼくがいるから
あんよ:あうー
らむだ:妹は一にして全
あんよ:訳分かりません。
らむだ:シスプリから心が離れているのではないのかね
あんよ:あうー、そんなことは
らむだ:つか、妙に構えて観ているのでは
あんよ:あー。
らむだ:考察のネタを探しながらとか、邪心があるような
あんよ:いや、どのみち考察の対象にはしないつもりなので。
らむだ:そこだっ
あんよ:うわ、何ですかいきなり。
らむだ:「考察の対象にしない」という言い方は、今作にその価値がないということをも主張している
あんよ:え、そんなことはないですよ。原作に忠実な部分が多いから、これはこれで。
らむだ:ほら、そこだ。「原作に忠実」なだけではアニメ版の独自性が見いだせない、そうだろう?
あんよ:あうー
らむだ:前作の考察を書き始めた時は、世評があまりに悪かった
らむだ:だからその独自性を検証して、アニメ版だけのよさを分かってもらおうとした

あんよ:はい。
らむだ:ところが、今度の作品はある程度原作準拠で、独自性を見いだすのが困難
あんよ:でも、前半はそれなりにオリジナルですが。
らむだ:ところが前作のような物語性は薄いので、かえってそれが不満となる
あんよ:うむむ
らむだ:つまり君は、今作に前作を投影して、物足りなく思っているわけだ
らむだ:しかもそれは、考察的にどうかという観点からのものだからたちが悪い

あんよ:え、どういうこと?
らむだ:考察とは、作品や登場人物そのものがこんなふうに好き、と語るためのものだったのだろ?
あんよ:はい。
らむだ:ところがいまや、「好き」かどうかではなく、検討できるかどうかで評価している
あんよ:あ、あうー
らむだ:いわば、萌えるのではなく解剖しているのだね、作品と妹達を
あんよ:いや、そんなつもりは
らむだ:日記の感想も、そんな感じがしますが
あんよ:うー、だって原作準拠と言いながら、あの前半はおかしいでしょう。
可 憐:可憐、そんなにおかしかったのカナ…。
らむだ:よしよし
あんよ:ぐはっ。いや、可憐さんのことじゃなくてね。
可 憐:でもやっぱり可憐、お兄ちゃんのことが大好き。
らむだ:うん
あんよ:…
らむだ:で、前半のどこがおかしいと?
あんよ:妹達の行動の端々とか、兄の振る舞いとか、時計などのガジェットが使われなさすぎとか。
らむだ:それで?
らむだ:それで君は萌える気力をなくしたとでも?

可 憐:お兄ちゃん?
らむだ:あ、だいじょぶ怒ってないから。
あんよ:なくしたというか、その。やはり不満が。
らむだ:馬鹿もん!
あんよ:あうー、怒ってるじゃないかー。
らむだ:君は前作の山田や眞深について世間でそう言われていた時、どう思いどう行動したのかね。
あんよ:…はっ…!
可 憐:お兄ちゃん、巨大化しないでくださいね。
あんよ:ああっ本当にでかくなってたのか。
らむだ:しおしおのぱー
可 憐:今度はちっちゃすぎますよ?
らむだ:あうー
可 憐:でも、ちっちゃいお兄ちゃんも可愛い。
あんよ:なんか、頭身かわってないか?
らむだ:待機中〜
可 憐:うわぁ。
あんよ:踊るな。
らむだ:つまりだね
あんよ:はい。
らむだ:君は前作で見返そうと思った人々と同じ事を、今作に対してしているだけなのです
あんよ:がーん
らむだ:だからといって、君が今回も考察を書かねばならないというわけではない
あんよ:う、うん。でも、この物足りなさをどうしたらいいのやら。
らむだ:前作の考察が完成して、もしまだ余力があったら今作のも書けばいい。
あんよ:完成したらかあ。
可 憐:しそうにないですケド。
らむだ:そだね
あんよ:ぐはっ
可 憐:あれだけ大きなことを言ってたのに。
あんよ:いたたたた
らむだ:調子にのるからこういうことになる
あんよ:あんたに言われたくはない。
らむだ:その気持ちは分かる
あんよ:…。
らむだ:でだ、もし今作の考察を書かない、あるいは書けないとしたら、その時は。
あんよ:そのときは、欲求不満をどうすればいいんですか。
らむだ:その欲求不満を楽しみたまえ。
あんよ:え?
らむだ:まさに汝をしてその欲求不満を楽しませしめよ。
あんよ:いや言い換えてもますます分からない。
らむだ:なかんずくすべからく
あんよ:いやもうそれはいいから。
らむだ:前作を鑑賞中、君はキャラの誰かに感情移入してた?
あんよ:ええと、航…いや違う、誰にもしてません。いやまてよ
らむだ:はっきりしなさい
あんよ:案外、山田には共感できたかも。妹達に囲まれて暮らす航への羨望。
らむだ:ぼくは可憐一人で幸せだけどね
可 憐:お兄ちゃん、嬉しい。
あんよ:…。
らむだ:今のその気分だね
あんよ:うるさいやーい。
らむだ:すると、今作を見ている気分はどんな?
あんよ:さっき言ったけど、
らむだ:いや、感情移入のこと
あんよ:誰にもできないなあ。山田みたいなのも登場しないし。
らむだ:そう、それがポイント。
あんよ:え?
らむだ:山田は画面のこちらにいるわけ
可 憐:ビデオドローム?
あんよ:ブラウン管から〜にょろっと手が出て〜
らむだ:どっちも違う。いいかい、君の立場が山田そのものなんだ

あんよ:え?すごい嫌なんですが…どういう意味?
らむだ:君は、今作のあのうさんくさい兄に嫉妬している
あんよ:ええと、はい。
らむだ:兄に感情移入できればまだしも、できないだけにその嫉妬はどんどん大きくなる
あんよ:まあ、そうですね。
らむだ:そして、妹達はそんな兄の方しか向こうとせず、こちらが完全に放置されているように感じる
あんよ:まあ、確かに放っとかれてる気分ですね…ああっ!?
らむだ:だから、妹達から無視され、「なんであいつがあんなに」とじたんだ踏む姿は、山田そのものなのだ
あんよ:がーん
らむだ:今こそ君に一人称「ボキ」を授けよう
あんよ:いらんです。
らむだ:いいからとっとけって
あんよ:いらんて。しかし、このことが欲求不満を楽しむこととどうつながるんだ?
らむだ:まだ分かんないのかこのボケ
あんよ:何だと
らむだ:いいか、原作キャラコレは妹の視点で兄への想いが描かれていた
あんよ:はい
らむだ:ゲーム版では兄の視点から特定の妹との交流が描かれていた
あんよ:はい
らむだ:アニメ版前作では兄が妹達との共同生活を作り上げていく姿が描かれていた
らむだ:ただしそこでは、最初の妹に興味のない航の視点でも、最終的にできあがった航の視点でも、
らむだ:彼らを支えるじいやの視点でも、ともかく色んな視点から楽しむことができた
あんよ:逆に言えば、それが全部中途半端でもあったわけですが。
らむだ:すると今作は、どうか
可 憐:後半は、妹の視点からってことだから、原作と同じだけど…。
あんよ:前半は、ええと、兄の視点でもなく、兄に違和感を覚える以上は妹の視点でもなく、
らむだ:つまり作品世界内には君の視点のおきどころはない
あんよ:うーん、そういうことになるか。
らむだ:ということは、君はあの世界から限りなく遠いところにおり、その手は妹達に届かない
あんよ:だから山田。って、ああー!
可 憐:わ、びっくり
らむだ:それキャラが違う
あんよ:ぴっかーん、分かったぞ!
らむだ:そんな昔の算数教育テレビ番組、誰も知りません
可 憐:アリスとテレス?
あんよ:たぶん違うような。いやそれはともかく、
らむだ:うん、分かったかね
あんよ:今作の視点は、望む妹に絶対に手の届かない妹萌え人のそれなのかっ。
あんよ:その羨望と嫉妬を真っ向から受け止め、それを味わいつくすことが真の目的だというのかっ。
らむだ:まあ目的なんて人それぞれだろうし、あの世界を肯定できる人はそれでいいと思うけど
可 憐:可憐、お兄ちゃんと結婚できる世界の方が…あ、ううん何でもないですよ。
あんよ:ぉ
らむだ:まあその話は後で
あんよ:なにー
らむだ:「あの兄はちょっと」と思う人は、だいたいそういう不本意な感情を抱いているんだろうから、
らむだ:その感情こそきっちりと面白いかたちに昇華すればいい
あんよ:要するに、「うわーあのやろー俺だって俺だって」と暴れればいい、と。
らむだ:ただ暴れるのは誰でもできるので、あくまで一つの芸として
可 憐:お兄ちゃんも暴れたいの?
らむだ:ぼくは可憐がいれば
あんよ:それはもういい。
可 憐:でも可憐、たまにはお兄ちゃんにやきもちやいてほしいカモ。
らむだ:うーん
あんよ:ぐは
可 憐:あ、ごめんなさい。へんなこと言って
らむだ:これ以上やきもちやいたら、軽水炉が誘爆しちゃうぞ?
あんよ:訳分からんこと言ってベタネタするのやめい。
らむだ:「暴走しちゃうぞ?」の方がよかったかな
あんよ:どうでもいいです。
らむだ:ま、今作についての観点はそういうわけ
あんよ:うーん
らむだ:納得いかないか
あんよ:説明は理解できたけれど、何か根本的におかしい気がする。
らむだ:どのへん?
あんよ:ええと、シスプリは本来、そういう「手の届かない」萌え人の願いをかなえるための作品なわけで、
らむだ:そいえばそうだね
あんよ:そのアニメ作品が、さらにそういう人達の心を渇かせるというのは、いかがなものかと。
らむだ:だから、その渇きを極限にまで突き詰めていくいい機会
あんよ:そうとも言えるが、それはどうなのかな…。
可 憐:そういうつらさは、後半で拭ってもらえるんじゃないかな?
らむだ:だとすれば、あの前後半という組み立ても理由があることになる
あんよ:えー
らむだ:前半で欲求不満を純化し、後半で癒される。ある意味、妹萌えを焼き冷まして鍛えているようなものだ
あんよ:妹萌えの鍛冶屋っ。
らむだ:しばしも休まず
可 憐:お兄ちゃん大好き
あんよ:ぐは
らむだ:少し休んだほうがいいよ
可 憐:お兄ちゃん、優しい。
らむだ:こうして君が現に鍛えられているように、今作は妹萌え人を強く逞しく鍛えようとするのだ
あんよ:う、ううなるほど…。でも、その厳しさに耐えられない場合はどうしたらいいんでしょう?
らむだ:知るか
あんよ:なにー!?
らむだ:耐えるも耐えないも当人の勝手だ。だいたいぼくには可憐がいるから何がどうだろうと関係ない
あんよ:こ、こいつ…。
らむだ:兄になりたい者には妹がおらず、妹がいる兄はろくでもない。これが一つの現実だ
あんよ:そ、それはまさにこの場で証明されてますが
らむだ:あうー
可 憐:可憐には、お兄ちゃんが一番ですよ?
あんよ:ああ、何でこんな奴に…。
らむだ:他人が気にくわない奴でも、その妹にとっては世界で最高の、唯一の兄だ
可 憐:うん
らむだ:その事実から目を逸らさずに、痛みに悶えて問え叫べ呪え泣け
あんよ:うわ
らむだ:その苦しみを生き抜いた者だけが、本物の妹萌えなのだ
らむだ:妹がいないこと、妹に声が届かないことを血の涙で胸に記し、
らむだ:そしてなお微笑んで妹に呼びかけその腕を優しく広げる者こそが、真の妹萌えなのだ
可 憐:お兄ちゃんがいつもしてくれてるみたいに?
あんよ:ぐは
らむだ:だから、今作をなめちゃあかんですよ。これは、シスプリファンの試金石なのです
あんよ:激しくだまされてる気がする…。
らむだ:なら反論してみよ
あんよ:要は、あんたは可憐さんがいるからいいけど、私は苦しめってことですか?
らむだ:そうともとれる
あんよ:このやろお
らむだ:これも君が妹萌え人として成長する機会だよ
あんよ:成長しなくてもいいから、妹がほしい…。
らむだ:欲しがってて得られるのなら誰も苦労はしない。自分で見いだすのだ
可 憐:お兄ちゃん、かっこいい。
らむだ:えへへ
あんよ:でも言っていることの中身は意味不明。
らむだ:あうー
あんよ:まあ、確かに自分のあり方を見失いかけていたことは分かった。
らむだ:それはよかった
あんよ:だが、あるべき道に戻れたかは不安。
可 憐:最初から間違ってたんだから、気にしなくていいんじゃないかな?
あんよ:ぐはあっ
らむだ:生きろ。
あんよ:いたたたた
らむだ:ぼくのサイトよりもカウンタ越えてるんだから、ちったしっかりしなさい
あんよ:え?あ、本当ですか。
らむだ:閉鎖しなければ負けることはなかったでしょうが。読んでくださる方々のためにも頑張りなさいな
あんよ:はい。
らむだ:では、景気づけにこれを授けよう
あんよ:一人称はのーさんきゅーですよ。
らむだ:いや、ぼくのサイトのトップを飾っていたものの一部分だ
あんよ:「今日の一言」?
らむだ:あれは楽しいけど更新きついのだ
あんよ:大変でしたね。
らむだ:君に授けるのは、これだっ
       
あんよ:こ…これは…!?
らむだ:かつてうちのトップタイトルに使っていた、12人分の「いもうと」を意味する新漢字だ
あんよ:うはー
らむだ:会話中に思いついて、美森勇気氏に昨年作ってもらったものだが
らむだ:読みは「いもうと」のほかに「しすぷ(る)」「おにいちゃんだいすき」など

あんよ:これの部首ってどうなってるの?
らむだ:例えばDVDボックスの全員絵を基準とすると、上の段の左から順に、
らむだ「鈴凛・衛・花穂」「春歌・可憐・咲耶・千影」「白雪・四葉・雛子・鞠絵・亞里亞」となる
らむだ:だから、「りんりんまもるよつばかんむり」とか「りんりんはるかしらゆきへん」とか
あんよ:「りんりんはるかしらゆきよつばひなこまりえありあにょう」とか
らむだ:「りんりんはるかしらゆきまもるかほちかげありあよつばひなこまりえかまえ」とか
あんよ:うは、しかも書き順通りの並びで
らむだ:それはともかく、このさい君に託すことにしよう

あんよ:あ、ありがたく頂戴いたします。
らむだ:大切にするように
あんよ:ははー。って、別にあんたに感謝する必要はないような。
らむだ:わ、ひどいです
あんよ:あんた右から左へ渡してるだけじゃない。
らむだ:まあ気にするな。そしてこの文字ごと「らむだ」等も再び授与
あんよ:おわー
らむだ:チチチ
可 憐:同じネタが続くと飽きられますよ?
らむだ:そしてマンネリし続ける

あんよ:ページの終わりまで、ずっと。

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