姉妹の身長差
「第一子よりも第二子の方が大きい」という噂があるのだが、簡単に入手できる統計データから、これを確認することはできないようだ。同一母体から生まれる第一子と第二子の身長差とは全く独立の議論になるが、年齢による子供の平均的な身長差がどれくらいあるのか、というのは以下のような方法で知ることができる。
まず、1997(平成9)年6月に実施された「第11回出生動向基本調査」によると、
第一子出産:平均19.49ヶ月 第二子出産:平均33.95ヶ月
とされることから、二人兄弟(姉妹)の年齢差は平均で14.46ヶ月(1.2年)となる(第12回調査も既に行なわれているが、まだクロス集計データがオンラインで公開されていないため、こちらを用いた)。初等〜高等学校教育の学年でいうと、これは二学年分に相当する。次に 平成15年度学校保健統計を使って、二学年分の違いが身長差にどれくらい効いているか見てやると、兄9歳(弟7歳)、姉11歳(妹9歳)までは、7割ぐらいの兄弟・姉妹の間に身長差がある(平均から一標準偏差の範囲が重ならない)。逆にこの年齢を超えると世間の相場では年齢差の影響よりも個体差の方が強く出る。同様の計算を兄妹および姉弟について行なうと、兄9歳(妹7歳)以下および兄14歳(妹12歳)以上と、姉8歳(弟6歳)以下および姉11-12歳(弟9-10歳)の期間のみ、年上の方が背が高い可能性が大きい。
余談ながら、「シスタープリンセス」年長組(咲耶・鞠絵・千影・春歌)の身長は159, 148, 157, 156cmと設定されているらしい。一方、彼らが15歳以上の高校生であるならば、リアル世界の同級生たちの平均身長は157-8cmで標準偏差は5.3cmである。病人らしく鞠絵だけは平均から一標準偏差の範囲から逸脱しているが、それでも同級生の大体、1割ぐらいは同じぐらいの身長である(残り1割は背が高い方に振れている)。残り3人の身長は平均並で、最大3cmの身長差も一標準偏差の範囲に収まっている。だから、この3人の身長差から統計学的に年齢差を推定することはできない。