本サイトでは、西洋占星術を用いた、ゲームキャラクターの性格分析を行っている。その原理について、以下に概略を述べる。
占星術の世界では、天動説の立場に立っており、12惑星（月・太陽を含む）が黄道上の12星座の上を移動していると考える。定義上、太陽はちょうど一年かけて、黄道上を一周する。惑星の移動速度は理論上、地球からの距離が近いほど早く、例えば月は一星座を平均2.5日で移動する（一ヶ月で約１周）。水星・金星は一星座に１月弱、土星は２年半ぐらいかかる。
各惑星はそれぞれに特徴的なエネルギーを持っている。そして、黄道上の12星座は、これらの惑星の支配下にあって、それに対応した性質を持つ。どういう惑星が、どういう星座に入るか、ということで、その力は結果的に２つの惑星の性質を帯びることになる。更に複数の惑星が特定の位置関係（アスペクト）にあった場合、それぞれの惑星のエネルギーが調和・対立することで、更に複雑な事態が生じる。この辺をより詳しく知りたい人は 「占星術入門（for biginner）」や 「Astro.Note」 、 「Astrogy」といったサイトを参考にされたい。また有名な魔法結社である「 The Golden Dawn」(G:.D:.）は、ユダヤ神秘思想における「生命の木」（オツ・キイム）のセフィロトと、それを結ぶパスに、タロットカードや惑星・星座を割り当てることで、それぞれのものが象徴するものを体系的に整理している。この 象徴体系 が頭に入っていると、何かと便利がいいので興味のある人は「神秘のカバラー」（D.フォーチュン 国書刊行会 1985）でも読んで学習を深めると吉。
伝統的な西洋占星術の考え方に従えば、人間というミクロコスモスと宇宙の間には対応関係があるとされ、特に生まれた瞬間の宇宙における惑星の配置が、その人の性格に大きな影響を与えるということになっている。ホロスコープが示すのは、複数の惑星によって象徴されるエネルギーが、その人個人の心の内部でどういう風に存在し、互いに影響しているか、というものだと心理占星術では説明する。この説はかなり色濃くユング派の精神分析学の影響を受けている。太陽から土星まではパーソナルプラネットと呼ばれ、個人レベルの意識・無意識に力を及ぼし、外惑星である天王星・海王星・冥王星は集合的無意識レベルで、社会全体に影響を及ぼす。これは外惑星の軌道が長く、同じ星座にとどまる時間が長いことからも導き出される結論である。
バースチャートのどの星座（宮）にどの惑星が入っているか見ることで、基本的な性格の傾向を伺い知ることができる。その全体像を見るには「２・３・４区分方」を用いる。便宜上、地球から近い順番に太陽・月を５点、水星・金星・火星を３点、木星・土星を２点、外惑星（天王星・海王星・冥王星）をそれぞれ１点とし、各星座に入っている惑星の合計点数を算出する。これを以下のチャートと照合することで、クオリティおよびエレメントの分析を行う。火と風のエレメントは能動的な男性原理を象徴することから陽、地と水のエレメントは受動的な女性原理を象徴することから陰として、それぞれの合計点から陰陽のバランスを求める。クオリティについては下表のC:カーディナル（活動的）、F:フィックスド（安定性・頑固さ）、M:ミュータブル（順応性・適応性）に３分される。また12星座と４エレメントについては次の照合関係がある。
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特に性格に大きな影響を与えるのは、出生時点における太陽の位置と、その時に地平線から昇ろうとしていた星座の位置（アセンダンス）であるとされる。いわゆる「○○座生まれ」というのは、太陽が黄道12宮中の、その星座の位置に来ていたことを意味する。これは「自我」、すなわち「本当の私」という意識がどのような傾向を持つかを示す。一方、アセンダンス(ASC）はその人の形成する「ペルソナ」の傾向を示す。つまり、外面（あるいは他人からみた性格）にはこちらの影響が無視できない。ただしこの算出には出生時間がかなり大きく効いてくる。ASCから結果を読み取る場合、その支配星がどの星座に入っているかという点も参考にするので、結果として同じ誕生星座を持つ人であってもそのバースチャートから得られる性格付けは、かなり異なることがありうる。誕生時間が分からない場合は、太陽の位置をASCとみなして、そこからハウスを30度ずる分割する「サンライズチャート」法が用いられるが、これはかなり誤差が入ることを覚悟しなければならない。
いずれにせよ、大まかな出生地と出生日までは分からないと、ホロスコープは作成できない。そのため、本サイトでは以下の方法でキャラクターの出生日を推定している。
多くの18禁ゲームは 大人の事情で、「学園」なる謎の教育組織が舞台とされていることが多い。この組織は実在する教育機関と極めて類似した教育課程を持っていることから、バーチャル世界における学年を、リアル世界における学年と同一とみなすことができる。その上で、キャラクターたちの所属学年を、周辺状況から推定する。これが当該ゲーム等が発売・放映された時点のものであると仮定して、その時点におけるキャラクターたちの年齢を推定する。学校教育法によって入学・就学期間が定められていることから、中学校卒業時点までの年齢は確実に計算できる。事実上、「中学浪人」「高校留年」の可能性が排除されると考えるならば、高校卒業時点までの年齢も同様に算出できる。
幸いにして、多くのキャラクターについては「誕生日」までの情報が公開されているため、早生まれによって年齢計算が狂う可能性はない。よって以上の方法で、キャラクターたちの出生年月日までは特定できる。誕生地のデータは分かるに越したことはないが、出生時間よりは結果に与える影響は小さい。
以上のデータが出揃えば、後はホロスコープを作成するだけである。どんな入門書を見ても、作成方法は掲載されているのだが、今時は奇特な人が ホロスコープ作成サービスを無料提供していたりするので、それを使ってもよい。あるいは「妖精現実」のサイトで配布されているフリーウエア「AstroLogia」もお勧めできる。
（文献）
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