(7)みすずちんゴールの日

 「もうゴールしていいよね」

ということで、最後にみすずちん(Air)がゴールする日のチャートを読んでみよう。ゲーム世界の暦が現実世界の2000年と合致することから、事件が発生するのは2000年8月14日(月)であるとし、そこから出生年を逆算すると、観鈴の出生日は1983年7月23日となる。これをもとにしてネイタル・セカンダリープログレスおよびトランジットの各チャートを作成する。

 1982年11月から1983年8月(オーブ3度)にかけて、土星と冥王星が天秤座と蠍座の境付近でコンジャンクションいた。観鈴の場合もネイタルの土星と冥王星が天秤座(28度・27度)で強い合となっている。いずれの天体も動きが遅いので、約17年後のプログレスチャート上でもほぼ同位置(天秤座29度と27度)にある。これらの天体に対して、ネイタルの太陽(蟹座29度)とプログレスの火星(蟹座27度)がスクエアに位置する。天秤座の土星は対人関係への恐れや抑圧を象徴し、この根源的な開放を冥王星は促している。これは蟹座の太陽が象徴する母性像への退行と対立し、進行してきた火星がそれを更に激化している。

 次にプログレス天体とトランジット天体の関係を見てみよう。プログレスした太陽は蟹座から獅子座16度まで移動している。一方で事件日のトランジット火星は獅子座8度で、これに接近中である。トランジットの月(水瓶座8度)はトランジット火星と衝で、しかも逆行中の海王星(水瓶座4度)と弱い合。ここから読み取れるのは、当人もよくわからないような感情が、ドラマティックな自己改革を無駄に後押ししている姿である。さらに水瓶座の支配星であるプログレスの天王星は射手座5度で逆行中で、これが双子座0度のトランジットの土星と衝。射手座の支配星であるプログレスの木星も射手座1度にいる。つまり変革を求める力はかなり大きく拡大されているのだが、それが無意識的な恐れと強く対立していることが、ここから推測される。しかもプログレスのカイロンは双子座2度とプログレス土星と合であることから、その恐れが彼女の心の傷に由来するものであることも示されている。

 以上の結果より(前世の因縁云々はさておき)、観鈴ちんの対人関係の問題の原因はその母性像に由来を求めることが可能で、かつそれを自分で克服すべき運命をもっていたのだが、一方でそれに対する恐れももっていた。時の流れによって内面(プログレス)および外面(トランジット)的な状況が変わったことにより、ちょうど事件が起こる時期に、その矛盾が激化していたことがチャートから読み取れる。


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