(4)みさき先輩事故日の推定

 次は「ONE」のみさき先輩を取り上げる。彼女は小6の時に学校で事故にあって失明したことになっているので、その事件が発生した日を推定する。誕生日が1980年6月3日なので、小6の期間は1992.4.1-1993.3.31。トランジットの火星の運行に着目すると、怪しそうな日は1992.4.12と1992.8.12の二つで、ネイタルの火星(乙女座11度)とそれぞれ、オポジッション(魚座11度)とスクエア(双子座11度)に位置する。しかしストーリー中に「目が見えなくなったとき、一番悲しかったのは、ドラマの最終回が見られなくなったことだった。」という記述があることから、4月第2週というのは不自然である。更に後者の方がチャレンジングなアスペクトが多重に重なっていることから、みさき先輩の事故日は1992年8月12日であると推定する。参考までに書いておけば、この時期の水曜ドラマ枠で放送されていたのは、 「逃亡者」(フジテレビ:10時)・「教師夏休み物語」(日本テレビ10時)・「はぐれ刑事純情派(V)」(テレビ朝日9時)などである。

 もともと、みさき先輩のネイタルチャート上では太陽(双子座12度)と火星(乙女座11度)がスクエアである上に、火星とカイロン(牡牛座15度)もトラインである。そして事故が起こった日にはトランジットの火星(双子座11度)がネイタルの太陽の真上に来ており、当然、それはネイタルの火星とスクエアに位置している。これだけでもかなり「事故・手術」といった不幸なことが起こりそうな雰囲気が出てくるのだが、更にトランジットの土星(水瓶座15度)がネイタルのカイロンとスクエアの位置で逆行している。土星は「試練と世界の制限」を象徴することを考えあわせると、事件によって心に傷を負い、自分の世界を制限することになったと読むことができる。

 これに加えて、当時は比較的、移動速度の小さい外惑星の配置も厳しい配置にあった。まず、トランジットの冥王星(蠍座20度)がネイタルの天王星(蠍座22度)に接近中である。次にトランジットの海王星(山羊座17度)と天王星(山羊座15度)がネイタルの冥王星(天秤座19度)と弱いスクエアに位置する。いずれも過激な形で根本的な価値観が変わるような出来事が起こるような暗示。特にネイタルの天王星はトランジットの土星とスクエアに位置するために、上記のようにネイタルのカイロンにもこのような強制的な革新の効果が及ぶ。つまり、数ヶ月スパンでヤヴァそうな時期に当たっていた上で、出生時点の特殊事情プラス火星の運行が重なって、不幸な事件が発生したものと結論される。


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