「マイシスター」検索の原理

 以下に「マイシスター検索システム」におけるシナストリー解析手法について概説する。シナストリー解析とは、男性と女性のネイタルチャートを比較することで、その相性を判定する、西洋占星術の技法の一つである。

(注意)

 基本的にチャート解析は全天体の入っているサイン・ハウスの全体像を見て解析すべきものであることから、かなり電算機合理化になじまない所がある。本システムに用いた手法はリアルな人間同士の相性診断に使用した場合、適切な回答を与えない可能性があるので注意されたい。またパラメーターの重み付けにもかなり適当な所があるので、本プログラムを再利用する人は自分のセンスで設定を変えた方がよいかもしれない。なお、チャートの正確な解釈を希望する人は、相手キャラの出生日データを持参の上で、専門の占術師に相談することを強く推奨する。というか、できるもんならやってみてください。

1. 全体像

 本システムで行っている作業は次の通りである。
  1. 入力された男性の出生日から、惑星の位置を計算する。
  2. 女性のネイタル天体と、男性の天体の位置関係から、シナストリー解析ルーチンを用いて、相性パラメーターを算出する。これは複数の天体の組み合わせについて行う。
  3. それぞれの天体の組み合わせに対応する相性パラメータを、適当な重み付けを行った上で合計する。その重み付けのパターンの違いで「おにいちゃん」度、「らぶらぶ度」、「およめさん度」の各相性値が算出される。
  4. 「キャラクター検索」を行う場合は、リストに掲載されている全てのキャラクターについて上記の操作を行い、相性値の大小にしたがってソートを実行する。
 このうち惑星位置の計算には"SWISS EPHEMERIS Free Edition"を利用している。女性については出生日データより同プログラムによってネイタル天体の位置を算出したものを、内部にリスト化して持っている。いずれも出生時間は日本標準時午前9時に固定している。なお、天体位置のデータは"AstroLogia"による計算値と1分(1/60度)以下の差しか生じないことを確認している。

2. 相性パラメーターの算出

 西洋占星術においては各惑星が「自我」(太陽)・「無意識」(月)・「男性性」(火星)・「女性性」(金星)を象徴しており、それぞれの天体が12サインのどこに入るかによって、それぞれの要素が特有の傾向を帯びると考えている。本システムでは2惑星のコンストレーション・アスペクトおよびディグニティから、相性パラメーターを算出している。

  1. コンストレーション

     男女の2惑星の組み合わせを考えた場合、それらが入っているサインの位置関係(座相・コンストレーション)は30度区切りの6通りとなる。惑星同士の相性のよさは、基本的にはこの座相によって決定される。便宜上、本システムでは下表1のように点数を割り当てている。これはどちらかの惑星が牡羊座0度に入っている場合を想定しているが、どの星座からスタートしても、2惑星の位置関係が同じならば同じ点数を与える。座相に基づく点数は+20〜+90の値をとりうる。

    表1 座相にもとづく点数
    サイン 点数 位置関係
    牡羊座 50  0-29度
    牡牛座 30  30-59度
    双子座 70  60-89度
    蟹座  60  90-119度
    獅子座 90  120-149度
    乙女座 20  150-179度
    天秤座 40  180-209度
    蠍座  20  210-239度
    射手座 90  240-269度
    山羊座 60  270-299度
    水瓶座 70  300-329度
    魚座  30  330-359度

  2. アスペクト

     本システムにおいてはサイン同士の座相が特定の位置関係を取っている惑星の組み合わせについてのみ、アスペクトの効果を判定している。下表2のように配点を行っている。オーブはメジャーアスペクトは前後5度、マイナーアスペクトは前後3度を取っており、オーブ0度から1度ずれるごとに0点に向かって1点ずつ加減点している。また、アスペクトに関してのみ、木星と土星の効果を見ている。男女いずれか(あるいは両方)の木星・土星が、男女のいずれかの惑星と有効なアスペクト(メジャーアスペクトのみ)を作った場合、下表2にしたがって点数を計算し、全ての点数を合計することで、アスペクトの配点を出している。アスペクトの配点は、合計で-15〜+15の値を取りうる。

    表2 アスペクトの配点(★はメジャーアスペクト)
    0度コンジャンクション+5点
    30度セミセクスタイル-3点
    60度セクスタイル+5点
    90度スクエア-5点
    120度トライン+5点
    150度インコンジャンクション-3点
    180度オポジッション-5点

  3. ディグニティ

     惑星が入っているサインによって、その惑星の持つエネルギーの質や強さは変化するので、男女の惑星同士が同じ座相を形成した場合でも、惑星が入っているサインの違いによって、その効果が微妙に変わると考えるべきである。ここでは惑星のエッセンシャルディグニティーを用いて、そこの補正を行っている。出生時間を考慮していないためにtermとfaceは除外した。triplicityは火星については昼も夜も同じなので+3 とし、他の惑星は+1.5として計算を行った。その結果を下表3に示した。男女の惑星について、表3より値を読み取り、その1/2の値を合計することで、点数を計算した。これを見てわかるように、ディグニティーにもとずく配点は-9〜+9の値をとりうる。

    表3 惑星のエッセンシャルディグニティー
    サイン太陽水星金星火星木星土星
    牡羊座+5.500-5+5+1.5-4
    牡牛座0+5.50+6.5-500
    双子座00+6.500-5+1.5
    蟹座0+500-10-5
    獅子座+6.50000+1.5-5
    乙女座0+1.5+9-2.50-50
    天秤座-40+1.5+5-50+5.5
    蠍座0-40-5+800
    射手座+1.50-500+6.50
    山羊座0-3.50+1.5+4-4+5
    水瓶座-50+1.5000+6.5
    魚座00-9+4+3+50

 以上まとめると、男女の2天体の組み合わせについて、下表4のような点数が得られる。

 表4 2惑星の組み合わせによる点数
最小値最大値
コンストレーション+20+90
アスペクト-15+15
ディグニティー-9+9
合計-4+114

3. 相性値の計算

 男女のネイタルチャート上の5惑星(太陽・月・水星・金星・火星)のうち、2惑星の関係から相性パラメーターを算出する(表5)。

表5 相性パラメーター一覧

(a)性格・理想像
 男性 女性 内容
a1太陽 太陽 本音の一致度
a2フィーリング・生活習慣
a3M太陽 男性→女性からの歩み寄り
a3F太陽 女性→男性からの歩み寄り

(b)恋愛感情
 男性 女性 内容
b1金星 金星 愛情表現の一致度
b2Ma金星 太陽 男性→女性の愛
b2Mb金星 同上
b2Fa太陽 金星 女性→男性の愛
b2Fb金星 同上

(c)せくーすの相性
 男性 女性 内容
c1火星 火星 体の相性
c2Ma火星 太陽 男性→女性の性的アプローチ
c2Mb火星 同上
c2Mb火星 金星 同上
c2Fa太陽 火星 女性→男性の性的アプローチ
c2Fb火星 同上
c2Fc金星 火星 同上

(d)コミュニケーション・思考パターン
 男性 女性 内容
d1水星 水星 思考パターンの一致度
d2Ma水星 太陽 男性→女性のコミュニケーションパターンの一致
d2Mb水星 同上
d2Fa太陽 水星 女性→男性のコミュニケーションパターンの一致
d2Fb水星 同上

 男女の惑星の各々の組み合わせについて、2. で述べた方法によって点数を計算する(コンストレーション・アスペクト・ディグニティーの値の合計点)。次に、これらの相性パラメーターより「兄妹としての相性」(おにいちゃん度)・「恋人としての相性」(らぶらぶ度)および「結婚相手としての相性」(およめさん度)を算出する。この3つは、各相性パラメーターに対する重みづけの違いによるものである。「兄妹としての相性」におけるa1,a2を10と見た場合の、各パラメーターの比率を下表6に示す。

 表6 相性パラメータの重みづけ係数

兄妹 恋人 結婚相手
a1 10 10 10
a2 10 10 10
a3M 3 5 7
a3F 3 5 7
b1 3 10 6
b2Ma 1.5 5 3
b2Mb 1.5 5 3
b2Fa 1.5 5 3
b2Fb 1.5 5 3
c1 0 5 2
c2Ma 0 2.5 1
c2Mb 0 2.5 1
c2Mc 0 2.5 1
c2Fa 0 2.5 1
c2Fb 0 2.5 1
c2Fc 0 2.5 1
d1 2 4 3
d2Ma 0.5 3 1
d2Fa 0.5 3 1
d2Mb 0.5 1 2.5
d22Fb 0.5 1 2.5

「兄妹」「恋人」「結婚相手」それぞれについて、各惑星の組み合わせによる相性パラメーターに重みづけを行った数値の合計点を算出した結果が、「おにいちゃん度」「らぶらぶ度」および「およめさん度」である。上表6より「性格・理想像との一致」「恋愛感情の強さ」「セクースの相性」および「コミュニケーション・思考パターンの一致」の寄与の大きさ(相対値)は下表7のように割り当てられていることになる。これが妥当と考えるかどうかというのはイデオロギー的な問題なので、不都合だと思う人は自分で表6のパラメーターを書き換えていただきたい。

表7 各要素の相性度への寄与
兄妹 恋人 結婚相手
性格・理想像 26 (68%) 30 (33%) 34 (49%)
恋愛感情 9 (24%) 30 (33%) 18 (26%)
せくーすの相性 0 ( 0%) 20 (22%) 18 (11%)
コミュニケーション 3 ( 8%) 12 ( 8%) 10 (14%)
合計 38 (100%) 92 (100%) 70 (100%)

 上表5に示したように、惑星の組み合わせには「男性→女性」(男性側)あるいは「女性→男性」(女性側)の方向性を持つものがある。各相性パラメーターを重みづけした上で、女性側の合計値から男性側の合計値を引いた値が「片思い指数」であり、この数字が大きいほど、女性側の一方的な思いこみが強いことを示す。なお、ランキング結果表示画面では両側から見た場合について、絶対値が大きい順にソートした結果を示している。


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