この作品は元々、「ぱじゃまそふと」の第1作「プリズムハート」のファンディスク「ぷりずむぼっくす」(2001年4月27日発売)に入っていたもので、この時の攻略対象キャラクターは「魔女っ子」と「巫女さん」の二人だった。2004年発売の「R」バージョンには、これに幼馴染の(コスプレ)「メイドさん」が加わり、ついでに「ぱじゃまちゃんるーむ2」に収録されていた「スズヨちゃんと一緒!」のフルボイスバージョンも付いている。発売は2004年6月25日だが、早々(2004.8.6)にロットアップしたらしい。
価格相応の小さな作品(10日間+α)だが、シナリオはあの「MAID iN HEAVEN」(PIL, 1998)を書いた 丸谷秀人/氏なのだから、ただの「キャラ萌えゲー」で終わるわけがない。鈴音(巫女)はそれほどでもないが、音代(魔女っ子)の方は最初から最後までハイテンションで飛ばしまくりで、「純愛もの」のはずがなぜか最後は「触手もの」になっていたりするし、他にもいろいろと面白いネタが散りばめられているので、気楽に遊ぶにはよい作品と思われる。もっとも、この作品自身が「えろげのおやくそく」の上に立脚して作られているために、どのキャラクターも根拠不明瞭に主人公に入れあげているし、シナリオも「いかにもありがちな話を引っ張ってきました」といった感じが漂いまくっている。とはいえ、それでも落とすところにきちんと話を落とす所や、晶(メイド)やスズヨシナリオの笑いと泣きのバランスの取り方は、手馴れたプロの仕事という感じを受ける。
概要はOHPにある通りで、主人公の所に音代(姉)と鈴音(妹)の姉妹がやってくるところから話がはじまる。全くもって不条理なのだが、彼は両親の陰謀で、ゴールデンウイークの10日の間にどちらかを嫁として選ばなくてはならなくなってしまったらしい。余計なことに、彼の両親が幼馴染の晶まで焚きつけたために、彼女までメイドの姿で彼にアプローチをはじめてしまう。誰も選べなければ、それなりのエンディングになるが、誰かを追い掛け回していると個別エンドに入る。「スズヨが誰か?」というのは鈴音シナリオを読むとわかる(というより、事実上、スズヨがメインと言ってよい)。
(総括)
ある意味、お約束で固めた中途半端な作品ではあるので、キャラ萌え・ストーリーともに多くを求めない方がよいが、価格相応には楽しめる作品だと思う。追加シナリオにも力が入っているので、「ぷりずむぼっくすバージョン」が嫌いでない人にもおすすめ。
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