「Cafe Little Wish」

(パティシエ / 2003.2.14)

  2003年のバレンタイン・デーに「パティシエ」から発売され、その後、「 プリンセスソフト」からDreamcast・PlayStation2移植版が発売されている。CDレス起動不可。それなりのスペックのマシンを使っていてもシステムは不必要なほど重く、CPU使用率も常時100%。しかも突然、強制終了し、その際にクイックセーブのデータまで飛んでみたりする。攻略対象は5人。全9日間+αの話だが、ストーリーは最後の個別シナリオまで完全に一直線で、しかもほとんど共通パート。攻略は基本的に狙ったキャラに関係ある選択をしていけばOK。ボイスオンプレイの場合、一巡目は3時間ぐらいかかるが、(読み飛ばしを使えば)二回目からは一時間もかからずに終わってしまう。軽いノリで描き出される日常生活は読んでいて、たしかに楽しくはあるが、内容はない。9日目の後に一応、個別エンドが用意されているとはいえ、「中学校の文芸サークル誌」並に、陳腐な話をやる気なく並べているだけなので、あまり期待しない方がよい。まあ、はっきり言って「キャラに萌えられるかどうか」だけが評価を決める作品だろう。(セレス以外の)基本路線は「ふりふり系」コスチュームなのだが、「リリィ」の普段着はなぜか「ランドセル」付きだったりするので、幼女スキーな人にはアピールするところがあるかもしれない。あと、「白雪」(シスプリ)似のネコ耳娘(ミーナ)もいるので、そういうのが好きな人にも(以下同文)。


*以下、ネタバレあり。

 舞台は中世ヨーロッパもどきの城壁都市。セレス(女主人)の料理屋「Cafe Little Wish」に、一人の若者がやってくるところから話ははじまる。この無駄に態度がでかい男は食い逃げをしようとした所を店員たち(メルン・リリィ・ミーナ)にタコ殴りにされてしまう。この「記憶喪失」の男、結局、店で働いて支払いを「体で返す」ことになる。そんなある日、こいつと同じぐらい尊大な客がやってくる。(たまたまその場に居合わせなかったメルン以外は)その貴族を街で話題になっていた「暴れん坊プリンス」と勘違いしてしまう。

 この店には「特別メニュー」なるものがある。それを使って毎日、客や店の問題を解決して行くわけで、「つるペタなナイスバディーの女性をリクエストに答えて巨乳化するも、相手の男は貧乳スキーだった」みたいな楽しいイベントも発生する。そんなドタバタした日々の中、「暴れん坊プリンス」を探していたカレンが店に登場、どうしたわけか主人公を見て気を失った後、そのままそこでアルバイトをすることになる。

 ラストについてはキャラごとに微妙に違うが、いずれにせよ、主人公が「暴れん坊プリンス」だったということが露骨に判明する(というか、一部キャラクターを除き、早々に気がついていたりするのだが)。メルンエンドならば、例の貴族が彼女の「親が決めた許婚」だったとか、まあありがちな話が展開される。

(総括)ノリとしては「劣化版『パテにゃん』」といった雰囲気だが、キャラ絵はこちらの方が萌えヲタ向けだろう(妙に首が細長い所が気になるが)。一直線シナリオで最後の方で強引に攻略対象の話を展開するところは「炎多留 魂」を彷彿とさせるところがある。(炉に興味がない人なら)カレンかミーナの話がまだしも出来がよいと思われる。あと、「暴れん坊プリンス」という言葉を聞いて「暴れん坊天狗」を思い出した人は少なくないだろう。



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